死んだぞ
ここ5日ほど、ほぼ死んでいた。
なぜかと言うと、遂に終戦だったのだよ。そう、宇宙世紀0079年12月31日。月の裏側、ラグランジュのL-2ポイントに浮かぶ宇宙要塞ア・バオア・クーでは、いったい何が起こったのかと言う記事を、エンコラエンコラ書いていたのである。ガンダムヒストリカ全10巻も、ついに最終巻。当然、気合も入ろうと云うもの。
最後の三日ほどは、0083のコウ・ウラキみたいなもので、ドーピングにつぐドーピングという世界だった。うーむ。ギレン・ザビも死んだ、キシリア・ザビも死んだ、ガルマもイセリナも、デニムもジーンも、ドレンもブーンも、ミハルもマチルダも、パオロ艦長も、リュウ・ホセイも死んだが、オイラも死んだぞ……。
ま、それでも、しばらくするとまたムックリと起き上がって、次、0080とか0083とか08小隊とか、いろいろやりてーなーとか言い出すのだろうが……。
今年はガンダム25周年の年と言われている。25周年といえばアナタ、アレですよ。オギャアと生まれた子供が、衆議院議員に立候補出来る歳になるのですよ。第二次世界大戦が終わってから、大阪万博EXPO'70までがちょうど25周年ですよ。
既にSF大会をいっしょにやった友人たちの中にも、ガンダムの年に生まれました。とかその後です。とかいうのがいて、ちゃあんと社会人している。
ちなみに、誰にどう聞いても、今、ガンダムを支えている層は複雑だ。
第一の層は、我々、1979年の本放送を大騒ぎして観た世代だ。
第2の層は、ガンプラブームでガンダムに嵌った世代。
第3の層は、Zガンダム・ZZガンダムから入ってきた世代。
第4の層は、そのちょっと後、SD期にSDガンダムにハマった世代。
第5の層は、模型雑誌独自展開のセンチネルとかから入ってて来た世代。
ここいらへんあたりまでが、アタマ10年ほどの間に発生した比較的「旧い層」だ。
その後も、新番組・新企画の度に、新しい層を吸収しつつ、ガンダムはどんどんいろんな情報が付加され、新しいエピソードが入り、世界観を拡充して来た。もちろん、ご破算にして、全然別の世界として再スタートした別系統のシリーズ(まとめてアナザーガンダムと呼ばれる)も多々あり、それが時代・時代のガンダムとして定着しているが、やはり、最大層を成しているのは、ファースト・ガンダムと呼ばれる1979年に放映された『機動戦士ガンダム』を中心とし、そこからのスピンオフで構成された、数々の宇宙世紀モノだ。
惜しむらくは、因って立つ根っこに同じ時代と世界観を持っているからといっても、ひとつの歴史上に同時に存在出来ないようなお話しが多々あり、奇麗に1つに繋ぐことはちょっと難しいものが多いと云うのが、画竜点睛を欠いているかも知れない。しかし、これは、異世界を扱う意外の全てのお話しが、現実世界と言うベースを元に接ぎ穂されたシェアードワールドからのスピンアウトであるのと同じように、ガンダムと言うシェアードワールドのスピンアウトの1つずつと考えれば良いのだろう。
今回の『ガンダムヒストリカ』は、そのすべての原点であり超えるべき目標でもある,そして、たとえアナザーガンダムで全然違う世界観を展開していて必ずクリエイターにとって最大のライバルとして厳然と存在する、『機動戦士ガンダム』を、もう一度真っ向から見つめ直すと言う、原点回帰の試みだった。
第1巻 コロニー落とし 既刊
第2巻 ルウム戦役 〃〃
第3巻 地球侵攻 〃〃
第4巻 オデッサ作戦 〃〃
第5巻はモビルスーツ特集 〃〃
第6巻 ジャブロー襲撃 〃〃
第7巻 宇宙反攻作戦前夜 〃〃
第8巻 ソロモン 7/9発売
第9巻 ソーラ・レイ 7/23発売
第10巻 ア・バオア・クー 8/10発売
実に3巻までが、『機動戦士ガンダム』というおはなしが始まる前の話である。しかし、機動戦士ガンダムというのは、世界観を楽しむ面白さを受け手に与えた最初のテレビアニメであり、少なくとも、その世界を説明するためには、このぐらいのボリュームを割かざるを得ない。そして割いてこそのガンダムとも云える。
秋からの新番組も噂されているし、来春には、20年近く待たされた『機動戦士Ζガンダム』の劇場版の1本目が来るらしい。まだまだ続くガンダム・ワールド。25年目に、その原点に向き合う機会を与えられたことは、ライターとしても、ファンとしても、幸いであった。
て、まだ、校正とか、いろいろ残ってんだけどね〜。
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