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2004/11/30

錬金しちゃうぞ

 日経ネットに、USJ、日本アニメで新アトラクションという記事が載った。

USJ、日本アニメで新アトラクション

 米映画のテーマパークに日本の人気アニメが登場——。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)は2005年3月上旬、テレビアニメ「鋼の錬金術師」をテーマにしたアトラクションを導入する。

 ——中略——

 USJが米映画・テレビ以外のテーマのアトラクションを設けるのは初めて。


 こりゃスゴい。

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2004/11/28

プリン占いだぞ

 動物占い以来、世の中、変な占いが溢れているが、これはいったい、何を占ってくれるのだろうか……。

プリン占いというのを見つけた。

 生年月日と名前を入れるシンプルなもの。是非アナタもお試し戴きたい。

 で、神北の結果は……。なんだかなぁ。縁の下の力持ちタイプ?

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リュックを買ったぞ

 リュックを変えた。
 1990年か91年頃に自転車を買った。いわゆるマウンテンバイクという奴だ。会社勤めを止めた直後で、少々時間を掛けたって近場は自転車で走れば良いじゃんと云うのんびり暮らすためのツールだったのだが、それで国道一号線を30キロほど走って名古屋市内まで遊びに出たり、あまりのんびりではない使い方をしていた。
 91年の第30回日本SF大会i-CONを手伝いに行った金沢では、この自転車が役に立った。作り物などをするためのパソコンシステム一式とともに、無理矢理前輪を外して小さくした自転車を自動車に載せて運んで行ったのだ。大会の十日か二週間前に金沢入りし、長期宿泊のための安宿を確保。以降、市内での殆どの移動は自転車で行なった。
 金沢と言う町は、旧い城下町にあり勝ちな車社会向きではない道路状況のため、幾つもの交通の要衝がネックになって市内のあちこちで渋滞が発生する。もちろん市民は裏道を使うのだが、やはり城下町である事に由来する狭小な裏町通りは一方通行が多い。街に慣れてない人間には、自動車では走り辛い。だが、自転車は楽だ。宿を中心に、大会実行委員会の事務所に日参したり、金沢市内の美味い物を喰いに行ったり、当時金沢程度の田舎町では取扱店が無かったヒューレットパッカードのインクカートリッジを名古屋の馴染みの店から取り寄せる算段をしたり、いろんなことを自転車で走り回ってしていた。
 こうやって自転車で走り回るため、それまで、普通にショルダーや手持ちの通勤用バッグを使っていたものを、全面的にリュックに変えた。背負ってしっかりとホールド出来、ぶらぶらしないため、自転車に乗るにはリュックが向いていたのだ。さすがに、マウンテンバイクに高校生みたいな大きなカバン籠を装着するのが嫌だったせいでもあるし、当時、ノートパソコンを持ち歩いていたので、自転車に乗って一番ショックが少ない方法が、背負うことだったのである。
 以来、十数年。基本的に、神北のメインバッグはリュックである。

