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2004/03/29

花見と法事。しこたま日本人だぞ

 先週からこっち、2軒のお花見をした。
 1つは、講談社のガンダムヒストリカ・チームのお花見で2004年3月25日(つまり先週の木曜日)、会議の後の夜桜観会だった。雨の降る日だったのだが、古風な座敷をお借りしてライトアップされた桜を眺めると云う、まさに『静』の美学だ。開け放たれた縁からの冷気を含んだ風が、妙に気持ちいい。ちょうど、ヒストリカの第一巻目が刷り上がってから最初の機会でもあったので、プロジェクトメンバー全員、現物になった仕事を眺めつつ、静かに気勢を上げた。

 残念ながら神北はその席を中座し、最終の新幹線で実家へ。今年は、親父の十三回忌と祖父の二十七回忌……と、うちの家族の年忌が3つも重なったので、法事に帰ったのだ。名古屋までの新幹線はもう少し遅くまであるが、そこから近鉄で実家の方まで行こうと思うと、遅くとも東京を9時30分頃には出ないといけない。東京で暮らしていると12時頃まで遊んでいても、横浜や大宮・千葉と云ったあたりまでならなんとか帰れるが、名古屋では、11時を過ぎると、既にヤバい時間帯に入る。東京より夜が早いのだ。今回も11時30分ごろの近鉄急行が、ほぼ最後の便だった。もっとも、これが20年前とかになると、更に終電は速くて、なんだが記憶の端に10時45分だか50分だかという、学生時代に刻み付けた数字が、未だに染み付いている。ここが帰れるラストタイムだったのだ。つまり、ここ15年程で30分以上夜が延びているのだが、それでも東京の旧国電(E電っていう呼称はもうヤメになったんだっけ?)や私鉄から見ると、30分から1時間近く早いタイムリミットだ。
 今回帰省して、自分の部屋の書庫で15年か20年ほど前に自分がサークルの情報誌に書いた、名古屋は夜の早い街だという文章を見つけた。昔から、自分自身、三大都市と云いつつも、終電の所為で名古屋の夜がちと早いと云うことに不満を抱いていたようだ。

 さて、金曜日に法事を済ませ、土曜日に故郷から名古屋経由で埼玉へと帰宅した我々は、この日、名古屋から今年の大会の打ち合わせの為に出て来ている名古屋くんに会う為に、帰省の荷を解くや否や、新宿へと取って返した。この週末、お互いに逆に動いているから、なんだかとっても間抜けな移動をしている。名古屋くんは、SF大会でゲゲボドリンクの部屋という企画を主宰していることで良く知られている、ちょっと独特な味の清涼飲料大量に収集している御仁だ。もちろん本来「なごや」という苗字ではない。いついかなる時でも流暢な名古屋弁で会話をするその姿に、ファンダムの友人が送った綽名が名古屋君だったのだ。爾来十数年、ファンダム内で彼のことは本名より名古屋くんの方がよく通る。今年の大会には趣意書メンバーとして立ち上げから参加。現在、企画局長の要職にあって、企画やゲストの取りまとめをしている。今回は、目玉企画のゲストとの打ち合わせの為の上京だった。
 打ち合わせ後、名古屋くんや、名古屋くんと同じくダイナ★コンEX以来の友人である永澤君の上京組二人と、東京でG-conを手伝うことにした竹内君、そして神北夫婦5人でメシを喰いに行くことに。打ち合わせの場まで一緒に居た藤澤兄弟の弟の方は、残念ながら先約があって途中退場。
 元々名古屋くんから、美味い中華に連れて行けという話があって集まったのだが、半日近くコーヒーまみれにになって打ち合わせを続けていた所為か、ちょっとゲッソリした顔で「あんまり喰いたくな〜い」と言い出したので、先日この日記にも書いた池袋の台湾料理は止め。急遽予定を変更しようとしたがアテが無い。すると永澤君が「マイシティーの駐車場に停めたから、マイシティー内で食事をすると、何時間分か安く済むかも」と言い出し、一行は新宿マイシティーへ。ここは北条司の漫画『シティーハンター』でしょっちゅう出て来るビルなので、知っている人も多いだろう。いわゆる駅ビルなのだが、7階〜8階がレストラン街になっている。前は8階が伊勢丹プチ・モンドという、伊勢丹が運営する大きなお店で、和・洋・中・喫茶部となんでも揃っていた。新宿で言えば滝沢と並ぶ打ち合わせのメッカで、何か打ち合わせをしていると2〜3組、知った顔が別のテーブルで打ち合わせをしているというような、出版界御用達のお店だった。大いに重宝したものだが、何年か前に大改装をしてプチ・モンドがなくなり、これ見よがしにワインを並べるようなタカビーな印象のレストランに変わっている。しかし、7階の方はそう驚く程ではなく、そこそこの値段のお店が並んでいるので、まあここかなと登ってみたが……。げっ……。店からはみ出した人が、ウエイティングベンチに納まり切らず、20人ぐらい行列を作っている! しかも、全部の店がそうだァァ。土曜の夕方を甘く見ていたぁぁぁ!
 しかたなく、再び街に彷徨い出た一行を、セゾンプラザの「ねぎし」へ引っ張って行く。ゆっくり話し込むのなら、1階下の咲くらが落ち着いていてベストなんだが、運転するから酒が飲めん、居酒屋は嫌だという声があって取り止め。まあ、定食を食うのなら、ねぎしも悪くはない。
 BSE騒動のあおりか、カルビ定食が無くなっていたが、テールスープは残っている。謎だぁ……。と云っていたが、よく考えたら、安全なウシがあったとして、安全なカルビを欲しがる焼き肉屋は多かろうが、テールは割と残るということなのだろう。神北は相変わらず、ねぎし定食ダブルである。

