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2004/04/30

救い主は『イエスのビデオ』におわします……だぞ

『イエスのビデオ 上・下』アンドレアス・エシュバッハ/平井吉夫訳(早川書房 ハヤカワ文庫NV 各840円)

 イスラエルの発掘現場で発見された二千年前の埋葬遺体には、近代になって開発されたアマルガム系の詰め物をした歯科治療跡があった。そして、副葬品には、ビニール袋に入れられた、未だ発売されていない新方式のSONYのビデオの解説書が収められていた……。

 刊行から既に、一年と二ヵ月。いまごろまで掛けてゆっくり読んでいる奴は少ないかもしれないが、今日やっと、『イエスのビデオ』を読み終えた。ずーっとカバンの中に入っていた本だ。読むものがない時にたまに取り出して、ちろっと読んではまたしばらくカバンの中に入っていると云う、まあ、ローテーションの隙間を埋める本になっていたが、何が良いと一手、どこからどう読み継いでも面白いのだ。何段にも渡って張り巡らされた謎と、愛すべき登場人物たち。どこを取っても波瀾万丈。誰もが一癖も二癖もあり、最初から曝されているにも関わらずに最後の最後まで、事件の全容は判らない。
 設定はバリバリのSFだが、テイストは冒険小説。SF的な謎解きが物語の大きな転機にならないから、SFというよりは冒険小説として売られたのだろうが、緊迫した丁々発止、幾重ものベールに隠された真実は、読者の前になかなか姿を現さない。
 あなたがもし、長い時間飛行機に乗ることがあるなら、もしくは、長い旅の間、ちょっとずつの空き時間に本を読もうと思うなら、ボリュームと、謎と、アクションと、爽快感充分な本作を、とにかくお薦めしておく。

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2004/04/29

男性コーラスと傀儡謡

 先日。「鉄人28号」や「絢爛舞踏祭マースデイブレイク」、そして「MEZZO」のオープニング・クロージングのCDを買って来た。
 「絢爛舞踏祭」は、この春始まったアニメの中で、一番神北がアタリと考えているアニメ。テーマはG★B  SHELTERの歌う「TAKE★BACK」と「ブランニューディ」。有り勝ちなロックだが、番組に好く合っていて、耳に心地よい。
 「MEZZO」は、地上波ではもう最終回まで行っているが、神北はCSで見ているので今ちょうど佳境。今より、もちぃっとバイオレンスな風潮に冒された近未来の東京で、危険代行業というまあ、いわゆる探偵屋さんをやっている三人組を主人公にした、一話完結のアクションドラマ。三人組のやっている会社の社長の黒川を、広川太一郎が、やっている。「ダンディー2」のノリでやっている。このノリに引きつけられたファンが盛り上がり、深夜アニメであったにも関わらず、黒川の台詞を収録したページなんてものが立ち上がっていたりもする。テーマはバーナビーズの歌う「スキマミマイタイ」と「蜜」。アップテンポなパンクロックって云えばいいのかなぁ。ぼやぼやしていると、スキマをミマワれちゃいそうな、活きの良い粋な曲。
 そして、「鉄人28号」。良くも悪くも鉄人で、良くも悪くも今川アニメ。とはいえ、良いも悪いもリモコン次第なのが鉄人だから、今川泰宏監督の腕の見せ所という訳である。歌うは六本木男声合唱団。三枝成彰団長のもとに集う数十人の男達が美声を披露している。曲は勿論「鉄人28号」と「進め正太郎」。つまり、モノクロアニメと同じ曲だ。旧盤はデュークエイセスをフィーチャーした軽音楽だったが、今回は凄い数の男達が歌っている。ただ、デュークの歌が力強く明るいのに対し、声楽的に正しいのかもしれないが、六本木男声合唱団はいまいち野太さに欠けるのが、ちょっとだけ気にかかる。
 とはいえ、三木鶏郎作詞作曲の歌は、カッコイイ。聞いていると力が湧いてくる。恥ずかしい話、「進め正太郎」も三木鶏郎だと思っていたが、実はこちらは伊東アキラ作詞・越部信義作曲だった。
 小さい頃の思い出が目を曇らせるのかも知れないが、この頃のアニソンは、完結でカッコいいなぁ。下手にロックにしてみたり、女声ボーカルで来るような細工を入れず、旧作の主題歌をそのままのテイストで、モロぶつけて来た今川監督の慧眼に感謝する。
 ちなみに、この鉄人のシングル、ソノシート世代には涙チョチョ切れるようなシカケがいろいろと仕掛けられていて、見てみると泣ける。是非。手にとって見て頂きたい。

 で、このシングル3枚と共に買って来たのが、「イノセンス」のオリジナルサウンドトラック。全12曲中、民謡歌手による女声合唱と和太鼓によるアジアンなテイストの「傀儡謡」が3曲(プラス、短い一言だけの曲が1つ)入っていて、しこたまアジアンノワールな世界に引きずり込まれる。詠唱と云う歌い方は、西洋音楽のコーラスのような喉の声ではなく、口腔や鼻腔までをフルに使った、バイブレーションの強い発声なせいか、脳に染み込んで来る特異なグルーブ感がある。これは、ロックでエレキギターをぎゅわんぎゅわん云わせるのと、効能的に似ているかもしれない。

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2004/04/27

ぷるぷる杏仁の皮を被ったオオカミだぞ

ぷるぷる杏仁の速報である。
IT Media モバイルの記事にこんなものがあった。

ニュース 2004/04/26 21:59 更新

脱いだらすごい「P252iS」を開発者が語る
「実は羊の皮をかぶったオオカミです」──。パナソニック モバイルの開発者が、こう表現するのがP252iS。可愛い名前や外見とは裏腹に、「中身はすごいんです」。

 なんだか、聞いているだけでスゴそうだ。
 ひと回り、ふた回り大きな端末と同じ、ポテンシャルの高いシステムを使い、小さくても押し易いキーを模索し、コンパクトに纏めては居るが、高機能端末だと言う。三層基盤の一番低い層に背の高い部品を配置して、ギリギリまで省スペースを計った……って、日本の実装技術の華みたいなコト言ってくれるじゃないですか。その基盤の納まる器も、金属・ブラスチック一体整形と云う、聞くだに地球に厳しそうな新技術。
いいんだけどねぇ。
 ああ、こういう「持ってみたい」端末をボーダフォンでも出してくれると嬉しいんだがなぁ。先日ボーダフォンからいろいろ出て来たコンセプトデザインは、どれも見てくれ優先で、ちょっとなぁ……。

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2004/04/25

サイボーグの世紀だぞ。

 ヨミウリオンラインによると、人口眼球が開発されたらしい。
 これは、眼鏡に装着したビデオカメラの映像をコンピュータで処理し、網膜内に埋め込んだ小型装置に転送、装置は16の電極を使い微弱電流を網膜に与え、モノが見えるようにするものらしい。
 眼科医療機器で世界3位のメーカーのニデックという日本の会社が開発した技術だそうだが、アメリカで半年か一年ほど前に始まった(んだか、始めると言ったんだかの)脳に直接電極を差して、映像を結ぶ実験よりは、手術が簡易そうだ。
 もちろん、失明原因は一種類ではない。網膜自身が悪くなってしまう症状の人も多い。この場合、このままの治療法では対処し切れない気がする。また、網膜より奥の視神経や脳の視覚野に失明原因がある場合、いくら網膜を刺激しても解決にはならない訳だ。つまり、この方式も万能ではなく、全ての失明を救うという訳には行かない。しかし、何割かの人の視力を蘇らせる事ができるならば、喜ばしい事だ。
 幼少期のかすかな記憶に、叔父が親類で始めてコンタクトにしたことが話題になった憶えがあるので、多分40年ほど前の事だと思うが、世の中にコンタクトレンズと云う「眼球に装着するメガネ」が広まりだした頃、人々はびっくりした。そんな怖い事をするのかと、想像するだけで厭がった人も多い。そして今回、今のところまだ特殊な例ではあろうが、「網膜に装着するメガネ」が登場した訳だ。
 今はまだ無謀な話としか思えないが、極論すると、眼球由来の近視遠視乱視、そして白内障などの視覚障害は、情報が眼球を経由しないこの方法でなら完全に駆除できるのではなかろうか。手術を伴う事が今のところのネックだが、メガネという言葉が、眼球を外から補うレンズのことから、網膜刺激型の人工眼のことに置き換わる日が来ないと誰が言えよう。コイツがこのまま広がるのか、更に進化してから広まるのかは判らないが、そのうち「メガネ屋の仕事」の半分が、ビデオカメラとコンピュータの調整になる日が来るかもしれない。
 