 一番最初は、3000円程度の安物を買って使った。当時持ち歩いていたFM-RCardをしっかりホールド出来、ショックから護れる事が最優先だったのだが、FM-RCardが990グラムと当時としては奇跡的に軽かった事もあり、適当なシロモノで事足りていた。それよりも、色鮮やかなリュックで、自動車のドライバーから見易くする事の方が重要だった。
 次に使ったのは、東京に出て来て自転車に乗らなくなってから、中野の登山用具屋で手に入れた、本格的なアタックザックだった。背中のホールド感が良いものが一番ということで、大容量をしっかりとホールド出来て、防水性にも優れた材質だった。この頃は、AKIAの3kgもある重量級のノートパソコンを持ち歩いていたので、加重をしっかりと腰で支え、バランスを背中で整えるタイプのこういうリュックが非常に使い易かった。
 しかし、だからといって、登山用のアタックザックが都内の生活に無条件で向いている訳ではない。一番の問題は、特に中身がスカスカの時に、電車の中などで床に置くとクタるのである。そうでなくとも、底面と言うものがちゃんと形成されていないので、ゴロンと転がる。アーバンユースの中〜大容量リュックの便利さの一つとして、電車や駅のホームで床に下ろした時に、しっかりと自立出来るだけの底面形状と全体の張りという要素はは、重要だと思う。
 結局、最終的には、95年頃にとある結論に達した。ベルギーのヘデグレンというメーカーである。
 ただただシックでオーソドックスなリュックサックを作っているメーカーで、L.L.Beanのようなカジュアルさは、あまりない。だからといって、サムソナイト(エース)のビジネスショルダーのような機能的な質実剛健ともチョイと違う。悪く云えば中途半端。贔屓目で云えばバランスが良い。そんな、アーバンユースを求めるには今イチ、ポケットが少なく、アウトドアユースを云々出来る程には便利さが足らない。これを賞して、我が家では「必ず工夫が2つ3つ足りないもどかしさ」と呼んでいる。
 しかし、この微妙な使い辛さにも関わらず、途中で1つ2つの浮気をしつつも結局、神北のヘデグレンの一番大きなリュックは、これで3つ目だ。立てに深く容量の大きいものはかなり在るのだが、口が広く全体にアクセスの良いリュックというのが、ヘデグレンのいい特質なのだ。
 実際、このシリーズはベストセラーらしく、もっと小さめのものはアーバンタイプのデザイン優先のものたなど多数出回ってはいるが、この最大サイズのリュックだけは一向に形状が変わらず(実際には、生地等の材質とファスナーの取っ手の形が変わっているが……)、殆ど変化していない。しかも神北が買う色はいつも黒なので、あまり神北がリュックを変えた事は気付かれていないかも知れない。
 そう、オバQの服のようなものである。

 途中で浮気心が湧いて使ってみたリュックで、ちょっとがっかりだったのが、スイスのビクトリノックス製のリュックがある。なんだか、いろんな隠しポケットとか、ギミックに溢れていて、流石は十徳ナイフのビクトリノックスと、飛びついてみたのだが、3つの欠点があった。
 まず、各しきりのバランスが悪い。中途半端な大きさの仕切りばかりなのだ。ちょっとした小物や大事なものを入れておけるファスナー付きの内ポケットがあるのはいいのだが、これがリュックの先端に付いていてしかも、微妙に小さい。
 次に、リュックとしてのバランスが悪い。片手で上部にある持ち手を持って、メインのファスナーを開け閉めしようとすると、重心が悪くてファスナー周りにたぷたぷと布の余裕が出来て、返って片手では開け閉め出来ない。結局、床なり膝上なりに置いて、両手で作業しなければならないので、外でパッと物を取り出したり格納したりが全く出来ない。
 最後に、生地が悪い。一年と使わないうちに擦り切れが出来て来て使い物にならなくなってしまった。
 結局、ビクトリノックスはナイフは何とか作れても、リュックの事は何も知らなかったのだろう。格好良さに引っ張られて買ってみて、面白かったが、役には立たなかった。10年程経って経験を積んだら、面白くなっているかも知れないが、今はまだ速い気がする。

 かくして、結局は戻って来てしまうヘデグレンのリュックだが、いつも買っている浦和のあぶらやCORSO店を覗きに行ったら、珍しく、別のリュックを奨められた。エースのアウトドアスポーツ系のリュックだ。割と縦に長いタイプなので奥底に入ったものを取り出し難いかも知れないが、容量が大きく、ポケットの数が多い。
 ちょっと面白そうだったので、一度浮気してみる事にした。これで、このタイプが気に入るも良し。また問題が多発してもとのヘデグレンに戻るもよし。
 さて、どうなりますやら。

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2004/11/26

シャア・アズナブルと言う人を知っているか? …だぞ

[質問] 赤い彗星といえば?

