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2004/08/25

シールを作りまくったぞ

 バーミヤンから多賀旅館に戻って一眠りすると、朝の四時頃にムックリと起き上がり、シールを作り始める。OSXとAdobe CSとプリンタドライバの所為で、印刷の設定が難しい。一回毎に、CSのプントダイアログからプリンタドライバを呼び直して印刷しないと、平均的な(テキトーに早くて、美しさをテキトーに間引いた)印刷になってしまう。CSプリントダイアログの印刷設定で登録しておいても、忘れてしまう。ま、プリントの前にボタンを1つ押して、開いたタイアログでもひとつボタンを押すだけなので、大した手間ではないのだが……。
 しかし、プリント速度に関しては、随分と不満が募る。遅いのだ。とにかく。まあ、BJ S600という神北愛用のプリンタは、2000年発売。毎年新作プリンタは出るものの、基本的に2年に一度大幅なモデルチェンジがある中で、現状、完全に2世代以上前のものとなり、インクもついに現行機に同一のものを使う機種が無くなっている。神北の粗雑な使い方でこれだけ長く使っても、ビクともせずに動くのだから、しこたま頑丈と言って良いだろう。歴史に残るような名機、普及機と呼ぶべきなのだが、いかんせん、4年経つと、もっと早くもっと綺麗なプリンタが普通になって来る。
 そこそこ、作業の調子を掴んだところで朝ご飯。多賀旅館の朝は、わりと美味しい。素泊まり+朝食で6000円。会場にも極めて近く、駐車場も広い。
 そこへ一緒にシール企画をやる塩坂くんから電話。
 「古市くん、真庭くんとともに昨日の晩、向こうを発って朝早くに岐阜入りして、今は各務原の航空博物館で航空三昧してます。SFの醍醐味っすね」
「フーン。ソウ……」
 きわめてフラットな声で返してしまった。なんか、折角のSF大会に出かけて来るのだから楽しんで貰ってナンボだが、こっちが時間的にテンパッている時に、「ヤぁ、楽しいです」と言われても、、対応は冷たい。
 11時ごろに準備中の実行委員会の状況を見に行く。名大SF研から、数人、助っ人が入ってくれる。若い学生さんが設営に動き出すと、いよいよ大会本番という気がして来る。そこで地図を観せて貰い、岐阜市をぐるりと取り囲むように新しく作られた環状線沿いのヤマダ電機へ。シールの打ち過ぎで手持ちのインクが尽きたのだ。インクを持った竹内くんが昼前には入ると言っていたので電話で状況を聞いてみるが、まだ東京とのこと。これを待っているよりはインクを買った方が速い。ヤマダ電機の入っているのは、いろんな店が集まった複合店舗で、ホームセンターも入っているので、文具も買う。
 一旦会場に戻り、設営を手伝う。飯があるので食ってくれと言われるが、30人分でおにぎり60コ買って来たと言う。一人頭おにぎり2コ。何を考えとるのだ? これじゃあ働けんぞ!
 その後、多賀旅館に戻り、またもやシール造りに入る。かなり時間が迫っているが、大量のゲストシールを刷らなくてはならない。
 実際、ゲストシールはかなり難航。名前だけの簡単なものだが、量的に1シート16片の葉書サイズ3枚が良いと言う判断を実行委員会がしているのだ。印刷時間に関しては、1シート81片のA4のものを1枚刷る方が、1シート16片の葉書サイズ3枚を刷るより速い。とはいえ、あまり嵩張るシールを持たせたくないということも判るので、致し方ないところか。出来れば、もうちっと早めにゲスト名と枚数を確定して、仕事を振っておいていただきたいところだが……。
 夕方近くになって、塩坂くん達がやって来た。彼の持って来たWindowsマシンをセッティングし、それに載っているソフトで、ゲストシールを作って貰うことになる。データのやり取りにUSBメモリやカードリーダーが大活躍。今は、回転メディアは基本的にCD-R の一人勝ちだが、静的メディアに関しては、PCカード、CFカード、スマートメモリ、SDカード、メモリスティック、同Pro・Duo、等々が、乱立しており、とっても大変なことに。ただ、一番楽なのは、USBメモリだ。USBのコネクタは、現在の主要パソコンならばまず間違いなく持っている拡張端子だから、MacからでもWinからでも、結構アクセスが容易なのだ。ただ、この静的メモリメディア類、厄介なことが1つある。メモリの抜き差しが物理的に極めて容易なくせに、前もってOSで開放の手続きをとっておかないと、ファイル管理システムに弊害が起きて、次に挿しても、OSが自動認識してくれなくなることだ。
 何人かのゲストシール作業をやってみたところで、塩坂くんが、眠くなって寝てしまう。続いて真庭くんもダウン。徹夜で走って来て、半日遊んでいたのだから、体力が保たないのは仕方ないか。
 とりあえずゲストシールは全部任せてあるので、置きて来てからの塩坂くんに期待して、神北は残りの企画シール等の作成に勤しむ。