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2004/04/24

我を呼ばうる声がする……だぞ

 TBSラジオで、サタデー大人天国!宮川賢のパカパカ行進曲!!という番組がある。どんな番組かと云うと、「◯◯で△△しちゃったバカ大人」というのを募集する企画が中心の番組だ。たとえば、「ITで取り返しのつかないことをしちゃったバカ大人」なんかだと、……スナックで、「IT関係に勤めているんだ、普通に使うパソコンなんて簡単さ、シロートの悩みの99%は俺から見れば初歩以前だよ」と威張って言ったら、美人ママさんに「ウチのパソコン見て」と声をかけられた。喜んで家に付いて行った、と、そこには、ヤのつく自由業とおぼしき怖そうな旦那さんが居て、「頼むぜ、先生」と低い声で……。でも、その家のマシンはiMac、どうしてもおかしくなっている理由が判らず、いつまでもケーブルを抜いたり挿したり……なぁんていう、おマヌなエピソードを電話で募集し、本人に喋って貰うのだ。
 このパカパカで昔あった話で、「花粉症なのでマスクをしている。痩せようとゴム引きのサウナスーツを着てジョギングしていたら、暖かい日だったので朦朧として来た。と、目の前で、自販機の前の男と話していた女の子がこけそうになっている、助けようと寄って行ったら、そこで脚がもつれて倒れ込んでしまった。そのまま気が遠くなる。悲鳴を上げられたような気がする。やがて警察が来て、「おまえなんだろ、わかってる、判ってるんだよそうなんだろ?」といいながら、パトカーに乗せられた。」という話。結局この人は、暑い日にフードをかぶってマスクまでし、女の子に襲いかかろうとしたチカンとして逮捕されかかっていたらしい。そういう痴漢がこの辺りに出没していたのだ。お巡りさんも、てっきりこの人がその常習犯と思い、「おまえが、あの事件やこの事件の犯人なんだろ、わかってる、判ってるんだよそうなんだろ?白状しちゃえよ」と言っていたのだそうだ。結局、無実だという事は理解してもらえたらしいが、女の子は「ゼーハー荒い息をしたマスク男が覆いかぶさって来た」といい、少し離れたところの自販機でジュースを買おうとしていたらしいカレシは殺してやると息巻いているらしい……という話があった。
 怖いのは、この朦朧とした中で、「お前なんだろう」という曖昧な問いに彼が思わず肯定していたら、「お前が犯人なんだろう?」「はい」と自白した事にされていたという事だ。

 話は変わるが神北は、17〜18年前、不思議な体験をした事がある。残業で終電近くになって職場から戻り、実家の自室に帰り着いた時に起こった。ババっと服を脱ぎ捨てて、寝間着に着替え、ベッドにバタンと倒れ込んだ。と、何か部屋中がぐるぐる回っているような目眩を感じた。部屋中が、大の字に寝た自分のヘソあたりを中心とした大きな渦になって、下向いて引きずり込まれるような不思議な沈降感だった。目が回る事、立ちくらみ、金縛り、そうしたものに付き物の振り回されているような感覚がない。ただただ、体が回転しながら沈んで行くような印象だった。
 こういう感覚は始めてだったので、何か面白くなって暫く身を任せていると、どこからとも無く、切迫した若い女の声で、「判ってる? 判っている?」と訊いて来た。もちろん、何の事か明確には判ってないが、なんだか、判っているさと云ってあげたい懐かしさがあった。全てはゆっくり回りながら沈み込む夢の中のような世界での出来事だ。
 でも、何か気になるところがあってこう答えた。「判らない、判らないよ!」
 神北としては、説明を求めたかったのだ。判る事なら判ってやろうと思ったから、今自分がよく判ってないことを伝えたかった。すると、その自分の声で、スっと夢から覚めるように、現実界に引き戻された。
 自分の声で結界が裂けでもしたように、スッと状況がクリアになり、そこは一瞬にして、不思議な回転する世界から、日常通りの自分の寝室に戻っていた。
 取り残されたのだな……と判った。なんだか、行きそびれてしまったらしいのだ。それ以来、十数年経つが、ついぞ「御呼び」は掛からない。
 「お前が犯人なんだろう?」「はい」ではないが、もし「判ってる」と答えていたら、今頃自分は、どこで何をしていたのだろうか。ちょっと「惜しかったかな」と思わなくもない、休日の昼時である。

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2004/04/23

ぷるぷる杏仁だぞ

 最近の携帯電話は、いろいろと伸び悩み対策のためか、趣向を凝らしている。
 一番当たり前に思いつく事は、機能の強化だ。
 たとえば電池。消費電力を抑えたり大容量化を進めたりした結果、長話をしなければ一週間から十日は電池が持つようになっている。とはいえ話が長くなって一時間か二時間話すといくら大容量でも電池がなくなっちゃうから、まだまだ発展途上の技術でしかない。
 たとえはカメラ。カメラを搭載する事がアドバンテージだった時代に始まり、30万画素のカメラが50万画素、100万画素、そしていまや200万画素と機能強化している。とはいえ、レンズが安っぽいプラレンズである以上、どこまで行っても限界は低い。しばらく前のTVコマーシャルであったような「電話機能付きデジカメ」に割り切って、電池交換が容易で、レンズが明るいモノを作った方が良いんじゃないかと思う。
 たとえば、JAVA。最初は、ちょっとしたミニゲーム程度のモノが載せられる程度だったんだが、最近では、ドラクエが遊べるケータイなんて物まである。しかし、電池の限られた携帯電話で遊んでいるより、ゲームボーイを持ち歩く方が、よほどゲームには向いている。画面も大きいし電池も安心だ。
 たとえば、ボイスレコーダー。メモリを積んで、ボイスメモを取れるようにする機能は、かなり初期の頃からあったが、最近では、メモリスティックやSDなどのメモリカードのドライブを備え、MP3プレイヤーとして使える機種も増えている。しかし、やはりこれも、待ち受け時間が命の筈の携帯電話が、イノチを削っている作業に他ならない。
 こうした機能に対し、もっと電池や通信料に関わりのない部分で、付加価値を足す試みも盛んにされている。いわゆる「カッコイイ携帯」という奴だ。買い換え需要を呼び覚ますような、格好良さ頑丈さを持った携帯が、ここのところ増えている。
 しかし、格好良いを嗜好する人が居る場には、必ず逆に質実剛健を求める人が居る。そして、それと同じベクトルで可愛いを求める人も居る。その方策の1つが、わざわざボディカラーを ぴちぴちピーチ ぷるぷる杏仁 しゅわしゅわラムネ プチプチとまと ブルブルべりー と呼んで見せる、パナソニック製のドコモ端末。ピンク 白 水色 赤 藍 と云えば済むことをこう呼ぶことで、女性市場を掘り起こしているらしい。

 うーむ。では、『機動戦士ガンダム』をもっと女性向けするように持って行くには、「プチプチとまとの彗星」シャアアズナブルとか、「連邦のプルプル杏仁の悪魔」ガンダムとか、「ブルブルベリーの巨星」ランバ・ラルと呼ぶべきなのだろうか?

