秋葉原にまた……だぞ。
うーむ。メイドさんカフェとかこういうのがあるのは知っていたが、小悪魔の宴LittleBSDという、新しいオタク向け居酒屋の告知に、クラクラ。
従業員を、おネェさん=小悪魔、ボーイさん=魔法使いの弟子、と呼んでいるのが笑える。ちなみに、自分でコスプレ衣装を持って行くと、時給が100円UPするそうな。
しかし、そこに需要があるからと言って、こういう世間様がオタクに向かって営業してくるというのも、いかがなものか。
オタクなんてものは、世間様の方向と自分の趣味との齟齬に、悩み、打ちのめされ、育たないといかんのではないか。情報が溢れていて、テレビにはオタク向け情報番組がいくつかあり、情報誌も10や20は出ており、玩具屋や本屋・映画ショップの片隅でホソボソと自分の趣向にあった物を探さずともビル1つアニメショップなぁんてものがダカダカ立ち並ぶこんな時代、ちゃんとした根性のあるオタクは絶滅してしまうのではないか。
あの『宇宙戦艦ヤマト』映画化決定以前の、『機動戦士ガンダム』本放映時の、『テクノポリス21C』や『クラッシャージョウ』劇場版公開時の「ここで俺たちが支えないと」という感覚を共有・経験して来た世代としては、溢れ出して来るようなオタク文化の洪水にどうもなじめない物を感じてしまう。
今、一週間に放映される新作アニメ・特撮等は、合わせて108本だそうな。その昔、30本を超えた所で『もう全部を追いかけられない』という声が、あったが、そんなものではない。1本30分として、週七日間休み無しに毎日まいにち8時間は見て行かないと追いつかない換算だ。アンパンマンのような幼児向けの物から順に削ったとしてもまあ、4〜5時間は、見ないと追いつけない。
しかし、この『追いつく』という感覚すら古く、今の受け手や、送り出している側には無いのかもしれない。かつては、全放映作品を見てこそ、はじめて始められる感覚があったが、いまは、洪水の中で、自分の取り入れる物と流してしまう物を瞬時に取捨選択してゆく事が要求されているのだ。
まさに拡散と浸透。まさに百花繚乱。
しかしこんな時代にこそ必要な、良い物を見つけ粗悪な物を排する取捨選択の目を持った、かつての月刊outやアニメックのような、独自に面白い物を見つけてプッシュしてくれる羅針盤が、今のオタク周りには存在しない。
アニメ誌と言うと、取捨選択を諦めてどのアニメも横並びにページを割いてゆくのが、今のスタンダードだ。読者からの反応の大きさで前の方の広いページに特集される事はあるが、基本的になんでも扱い並べてしまう。
しかし、専門誌というのは、別に総合誌でなくても良い。今こそ、俺の本は俺の好き嫌いで記事を決めて行くぞという方針を前面に立てた、何之何某責任編集雑誌が、必要なのだ。
小悪魔居酒屋の広告サイトから、そんなことを思う今日この頃……。
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