木曜日は海の日だぞ
さて、てなわけで、昨日は、二本、午後6時台のテレビアニメをチェックした。総取り替えで、二本ともこの四月からの新作。何の都合かネラっているのか、この二本がそろいも揃って海洋冒険SFだ。
18:00〜18:30は、『アクアキッズ』。監督 李達/監督補 李明河というスタッフリストからの想像だが、多分韓国産なのだろう。ちょっと日本人の感性から言うと嫌みの残るというか、クセの強いキャラクターは、『無限戦記ポトリス』などと共通するものがある。まあ、『プリンプリン物語』とも共通するものがアリアリなので、あまり国民性の差という事ではないのかもしれないが……。
温暖化で両極の氷が溶け、大陸の殆どが水没してしまった近未来、水の中で呼吸できるだけの空気を取り出せる「バブルテクノロジー」と、普段はペットロボットのように付き従い、水中に入るときはウェットスーツとして体を覆う便利なツールが普及し、水中都市すら普通に存在する世界。主人公たちは、バナナビーチという小さな島に住んでいる子供たち。ここに住む主人公ジーノには、アミという可愛いガールフレンドが居た。アミの祖父ビルは、高度な文明を誇った「アーク文明」の遺跡を探している。遂にその遺跡は発見された。ジーノ達の遊び仲間でニュースキャスターに憧れる少女リオが、それを面白半分に報道してしまったからさあ大変。静かだった島には、お宝を狙いって海賊まがいのトレジャーハンター、ガルーが現れた……。という話。
3Dキャラの芝居の付け方が巧く、気持ちよく動くのが最大の特徴。
鳥山明的なSFガジェットを使いこなして、この主人公達が何をしてくれるか、そこそこに期待したい。
18:30〜19:00は、『絢爛舞踏祭ザ・マーズ・デイブレイク』。SCEのゲームのアニメ化らしい。神北は寡聞にして、このゲームを知らないが、監督 森邦宏/チーフライター 浅川美也/キャラクターデザイン&アニメーションディレクター 逢坂浩司/メカニックデザイン 佐藤道明/RBデザイン 佐山善則という布陣で、まあ、日本のゲームを日本でアニメ化したという感じ。でも、なんとなくFIRESTORMっぽいキャラや、有線遠隔操縦のロボットという考え方、主人公機が「き……巨大ブリアレオス」というご面相なところ、その他モロモロ、話題と期待とツッコミ所に事欠かない、鉄壁の仕上がりと云えよう。
汎銀河大戦の頃は「水」資源の供給拠点として大いに潤っていた火星も、大戦終結後は右肩下がりの不況続きで、何年も不況に喘ぐ事となった。主人公のクランはこの火星で日銭を稼いで暮らしている青年。大海洋惑星と化している火星の都市は、洋上航行能力を擁する巨大な浮遊基地である。汎銀河大戦の頃からずっと地球から軍事力が派遣されているが、この軍の腐敗が政治の無策と重なって、火星市民の生活を圧迫する要因となっている。地球からの援助資金や援助物資の何割かが、軍の横流しや専横によって止みに来得、火星経済はいつまでも浮力がつかないのだ。
その頃、軍政に近いこの状況を嫌い、都市の間を自由に行き来し、略奪行為を働く夜明けの船と呼ばれる一団が居た。海賊ではあるのだが、多くの場合、彼等は軍が不正に隠匿する物資を狙っており、市民達からは義賊として英雄視されていた。軍は、この海賊退治の為に軍事力の増強を行っていたが、夜明けの船の凄腕パイロットヤガミの戦闘力の前になす術もなく、今のところ排除には至っていない。
クランは、悪い仲間に誘われて軍の隠匿物資を盗みに入った友人を助け出す為に基地に入り、時を同じくして行われた夜明けの船の襲撃に巻き込まれ、海中に放り出されてしまう。そこに現れた謎の謎のRB(ラウンドバックラー)は、自動的にコクピットにクランを収容。そこに、海賊のRBと勘違いした軍のRBが急襲、クランは訳も判らぬまま戦闘に巻き込まれ、成り行きで夜明けの船に収容された……。
なかなか、動きも説明も軽快で、練りに練られた第一回という観がある。火星の政情や景況、主人公達の立ち位置、ロボットの運用法、それぞれ、ちゃんと説明しつつ、物語も動き出している。期待したい一作だ。
とにかく、これから夏に向かう季節。海モノの日、木曜日は期待大だ。
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