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2004/06/11

司法の判断だぞ

 インターネット事件簿 第13回 「ぼったくり」「氏ね」はどこまでが表現の自由?という記事がある。掲示板にせよメーリングリストにせよ、署名にせよ匿名にせよ、ポジティブな記事にせよネガティブ・キャンペーンにせよ、ネット上で何かを書く人には、一応、読んでおいてもらいたい話だ。
 ある予備校が、自校に対しネガティブな発言が上がっている掲示板の主宰者に、警察署を通じて、削除依頼をしたところ、アカラサマに酷い罵倒系の内容の発言は削除されたが、主宰者側からは、表現の自由の範疇と考えられるものの削除を断られた。
 予備校側は納得せず、しかたなく裁判ということになったが、裁判所の出した判断は、しかし予備校として生徒を集めている以上、批判や意見は当然あり得るもので、公表されたからといって非難することはできない。またこうした内容や言葉づかいは、通常の批判や意見の域を出ているとは考えられず、表現の自由の範囲内として許容すべきである。というコトで、予備校側の主張を退けるものとなった。

 罵詈雑言や悪口はイカンが、世間のネガティブ風評を全くシャットダウンするやり方もイカンぞと云う事で、裁判所が、極めて現実的な判断をしたということのようだ。
 匿名掲示板における批判や問題提起に対して、きちんと「表現の自由がある」と認めたという点で、エポックメーキングな判決といえるかもしれない。と、記者の佐々木俊尚さんが語っているが、確かにその通り。

 神北自身、パソコン通信時代のニフティのフォーラムから出発しているため、匿名掲示板と云うものは、どうも納得出来ないものがある。
 もちろん、匿名性が保証されないと発言出来ないような重大なリークや告発・批判が社会を動かすキッカケになる事も判るし、署名の意味のないような他愛のない会話もある事だって判る。必要ないとは思わないし、利点の多くも理解している。
 が、単なる悪口や、根拠のない想像を元にした断定、面白がって笑い飛ばすためだけに入る茶々。さらに悪意を持って行われる誘導、無意味な罵倒など、嫌な面を持ってる事も、同時に理解している。
 双方を理解した上で、ちょっと、マズいんでないのと思う点の多さが、自分の中で、正直納得出来ていない。
 ただ、納得出来ないからと云っても、これに変わるような場がない以上、必要悪でも必要なんだと云うのが、現在の認識だ。

 今回の、裁判所の判決は、この神北の匿名掲示板に対する認識にとっても、非常に理解し易い、非常に納得し易い、整合性の高い判断だったと思う。

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