[回答] 申し訳ございません 。アニメについてはあまり知識がありません。

 これは何かと云うと、あるサイトに載った、アイフルのお姉さんとサイト主との会話だそうだ。

 載っているのはTOY'S SECRET ROOMさんのアイフルのお姉さんという書き込み。

 これを見て、更にもっといろいろ試したのが、Engels zimmerさんの2004-11-25 中国の日々 Days75 ひとりで大爆笑という書き込み。
 是非、両方読んでみられる事をお奨めする。

 意外な事に意外な知識を有しているんだな? アイフルのお姉さん。

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不味いぞ

 吉野家に新メニュー登場。その名も『牛焼肉丼』 どんど〜ん、ぱふぱふ、べんべべん!
 で、早速食べに行って来たわさ。

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えぐられたぞ

 歯医者に行った。高円寺に住んでいた新婚時代に通い始めたまま、さいたまに移った今もどこか悪くなるたびに通っている中野の歯医者だ。外れた詰め物を治して貰ったついでに、その隣がちと痛いと云ったら、デンタルミラーで一瞥しただけで盛大にやり直す事に。
 「じゃ、今日、冠ぶせ物の金属外して、カタとって、来週には嵌めましょう」
 速いのだ。いや、一週間で歯の詰め物が出来る事ではない。痛いと云い出してから、1分も経たない内に、治療手順が決まっている。で…、
「今から麻酔かけるけどいいよね?」
 その日の予定によっては、麻酔のしびれが残っているままでは仕事にならない事もあるので、一応、そういう治療を今からして良いか聞いて下さるのは有り難いんですが、先生、アナタもう片手に麻酔の注射器持っているじゃないですか……。
 こうなると、俎板の鯉ならぬデンタルチェアの患者である。

 とはいえ、今の歯医者は、昔のようには痛くない。簡単に麻酔を使うようになった事もあるのだが、それ以上に麻酔薬の質が変わって来ているらしい。世間話の途中で聞いたので正確ではないが、昔の歯医者の麻酔は奥底の神経に直接針を刺して薬液を送って麻痺させたが、今のは浸透性の高い薬液で、浅いところで済むような話だった。

 こちとら、歯医者歴はそろそろ四十年になろうと云うベテランだが、人生最初の十数年見ていただいたのは、母親の従兄にあたる歯科医だった。この人が、従兄と云っても、母とは随分歳が離れていた。母がたの祖母の実家の、長男の長男で、末娘だった祖母よりも更に一歳年上と云う、母から見れば叔父といっても不思議の無いお年の方だった。ということで、その頃多分、既に50代。ということは、腕を磨いた修行時代はその30年は前ということになる。つまり、大戦前に身に付けた技術で治療していたと思って間違いあるまい。
 ここの治療院は、四日市市の諏訪町にあったのだが、玄関を入ると畳の待合室があって、一人づつ呼ばれると、隣の板の間の治療室にスリッパを履いて入って行くと云うものだった。治療室には、何か静謐な空気が漂っており、今ではお目にかかる事も無い、金属製の背の高い治療椅子(こんな感じ)があり、ベルトドライブのメカニカルな歯科ドリルのアーム(こんな感じ)が、隣接する高い支持柱から何本かぶら下がっていた。
 歯医者が患者の口を都合の良い高さに合わせるための治療椅子のエレベーション機構や、ツールがどの角度に向いても動力を伝えて来るためのベルトドライブのジョイント機構なんかには、凄く興味があったんだが、あの頭蓋に響くぎゅいいん!っていう音は、痛みと共に苦手だった。