 うーむ。

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ココログに進出したぞ

 ニフティーのプログサービスココログに進出した。いろいろ検討してみた結果、やはり便利なのはBLOGGERよりココログということになってしまう。
 とはいえ、一気に移すつもりは無い。暫くは両方のBLOGを並行して使って行く事になる。

ブロガーの神北情報局 <旧> http://homepage1.nifty.com/K-taKamikita/blogger/blogger.html

ココログの神北情報局 <新> http://kamikita.cocolog-nifty.com/kia/

 暫くはどちらにも、同じ物を書いて行くが、何れはココログ1つに統一する予定。というのも、ココログの方には、コメントやトラックバックと云う、今日日としては標準的な機能が付いているため。最終的には使い勝手が大きく開いて来ると見込まれるから。
 まあ、神北情報局をよく読んで頂く皆様には、是非、早めに、読みに行く先をココログに移して頂くよう、お願い申し上げる。

 ここ数日、仕事用の3DCGのレンダリングを繰り返しつつ、1枚最低2時間とかの時間のかかっている間に、ネットに繋ぎ、この移行作業を行った。

 ます、最初に行ったのが、調査。ココログに登録し、最初に神北調査局というブログを立ち上げ、猛然と3つ4つを書き込んでみる。書き込む事に関しては、BLOGGERと同じ程度の機能を持っており、問題は無い。それより知りたいのは、BLOGGERには無いコメントや(ひょっとかしたらあるのか知らないが標準では無いためほったらかしていた)トラックバックの使い勝手、そして、機能として用意された最も重要なモノ。ブログデータのダウンロード・アップロードなどに付いて調べたのだ。
 ダウンロードは、思ったより簡単に実行可能。これは気持ちいい。テキストファイルになって落ちるそれを参考に、新しいテキストファイルでデータを作り、アップロード。アップロードによる記事の追加のテストだ。テストは難なく成功。
 テストが完成したところで、この調査局を廃棄。いよいよ、神北情報局の移行に掛かる。
 BLOGGERで、昨2003年の8月から書いて来た全データを、BLOGGER上で開いて、1つずつテキストファイルにカット&ペースト。ただ単にテキストファイルを取るだけなら「神北情報局」サイト上でで読めば良いのだが、BLOGGERサイト内のデータ編集画面の方では、タグが入った形で取り出せるので、移行データに向いているのだ。
 全部のデータを移送。データ日付も書き直す。この作業が、3時間ぐらい掛かった。
 完成したデータを、ココログに読み込ませる。ここいらへんが楽にできるのもココログの良いところか。
 おっと、ところが、エラーで停まってしまう。しかたないので、頭から書き込み項目5つぶんのデータを仮に上げてみる。OK成功。次に5つ。エラーが出る。まず1つ目だけ小分けしてあげる。これはOK。その次……。ここで始めて失敗。ん? 確認してみると、て入力した日付時刻がおかしな数字になっている。○時○分65秒。原本をあたってみると54秒だった。打ち込む時にキーを1つずつ間違えたらしい。テキストを読み込む時に、文字の羅列でしかない日付や時間を内部的にちゃんと日付変数・時間変数として変換しているため、エラーで撥ねていたらしい。そのエラー処理ルーチンの細やかさは認めるんだが、出来れば、撥ねた原因ももちっと詳しく教えてくれたら、オジサン嬉しかったナ。
 この後も、ちょっとした打ち間違いが撥ねられては確認修正して続きを読み込み……というのを続け、8ヵ月ほどの分を2〜3時間掛けてアップロードした。全部で、5〜6時間かかっているから、移行作業も、まあ、一日掛けの仕事だ。
 しかし、ここで作業が終わりではない。
 この後、BLOGGERにはなかったカテゴリーを入れ直さなくてはならない。もちろん、アップロードデータの時点で仕込んでおけば良いのだが、それはちょっと面倒そうだったので、全部をアップロードしてからハシから設定して行く。ちょっと時間がかかるが、これも、1時間か2時間程度で済む。
 取り敢えず、いろいろと試してみる予定だ。よろしくおねがいしたい。

