睡眠計だぞ
読売オンラインのサイエンスの記事眠りの深さ手軽に測定、東芝が携帯型「睡眠計」開発という記事が掲載された。
パソコンに無線接続されたセンサーを指先にはめて眠ると、心拍数から、眠りの深浅を3段階に分けて判断してくれるそうだ。また、光センサーを使い、血中ヘモグロビンを計測することに寄って、睡眠時無呼吸症候群も検知出来ると言う。
簡単な仕組みにも関わらず、本格的ないっぱい電極を付ける脳波測定と75%近いデータの一致を見たと言うから、「家庭用」と断って販売する分には、簡易血圧計や体脂肪率体重計なみにヒットするかも。
これでまた、「眠りが浅いと疲れが取れない」みたいなチョウチン健康番組が林立し、「睡眠管理は健康管理」みたいなコトをキャッチフレーズに、バンバンCMが入るようになるんだろうなぁ。
もちろん、自分がちゃんと寝れてているのかなんていう基準の不確かな物に、何らかの基準を作るのは悪いことではない。しかし、気付いたらなんだか、毎日如何に深く眠るかばかりに目が行って、眠りのためなら死んでも良いという類の馬鹿を量産することは間違いなさそうだ。
深く眠るためには、睡眠前何時間かを摂食・運動・マッサージなどのタイミングを組み合わせて、心と身体から緊張を抜いてやればよい訳だ。ということは……。
・よく調理された、消化のいい食事をとるための調理器具。
・軽い運動を室内で行なえる健康器具。
・筋肉を弛緩させ緊張を解きほぐすマッサージ機器。
・リラックスタイムを演出するAV機器
・眠りを深くするという売り込みの寝具・寝間着類
・寝室を過ごし易い状態に保つ空調機器。
・好みの明るさを演出する照明機器。
……なぁんてものが、この眠りのためなら死んでも良いという種族にばんばん売れるようになる。そういうCMに流され易い人は、「計測器と組み合わせるには新しいパソコンが」とかいって、殆ど使いもしない、用途のないパソコンまで買い込むことになりかねない。2万円弱〜行っても5万円台の睡眠計の周辺機器として、気が付いたら20万円前後のダイナブック一台お買い上げ!……東芝さんは大喜びのウハウハである。
もちろん、世の中には、本当にこういう機器を必要とする人も居る。そんな人たちにとってこの機械は間違いなく福音だ。睡眠不足気味で疲れが取れないが、仕事を休んで大病院に入院検査紙に行くほどではないので悩んでいると言う人たちは、家庭で気軽に測定出来る便利な機械を待ち焦がれていたのだ。これを開発した東芝の技術陣には、惜しみなく拍手を送りたい。
逆に、シャレと割り切って面白がって買ってみる人も居るだろう。
しかし、どう考えても、そういう機器を競って買い求める人の中心層は、今それほど悩んでいる訳ではなく、だから一番大切な定点観測を毎日繰り返すことにあまり熱心でなく、数日計測を続けた程度で、「睡眠環境改善のため」と称して、上に羅列したような機械を端から買い始め、それで安心してしまう人たちなのではないかと思う。
どこまで行っても、細かい所を気にして悩んでいては、健康から遠ざかる一方なのにね。
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コメント
読んで身につまされました。絶対睡眠計買いそう。そして睡眠計のいい値が出るまで、運動しまくったりしそう。いい値が出る為にさらなる機械は買わないと思うけど、運動しすぎて本読む時間が減ったりはする。
だめですね、俺。
投稿: きはらさん | 2004/10/12 18:39
ホント、駄目だね。
顔も見たことすら無いような大先輩の時代の計画を後生大事に護って、社会の必要性とかを二の次にして計画推進に邁進する、土木系の馬鹿役人なみに、目標履違えていて、駄目だね。
投稿: 神北恵太 | 2004/10/12 23:44