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2004/03/23

池袋は美味しいぞ

 2004年3月21日日曜日、神北は疲れていた。ま、全日の狂乱を見ればお解り頂けると思うが、へろへろだったのだ。

 こーゆー時は喰うに限る。(決然!)

 ということで、女房と二人で、どこかに気晴らしに美味い物を喰いに出かけようということにする。で、『ポポロクロイス』も『鉄腕アトム』も観終わったというタイミングで思いついたのが、つい先日、作家の高嶋規之氏とフラっと入ったら、大当たりだった中華。台湾料理で、お茶が美味しくて、値段的にもワリと安価に納まる店だ。しかも、信号待ちまで入れて池袋駅西口徒歩3分無いんじゃないかと云う、至便の立地。ホントは、そろそろ久しぶりに松戸のガンダムミュージアムを再訪しようという計画立てていたのだが、急遽、食欲に導かれるままに計画変更である。
 どうせならということで、池袋に出易いあたりに住んでいる古市くん真庭くんにお誘いの電話を掛ける。
 まずは古市くんに電話。取り敢えず携帯に電話を入れてみる。
 「あ、ごめんなさい、今ちょっと実家の方に帰っていまして」
「あいやぁ、それはご苦労さん」
「何でした?」
「や、メシを喰おうと思って誘っただけなんだ。ごめんよぉ」
「呼ばれても、4時間ちょっと待ってもらわないと……」
「ほー、来るンやな? 四時間で……。兄ちゃん、待ってまっセ〜……」
「あ、いや、実は明日帰る予定なんです」
「了ッ解、了解。じゃ、また今度」
というわけで、古市くん不在。続いて真庭くん。
「あ、ふぁふぁい、まにままンまス……」(『仮面ライダークウガ』のグロンギ怪人のコトバみたいだが、確かに奴はそういったのだ!)
「神北デス」
「あ、おふぁよーごないまふ」まだ発音が寝ている。「……何でしょう?」
「美味い飯でも喰おうかと思ってさ。どう?今日のバイト何時から?」
彼は、池袋で本屋の店員をしている。
「5時からです」
「じゃ、よかったら、メシくわねーか?」
「いいっスねぇ」
「ンじゃ、池袋に着く時間が判ったらまた電話するわ」
……ということで、お出掛け先、決定!

 新宿と秋葉原を起点に東京を把握している神北にとって、池袋という土地はどちらかというと、土地勘が無い。つまり「アウェイ」である。
 そういえば20年ほど前に、新社会人になり、就職で東京に出て来た頃、その年の12月にゴジラに倒されて踏みつけられることになるビルにある新宿の本社に。新人研修のために通っていたのだが、金曜日の仕事の後、夜12時頃からのオールナイトでゴジラ映画を何本かまとめてみせてくれる特別上映か何かがあった。これに行こうとした神北は、はたと気づいた。池袋って、ドコ? 記憶を辿り、気付いた。「そうだ、いつも通勤に使っている営団地下鉄の丸の内線の終点が、たしか池袋だった。なぁんだ。丸ノ内線にずーっと乗って行けば着くのかァ。か〜んたん!」
 東京の地理に疎い人に簡単に説明しておくと、丸ノ内線というのは、環状線ではないが、ひらがなの『し』の字型の路線で、東京の中央部をぐるりと回り込んでいる。その『し』の跳ねた先が終点、池袋にある。
 そーかそーか、移動法が決まったぞと、気を良くして歩いて来た神北は、西新宿のロータリーを回り込みながらハタと気付いた。「まてよ、ひょっとかして、何か他の線を使うと、もっと近いんじゃないか? 東京って、いろんな路線が複雑に走っているから、よく確かめてみないとなぁ……。
 慌ててカバンから取り出した「ぴあ」に付いていた地図を見て愕然としましたわさ。東京を小回りに一周する丸の内線に対し、もう一回り大きく廻っているJR山手線だと、ピっと4駅で池袋まで行けてしまうではないか。くそー。東京めー。俺をたばかったな〜〜! (注:当時は無かったですが、今はJR埼京線を使えば、新宿←→池袋はノンストップ隣駅で、さらに便利)
 そんなわけで、池袋には、映画を見によく出かけて行くようになったし、その直後ぐらいから、よく顔を出すようになったクリコンというSFサークルの例会が、当時、池袋の喫茶店だったので、かなり通うようになったが、それでも、なんとなく池袋は「アウェイ」なのだ。

 池袋について真庭くんと合流。その店が開いてなかったらイカンと、とりあえず店情報本は持って来たが、第一目標はやはり、くだんの中華屋だ。一度しか来たコト無いが、意外とあっさりと見つかった。
 一時間半、注文し放題2,500円というコースを人数分。それにジャスミン茶を注文する。真っ先にお茶が出て来る。スープ皿ぐらいの水盤の中に急須が置かれている。その蓋を開けて溢れるぐらいに湯を注ぎ、深皿の中に捨てる。これは、乾燥している茶葉をまずになじませるのと、保存中のホコリを落とす為でもあるらしい。その湯に、小型のチョコほどの小さくて深い茶碗を3つ放り込んで、湯に浸してクルクルっと洗い、茶托にポポポンと置く、次に、湯の張られた水盤の真ん中にある急須に湯を注ぎ、ほぼ間を置かずにサーバに移す。急須や水盤が、わが故郷四日市の万古焼きのような茶色い素焼きで趣たっぷりなのに対し、サーバは、大きめの紅茶用のミルクピッチャーみたいなヤツだったが……。このジャスミン茶、いわゆる香りだけのお茶より、かなり渋みが勝つが、脂っこくなる中華料理には、意外と向いている。
 三人三様に、適当に好きな物を注文して喰って行く。台湾料理に大根餅は欠かせない。台湾式のひき肉の入ったラーメン「タンツーメン」も忘れてはいけない。飲茶のオールスターを次々と制覇。何を喰っても美味しい。
 飲茶というのは、なんだか判らないが、話をするのに向いている。これはどうだ、あれを食べようと食い物の話を挿みながら、少しずつ目先の変わる料理を食べていると、ついつい「そういえば」とか「あれはどうなった」と云う話の接ぎ穂が、いっぱい生まれ易い。情報が商売を決める交易商人たちの故郷、華南地方に発達した文化だけのことはある。同じように少しずつ出す日本の懐石料理の静謐さと、中国の飲茶の躍動感、ここまで雰囲気に差があるのは何故だろう。やはり、自分の欲しい物を注文する文化と、主人の用意した物を用意された順に喰う文化の差なのだろうか。
 ジャスミン以外も試したいということで、途中でお茶を換える。ウーロン茶は凍頂烏龍茶だった。これは、渋みを美味く押さえてある丸い味で美味しい。お茶を換えてからもがんがんと喰う。
 やがて、一息ついた頃に「時間的にラストオーターですが、デザートとか如何ですか?」と訊いて貰う。ちょうど良い頃かげんに満腹して来たところだった。甘味系を頼んでしばらく待つ。これもそこそこ美味しい。
 一人前500〜600円のお茶×3人前×2種類をプラスして、3人でわいわい食事して税コミ1万円チョイ。うーむ。なかなかよい費用対効果だ。ここは使える……。
 その後、池袋サンシャインの東急ハンズをぶらついてから、コンピュータ関係の本を探しに池袋の本屋を廻り、ゆっくりと帰って来た。うーむ。なんだか、ハネを伸ばしたぞぉ。

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