新年会だぞ
今頃と思われる方も多いだろうが、2月7日(土)は、 T-con 2003 スタッフの有志の新年会だった。大会で苦労を共にした仲間の一人、牛丼仮面氏が、彼の近しい仲間に声をかけて、結構な人間が集まって、ワイワイと大騒ぎをした。
宴会は、牛丼仮面氏のマンションの共用施設の一つ、パーティールームを借り切って行われた。何人かの、料理を作りたい人間が先行して集まり、何種類かの鍋や様々な料理を作るという、すっかり定着したいつものスタイル。料理の腕を振るいたい人は昼過ぎに集合。特に料理を作らない人は三時間遅れぐらいで集合。ただキッチンが家庭用の物と同じサイズで、そう何人も厨房に立てる状況ではないため、今回神北家では、作る方に回るよりはすぐに喰える差し入れでも持ってゆくのが良いと判断。女房と二人で出かけて、デザートの洋菓子でもと思って、途中の新宿駅でデパ地下へ。
結局、新宿小田急のデパ地下をしばらく彷徨った後、ま、来週会えない連中もいるということで、チョコレートを買ってゆく事に。うちの女房が前々から一度買ってみたかったという、神戸のフランツという会社が作っているチョコレートに決める。神北自身もここのチョコはずいぶん気になっていたのだ。女房からみんなへの、ちょっと気の早いバレンタインということで、工具セットと、単品のボルトとナットを選択。ベルギー産のチョコレートを、イタリア製の工具の形に仕上げた物だそうで、写実的なのが美しい。これが、またよく出来ている。さすがにペンチこそ開け閉め出来たりはしないが、ボルトとナットは、ちゃんと回るのだ。
会場に着くと、既に15人か20人の人が。みんな見慣れた顔ばかり。主に、牛丼タワーで共に作業をしたメンバーなので、非常に気心が知れている。今回集まったメンバーの殆どが、去年の5月中旬から7月頭まで、SF大会のオープニングを飾る自主アニメを作った、スタッフ内の有志なのだ。
去年の作業で中核になったのは、経験者ということで、アニメの専門学校に行っていた二人。それに、同人誌で漫画を書いている人が何人か。それ以外は、普通に暮らしていて絵を描く事も稀という人ばかり。しかも、猶予期間は2ヶ月余り。無い無い尽くしで始まった作業だが、だんだんと大きくなって行った。この時の作業は、全面的にコンピュータによるアニメ制作を取り入れ、現在日本の多くのプロダクションで使用されているアニメ作成ソフト「レタス」のライト版を中核に置いていた。しかし、いくらライト版とはいえ、「レタス・ライト」を人数分揃える費用は勿論無い。様々な手段で、レタス上での作業を軽減した。まず、原画・動画は、動画用紙を使い、アナログに作成。これのスキャニングは普通に Win 機に繋がったスキャナから行われて、どんどんと蓄えられてゆく。コンピュータに強い奴が、 Win 上で動くフリーソフトの GIMPを導入し、そのスキャンした生データを加工する事を教えた。境界線の繋がりを明確にして、そこに色を流し込んでゆく。これで、いわゆる「彩色済みセル」の段階まで、1つも「レタス」に頼る事無く、ほぼマシン台数だけを限界に平行作業を可能とした。次に、それを「レタス」で撮影する。セルを組み合わせ、背景と重ね合わせて行うのだ。この後、纏めて映像化されたデータは、 PRIMERE による編集で、音と絵、そして細かなタイミングを調整されて、アニメになってゆく。
その作業の人海戦術を乗り切るために、スタッフの家で空いているセカンド機・サード機がかき集められ、牛丼仮面氏のマンションに運び込まれた。その機械は毎週末、牛丼仮面氏の部屋からマンションの低層階にある共用施設の会議室に運び込まれ、有志の持ち込んだサーバ機を中心にLANが張られ、十人・二十人という人が集まっては、朝から晩まで作業に没頭した。集まったスタッフの労力も凄いが、これだけの人数の昼飯を毎回、一人何百円かのカンパだけで、作り続けてくれた牛丼仮面氏の努力が無ければ、この作業は頓挫していたと思う。
結局、二ヶ月の作業期間を経て、全くの素人が寄り集まって作った三分ほどのオープニングアニメはなんとか完成し、SF大会当日のオープニングを飾った。しかし、作業が終わった後も、苦労を共にしたメンバーの結束はかなり固く。大会以降も、牛丼仮面氏の呼びかけで、度々こうして集まる。
今回は、冬ということもあり、主力は鍋。あと、面白いからということで、注文して、狩猟ものの肉を用意してくれた人がいる。鹿肉と兎肉だ。他にも、自分の焼いたお菓子を持って来てくれた人、料理を持って来てくれた人。いろんな人がいろんな物を持ち寄り、ワイワイ食べては話す。
鹿肉は知っての通り、牛をちょっとあっさりさせたような肉。そう、たとえるならば牛と鯨の間ぐらいのさっぱりした風味で、癖が無い。兎肉にはびっくりした。これまで、イタめし屋とかで出て来る兎肉の料理と言うと、真っ黒の肉が出て来たので、兎の肉とは元々そういう色をした物であろうと思っていたのだが、鶏肉のような薄ピンクの奇麗な肉だった。あっさりしていて鶏肉のようでもあるが、流石に鳥ではない。ちゃんと獣肉なので、ブタとかほどではないが、かなりしっかりしている。そういうものを喰いながら、いろいろな話をする。今年のアニメはどうだとか、最近のネットで話題になった話とか、牛丼がなくなったら牛丼仮面の名前はどうなるんだとか、最近どうしているとか、「週刊私のお兄ちゃん」がどうだとか、ありとあらゆる話題を話し込む。数時間なんて瞬く間に経ってしまう。
なんにせよ、こうやって大会の終わった後に、スタッフが何度も何度も集まってワイワイ騒げるというのは楽しい。この面白い場を用意してくれた牛丼仮面氏と、料理チームの面々に感謝である。
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