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2004/08/27

大会明けに核融合だぞ

 8月23日月曜日。我々はまだ岐阜に居た。
 朝8時半、多賀旅館前に集合した我々は、荷物を積み込むと、わざわざこの小旅行のためにレンタカーを借り出した武田警備隊長の一台を加え、5台並んで自然科学研究機構核融合科学研究所へと向った。
 ここには、大型ヘリカル装置があって、核融合炉のためのプラズマ発生の実験がなされている(そうだ)。塩坂くんの案内で、現場へ到着。土岐市。といっても、我々は多治見インターから行ったのだが……。
 見学コースがしっかり作られていて、最初に「核融合って何だろう」「プラズマってどんなもの?」「安全?」みたいな啓蒙教育用ビデオを15分程観せられる。続いて、お姉さんに付いて、制御室、実験装置の模型、実物、試作品等を順に見学する。最後に、最初にビデオを見せられた部屋に戻って教授登場。で、簡単な質疑応答タイム。

Q 現在基礎研究中なのは重々理解していますが、融合炉が実用化されるのはどのぐらい先と思われますか?
A まだ100年ぐらい掛かると思いますよ。有り難い事に、まだまだ石油資源も余裕がありそうですから。これが石油枯渇とか起こったら、急に予算付いて進むでしょうけど、このままだと、100年ぐらい掛かるでしょうね。

Q 融合炉が出来たとして、エネルギーはどうやって取り出すのですか?
A 水に熱を伝えて、水蒸気でタービンを回すと思いますよ。

 百年後にまだ、核融合炉を新しい火力発電所の燃料としてしか使えてないのか俺たちは……と、ちょっとち黄昏れちゃいました。

 帰りがけ、案内していただいたお嬢さんに、署内の食堂に、『名物 プラズマ定食』とか、『ホッケのヘリカル焼きセット』解かないのかと聞くと、「そういう面白いメニューは無いんですよ、残念ながら」と云われる。適当な昼飯の喰える場所を聞いてみると、「テンコロの美味しい店がありますよ」と云われた。
「なんですかそれ?」
「天麩羅の載った冷たい汁のうどんです」
「ああ、天麩羅の載ったコロですかぁ」と納得。
 いわゆる冷たいうどんの事を「コロ」という。少なくとも、ウチの親父はそう呼んでいた。それが、冷やしたせいできゅっとしまったうどんが冷たい汁に浸った感触から付いたコロなのか、英語のCoolがなまったのか知らないが、冷やしうどんの事を、我が家でもコロと呼んでいた覚えがある。ま、どちらにせよ、蕎麦に天麩羅が載ったものが「天ソバ」だから、冷たいうどんに天麩羅が載ったものが「天コロ」なのだと合点が行った。が、ひょっとかすると方言なのかな? 塩坂くんとかはよく判っていないようだった。
 だが、よく判っていなくとも、科学者のお姉さんのお奨めには素直に従う。一行は5台の車を連ねて一路、お奨め天コロの店「すなは」へ。
 しかし、教えてもらった目印を二度も見落とす大ちょんぼで車列はUターンに次ぐUターン。しかも紆余曲折大迷走の末辿り着いてみたら、「月曜定休」の看板が。しかたない、今後の戻り道を考えながら、途中でメシを喰おうと衆議一決。名古屋へ向けて戻って行く。
 名古屋駅でメシを喰うなら、エスカの山本屋。みそ煮込みの名店である。名古屋乗り捨てでレンタカーを返した武田警備隊長もやって来る。なんか、よほど美味かったと見えて、ばくばくご飯をお替わりしている。ん? 大丈夫なのか? 見ているうちに三杯のご飯が消費されて行く。
 凄い勢いで飯を食う武田隊長を待って、店を出る。この店、美味しいんだが値が張るのがチョイ痛い。核融合科学研究所見学会は、ここで全行程を終了、お開きとなった。

 東京方面組は、塩坂ノワール号、藤沢ピカチュー号、神北号の車三台に分乗し、出発。
 とりあえず、ガソリンを足したりして、高速に乗った後、上郷のSAで一旦合流ということにして、個別行動。神北車はガソリンを入れ、名古屋とし高速から透明名古屋インターを目指す……が、なんか、そっちが速いからなのか、カーナビに引っ張られて行ったのは、名古屋高速から東名春日井インターへと入る道。おおっと、一区間東京から遠い方に出ちゃったぜ、マズいマズいと、集合の上郷SAへと急ぐ。
 が、なんだか、残りの二台は、ガソリンスタンドを探すのに手間取ったらしく、随分遅れて到着。名古屋高速から東名名古屋インターへ至る道すがら、迷ってゼブラゾーン上を大激走しちまったとか、しなかったとか。クワバラクワバラ……。
 東名に入ると、雨が本格化する。死ぬほど降る。さすがに、連日の大会疲れで雨中走行はキツい。同乗の武田隊長にスペアドライバを依頼してみるが、「保険の事もあるでしょうから」とあっさりと断られる。ヘロヘロになりながら、なんとか沼津市内へ。市内を走っていて、ナビの指示の違いから塩坂号他とはぐれてしまう。嫌な予感がしたので、一旦車を停めて、同乗者に塩坂号に載っている古市に電話してもらう。
「ちゃんと走れている?」
「ええ大丈夫ですよ」
 いや、そういうことでなく、こっちが聞きたいのは、ピカチュー号がちゃんとそっちに居るかということなんだが……。もう一度電話。
「ピカチュー号は、付いているの?」
「ああ、……いないです」
 居ないデスじゃ無いだろうと、ピカチュー号の竹内くんに電話。予想通り、カーナビの無いピカチュー号は、目標をロストしかけていた。今、沼津市役所付近というので、カーナビを参考に誘導。結局、これでこの車が一番遅くなったが、なんとかさかなや千本一に到着。いつもの三階へ。