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2004/04/20

久しぶりに遠出したぞ

 2004年4月17日〜18日の土日は、日常からぽっかりと切り離された休日だった。正月の帰省以来久しぶりにレンタカーを借り出して、思い切りドライブを楽しんだ。例によって三菱コルト。この車は、遠出をしても街乗りをしても、大きさも馬力もちょうどいいのだ。
 目的は、友人達と、伊豆で貸別荘を借りて、ひと騒ぎというわけだ。美味しい魚を食べ、夜っぴいてわいわい大騒ぎ、こういうリフレッシュは良いなぁ。
 友人の一人が、このためにかっぱ橋の厨房用品店で舟盛り用の舟を購入した。いわゆる旅館・居酒屋用の奴だ。ここに、近場の漁港で買った金目鯛とカツオを盛り、一緒に買ったホタテは醤油で殻ごと焼き、ウニやイクラも並べる。自宅から愛用の出刃と刺身刃を持ち込んだ友人も、包丁に良い仕事をさせられてご満悦。
 他にも、持ち込んだ料理や、地場の食材、お土産等で、賑やかな宴になった。
 一升八合の米を二回炊いた炊飯器も凄いが、喰い尽くした我々も、かなり食欲旺盛である。
 ここは温泉付きが売りの別荘で、6人ほどが一度に入浴できる浴場が男女それぞれついている。夕方、食事の前にひとっ風呂。朝方にもひとっ風呂。美味い物三昧伊豆の旅は、温泉三昧の旅でもある。
 ここに行く道すがら、食材を買った沼津漁港ですでに、このご馳走の旅は始まっていた。同行者の一人が、友人が経営していると云う漁港近くのレストランに連れて行ってくれた。店内はそこそこ地元の人で混んでいる。同行5人が1500円前後の「◯◯膳」みたいなのを、思う想う頼む。と、出て来た膳がデカっ!
 正方形の箱を四つに区切った松花堂弁当に、茶碗蒸しと椀物が付く程度のコトを想像していたら、それを二つ繋げたような、横長の長方形を八つに切り分けてあるデカい箱が乗ったお膳がどど〜ん。みそ汁も、椀に入れたらそれで終わりなのだろうが、わざわざ固形燃料コンロの上に置かれた海鮮味噌鍋仕様になっていて、ワタリガニがでんっと存在をアピールしている。
 「こ、これ全部で、千何百円ですか? すげー……」
 全員感激。経営者ご本人は居られなかったが、久しぶりに訪ねた友人とその仲間にという事で「電話で社長から言いつかりました」と仲居さんが持って来てくだすったのが、差し渡し40センチ近くある皿一杯に盛りつけられた刺身の盛り合わせ。デカい!美味い!かっこいい! 押し出しの効いた料理と云うのは、こういう物を言うのであろうか。ばば〜んと盛りつけられたそれは、漁港の地の利をフルに生かし、新鮮な物をふんだんに盛ってある。こりゃ繁昌する筈だ。
 ひとつ問題点があるとすれば、舟盛り用の材料を買いに来たにもかかわらず、この昼飯を喰った時点で「もう、魚は充分。夕飯はカレーだけでも良いかも」というレベルで、この買い出し隊全員が満腹してしまった事。
 さすがに土曜日で漁が休みのため、漁港でも鮮魚を売っている店は少なかったが、それでも鮮魚を商う店はあって、先に上げたような食材を買い足す。
 昼がこれで、夜がやはり先に述べたような勢いのご馳走攻めである。
 ここは、昔から仲間内でよく使う貸別荘。ほとんど新築の頃に一緒に行った友人が、ベランダから手持ちで打上げ花火を上げようとして、底割れして逆噴射し、焼けこげを作った床を、みんなで焦げ目をナイフで削ぎ落とし、ペーパーで磨いて、車のワックスを塗って誤摩化したと云う、曰く付きの場所でもある。
 ところがびっくり、今回行って、かの記念碑的床傷を探したが、ない! なんとそこは、四角く切り取られて、真新しい床板に補修してあったのだ!
 おーいS本〜! お前の悪行のひとつが消えたぞ〜!
 考えてみれば、十数年経つのだから、そろそろ補修が入って当然か。
 麻雀を始める者あり、持って来たゲームに興じる者あり。酒を飲み比べる者あり。さらには、春のアニメ新番組をみんなで見ながら、ああでもないこうでもないと話を始める者あり。意外と『せんせいのお時間』がいいね。もちろん『鉄人28号』はサイコーさ。
 こういうアニメをみんなで集まって観ながら、ああでも無いこうでも無いという話をするには、今は本当に良い時代だ。DVDレコーダーで録ってあれば、プレステ2やノートパソコンひとつでどこでもデータ再生が可能だ。しかも、頭出しの待ち時間も少ない。その昔、一抱えもあるようなビデオデッキと山のようなビデオカセットを持ち寄ってコンベンションをしていた事を思うと、夢のようだ。
 結局、その日は、三時頃までバカ話を繰り返し、翌日の運転もあるので、ここいらへんでみんな一斉に寝た。
 翌朝目をさましたのは五時頃、ウグイスだのなんだの、野鳥がかまびすしい。我が家の近所の雀がソロだとすると、こちらは大合唱だ。さすがに早いので眠り直す。再び起きると八時半。しまった、デカレンジャーをまた見損なったが、まあ、仮面ライダーを見なくて済んだのは幸いだ。まだ起きて来ない者も若干名居るようなので、このスキに朝風呂。専用浴室なので、好きな時間に好きに入れる。おー。気持ちいい。
 朝メシは、やはり有志の調理部隊によるみそ汁など。うちの女房も、最近編み出したカロリーオフの野菜スープを披露。これで神北は正月からこっち、十数キロ体重を落としました。有り難い事に、女房のスープも売り切れた模様。よかったよかった。
 さて、この後、片付けをして、出立。
 みんなでどうしようかと話をしたところ、せっかくここまで来ているので、小田原のお城の動物園で象が見たいと云う意見が出る。OKOK。じゃ、行きましょうという事になったが、これが思ったより大変。
 伊豆のちょうどへそ辺りにある宿泊地から小田原という事になると、東岸に出て相模湾岸道を北上する事になる。この東岸に出るまでがなかなか大変だった。カーナビさまの指し示すその道は、たしかに最短経路なのだろうが、間違っても観光客用に整備された道ではなかった。最終的に海岸沿いの集落を抜ける時など、漁師町の民家の屋根を掠めるように、急な坂道になった小さな路地を駆け下りる。
 山中を右に左に畝繰りながら走り抜け、一気に駆け下りた先は、一瞬にして海岸道路。伊豆って、開発され尽くした観光地のような気がしているけど、意外と交通事情はワイルドだ。そのまま、海岸線を熱海経由で小田原へ。このあたりの海岸線は、2000年の日本SF大会ゼロコンの打ち上げ宴会で伊豆に一泊した時、遅れて到着するメンバーを拾いに、車で走った覚えがある。熱海は熱海で、ニフティコンベンションの第一回がここで行われたから、何回も何回も通ったし、何泊も何泊もした思い出の地だ。その熱海から、湯河原・小田原方面へは、ずっと海岸沿いに短い有料道路がいくつも通っている。何度も何度も料金所があるのがちょっと鬱陶しい。
 うちの女房が「あれの中に、何の関係もない私立の料金所が混じってても判んないよね。」……ウーム。私立の料金所……確かに。
 途中、一旦みんなバラバラに。神北号はコンビニでトイレ休憩の後、一気に小田原まで走る。トイレ休憩をしておいてよかった。毎週日曜日に繰り返される伊豆脱出組の帰京ラッシュが既に始まっており、海岸沿いの有料道は混み始め、既に渋滞になっていた。小田原城の線路側にある駐車場に停め、お城の天守閣へ歩きつつ、携帯を掛けて他の車の様子を聞く。まだみんな到着していないらしい。じゃあということで、下の方の門に降りて行く。と、そこには「小田原手作り甲冑の会」の幟を高く掲げた鎧武者の一団が。団の中核は、70〜80歳には達していようと言うご老人方。つまり、オヤジたちのの武者コスプレである。従軍経験のありそうな爺さん達は、甲冑を着ても姿勢が良い。
 みんなが揃い始めたので動物園まで上がる。ここのゾウは、こっちの心を見透かして来るような賢そうな目をしている。最終的にメンバーが揃うのを待って、メシを喰いに行く事に。残念ながら小田原までは知識が無いので、駅に向かいつつ適当に店を探して行く。刺身や天ぷら・カツを出している和食屋に入る。アジたたき定食とか、刺身定食とかあったが、昨日の今日でまあ、いいかということで、神北は単なるチキンカツ。昨日の昼飯と見比べると明らかに見劣りするが、こっちが普通。
 このままここで解散予定なので、ワイワイ話し込む。一息ついて店を出たら3時前。
 先ほどの海岸道路以上に、オダアツ(小田原厚木有料道路)が混むので、神北としてはそっちに行く気はない。「オイラたち夫婦は、このまま箱根で遊んで、立ち寄り湯でひとっ風呂浴びてから、東名高速が空いた頃を狙って御殿場ICから帰るよ」というと、同乗者と同行車が現れた。計七人。車三台。
 「ここから、ターンパイクを走りましょう」という同行者の提案で、一気にターンパイクへ。ターンパイクは小田原城の駐車場から出てさほど遠くないところが起点になっている。大観山の展望台へ駆け上ると、耳がキーンと痛くなって来る。流石は箱根。思いっきり登っている。同行者が「いつもはソフトクリームを食べるんだけど、展望台がリニューアルで閉店しているから喰えないや」ということで、芦ノ湖へ降りる事に。芦ノ湖でソフトクリームを食べたら、次は「箱根は黒たまごだ」とばかりに、今度は大湧谷へ。だが残念。一番上の卵を茹でている脇の店は、5時になって営業終了。慌てて掛け戻ってワキのお土産屋でなんとか黒たまごをゲット。みんなで食す。一個食べれば寿命が七年延びると云うモノの「殻は真っ黒ですが、中身は普通のゆで卵ですね」「中まで真っ黒になるほど茹でてあったら喰いたくないよぉ」「ちょっと匂いが硫黄っぽいかな。」「でも卵って普通、硫黄っぽい匂いするじゃないですか」……
 店が閉まると急に観光客も引いて行く。我々も再び湖尻方面へと下山。そのまま仙石原を抜けて、乙女峠を越えて御殿場へ。目指すは御殿場市温泉会館である。
 ちょうど、夕景にさしかかった六時少し前頃、御殿場市温泉会館に到着。ここの風呂は、浴槽の脇が大きなガラス窓になっていて、御殿場市を挿んだ向こうに雄大な富士山がそそり立っている。まるで夕景の富士を独占しているかのような、絶景である。富士観風呂を堪能した後は、温泉会館の大広間でぐったり。昨夜の睡眠不足もあって一寝入り、三〜四十分眠ったようだ。その間、マッサージ機に体中をほぐしてもらっている者も居る。みんなで思い思いに惚ける。
 二時間券で入湯しているので、風呂の後、一時間も休憩したらそろそろ出なければならない。温泉会館から高速IC方面に下ると、途中に「渋滞2時間半」の表示が、ダメだダメだ。ゆっくりメシを喰って時間をつぶす事にする。
 適当にハンバーグがウリらしい店に入り、時間をつぶせるようにサラダバーやドリンクバーを付けた食事をする。なんだかサラダが美味い、そういや、この2日間、結構動物性蛋白質ばかり食していた気がする。
 結局21時半頃に、再会を期して解散。御殿場を出ることにした。同乗者の自宅近くをマーキングして出発。その間に残り二台の姿は既にない。が、走って行くと、インターチェンジのすぐ手前の信号で、見覚えのある車体が。そのまま、二台縦に並んで東へ。と、気がつくと、横にもよく見知った車が……。結局三台並走して港北パーキングエリアまで一緒に走る。さすがに渋滞らしい渋滞は何も無く、快走快走。そこで本当に別れて、同乗者を送りつつ、帰り着いたのが、24時頃だった。
 あー、面白かった。

