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2004/04/05

土曜は動、日曜は静、休日二態だぞ

 土曜日は、女房とお出かけだ。
 昼前に家を出て、京浜東北線で神田へ。日本橋のCOREDOという新しいビルが目的地。玩具屋やらソニープラザやらの色々入った、日本橋の新たなるショッピングゾーンなんだそうな。とはいえ、場所が撤退した百貨店の跡地というのは、なんだかなーである。
 神田から歩いて行く道の途中で、女房お薦めの寿司屋に入った。丁度12時を回った頃だ。とってもネタがいい。なんだここは!と思ったが、数百メートル先の日本橋を渡った向こう側は、江戸期から関東大震災までずーっと魚市場のあった場所。つまり、ここ四百年ばかり、お江戸で一番魚が美味しい場所なのだ。そもそも江戸前のにぎり寿司なんて物は、このアタリで始まったと云ってそう間違いは無い。(注:目黒は別格である)
 板さんとなんとなく会話をしながら喰ってみるが、すんごい、自分の店と仕事に自信を持っている。気持ちのいい店だ。江戸の寿司屋らしく、ちゃんと鮪のヅケもあるが、驚いた事に白海老がある。白海老。お判りになるだろうか。足の速いネタなので、東京でも名古屋でもまず見る事は無い。神北は、その昔、笹本祐一や吉岡平という、その頃遊び回っていた仲間とともに、90年代の頭頃に金沢に遊びに行った折り、菱田てんちょが連れてってくれた金沢市内の寿司屋で始めて出会い、その味にちょっとばかし感動したものだ。小さな柔らかい海老で、丁寧に何匹分も剥いて、基本的に軍艦巻きにする。
 「よくありますねぇ」と訊くと、富山湾に上がったばかりのものを直送だと云う。そうだろうそうだろう。まず関東で普通に喰えるネタではない筈だ。それが、ここの店では普通にお品書きに載っている。ちょっとスゴいぞここ。
 なんだか、そこそこに軽く腹を満たし、歩き始める。この道は、日本橋から北へ向かっている訳で、早い話が国道17号、我が家から北浦和駅に出る時に毎日跨ぐ道をずーっと南に下った続きだ。
 三越を脇に見つつ、日本橋へ。このあたりは意匠を凝らした旧い建物が多く、歩いていても飽きない。日本橋の欄干の麒麟に挨拶しつつ、橋の向こうのCOREDOへ。三越も大改築工事をしており、このあたりの商業地図は、塗り替えられつつあるそうだが、はたして、ここまで若者が来るようになるのか? それは謎である。
 今回、COREDOへ来ようと思った最大の要因は、タカラの直営ショップ「GARAGE」である。タカラと云えばチョロQ、チョロQといえば、乗れるチョロQのQカー、そう考えると、ガレージというネーミングは、Qカーの専門ショールームかと云うとさに非ず。幼児から熟年まで、あらゆる世代の人が面白がれそうな玩具を、タカラというメーカーにこだわる事なく販売している。積み木から、ミャウリンガル大人が遊ぶ電子ウクレレサイズの電子ギター、生誕30年を迎え、ついに新プロジェクトとして動き出したミクロマン、双子の妹の下に女二人男一人の三つ子が生まれ、今や核家族としては希有な8人家族のリカちゃんといった、タカラのものは当然として、海外の玩具メーカー・ゲームメーカーのもの、果てはバンダイのものまで、広い売り場が一杯になるほど押し込められている。
 別の階のソニープラザと比べて、特に子供っぽい印象が無いという事が驚きだ。
 一回りした最後に、試しに、一番上のレストラン街を覗いてみたが、どの店からも待ち行列が長く延びて、割と広く取ってある通路ですら大変な込みようだった。こりゃダメだと休憩を諦めて、ビルを出て、そのまま有楽町方面に向かって歩き出した。八重洲のビル街を抜けて、ビルの上でぐるぐる回るペンキの缶を横目で眺めながら歩いて行くと、高速道路をくぐる辺りから車の進入が禁止されている。そうか。銀座のホコテンだ。適当に散らして置いてもらってあるテーブルとデッキチェアに腰を落ち着けて、ちょっと休憩。目的地は目の前。文具・画材の伊東屋だが、中に入ると広いフロアが手狭になるほどいろいろなモノが詰まったところに、輪をかけて手狭にする大量の客が群れているに決まっている。まずは一息付いてからだ。
 最近では、どんな作業も大抵、パソコンを使ってしまうので、この店で売られているものの半分近くは、自分にあまり関係ないと云うか、よーく関係しているが流儀が違うと云うか、自分の暮らしとは別のものとして捉えざるを得ないが、それでも、巨大文具屋というものは燃える。たとえばだ。最終的に印刷するための原稿を作るために紙に線を引くとして、あなたは何を用いるだろうか?どんな紙に、どんなインクを使うどんな筆記具で、どんな補助具を使って線を引く? ケント紙に墨汁を付けたカブラペンで、ミゾ定規とガラス棒を使って直線を引く。マジックインキでフリーハンドで引く。鉄筆と竹定規を使い謄写版原稿を切って印刷する。藁半紙に鉛筆とプラ定規で引く。それぞれに道具が異なり、使うためのテクニックがあり、メンテナンス方法があり、修正手法がある。 それが全部詰まっているのが、巨大文具屋だ。……という事は、こんな楽しいところがあろうか。
 たとえば、複数の線を一度に引き、リボンを一気に描いてしまう特殊なペン、コイトペンをご存知だろうか? こんなものが世の中にはあるのだ。このコイトペンのような、装飾文字や模様のための近代的なカリグラフィーペンは、約1世紀ほどの歴史があり、道具の発明と共に使用テクニックも発展して来た。もちろん神北なら、現在この手の仕事は、苦もなくMacintosh上のIllustratorで行えてしまうし、何度でも修正可能だ。しかし、一歩ずつ手で物を作って行くための道具は、原初的・即物的なだけに、訴え掛ける所が違う。こういうものを見に行くのは楽しい。どれだけ時間があっても足らないぐらいだ。
 さんざんひやかしてから、女房がプラモの塗装用に使うパスを買い、通を渡ったところにあった天然石屋を覗いて、ソフマップへ。今日日は銀座にソフマップとビックカメラがある。便利なものである。
 有楽町ソフマップの入り口付近にあるデジカメコーナーで、販売員の兄ちゃんを捕まえていろいろと訊く。ライカ製の12倍機械式ズームレンズを使ったパナソニックの400万画素デジカメLUMIX FZ-10と、その競合品をいろいろと見せてもらう。10倍機械式ズームの310万画素だがキヤノンのパワーショットS1ISという機種が、手ブレ防止機能の性能が良いので、シロウトには良いのではないかと薦められる。確かに、今、400万画素から500万画素に主力機が移りつつあり、700万画素なんて物も登場して来ているが、この手ブレ防止機能は、神北レベルの素人には嬉しいし、単三乾電池4本と云う極めて良い電源事情が更に嬉しい。約5万円。ちぃと考えよう。
 一方、女房の欲しいスキャナ付きプリンタも物色。いわゆる複合機というやつだ。ありがたいことに、ちょうどキヤノンの販売員が居ていろいろと教えてくれる。その結果、神北家ではデジカメから直接プリントアウトはしないのでいろんなデバイスは必要なく、さらに場所を取る大型機でなくてよいので、一番小さくて機能の少ない約2万円なりの360という機種がちょうど良い事が判った。なんだか、デジカメといい、プリンタ複合機といい、神北家はキヤノンづいている。何故かと云うと、数年前に、2年に一度はインクが目詰まりを起こして工場送りか買い直しをせざるを得ないエプソンから、キャノンのBJに換えたところ、何年経ってもとても良好な状態をずっと維持しており、キヤノンの製品にとても高い信頼感を抱いているのだ。