 それと比べると、現在の歯科治療器具は隔世の感がある。ドリルはエアドライブなのか、何かチューブ様のもの一つで繋がっているし、治療に使う材料も全く新しい樹脂や合金が増えて来ている。詰め物一つとっても、ガラスの上で捏ねたセメントをコテで詰めた頃からは考えられないぐらい、硬化時間も早い。速いということは、患者の拘束時間も短くて済む。
 また、治療椅子も多くの歯科医院で、昔の背の高いものから、寝そべるものに変わっている。
 この寝そべり型のデンタルチェアが入り始めたのは、1970年代末から80年代前半だったか。「あそこの歯医者は、ドクターマッコイの治療室みたいな椅子なんだと」という噂を聞いたのが、始まりだったと思う。それまでの正対式のものと違い、患者の頭を下げて、医者が上から見下ろす形には、医者の仕事がし易いと云う面とともに、患者の視線が天井に行くという効果もあるようだ。使った大きな回転ドリルや回転鋸歯を、少し血がにじんだままパットにおいて行くのをじっと眺めているのは、人によっては気持ちのよいものではあるまい。特にそれが、自分の口の中で暴れ回ったと思うと、嫌だろう。それが、天井を向かせられていると、視界が限られるのであまり目に入らない。単なる演出だと云えばそれまでだが、演出でリラックス出来るのなら結構ではないか。
 もっとも、神北は、(自分の身体に使われるということは別として)そういう道具類が嫌いではないので、起き上がって口を濯ぐ僅かな間に、急いでそのあたりを確認したりするのだが…。

 かくして、盛大に奥歯をえぐられて、型を取られたあと、麻酔が切れるまでの間の2時間程、右頬の顎から下唇に掛けてが、思ったように動かなかったが、それでも、仮詰めが速乾性の樹脂材なので、夕飯は問題なく食べる事が出来た。ありがたやありがたや。

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2004/11/25

史上最大スクリーン数だぞ

 昨日神北は、指の怪我で通院した女房が半日休暇で済まない程病院で時間を食われたことを奇禍として、平日に夫婦で映画を観に行くだなんて、なんだか反社会的な行動をとった訳だ。もちろん、病院で時間を取られたのは、女房の怪我が重かったためではなく、5分の診療のために2時間以上待たされる日本の診療システムの劣悪さに起因する訳で、神北が怪我をした女房を無理矢理連れ回した訳ではない。
 が、感想を書いた後、いつも拝読させて戴いているいくつかのブログを巡回していたら、作家の朝松健さんも、同じ日に、同じ『ハウルの動く城』をご夫婦で鑑賞された由。まあ、日本史上最多のスクリーン数を誇る大人気映画となれば、同じ日に観に行った夫婦なんて、全国で掃いて捨てる程居るのだろうが、逆宇宙ハンター以来のファンとしては、無理矢理にでもシンクロニシティを感じてみる。
 苦止縷得宗のおかげ様である。(ホントか?)

 しかし、史上最多スクリーンとは言うものの、100人〜150人ぐらいしか入らない小さな上映館が増えている昨今のシネコンブームの中で、たしかに今年のどの作品より多くの人が見ている計算かも知れないが、小さな小屋でも300人とか500人とか平気で入った30年も昔の映画館のかき集めた人数と比べると、動員人数的には、どのぐらいのモノなのであろうか?
 人数でなくスクリーン数で威張っているあたりに、裏面になにか、アヤシゲなキナ臭さを感じずにはいられない訳だ。

 しかし、映画は高い。
 もちろん、ある一定量の収入が無いと、映画会社も新作を作れなくなるし、上映館も小屋を維持出来なくなる。そこは判る。しかし、敢えて云うと、今、新作映画を映画館で見ることに、それほどまでの対価を払う価値があるのかという気がする。
 40年も前の、まだ、映画というものは封切館の上映を終えたら、二番館・三番館へとフイルムが流れていた時期。その上映期間内に観ないと、次は名画座に掛かるまで、その映像と会うことはできなかった。もちろんその後、テレビでは洋画番組が大流行りする。30年ぐらい前には1週間各曜日、21時台に殆どどこかの局で名画を放送していたものだ。また、夏休みや冬休みになると、午前中には子供向けの怪獣映画放映も多かった。世の中にビデオテープと言うものがあって、放送局などでは画像を保存しているのだと言うことは確かに知識として知っていた。だが、家庭用のビデオはまだ存在しない。映画を所有するとなると、一般市民には高嶺の花だった。そういうことは、自宅に上映室を持ち、フィルムを買い取るだけのコネやカネのあるブルジョアな趣味人、いわゆる高等遊民の優雅な遊びでしかなかった。