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2004/04/16

均質なるマトリックスの向こう側、始まりの地に帰りなさいという声がするぞ

ココログ
 なんだかココログが良い。
 最近、毎日日記を書いている友人が、ココログにシステムを移したのだが、これが非常に良く出来ている。
 ウチの採用しているBLOGGERは、CGIと呼ばれるサーバ上で動くソフトウェアと日記の元データを保存しているデータベースはBLOGGERのサーバ上にあり、この今貴方が読んでいるURLに書き出されるものは単なるHTMLファイルの塊でしかない。おかげでほとんどの場合、他のページを見ようとした時に喰う手間は、HTMLファイルをサーバからユーザのマシンに読み込む時間だけである。前もって作ってあるページを読み込むだけなのである。これを静的BLOGという。特長は二つ。読み手にとって読み込みが早いことと、各ページのURLが固定するので検索エンジンに引っかかり易くなること。記事が増えればその分だけページが増える。云ってみれば、本のようなものである。
 しかし、一般的なBLOGは、CGIとデータベースを自分のサーバ内に置き、その場でページを作ってみせている。つまり、BLOGGERより、毎回の動作がひと手間余計に掛かっている。これを動的BLOGという。特長は、「このジャンルの記事だけを集めたページ」などと云った記事の選り分けが出来ること。弱点は表示までに時間がかかること。あらかじめ分厚い百科事典のような本があるのではなく、記事の内容を全部覚えていてくれる小人さんが居て、こっちの要求に応じてたった一枚の紙に、毎回内容を書き出してくれるのだ。
 しかし、まあ、BLOG用CGI開発者も、一種天才揃いであり、いろいろな対抗策を講じている。一番手っ取り早いのは、よく参照されるページや、旧い記事だけ先にHTMLにしておくこと。動的BLOGの自由度と静的BLOGの高速性・検索エンジンに対する親和性を共に備えている。
 で、ココログである。これは、MovableTypeという今一番普及しているんじゃないかと云うシステムをニフティ用に調整したものだが、友人のココログを見る分に、びっくりするほど早い。たぶん一部静的に置いてあるおかげなのだろうが、これはいい。気持ちがいい。
 あと、このBLOGGERではできない、ジャンル別サマリーが取れるらしいことも、魅力のひとつだ。
 ニフティは、神北がパソコン通信をはじめた故郷だ。SFフォーラムのシスオペもしたし、その引退後にも、ニフティコンベンションというフォーラムのお祭りを仕掛けさせてもらったりもした。まあ、その後、自ら集めた人々とともに築き上げたフォーラム文化を、自ら叩き潰して行くニフティーと云う会社を見ていて悲しくなったことと、どうも、ユーザを大事にすることが下手なこの会社は、So-net等の後発と比べて設定とか複雑で、新しい人に勧め難いという事で、自分も今は、敬して遠くに離れている。しかしニフティIDはまだ2つも持っているのだし、これを書いている時点で、このWEBLOGのあるここもニフティのホームページだ。ココログに移ろうかな〜という気が、ちょっとする。

だから僕は…
 故郷を捨てた話と云えば、最近、文庫版を買って来て『だから僕は… ガンダムへの道』(富野由悠季/角川スニーカー文庫2002年 619円税別)を読んでいる。アニメージュの連載で読み、単行本を買っている訳だから、その後の加筆訂正分を除けば知っている本なのだが、最初に読んだのは多分ハイティーンどん詰まりかハタチの声を聞いた頃。それが、今、当時の富野さん(40歳前後)と同じような年格好になってから読み返してみると、なんか、いろんなことが見えて来る。フとした昔話エピソードに、当時判らなかった郷愁が潜んでいる。なんせ、昔話を語っている当時の富野さんより、語られている子供時代・少年時代の年齢の方によほど近い読者だ。つまり、ケツの青いガキだったのだ。働いたことも無く、社会に揉まれて、本人にとっては全く理不尽な理由で右往左往させられた事も無いうちは、文面に書かれた事は読めても、行間に描かれた心象風景は見えてなかったのだなぁと痛感。
 もちろん、この歳に既に富野さんは、トリトンなどを経て、ザンボット、ダイターン、ガンダム、そしてイデオンと、着実に監督として名を成し、スポンサーやら代理店やらを向こうに回して丁々発止、肉を切らせてとどめを刺すような日々を送っている訳で、日々、お気楽極楽な生活を続けている神北には読めない世界がまだまだあるだろう。が、まあ、ひとつ判った事があるとすれば、この本は、40歳のオヤジが、後の40歳のオヤジに向けて書き残したものだという事だ。言い換えれば、大半の読者だったであろう(当時)若い人たちに書いたのではなく、当時まだガキだった後のオヤジ達に対して、密かに仕掛けた時限爆弾だったという事だ。
 普遍的なエッセイとして読めるものではないかもしれない。あくまでも同時代的な話題を読む本なのかもしれないが、もし、あなたが、40歳を超えているか、そろそろ40と云う歳になっているなら、是非一度、既読の方は今一度、この本を手に取られる事をお薦めする。

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2004/04/12

英雄の死を悼むぞ

 イングランド南西部のデヴォンに、デヴォン伯爵家の本城、パウダーハム城がある。この城のバラ園で、つい先日、クリミア戦争の最後の英雄が亡くなった。名はティモシー。かの、セバストポリ攻略戦では英国軍艦に乗り組み、その後も、栄光の英国海軍の一員として本国と植民地を巡り、七つの海を旅し続け、勲功賞をも送られた受勲者でもある。
 ちなみに、ティモシーは亀。160年前、イギリスはヴィクトリア女王の御代。生後すぐに、女王陛下の海軍において、軍艦のマスコットとして乗艦。その艦はセバストポリ攻略戦に参加。戦後、艦と供に、東インドや中国にも赴いた。三十数年後の1893年に引退したティモシーは、パウダーハム城に移り、その庭をついの住まいとした。爾来110年。穏やかな老後に最後のピリオドを打ったのだそうだ。
 ちなみに、よくあることだがティモシーが女性だと判明したのは、1926年というから70歳になってから。配偶者との間にいつまでも子供を作らないことを不審がられるまで、みんな女性だとは思っていなかったそうだ。(海軍軍人だしね)
 そういえば、アフリカをトコトコトコトコ歩き続けたことで知られる旅行カバ、ヒューバートも、不注意な自動車と衝突事故をおこして絶命するまで、だれも身重な女性であるとは知らなかったらしい。

 ともあれ、合掌。黙祷。

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2004/04/08

ヒトガタの時代だぞ

いよいよ発刊 ガンダムヒストリカ

 今日は4月8日。お釈迦様の日である。同じお誕生日でも、全世界規模でお祝いするキリスト様と、仏教系幼稚園の園児を中心にお祝いするのとでは……とゴータマくんのコトを書いたのは川原泉だっけ?
 25年前の昨日、1979年4月7日、土曜日。機動戦士ガンダム第一話放映(キー局の名古屋テレビの場合。地域によって放映曜日・時間は異なった。また全国ネットでの放映でなかったため、地域によってはこの時点では放映されていない)。爾来25年、いよいよ明日、4月9日に、ガンダムヒストリカ発刊のはこびとなった。(詳しくは、講談社ガンダム公式ページへ)
 思い起こせば約半年。編集チームは、準備に準備を重ね、新作画稿を発注し、さらに放映以来講談社が持つ25年分の画稿をひっくり返した。テレビマガジンを擁し、コミックボンボンを興した講談社は、間違いなく、最初の5年間にガンダムの裾野を広げたトップランナーの1つだった。そして、25年目の今年になって登場するガンダムヒストリカ全10巻は、四半世紀の積み重ねを踏まえた2004年版のガンダム雑誌だ。
 決してスタイリッシュさを売りにする今風の突き放したページ構成ではない。データ羅列に腐心する今のアニメ誌・アニメムックの方向性でもない。月刊アウトやアニメックが引っ張っていた頃のアニメ雑誌の持つ、熱い泥臭さを多分に含む、濃い造りがウリの誌面だ。
 4月9日に、1・2巻同時発売。以降、半月おきに8月10日まで、全10巻を刊行する。神北も見開き2ページを頂いて、1巻ではブリティッシュ作戦(コロニー落し)、2巻ではルウム戦役を、地図を中心に置いた構成で解説している。(ちなみに、3巻ではジオンの地球侵攻作戦、4巻では連邦軍ヨーロッパ反攻作戦(オデッサ作戦)を描いている。)

ヒトガタがキター!