 今日は前日なので、夕方に掛けて、前泊者が続々と集まって来る。スタッフの多くもこの日は多賀旅館に泊まる。G-conゲスト担当の藤原さんがやって来て、座って話し始める。
「良いけど藤原さん、真横で布団の下敷きになって寝ている塩坂くん潰さないでね」
「え?!」
 藤原ビジョンでは、塩坂くん、まるで見えてなかった模様。危ねぇアブねぇ。だが本人は眠り続けている。やがて、徐々に前泊組が増えて来る。基本的に、大会慣れしていて、企画を持っているような人が多いから、殆どが知り合いだ。
 本来塩坂くん達は、ここの宿に宿泊予約をしていなかったので、夜に入った頃に仲居さんがやって来る。
 「どうされますかねぇ」
「いまから、3人増えていいですか?部屋はここで構いません。布団も適当に積んでおいてもらったら、勝手にこっちで延べます」
「わかりました。朝食付けるなら一泊6000円で」
 お、この時間からでも、我々と同じレートにしてもらえるんだ。有り難い。三人の中で唯ひとり起きている古市くんに支払いに行って来てもらう。やがて古市くんは、階段の舌の帳場から戻って来て、「OKッス」と言った。すると……。
「え?を……コグラヂドーナッダンーディスガァ?!」
と叫びながら、真庭くんが目を覚ました。
 なんじゃろーか、この「オンドゥルルラギッタンディスカー!!」みたいなのは……とみんな一瞬訳が判らない。「真庭くん=オンドゥル星人」説が、部屋の大勢を占めた頃、もう一度真庭くんが発言。
「だから、僕たちどーなったんですかって聞いているじゃないですか、古市さん。教えて下さいよぉ」
「え?今のは、日本語だったのか?」
「俺たち、オンドゥル語以外の何物でもないと」
「おまえ、「オンドゥルルラギッタンディスカー!!」とか言ったんじゃなかったのか?」
「ボクは日本語を話してますよ〜」
「嘘だ!」
 全員一斉に口を揃えて、否定。その後、オンドゥル星人は古市くんに宿代を支払って、何とかコト無きを得る。だが、塩坂くんはまだ起きない。
 昨日と同じように9時を過ぎてから、大会実行委員会の連中がやっと戻って来る。
 「おーい。11時までに入らないと風呂終わっちまうから、先に風呂入ってからメシ喰いに行こうぜ」
「お、いーっスね」
 という訳で、塩坂くんも起こして、割かし仲のいい連中でごそごそと風呂へ。露天風呂にどんどん人が、狭い露天風呂に、10人以上が一気に入る。後から来た連中が、おー、『オタクでオタクを洗うオタク洗い状態ぃ!』とか云いながら、嬉々として入って来る。なんだかなぁ。
 風呂でさっぱりすると、次は飯。どやどやと表に出て、車を割り振る。岐阜市ではないので、あまり地理に詳しいとは云い難いが、それでもまだ岐阜県在住だから最低限の地理勘はあるだろうということで、小崎くんの先導で、名岐道路か岐大道路方面へ。これ等の道路とそのバイパスは、名古屋と岐阜、もしくは岐阜と大垣を結ぶ幹線道なので、必ず遅い時間まで明けているファミレス系の店があると踏んだのだ。結局、岐阜駅の向こうまで出て、サガミへ。東海圏では定番の蕎麦屋チェーンだ。その昔、神北の周りでは、サガミの冷オロシ蕎麦、たしか380円也が、1サガミとして、一種の基本通貨として通用していた。そのぐらいしょっちゅう喰いに行っていたのだ。
 明日から大会というのに、何か、静かなのが気になる。実行委員会の森田くんに云うと、激しく同意される。森田くんとは15年前の第二十八回日本SF大会ダイナ★コンEX以来の付き合いだ。当時、新しく仲間に入って来た若い連中の中で、一番、神北とかの傍で修羅場の中心を見て来た内の1人で、今回の実行委員会でも、最も経験豊富な中核スタッフ数人の中の一人だ。とはいえ、経験豊富なのは、外の地方から手伝いに来ている人が多いため、地元スタッフに限って、経験の多さを見てみると、ほぼ間違いなく彼がトップだろう。
「なーんか、静か過ぎるんですよね。まだ水面下の問題が隠れているだけって云う気がします」
「一波乱、二波乱は、なんか来そうだが、その分、余力を残しとかないとなぁ」
「うー、ヨリョクがぁ……」
 取り敢えず、メシを喰って旅館に戻る。こういう場所で、いろんな話をして顔を憶えておくのが、大会で何より大事だ。戻ったら当然仕事。塩坂くんは夜通しシールを打つと云っている。
 こっちの企画シールも、残り作業はまだ多い。なんと云っても、プリンタ性能の関係で打ち出しに時間がかかるのが痛い。プリンターの動作中に、もう次のシールのデザインを作っているのだが、それでも間に合ってない。というか、こっちのデザインを造り終えるスピードの方が、プリンタが打ち出すスピードよりも速いため、バックオーダーのプリントキューが溜まる一方だ。
 夜半過ぎ、へろへろになってしばし眠る。
 起き出してまた打ち始める。
 去年も同じようなことをしていた気がする。が、今年の方がどうも先が見えていない。

