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2004/01/09

フォトニックフラクタルに蓄積だぞ

 入射した光をゆっくり運ぶため、何年もたってから反対側から光が出て来るスローガラス(スローグラス)という概念をご存知か?もちろん、現実にはない物質で、『去りにし日々、いまひとたびの幻(ボブ・ショウ)』に出て来るSFの小道具の一つだ。1980年代に書かれた吾妻ひでおのマンガ(たしか『不条理日記』だったと思うが)に「くもりスローガラスを見る」とかいうのがあって、くもりガラスなのでアズマさんの思い出が、ぼやけてよく判らなくなっているというオチになっていた。
 こんな、ビデオカメラのように映り込んだ情景をしっかりと残すようなものではないが、光を、光として蓄えられるという可能性が出て来た。エネルギーの空中採取可能? 電磁波蓄える夢の宝箱開発という記事がasahi.comのサイエンスのコーナーに掲載された。
 フラクタル構造を持った27ミリ角の物体に、8ギガヘルツの電波を照射したところ、反射も等価もせず、物体内に電磁波が溜め込まれたという。照射を止めても1000万分の1秒程、物体内に電磁波が残ったというのだ。この物体は、フォトニックフラクタルと呼ばれていて、直方体を基本としたフラクタル構造になっている。2.7ミリ角の縮小版で試したら、80ギガヘルツの電波が溜め込めたという。現状、完成している研究はここまでらしいが、将来的には、数百テラヘルツの電磁波、つまり光に対応した大きさのものを作って、光を溜め込んでしまうことも検討されている。また、蓄積時間も、1000万分の1秒から、延ばすことを考えたいと言う。
 現状の1000万分の1秒から見ると永劫の長さだが、半日間蓄光し、半日間放射できるのならば、昼間の光を蓄えて夜光るエネルギーゼロの街灯が作られることになる。さらに組み合わせによって、昼間は自然光、夜は蓄光放射を使い、一日中働く太陽電池だって、考えられなくはない。また、自然光や周りを飛び交っている電波をどんどん溜め込み、電源や光源として使えるのだとしたら、永遠に待ち受けられるケータイとかに夢が膨らむ。
 もちろん、蓄積しておける時間や容量等が、どこまで延ばせるかが最大のキーで、「蓄積時間がねぇ」「蓄積容量がねぇ」「装置の体積がねえ」……といういろんな限界があって、「別に安価な代替法が在る」となっちゃうと、実用化に難ありと判断されてしまうことも考えられる。過去には、一時期はコンピュータのスイッチングに絶大な威力を発揮すると考えられた江崎ダイオード(江崎玲於奈博士はこれでノーベル賞を貰いました……)が、実装面での難が多くて、思ったように使いこなせなかったなんてこともあった。
 しかし、そういうマイナスの可能性を踏まえつつも、この研究に期待したいではないか。
 もちろん、用途はエコだの何だのというだけにとどまらない。電波遮蔽の一種と考えればステルス技術にも大きな影響を与えそうだし、基礎技術の一つとして使いこなせる日が来たら、あらゆることに応用が利きそうだ。

 なんか、ワクワクする話だ。

 あ、もう一つ。 ここからはヨタというか、空想上の話なんだが……。

 電波を飲み込んでしまうこの直方体フラクタル。アニメ『機動戦士ガンダム』の中で使われたミノフスキー粒子の振る舞いの一つ、立方格子(架空の「ミノフスキー物理学」で、プラス電荷とマイナス電荷のミノフスキー粒子(もちろん、アニメの中の存在)には、一定以上の密度になると、互いに引力・斥力が働いて、立方格子状に整列し、電波や電荷を帯びた粒子の移動方向を制限するという働き)に、何か似ているものを感じる。
 いや、電波吸収と、立方体というところだけなんですけどね……。

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今日も暑いですね・・。最近良くパソコンが不調だと言うお客様が多いのですが、電話だけでは、ソフトが原因なのかハードなのかの判断が難しく、実際に行かなくては分らない事って多いんです。しかし遠方になるとすぐ飛んで行く事はできません。急を要するお客様などには「こ....... [続きを読む]

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