 さて、ガンダム放映25周年記念、、ヒストリカ創刊記念の、ガンダムのコンピュータの話である。(これは、松村克也さんが運営するサイトKat's Landの「PC CASE DIY」のコーナーの中のページである。ほかのコンピュータ等も多数掲載されているので、一度ご覧になることをお薦めする。)これをガンダムのコンピュータと呼ばずしてなんと呼ぼう。まさに、「コイツ、動くぞ!」状態。ガレージキットなどを制作販売する造形集団の一人、松村さんの作品だけに、とてもよいコンピュータだ。こんな世界があろうとは、恐るべし25年の積み重ね……。

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2004/04/05

土曜は動、日曜は静、休日二態だぞ

 土曜日は、女房とお出かけだ。
 昼前に家を出て、京浜東北線で神田へ。日本橋のCOREDOという新しいビルが目的地。玩具屋やらソニープラザやらの色々入った、日本橋の新たなるショッピングゾーンなんだそうな。とはいえ、場所が撤退した百貨店の跡地というのは、なんだかなーである。
 神田から歩いて行く道の途中で、女房お薦めの寿司屋に入った。丁度12時を回った頃だ。とってもネタがいい。なんだここは!と思ったが、数百メートル先の日本橋を渡った向こう側は、江戸期から関東大震災までずーっと魚市場のあった場所。つまり、ここ四百年ばかり、お江戸で一番魚が美味しい場所なのだ。そもそも江戸前のにぎり寿司なんて物は、このアタリで始まったと云ってそう間違いは無い。(注:目黒は別格である)
 板さんとなんとなく会話をしながら喰ってみるが、すんごい、自分の店と仕事に自信を持っている。気持ちのいい店だ。江戸の寿司屋らしく、ちゃんと鮪のヅケもあるが、驚いた事に白海老がある。白海老。お判りになるだろうか。足の速いネタなので、東京でも名古屋でもまず見る事は無い。神北は、その昔、笹本祐一や吉岡平という、その頃遊び回っていた仲間とともに、90年代の頭頃に金沢に遊びに行った折り、菱田てんちょが連れてってくれた金沢市内の寿司屋で始めて出会い、その味にちょっとばかし感動したものだ。小さな柔らかい海老で、丁寧に何匹分も剥いて、基本的に軍艦巻きにする。
 「よくありますねぇ」と訊くと、富山湾に上がったばかりのものを直送だと云う。そうだろうそうだろう。まず関東で普通に喰えるネタではない筈だ。それが、ここの店では普通にお品書きに載っている。ちょっとスゴいぞここ。
 なんだか、そこそこに軽く腹を満たし、歩き始める。この道は、日本橋から北へ向かっている訳で、早い話が国道17号、我が家から北浦和駅に出る時に毎日跨ぐ道をずーっと南に下った続きだ。
 三越を脇に見つつ、日本橋へ。このあたりは意匠を凝らした旧い建物が多く、歩いていても飽きない。日本橋の欄干の麒麟に挨拶しつつ、橋の向こうのCOREDOへ。三越も大改築工事をしており、このあたりの商業地図は、塗り替えられつつあるそうだが、はたして、ここまで若者が来るようになるのか? それは謎である。
 今回、COREDOへ来ようと思った最大の要因は、タカラの直営ショップ「GARAGE」である。タカラと云えばチョロQ、チョロQといえば、乗れるチョロQのQカー、そう考えると、ガレージというネーミングは、Qカーの専門ショールームかと云うとさに非ず。幼児から熟年まで、あらゆる世代の人が面白がれそうな玩具を、タカラというメーカーにこだわる事なく販売している。積み木から、ミャウリンガル大人が遊ぶ電子ウクレレサイズの電子ギター、生誕30年を迎え、ついに新プロジェクトとして動き出したミクロマン、双子の妹の下に女二人男一人の三つ子が生まれ、今や核家族としては希有な8人家族のリカちゃんといった、タカラのものは当然として、海外の玩具メーカー・ゲームメーカーのもの、果てはバンダイのものまで、広い売り場が一杯になるほど押し込められている。
 別の階のソニープラザと比べて、特に子供っぽい印象が無いという事が驚きだ。
 一回りした最後に、試しに、一番上のレストラン街を覗いてみたが、どの店からも待ち行列が長く延びて、割と広く取ってある通路ですら大変な込みようだった。こりゃダメだと休憩を諦めて、ビルを出て、そのまま有楽町方面に向かって歩き出した。八重洲のビル街を抜けて、ビルの上でぐるぐる回るペンキの缶を横目で眺めながら歩いて行くと、高速道路をくぐる辺りから車の進入が禁止されている。そうか。銀座のホコテンだ。適当に散らして置いてもらってあるテーブルとデッキチェアに腰を落ち着けて、ちょっと休憩。目的地は目の前。文具・画材の伊東屋だが、中に入ると広いフロアが手狭になるほどいろいろなモノが詰まったところに、輪をかけて手狭にする大量の客が群れているに決まっている。まずは一息付いてからだ。
 最近では、どんな作業も大抵、パソコンを使ってしまうので、この店で売られているものの半分近くは、自分にあまり関係ないと云うか、よーく関係しているが流儀が違うと云うか、自分の暮らしとは別のものとして捉えざるを得ないが、それでも、巨大文具屋というものは燃える。たとえばだ。最終的に印刷するための原稿を作るために紙に線を引くとして、あなたは何を用いるだろうか?どんな紙に、どんなインクを使うどんな筆記具で、どんな補助具を使って線を引く? ケント紙に墨汁を付けたカブラペンで、ミゾ定規とガラス棒を使って直線を引く。マジックインキでフリーハンドで引く。鉄筆と竹定規を使い謄写版原稿を切って印刷する。藁半紙に鉛筆とプラ定規で引く。それぞれに道具が異なり、使うためのテクニックがあり、メンテナンス方法があり、修正手法がある。 それが全部詰まっているのが、巨大文具屋だ。……という事は、こんな楽しいところがあろうか。
 たとえば、複数の線を一度に引き、リボンを一気に描いてしまう特殊なペン、コイトペンをご存知だろうか? こんなものが世の中にはあるのだ。このコイトペンのような、装飾文字や模様のための近代的なカリグラフィーペンは、約1世紀ほどの歴史があり、道具の発明と共に使用テクニックも発展して来た。もちろん神北なら、現在この手の仕事は、苦もなくMacintosh上のIllustratorで行えてしまうし、何度でも修正可能だ。しかし、一歩ずつ手で物を作って行くための道具は、原初的・即物的なだけに、訴え掛ける所が違う。こういうものを見に行くのは楽しい。どれだけ時間があっても足らないぐらいだ。
 さんざんひやかしてから、女房がプラモの塗装用に使うパスを買い、通を渡ったところにあった天然石屋を覗いて、ソフマップへ。今日日は銀座にソフマップとビックカメラがある。便利なものである。
 有楽町ソフマップの入り口付近にあるデジカメコーナーで、販売員の兄ちゃんを捕まえていろいろと訊く。ライカ製の12倍機械式ズームレンズを使ったパナソニックの400万画素デジカメLUMIX FZ-10と、その競合品をいろいろと見せてもらう。10倍機械式ズームの310万画素だがキヤノンのパワーショットS1ISという機種が、手ブレ防止機能の性能が良いので、シロウトには良いのではないかと薦められる。確かに、今、400万画素から500万画素に主力機が移りつつあり、700万画素なんて物も登場して来ているが、この手ブレ防止機能は、神北レベルの素人には嬉しいし、単三乾電池4本と云う極めて良い電源事情が更に嬉しい。約5万円。ちぃと考えよう。
 一方、女房の欲しいスキャナ付きプリンタも物色。いわゆる複合機というやつだ。ありがたいことに、ちょうどキヤノンの販売員が居ていろいろと教えてくれる。その結果、神北家ではデジカメから直接プリントアウトはしないのでいろんなデバイスは必要なく、さらに場所を取る大型機でなくてよいので、一番小さくて機能の少ない約2万円なりの360という機種がちょうど良い事が判った。なんだか、デジカメといい、プリンタ複合機といい、神北家はキヤノンづいている。何故かと云うと、数年前に、2年に一度はインクが目詰まりを起こして工場送りか買い直しをせざるを得ないエプソンから、キャノンのBJに換えたところ、何年経ってもとても良好な状態をずっと維持しており、キヤノンの製品にとても高い信頼感を抱いているのだ。

