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2004/10/18

現代異類婚譚だぞ

 日本には、狐を嫁にする話だの天狗の嫁になる話だの、異類婚の物語が多い。もちろん、海外にもそういう話は多いのだが。
 多くは、遠い遠い昔話として語られる。しかし、最近でも、そういう話が無い訳ではない。当然、最近になると、なかなか天狗に攫われる話は無くなって来て、多くは宇宙人に攫われることに置き換わっている。これは、ウェルズの『宇宙戦争』を期に、それまで欧州で大量に発生していた天使さまを見たという話が急速に減り、かわりに宇宙人を見た話がどんどん増加して行った経緯などと合わせて検証してみると、いろいろと面白そうだ。
 同じように、空想的な妖怪・妖獣の名は、時々の流行りのUMA(未確認動物)に置き換わって行くのだが、
 で、そんななかで、ずっと、一定の比率を持って(というか、いつまでも消え去らずに)語り継がれる類の話がある。「森に済む大猿に娘を攫われる話」である。

 それの最新版が、先日、報道されたらしい。前向きで面白いニュースを積極的に翻訳しているえいぞうさんのAZOZ.blogに、ビッグフットと一年間結婚生活を送った少女の告白という記事が載った。PRAVDA英語版に載った記事だそうだ。

 話の筋はこう。
 バイオレンス男の彼氏に森の奥に置き捨てられた少女が、ビッグフットに捕獲され、妻として毎夜性交を強要される。逃げようにも、洞窟の奥に押し込められ、ビッグフットは、出入りするの度に入口を岩で塞ぐため、少女の力では逃げることは出来ず、脱出の機会はなかった。だが、寒がると次の日には誰かから奪った服を持って来るなどのビッグフットの行動から、意外とその洞窟が人里に近いのではないかと推理はしていた。一年程立ったある日、出かけたビッグフットの「戸締まり」が悪く、少女の力でも岩を押しのけることが出来たので、少女は逃亡、無事保護された。
 もちろん、周囲は、ビッグフットの話など信用せず、少女は精神錯乱と判断されて精神科に入院。だが、ある夜、何者かが建物を壊して彼女を連れ出し、その消息は杳として知れない。

 うーむ。ビッグフット版の寒戸の婆である。ある行方不明者が突然帰って来て、異類と結婚した経緯を話し、その後にまた異類の元に帰って行く。もしくは、異界に行ったと報告したものが後に忽然と姿を消し、人々は再び異界に行ったのだろうと囁き合う。話しが生まれた瞬間から、典型的な民話の体形を既に備えた、一種完璧に出来上がった姿と言えよう。さすがに、広い深い森なんてぇものがもはや殆ど身近に少ない日本ではなかなか生まれないが、アメリカならさもありなんと思わせる、妙な安定感のあるお話。
 探してみると、北米の森林地帯には、類似の既出話がいくつか在りそうだ。だが、それよりも、面白いことに気付いた。情報ソースがプラウダ英語版ということで、ロシア製の同じような話を思い出したのだ。ロシア国土の何割かを占める広大なシベリア地方には、アルマスと呼ばれる生物の話がある。ビッグフット等と同じ、いわゆる大猿系のUMAの一つで、ヒマラヤのイエティ・北米のビッグフット(サスカッチ)・ロシアのアルマスと、名前の有名さではビッグスリーに入る。(中国のイエレン(野人)は、これ等トップスリーよりは、一歩引く、まだまだ駆け出しのローカル・スターだ。)
 このアルマスの話に、同じような村娘との間に子供をもうけた話が幾つかあったと思う。(逆に、村で捕まえたアルマスの女を飼い、子守り等の雑事をさせた。やがて、誰の子かよくは判らんがアルマスの女は混血児を生み、子供は村人として迎えられた。子供達は人と変わらなかったが少々毛深かったというような話まであった筈だ。)これは、そのアルマスの伝承のアメリカ移転版なのではなかろうか。
 開発の手が広く入り報道網が発達して来た自国ではなかなか信憑性のある話に出来ないので、連絡のとり辛い遠い外国の話に置き換えてみた記者の冗談、という気がして来る。

●ちなみに、UMA系のページを幾つか。

 謎の類人猿
 未確認生命体
 Tuji@homeのミステリーコーナー

●基本的なハナシはここで確認もGood! 項目充実度の高さはさすが商業誌

 ムー編集部篇 ミステリー用語の基礎知識 UMA

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