 朝になる。大会当日の朝だ。有り難いことに天気が良い。7時に飛んで行って食事を済ませ、再びプリント作業。Win機は2台のマシンとそれぞれ用のプリンタがあるので、2班体制にに別けて、一組は多賀旅館で作業を続け、もう一組は、8時の国際会議場の解錠とともにシール企画の持ち場に入り、機械をセットアップして、向こうでもゲストシールのプリントを行なう。てなわけで、先行班はUSBでデータを持って会場入りし、準備。
 神北のマシンも移動。どちらかというと、簡易エディターであるラベルマイティーラベル屋さんHOMEでは、基本的なシールを、PhotoshopやIllustratorなど、Adobe Creative Suiteでは、ちょっと厄介な注文を捌く方向性は立っているが、仕事が修羅って来たらどうなることやら。
 やがて、10時直前に塩坂くんのマシンも搬入。これにて、全てのゲストシールが打ち上がる。
 ゲスト受付開始にギリギリ間に合った。
 さあ、ここからが大会本番だ。

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コメント

午前中に岐阜入りしようと思っていたのですが、荷造りとか
しているうちに通勤ラッシュの時間になってしまい、午前中に
岐阜入りするのは断念したのでした。ごめんなさい。

平日の8時台にプリンタ抱えて山の手線に乗るのは迷惑以外の
何者でもありませんから。

投稿: 竹内一詔 | 2004/08/26 22:24

 SF大会の荷造りってそういうものだよね。
 アタシなんか、夜九時出発予定が、朝五時回ってたもんなぁ。
 まあ、そんな、カッチり動く必要ないんだけどさ。要は遊びなんだから。何にせよ、プリンタ抱えての長旅ご苦労様でした。

投稿: 神北恵太 | 2004/08/27 08:19

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