 しばらく時間をつぶした後、塩坂くんと合流、そのまま新宿に出て、藤澤くん・竹内くんと合流。この日は、晴れて就職を決めた塩ちゃんの就職祝いという事をダシに、シール企画の有志による打ち合わせなのだ。
 密議をこらすならば、個室っぽくなっている居酒屋咲くらというわけで、三丁目のセゾンビルへ。「ここで飲むからには、牛丼仮面さんも誘いましょう」ということで、牛さんコト三浦くんにも電話。ホントはし、牛さんと古木くんが美味しいと評判の店でジンギスカンを喰っている可能性があったので、イモヅル式に引っ張ろうと思ったのだ。ところが牛さんは家の電話も携帯も不通。どうしたんだろう。
 ま、ともかく乾杯。といっても、既に花見の席で飲んで来た竹内君も、藤澤君や神北も飲まないので、塩坂くんとうちの女房がアルコール、残り三人はジュースやお茶。乾杯を交わしたら、じゃ、ま、塩坂くんの就職祝いはこっち置いといて、打ち合せ開始。基本的に、どのぐらいの広さの場所が居るのかとか、どのぐらいの電気が取れるのかとか、そんなことを中心に話し込む。で、何となく話し込んでいて、はっと気付くと、女房と藤澤君の前に置いたまぐろのカマが、他の三人がほとんど手を付けないうちに消失! 「やー、私、さかなのこういうの分解して食べるの好きなんです」「ぼくも、こういうの目が無くって」……ええ〜い、カマもいっちょ追加!
 やっと連絡がつき、牛さんが途中から参戦。残念ながら、古木くんとの飯は中止になっていた模様。もう一度乾杯。咲くらは、一風変わったメニューがかなりあるので、どの料理も面白い。最終的に2時間半ほど6人で飲み食いして、25,000円強。今回は塩坂くんのお祝いだから、彼は勘定免除で5人で割って、一人5,000円。駒八に通いなれていると、これが高く思えちゃうから、人間ってや〜ね。
 で、それでどうしたかと云うと、我々はそのままパセラに歌いに行ったのでありました。そこしか空いてなかったのか、10〜15人部屋とおぼしき、やたらテーブルの広い部屋を与えられ、一人一人がぽつんぽつくと座って歌い始める。うーむ。近頃の新しい萌え系アニメの歌とかは、あまり判らんが、アニソン専用冊子のお陰で検索が早くていい。「TV」とか入っているのは、テレビ版の映像を編集したものとかが付いている奴なんだな。やはり絵付きは燃えるなぁ。谷山浩子ファンの藤澤君と竹内君による谷山浩子が来たか、牛さんは高橋留美子系のアニソンできたな。じゃ、神北は十八番、五木ひろしの「明日の愛」だ!やっぱ、日本沈没ええなぁ。どっかリメイクせんかなぁ。歌は「明日の愛」のままで……。
 しかし、2時間歌ったら、何か疲れて、しかも日曜の雨に向かってどんどん曇って来る空は、あたりを底冷えさせている。12時過ぎに北浦和まで帰って来たら、なんか、寒すぎてパワーが出ない。コンビニで暖かいスープの缶詰でもないかと思ったが、これが無いのだな、ローソンには。
 しかたない、ファミレスだというわけで、ファミレスに飛び込んでスープとライトミールを。ああ、暖まるなぁ。二人でクラブサンドとパンケーキを取ってシェアする。美味しい。今日は好き放題喰っているなぁ……。
 ファミレスで数杯の紅茶を飲み、人心地付いて帰途に。体が温まっているのか、寒くない。やれありがたや。ロイヤルホスト様々である。

 で、日曜である。なんだか、いっぱい新番組が始まった筈だが、神北はずっと眠っていた。いや、一度、仮面ライダー辺りで起きた気もするのだが、面倒臭くなって眠り直してしまった。眠気に対抗できない程度の詰まらんシナリオだったんだと思う。いつでもいつでもいつでもいつでも、多少の齟齬とつまらぬ思い込みでライダー同士が内輪もめをしていて、いつまでもいつまでも問題解決に向かって動き出さないストーリーを、何年も何年も観せられては、さすがに辛抱強い神北でも面倒臭くなって来る。くーかー寝ちゃった。
 12時前に目を覚まして、なんとなく昨日の晩のライトミールが残っているのかお腹が空かないので、そのまま仕事開始。
 昔、地図を作った四六版のハードカバーの小説が、新書になり、ついに文庫入りする事になったので、それに併せてサイズを調整して入れ直す仕事だ。そんなの、タテヨコ比は変わらないんだから、ただ単に縮尺するだけだろうと思う人。それは甘いザンす。地図というのは、絵や写真じゃないので、そのまま縮尺なんて出来ない。元版と比べ、文庫に入れる地図のサイズは八割。ということは、面積は、8×8=64パーセント。もうどちらかと云うと、面積的には半分に近い。文字なんか、そのまま縮小して行くと読めない事になってしまうから、そこそこの大きさを取らないと行けない。となると、画面の中で文字の比率が大きくなるから、位置を変えたり、ナナメにしたり、あらゆる方法で、文字同士が重なったりしないように配置し直さなくてはならない。なるだけ可読性と、ビジュアル的にパッと見たときの地図の判読印象が得られるように、様々な工夫を凝らす。
 あまり、ちゃんとしていない地図屋だと、主要地名だけで逃げる事がよくあるが、神北の地図は、出来る限り地名をぶち込んでおく。少なくとも、小説本文で登場する地名は漏らさないようにしている。登場しなくても範囲内に入っているならば出来るだけ、観光地や都市名など、有名な地名も落とさない。
 単に説明図を読むというよりも、小説片手に地図帳を取り出して地名を追っているような感覚を、読者に持って欲しいからだ。だって、その方がワクワクするだろう? そういう意味では、3Dソフトの表面にテクスチャを貼って情報量を増やしてやる事に似ているとも云える。しかし、この「ニオイ」がして来なきゃ、面白くないではないか。ニオイ付けのための地図なんだから。
 雨なので、どこへも行かず、淡々と作業をしている。今日は昨日と打って変わって静の日だ。
 結局、この日は、晩飯にピザを食っただけで、ずっとMacintoshの前に座っているか、休憩でごろんとしているかの繰り返しだった。でも、NHK期待の新番組「火の鳥」は見たぞ。今日日のツマランと評判の大河ドラマより、よほど大河なんじゃないかな。手塚原作の実力と、それを再構成する監督の力量と、支える作画の力が、うまくかみ合って、壮大さや人間の滑稽さがよく出ている。知っている話なのに続きが気になるというのは、良いこった。

