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2004/04/25

サイボーグの世紀だぞ。

 ヨミウリオンラインによると、人口眼球が開発されたらしい。
 これは、眼鏡に装着したビデオカメラの映像をコンピュータで処理し、網膜内に埋め込んだ小型装置に転送、装置は16の電極を使い微弱電流を網膜に与え、モノが見えるようにするものらしい。
 眼科医療機器で世界3位のメーカーのニデックという日本の会社が開発した技術だそうだが、アメリカで半年か一年ほど前に始まった(んだか、始めると言ったんだかの)脳に直接電極を差して、映像を結ぶ実験よりは、手術が簡易そうだ。
 もちろん、失明原因は一種類ではない。網膜自身が悪くなってしまう症状の人も多い。この場合、このままの治療法では対処し切れない気がする。また、網膜より奥の視神経や脳の視覚野に失明原因がある場合、いくら網膜を刺激しても解決にはならない訳だ。つまり、この方式も万能ではなく、全ての失明を救うという訳には行かない。しかし、何割かの人の視力を蘇らせる事ができるならば、喜ばしい事だ。
 幼少期のかすかな記憶に、叔父が親類で始めてコンタクトにしたことが話題になった憶えがあるので、多分40年ほど前の事だと思うが、世の中にコンタクトレンズと云う「眼球に装着するメガネ」が広まりだした頃、人々はびっくりした。そんな怖い事をするのかと、想像するだけで厭がった人も多い。そして今回、今のところまだ特殊な例ではあろうが、「網膜に装着するメガネ」が登場した訳だ。
 今はまだ無謀な話としか思えないが、極論すると、眼球由来の近視遠視乱視、そして白内障などの視覚障害は、情報が眼球を経由しないこの方法でなら完全に駆除できるのではなかろうか。手術を伴う事が今のところのネックだが、メガネという言葉が、眼球を外から補うレンズのことから、網膜刺激型の人工眼のことに置き換わる日が来ないと誰が言えよう。コイツがこのまま広がるのか、更に進化してから広まるのかは判らないが、そのうち「メガネ屋の仕事」の半分が、ビデオカメラとコンピュータの調整になる日が来るかもしれない。
 

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