 その頃と比べると、25年程前に出現したホームビデオ以降、世の中は一変した。映画を所有し、好きな時に観ることが出来るのだ。更に、ここ数年は、DVDの発達で、それに輪が掛かった。また、映画を多数放映する有料チャンネルも多い。
 事ここに至りDVDソフトとして、誰でも知るような名画ばかりか、全世界でも何人が見たがっているか疑わしいようなショボい三流カルトムービーまで、ありとあらゆる映画が売りに出されるようになった。ジョン=カーペンター監督の怪作スペースオペラ『ダークスター』のDVDが3,800円。ジョージ=ルーカスの『スターウォーズ』第4〜6部三作まとめて約10,000円。ポピュラーなものからレアなものまで、かなりの作品が今、一般市民の手に入るようになっている。版元品切れしてたって、ヤフオクとアマゾンのユーズドがある。

 この状況を簡単に言い換えれば、今の封切り映画がライバル視すべき対象は、自分より前に発表された全ての映画だということだ。
 たとえば、考えてみて欲しい。今、多くの封切り館は入れ替え制をとっている。一般1,800円〜指定席2,500円の映画をカップル2人で観るのならば、同じ値段でDVDが買えてしまうのだ。
 駄作かも知れない新作スペースオペラを封切りで観るより、絶対何度も観れる面白さの『スターウォーズ』の方がお買い得ではないか?
 しかも、今高い金出して一期一会の出会いをしたその映画、まず間違いなく一年以内に、下手をすると半年以内に、もっと下手をするとアメリカ版なら封切り前から、DVDソフトになって売り出される。

 このご時世に、普通に大人1800円とか掛けて観に行かせるだけの価値を映画に感じる事は、もはや難しい事なのではないか? ジェームス=ディーンの名画DVDが定価1500円で、海のものとも山のものともつかない未知の映画が入場料1,800円。もちろんそれでも入る人は入る訳だが、万人に訴求し難いのはお解り戴けると思う。
 いっその事、映画会社は、DVDのみで儲ける構造に、完全にビジネスシフトして、小屋掛けしての映画館上映は宣伝と割り切って、今までと逆に、映画館に動員人数1人当り幾ばくかの報奨金を支払ってでも、入場料を500円とか800円に下げてみたらどうだろうか?
 映画館に人が戻って来れば、パンフレットやグッズの売り上げなど、様々な二次売り上げは増やせるのだから、意外とやって行けるんじゃないかな?

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ハウルを観て来たぞ

 『ハウルの動く城』を観て来た。言わずと知れた宮崎駿監督の最新作。こないだの土曜日に封切られ、一気に日本中を席巻した今年の邦画界イチオシの劇場版アニメだ。(ま、このトコロの劇場版アニメは、『イノセンス』を皮切りに、ずらりと大作揃いなのだが……)
 とはいえ、神北的には、『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』ほどの期待は寄せていなかった。なんか、何年も前に見せられた殆ど動く部分のない速報のような予告編に始まり、折々のリーク情報、雑誌などに載っている事前情報をそこそこ耳目に入れても、同じ宮崎アニメの上に上げた二作と比べて、そうまで燃えるモノが沸き上がって来ないのだ。
 更に、今TVCMで流れている、ぐにゅわり、ぐにゅわり、ぐにゅわり、と各所を伸び縮みさせながら歩いて来る城の絵に、ちょっと嫌気が挿していた。
 たしかに、部品部品を別け、しかもそれぞれにハーモニーで写実的な陰影を施し、コンピュータ上のモーフィングを取り入れながら、複雑な城が動くシーンは凄い。そして、大変なシーンなんだろうとは思うのだ。だが、その効果がよく伝わって来なかった。凄い絵なのだが、これは写実的に作り、リアルげな霞に隠さずに、もっとセルっぽさのあるアニメ絵で描いた方が、感動があるんじゃなかろうかと言う気がしたのだ。