 しばらく時間をつぶした後、塩坂くんと合流、そのまま新宿に出て、藤澤くん・竹内くんと合流。この日は、晴れて就職を決めた塩ちゃんの就職祝いという事をダシに、シール企画の有志による打ち合わせなのだ。
 密議をこらすならば、個室っぽくなっている居酒屋咲くらというわけで、三丁目のセゾンビルへ。「ここで飲むからには、牛丼仮面さんも誘いましょう」ということで、牛さんコト三浦くんにも電話。ホントはし、牛さんと古木くんが美味しいと評判の店でジンギスカンを喰っている可能性があったので、イモヅル式に引っ張ろうと思ったのだ。ところが牛さんは家の電話も携帯も不通。どうしたんだろう。
 ま、ともかく乾杯。といっても、既に花見の席で飲んで来た竹内君も、藤澤君や神北も飲まないので、塩坂くんとうちの女房がアルコール、残り三人はジュースやお茶。乾杯を交わしたら、じゃ、ま、塩坂くんの就職祝いはこっち置いといて、打ち合せ開始。基本的に、どのぐらいの広さの場所が居るのかとか、どのぐらいの電気が取れるのかとか、そんなことを中心に話し込む。で、何となく話し込んでいて、はっと気付くと、女房と藤澤君の前に置いたまぐろのカマが、他の三人がほとんど手を付けないうちに消失! 「やー、私、さかなのこういうの分解して食べるの好きなんです」「ぼくも、こういうの目が無くって」……ええ〜い、カマもいっちょ追加!
 やっと連絡がつき、牛さんが途中から参戦。残念ながら、古木くんとの飯は中止になっていた模様。もう一度乾杯。咲くらは、一風変わったメニューがかなりあるので、どの料理も面白い。最終的に2時間半ほど6人で飲み食いして、25,000円強。今回は塩坂くんのお祝いだから、彼は勘定免除で5人で割って、一人5,000円。駒八に通いなれていると、これが高く思えちゃうから、人間ってや〜ね。
 で、それでどうしたかと云うと、我々はそのままパセラに歌いに行ったのでありました。そこしか空いてなかったのか、10〜15人部屋とおぼしき、やたらテーブルの広い部屋を与えられ、一人一人がぽつんぽつくと座って歌い始める。うーむ。近頃の新しい萌え系アニメの歌とかは、あまり判らんが、アニソン専用冊子のお陰で検索が早くていい。「TV」とか入っているのは、テレビ版の映像を編集したものとかが付いている奴なんだな。やはり絵付きは燃えるなぁ。谷山浩子ファンの藤澤君と竹内君による谷山浩子が来たか、牛さんは高橋留美子系のアニソンできたな。じゃ、神北は十八番、五木ひろしの「明日の愛」だ!やっぱ、日本沈没ええなぁ。どっかリメイクせんかなぁ。歌は「明日の愛」のままで……。
 しかし、2時間歌ったら、何か疲れて、しかも日曜の雨に向かってどんどん曇って来る空は、あたりを底冷えさせている。12時過ぎに北浦和まで帰って来たら、なんか、寒すぎてパワーが出ない。コンビニで暖かいスープの缶詰でもないかと思ったが、これが無いのだな、ローソンには。
 しかたない、ファミレスだというわけで、ファミレスに飛び込んでスープとライトミールを。ああ、暖まるなぁ。二人でクラブサンドとパンケーキを取ってシェアする。美味しい。今日は好き放題喰っているなぁ……。
 ファミレスで数杯の紅茶を飲み、人心地付いて帰途に。体が温まっているのか、寒くない。やれありがたや。ロイヤルホスト様々である。