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2004/04/02

木曜日は海の日だぞ

 さて、てなわけで、昨日は、二本、午後6時台のテレビアニメをチェックした。総取り替えで、二本ともこの四月からの新作。何の都合かネラっているのか、この二本がそろいも揃って海洋冒険SFだ。

 18:00〜18:30は、『アクアキッズ』。監督 李達/監督補 李明河というスタッフリストからの想像だが、多分韓国産なのだろう。ちょっと日本人の感性から言うと嫌みの残るというか、クセの強いキャラクターは、『無限戦記ポトリス』などと共通するものがある。まあ、『プリンプリン物語』とも共通するものがアリアリなので、あまり国民性の差という事ではないのかもしれないが……。
 温暖化で両極の氷が溶け、大陸の殆どが水没してしまった近未来、水の中で呼吸できるだけの空気を取り出せる「バブルテクノロジー」と、普段はペットロボットのように付き従い、水中に入るときはウェットスーツとして体を覆う便利なツールが普及し、水中都市すら普通に存在する世界。主人公たちは、バナナビーチという小さな島に住んでいる子供たち。ここに住む主人公ジーノには、アミという可愛いガールフレンドが居た。アミの祖父ビルは、高度な文明を誇った「アーク文明」の遺跡を探している。遂にその遺跡は発見された。ジーノ達の遊び仲間でニュースキャスターに憧れる少女リオが、それを面白半分に報道してしまったからさあ大変。静かだった島には、お宝を狙いって海賊まがいのトレジャーハンター、ガルーが現れた……。という話。
 3Dキャラの芝居の付け方が巧く、気持ちよく動くのが最大の特徴。
 鳥山明的なSFガジェットを使いこなして、この主人公達が何をしてくれるか、そこそこに期待したい。

 18:30〜19:00は、『絢爛舞踏祭ザ・マーズ・デイブレイク』。SCEのゲームのアニメ化らしい。神北は寡聞にして、このゲームを知らないが、監督 森邦宏/チーフライター 浅川美也/キャラクターデザイン&アニメーションディレクター 逢坂浩司/メカニックデザイン 佐藤道明/RBデザイン 佐山善則という布陣で、まあ、日本のゲームを日本でアニメ化したという感じ。でも、なんとなくFIRESTORMっぽいキャラや、有線遠隔操縦のロボットという考え方、主人公機が「き……巨大ブリアレオス」というご面相なところ、その他モロモロ、話題と期待とツッコミ所に事欠かない、鉄壁の仕上がりと云えよう。
 汎銀河大戦の頃は「水」資源の供給拠点として大いに潤っていた火星も、大戦終結後は右肩下がりの不況続きで、何年も不況に喘ぐ事となった。主人公のクランはこの火星で日銭を稼いで暮らしている青年。大海洋惑星と化している火星の都市は、洋上航行能力を擁する巨大な浮遊基地である。汎銀河大戦の頃からずっと地球から軍事力が派遣されているが、この軍の腐敗が政治の無策と重なって、火星市民の生活を圧迫する要因となっている。地球からの援助資金や援助物資の何割かが、軍の横流しや専横によって止みに来得、火星経済はいつまでも浮力がつかないのだ。
 その頃、軍政に近いこの状況を嫌い、都市の間を自由に行き来し、略奪行為を働く夜明けの船と呼ばれる一団が居た。海賊ではあるのだが、多くの場合、彼等は軍が不正に隠匿する物資を狙っており、市民達からは義賊として英雄視されていた。軍は、この海賊退治の為に軍事力の増強を行っていたが、夜明けの船の凄腕パイロットヤガミの戦闘力の前になす術もなく、今のところ排除には至っていない。
 クランは、悪い仲間に誘われて軍の隠匿物資を盗みに入った友人を助け出す為に基地に入り、時を同じくして行われた夜明けの船の襲撃に巻き込まれ、海中に放り出されてしまう。そこに現れた謎の謎のRB(ラウンドバックラー)は、自動的にコクピットにクランを収容。そこに、海賊のRBと勘違いした軍のRBが急襲、クランは訳も判らぬまま戦闘に巻き込まれ、成り行きで夜明けの船に収容された……。
 なかなか、動きも説明も軽快で、練りに練られた第一回という観がある。火星の政情や景況、主人公達の立ち位置、ロボットの運用法、それぞれ、ちゃんと説明しつつ、物語も動き出している。期待したい一作だ。

 とにかく、これから夏に向かう季節。海モノの日、木曜日は期待大だ。

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2004/04/01

もう4月1日。今年も1/4終わっちゃったぞ

 今日は四月一日。四月馬鹿である。ま、エープリルフールだからといって、僕のように徳を積んだ正直者は、つこうと思っても嘘がつけない性格なので、いつも騙される側に廻るばかりだが……。
 実は今年は、嘘をついている暇もないほど忙しい四月一日なのである。テレビ東京がキッチリ四半期ずつをサイクルに番組を回しているせいもあって、今日から新作ラッシュである。例えば、アニ通の番組表で今日の番組表を見てもらいたい。新番組が幾つ並んでいることか。試しに新番組リストを見ると、BS-iなど、アンテナの都合で見られない局を含めて、今期42番組。まあ、ドえらい数の新番組である。もちろん、ほとんどの番組は見ないか見られないか見忘れるのだが、前の期が、ポポロクロイスとかを筆頭に幾つものアタリを出したので、今期も引き続いてソコソコにはアタリを出して貰いたい。

 さて、そろそろ4月9日も近づいて来た。秋からこっち、入念な打ち合わせを経てやっと完成に辿り着いた『ガンダム・ヒストリカ』の創刊だ。詳しくは講談社ガンダム公式ページで見てもらいたいが、全10巻で、一冊570円(1巻のみ、全巻収納できるバインダーがついた2100円のバージョンがある。01・02巻4/9同時リリースで、以降、4/23・5/10・5/25……と、半月毎に8/10の10巻まで続く。
 出来れば、01巻は、バインダー付きバージョンを買っておく事をお薦めする。高い方薦めるなよと思われるかもしれないが、値段の問題ではない。材質の選定会議とかにも絡ませてもらったが、なかなかいい感じのシブ味のあるバインダーに仕上がっているのだ。ガンダム25年の歴史を感じられるこのバインダー付きバージョンは、01巻だけなので、後になって欲しがっても手に入れる事はチョイと難しい。
 上記の公式サイトのヒストリカページには、編集部ナカガワの秘す録り日記という、編集部の常駐スタッフ中川君(なんか、徹夜の回数を聞いていると、24時間常駐という気がして来る)の編集部だよりが載っている。編集部の一部始終を余すところ無く捕らえた名著なので、見逃すな!
 で、この本で神北は何をしているのかと云うと、基本的に地図を作っているのである。コロニー落しのアイランドイフィッシュ移動経路の解説や、ルウムの戦い。地球降下作戦の総まとめ、オデッサ作戦の様相を、地図という切り口で描いている。ここに上げた分は、基本的に『宇宙世紀戦跡探訪』というページで01巻から04巻に扱われているので、期待して欲しい。え? 初期の降下作戦の次が、末期のオデッサ大反攻なのかって? だって、一年戦争って、半年近い期間「戦争は膠着状態に陥」ってたことは、みんな良く知ってるじゃん? 歴史的事実なんだからしょうがない。

 ちなみに、ちょっと前に出た本だが、機動戦士ガンダムを熱狂的に応援していた一人、ササキバラ ゴウ『それがVガンダムだ』にも、地図を入れている。ちょっとカミでは訳が分からなくなるほど、あちこち飛び回っているVガンダムの主人公達が、どう動いていたかを解説している。(まあこれは、神北は仕上げただけで、ササキバラ氏の原図がよく出来ていたせいでもあるのだが)

 てなわけで、今年は、(一応、アニメ版の宇宙世紀もので)一番最初と一番最後にあたる、ファーストガンダムとVガンダムのおかげで、人目に触れる仕事の半分がガンダムなのではないかと云う、極めてイージーというか、無茶苦茶な暮らしをしている。

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