 今回のミッションの真の目的は、この店が初めてと言う中根くん・武田くん・真庭くんの三人がどれだけ驚くかを観察する事にあった訳だが、このミッションは大成功であった。
 ドンブリものを頼んだら、先付けは付くわ、みそ汁が固形燃料の鍋になっているわ、テンヤワンヤになっているところへ、お刺身も、遠慮無しにドドンっと来るのだから、こりゃ大変。
 「うわー。みそ煮込み屋でご飯お替わりするんじゃなかったァ」
 悲鳴を上げながら武田隊長が歯を食いしばってメシを喰う様は壮絶だった。

 もー喰えません。も〜勘弁というぐらいまで食い捲って、店を後に。
 だが、この時、既に神北は相当疲れが出ていた。少しでも距離を稼げるように、三島駅で中根さんを下ろす横浜便と、まずは都内を目指す便とに、2班に分け、全員で三島駅を目指すパターンを避ける。
 しかし、その後、とんでもない事が……。何を思ったか、うちのカーナビが、細い道へ細い道へと誘導して行くのだ。どう見ても、いつもの道を逆の方に走って行く。これはヤバい。
 沼津市内を迷走した後、記憶に頼って走り直して、インターへ。
 まずは、足柄へ。
 海老名で、後続だったピカチュー号の藤澤くん・竹内くんから、「神北さん、大丈夫ですか?フラフラしてますよ」と云われる。さすがに疲れが頂点か。
 しかし、都内では、機材回収のために、安達くんが待っててくれるので、走らない訳にはいかない。1500円ほど奮発して●ンケルの高そうなヤツをゴキュっと……。再び走り出す。
「おお、古市、スゴいぞこれ、高級●ンケル」
「効きますか」
「シャッキリして来た」
「すごいっすね〜」
 と、快調な走り出し。だが、そのドーピング効果も、15分ほどで切れて来る。結局、30分ほど走って、海老名で、ギブアップ宣言。
「申し訳ないが、車2台に分散している安達くんとこに行く荷物は明日俺が届けるから、人員を全部ピカチュー号に移して、送ってやってくれないか?」
 「その方が良いですよ」と藤澤くんが快諾してくれて、荷物の積み直し。11時過ぎまで待ってもらった安達くんと、帰りを待つ女房には、電話で詫びる。
 結局、藤沢くん・竹内くん・古市くん・真庭くんの乗ったピカチュー号を見送った後、運転席は後に荷物満載でリクライニングしないから、助手席を倒して、死んだように眠る。

 次に目が覚めたのは、6時半ちょっと前。ほぼ6時間以上就眠している計算。あの疲れ方では、1本1500円也の●ンケル、最初の15分以外、全く効かなかったなぁ……。
 とりあえず、女房が起きる時間を待って電話。水分を補給し、移動を開始。時々理解不能の案内をするナビを太弱ったり無視したりしながら、都内をグリグリと走り、安達くんの会社付近に到着。24時間型のファミレスに入って、朝食。朝食メニューしか無い点は随分不満だが、ドリンクバーの野菜ジュースが美味しい。10時過ぎに安達くんから電話。本人は今日出張だが、会社はもう人が居るよというので、お邪魔して、安達くんの会社から借り出した機材を返却。
 その後、へろへろ〜っと都内を抜けて懐かしの我が家へ。荷物を下ろした切り、車も返さず再び4時間ほど眠りコケる。結局、車は借りた時間ぎりぎりまで使い、夕方遅くに返しに行った。
 総走行距離1069キロ。
 期間は6日と長いが、平均的に乗ったのではなく、行き・帰りに走行距離が集中したから、結構大変だったなと思う。
 おちついてから、メールを確認すると、別れたメンバーが無事に帰れている事が確認出来た。ほっとしたところで、ほぼ7日間に渡る神北の日本SF大会の旅は、幕を閉じた。

 あ〜。生きてて良かった。

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コメント

お疲れ様でした。しかし、あの武田隊長がヒィコラいって飯を食べる姿は見たかったです。以前にも書かれたさかなや千本一、こんど、何かの機会がありましたら、いって食べてみたいです。ゴーカな食事に驚愕してみたいです。
まあ、なにはともあれ、事故もなく無事着きましたのは重畳です。

投稿: 八潮 | 2004/08/27 15:11

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