 で、日曜である。なんだか、いっぱい新番組が始まった筈だが、神北はずっと眠っていた。いや、一度、仮面ライダー辺りで起きた気もするのだが、面倒臭くなって眠り直してしまった。眠気に対抗できない程度の詰まらんシナリオだったんだと思う。いつでもいつでもいつでもいつでも、多少の齟齬とつまらぬ思い込みでライダー同士が内輪もめをしていて、いつまでもいつまでも問題解決に向かって動き出さないストーリーを、何年も何年も観せられては、さすがに辛抱強い神北でも面倒臭くなって来る。くーかー寝ちゃった。
 12時前に目を覚まして、なんとなく昨日の晩のライトミールが残っているのかお腹が空かないので、そのまま仕事開始。
 昔、地図を作った四六版のハードカバーの小説が、新書になり、ついに文庫入りする事になったので、それに併せてサイズを調整して入れ直す仕事だ。そんなの、タテヨコ比は変わらないんだから、ただ単に縮尺するだけだろうと思う人。それは甘いザンす。地図というのは、絵や写真じゃないので、そのまま縮尺なんて出来ない。元版と比べ、文庫に入れる地図のサイズは八割。ということは、面積は、8×8=64パーセント。もうどちらかと云うと、面積的には半分に近い。文字なんか、そのまま縮小して行くと読めない事になってしまうから、そこそこの大きさを取らないと行けない。となると、画面の中で文字の比率が大きくなるから、位置を変えたり、ナナメにしたり、あらゆる方法で、文字同士が重なったりしないように配置し直さなくてはならない。なるだけ可読性と、ビジュアル的にパッと見たときの地図の判読印象が得られるように、様々な工夫を凝らす。
 あまり、ちゃんとしていない地図屋だと、主要地名だけで逃げる事がよくあるが、神北の地図は、出来る限り地名をぶち込んでおく。少なくとも、小説本文で登場する地名は漏らさないようにしている。登場しなくても範囲内に入っているならば出来るだけ、観光地や都市名など、有名な地名も落とさない。
 単に説明図を読むというよりも、小説片手に地図帳を取り出して地名を追っているような感覚を、読者に持って欲しいからだ。だって、その方がワクワクするだろう? そういう意味では、3Dソフトの表面にテクスチャを貼って情報量を増やしてやる事に似ているとも云える。しかし、この「ニオイ」がして来なきゃ、面白くないではないか。ニオイ付けのための地図なんだから。
 雨なので、どこへも行かず、淡々と作業をしている。今日は昨日と打って変わって静の日だ。
 結局、この日は、晩飯にピザを食っただけで、ずっとMacintoshの前に座っているか、休憩でごろんとしているかの繰り返しだった。でも、NHK期待の新番組「火の鳥」は見たぞ。今日日のツマランと評判の大河ドラマより、よほど大河なんじゃないかな。手塚原作の実力と、それを再構成する監督の力量と、支える作画の力が、うまくかみ合って、壮大さや人間の滑稽さがよく出ている。知っている話なのに続きが気になるというのは、良いこった。

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