『リターナー』が細切れだったぞ
昨日、8月28日の土曜日、フジテレビの夜9時からの映画が、『リターナー』だった。『リターナー』観たぞという記事を今年の5月24日に書いているので、神北のリターナーという作品に対する思いは、それを読んでいただければ良いのだが、今回ちょっと云わせていただきたい。
このフジテレビの放映版は、時間の制約がかなりキツかったのか、随分とキモになるシーンが切られていた。一番大きい点は2つ。リュウ・グループの会長のシーンが完全にバッサリと切られていた事。最初に、日本にやって来たときの会食シーン(岸谷五朗演じるミゾグチが、憤怒のままに伊勢エビを殻ごとバリバリ喰ってみせるシーン)が丸ごとバッサリ。また、リュウ・グループの海底油田でミゾグチ達と落ち合うシーンも全く無くなっていた。おかげで、リュウのジジイは一度も画面に登場しない。もう1つ、ボロボロの格好を舌ミリを、研究所を訪ねていって不思議内程度に磨き上げるシーンも、一切なくなっていた。他にも、パックンことパトリック・ハーランが声を乗っ取られるニュースキャスターを演じているシーンも無くなっており、木樹希林の情報屋のバアさんが、ミヤモトがダグラに「帰りたい」と云わされたことを謎解きするシーンが、まあ何とか納まってはいるものの、判り辛くなっていた。
ちょっと心配なのだが、たしか、声優協約の叩き台ににした筈の俳優の権利に関する取り決めで、映画のテレビ放映などの時に、出演した役者さんに印税的な放映権料の支払いがあったと思うのだが、こういう、時間の関係で、映画から登場シーンがバッサリと切り取られた役者には、放映権料の支払いはどうなっているのだろうか?
それにしても、あれでは、組織内のミゾグチの立場は全く見えないし、狂犬ぶりも際立たない。また、ミリがマイ・フェア・レディーする、鈴木杏の見せ場シーンもすっぱりと切り取られていて、ミヤモトに感謝する意味や、二人が引かれ合う部分が、何割か間引かれてぼやけてしまうのも、面白くない。折角、夏休み最後の映画としてSF映画を持って来たからには、全編ノーカットで、キッチリと見せて戴きたかった。
まあ、DVD持ってるからオイラはいつでも見れるんだけどサ……。とにかく、これがファーストインプレッションっていう人にとって、折角のリターナーの魅力が十二分に伝わらないかも知れないと思うと、もどかしくてもどかしくて、泣けて来る。
これじゃあ、キッカケになれないかもよ?!>フジテレビさん
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