 久しぶりに名古屋くん達とメシを喰った翌日、日曜日。身内のMLを見ていたら、唐突に花見が決まっている。女房に相談して、昼から集合なので、ゆっくり『ポポロクロイス』『鉄腕アトム』の最終会を見た後に出かけることに。
 鉄腕アトムはとてもエゴイスティックな天馬博士の暴走・迷走が碇シンジみたいで、なんか、天馬博士も堕ちたなと云う印象。神北の好みとして、この人にはもっと超然としていて欲しいし、科学省の長官を任されるだけの調整力はちゃんと持っていてもらいたい。その上で、子供を失った悲しみに狂って行くのならともかく、これではハナっから単に心に脆弱性を抱えていた人が、自分の性癖を隠して社会の要職に就いちゃったことに端を発する、杜撰な未来社会じゃないか。
 それと比べるのもなんだが、『ポポロクロイス』はやはり、巧いお話し作りになっていた。ヒロインの母が命と引き換えに魔王を倒すような大きなドラマがありつつも、主人公たちがそのまま来週から別の冒険に出かけても不思議は無いような、世はなべて事も無しというカタチの終わり方をしている。無論、こういう終わり方が絶対ではないが、この『ポポロクロイス』というお話しにとっては、こうしためでたしめでたしは不可欠。そこをよく心得ているのが、心憎い。
 逆に、『鉄腕アトム』こそ、本来、こうした終わり方が必要だったのではないだろうか。というのは、神北が最初に見ていた鉄腕アトムは、言うまでもなく、最初のテレビアニメ版で、これは、本当に大きなピリオドを打つ終わり方をしていた。太陽の異常活動を抑える為に、アトムは、自ら太陽に突入して行って終わってしまうのである。これは手塚治虫の原作漫画と同じお話しなのだが、毎週めでたしめでたしで終わるのが常であった鉄腕アトムがもう帰って来ないと云う衝撃は、子供には大きく、放映終了後、随分泣きじゃくった記憶がうっすらとある。
 もし、これ以外の終わり方をアトムにさせるのならば、ロボット人権宣言などと云う、私が泣きじゃくった最初の白黒テレビアニメ版では第一話のラストには達成しているようなところを最終回の終着点にするのではなく、逆に、世はなべて事も無しというカタチをちゃんと見せることではないのか。大事件を挿まず、かつ、それを無事に着陸させることこそが、手塚治虫というクリエイターが後進に残した最大の宿題なのではないかという気がする。
 でも、お茶の水博士の人権宣言を聴きながら、寂しそうな顔で扉の奥にすっと消えるアトムはかっこ良かったよ。

 さて、で、お花見である。浅草でお花見をしようということで集まる。こっちのお花見は先週の夜桜と違い、『動』のお花見である。東武鉄道浅草駅の駅前には、イラクの子供たちの白血病を救う為に募金を集めている。5人ぐらいが入れ替わり立ち替わ寄って来るが、1分ぐらいじーっと相手の目を見てお話しを聞いていると、こそこそと逃げて行く。しばらくこの人たちを見ていると、メンバー5人集合。最後の一人も移動を開始した直後に合流成功。
 隅田川の西が浅草、東が向島。吾妻橋を向島側に渡り、非常に特徴的な金色のオブジェ(奇麗で清潔かつ公共性を重視した表現)が屋根に載っている吾妻橋ホールの脇を抜けて、牛島神社のある隅田公園の方に向かう。端から見渡すと隅田川東堤の桜は西堤と比べてちょっと開花が遅いような感じがするが、さらに奥の方まで歩いて行くと、公園のあたりは奇麗に咲いている。このあたりは、桜まつりということで、車の通行が止められ、歩行者天国になっている。公園の中に突入してみると、既に大勢の花見客が宴たけなわ。少人数だったこともあって、なんとか場所が取れる。缶ビール四百円。缶ジュース二百円。結構おカセギのようだが、どんな様子かも判らずに行くのでは、致し方ない。デカいクーラーボックスにいろんなモノを詰めて抱えて行って、結局場所がなくって持ち歩くだけになるリスクを考えれば、まあまあ納得価格だ。来年同じ場所を目指すのならば、少し作戦を練ろうと思う。
 隣は凄い集団で、コールマンの野外調理用2連バーナーで焼き肉をしている! ハっと気付くといつの間にか焼き肉は終わり、なんかミートソースの良い匂いが。こんどはパスタ食べてる! うーむ。なんかとってもアウトドアに手慣れているぞ。
 持ち寄ったり、周りの屋台で買って来たつまみをアテに、あーでもない、こーでもないと話している内に、5時近くになってしまった。我々が立ち上がった時、まだかなり多くの花見客が居たが、急激に体感温度が下がって来る中で、みんなよく頑張っている。神北はお酒が飲めないので、体があったまらないから辛いっス。もう限界ッス。
 もう一度吾妻橋を渡って浅草駅の方向へ。もちっと暖まるモノを飲み食いしたい。せっかく浅草なのでカミヤバーで電気ブランかなと行ってみるが、人で一杯。ちと諦めてふらふらと歩く。しばらく彷徨った揚げ句、なんとか良さげな店を発見。ここで一人帰って5人になった我々は、ちょっと洒落たスイシンバーというお店に入る。後で調べてみると、横山大観がこよなく愛した日本酒酔心の蔵元の直営店だそうで、なんかカッコいいんです。でも、決してタカビーじゃない。これが浅草流か。後になって考えてみると、蔵元直営店なのに、誰も酔心を注文してない。変な客でごめんなさい。
 結局、ここでゆっくりして、21時半ぐらいまで遊んでいた。
 なんか、法事から帰って来て昨日今日と目一杯羽根を伸ばした神北家であった。

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