馬鹿に鉄槌が下されたぞ
世の中には、とんでもない馬鹿がいるというのは、インターネットを見ていれば誰でも判ることだが、これはまた極めつけの馬鹿の話。
「アンディー」というハンドルの男が、「クリスマスに最新型の PomerMac G5 をプレゼントされたが、『オイラが欲しかったのは Windows マシンだ』といって、内部を全て取り外し、マイクロATXマザーボードの PC/AT マシンに作り替えた」という記事を、作業中の写真入りで、オーバークロッカーズ・ドット・コムというサイトに発表。なぜかこのサイトは今開けなくなっているが、urlは『http://www.overclockers.com/』なので、落ち着いたら訪問してみるのも良いかも。
当然、何千通だかの、熱心なマックユーザからの心温まる(例『地獄の炎に焼かれろ』『お前のための弾丸を用意した、撃ち殺してやる』等)の励ましのメールが殺到。彼のメールボックスはパンク。メールの多くは、ボックス・フルで受信拒否されたが、1300通程度は届いたらしい。慌てたこの馬鹿は、「いや、それはウソ。もともとドンガラ(中身無しの筐体だけ)を偶然手に出来たから、友達を騙すためにATマシンのマザーボードを入れてみただけなんだ」と弁明。コトの顛末はココに詳しいので、読んでみて頂きたい。
あと、「アンディー」が撮った写真は、ココにある。
掲載サイトのオーバークロッカーズ・ドット・コムの編集長の、「DELL機の中身を入れ替えた時には、『オレのデルを穢しやがって』なぁんて苦情は来なかったんだがなぁ」という反応が良い。まあ、 Win 機を更に高性能の Win 機に仕立てるのと、尋常でない高機能を誇る最新鋭MacOSX機を別に早くも凄くもない凡庸な Win機に貶めるのとでは、比べられよう筈がない。
まあ、あとからとって付けたような「偶然ドンガラを手に入れた」話を信じる人は少ないようで、現在も『熱心な』マックユーザの心温まるメールは止む事なく、「アンディー」は人並みに落ち込んでいるらしい。
しかし、出来心とはいえ、ヤっちまったことの責任は当然自分で取るしかない。「アンディー」が実際に何を考えていたかは知った事ではないが、これは、多くのMacintoshユーザにとっては、信教上の問題であり、宗教的受難なのだ。最初っから「ドンガラを貰った」と言っていたらこうはならなかったろうとは思うが……。
いや、冗談めかさず正確に言おう。自分がまだ買えない(or苦労してやっと買った)最新鋭機を、「アンディー」はその価値や良さを全否定して、ブチ壊して見せたのだ。これは、二十数年前にアメリカの議員さんたちが大勢集まって日本車をハンマーで叩きつぶした光景と同じ物である。議員さんや「アンディー」は、「自分の金で買うなり、プレゼントされるなりして、合法的に手に入れたモノをどうしようが、全く以てオイラの自由だ」と思っているのだろう。しかし、日本車を、国政に参加している議員さん達が嬉しそうにハンマーでたたき壊すと云うグロテスクな図、そして中身を安物の PC/AT 機に入れ替えられた可哀想な PowerMac G5 の図、その持つ意味とそこに発生する責任は、「鬱憤晴し」や「ほんの思い付き」などという言い訳でで許されるような、一過性のモノではない。
しかし、人の文化や価値観に土足で上がり込んで平然としている奴。そこに『死んじまえ』メールを送りつける奴。どちらも、殊程左様ににアメリカ的だなぁ。
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