 さて、そんな事前情報への感想を抱きながら、『ハウルの動く城』を観に行った。

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2004/11/23

中学生が投げるぞ

http://www.sanspo.com/upper.htmlにこんな記事があった。

【社会】日立電鉄バスの路線バスの運転手が中3の顔ける
 日立電鉄バス(茨城県日立市)の路線バスの男性運転手(46)が、バスに物を投げられたことに腹を立て、中学3年の男子生徒(15)の顔をけって1週間の打撲傷を負わせていたことが20日、分かった。  日立電鉄バスによると、運転手は路線バスを運転中の4日午後5時50分ごろ、茨城県高萩市内の国道で車体に物が当たったのに気付き、外の路上にいた男子生徒ら中学生2人に話を聴いたが何も答えなかった。男子生徒が座ったまま薄ら笑いを浮かべたように見えたため、かっとなって顔をけったという。  男子生徒は「木の実をバスに向かって投げた」と話しているという。同バスは中学生の親に謝罪し、運転手の処分を検討中。中学生の親は5日、高萩署に被害届を出した。
 もし、中学生が、来日した米国大統領の車列に向ってトマトを投げつけたとして、それに対してシークレットサービスが実力行使をした時、大統領はシークレットサービスの処分を検討するものか?

 私営企業とはいえ、運行している路線バス(当然、公共交通機関だ)に対し、ものを投げつけた子供の保護者が、警察に被害を出すと言うのは、如何なものなのか。余程酷く蹴られたということかも知れんので、脇から口を挟むのもナニだが、まず、バスにものを投げつけたのは子供なんだろう?
 まあ、廃線が噂されているとかいろいろあるのかもしれないが、日立電鉄バスも日立電鉄バスで、営業妨害ということをワキに置いてまでこのワルガキの保護者に謝らなくてはならないものなのか? 許認可を受けた路線を営業する会社として、弱気すぎないそれ?
 保護者である親に対しては、謝罪より、ダイヤを遅れさせるようなコトを仕出かしたことに対しての苦情等が先行してもいいんじゃないのかな?

 だってこれが、田舎の野生猿が済む辺りの路線でサルが木の実をぶつけてくるんだったら、何の遠慮も会釈も無く猿の排除が検討されるじゃん?
 サルは排除で中学生には保護者に謝るのか? なんか、違う気がするぞ。
 

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ヤツが立っているぞ

 ネットを見ていると、時々、自分には理解出来ないことをやっている人や、本能では理解出来るものの、しない方がいいんじゃねーかなーと良識ブレーキの働いてしまうようなことをやっている人が、居る。

 一つがこういうこと。食い物を粗末にする。速い話が、悪食の一種。食えないものを食おうとしたり、食えるものを食えなくしてから食おうとしたり、食えない程の量を無理矢理食おうとしたり、様々なバリエーションがある。
 たとえば、冒険者組合日本支部悪食列伝なんかは、その典型であろう。M氏の八戸食い倒れ旅行記や、その続編のM氏の仙台食い倒れ事件簿-M氏の冒険2-店で食う・売っている物を食うというコンセプトでは捨て難い。
 そんな中の一つに、液体窒素でお料理および、その技篇の液体窒素で遊ぶというモノがある。

 もう一つがこういうこと。恥ずかしいことをする。まあ、これには様々なバリエーションがあるが、とにかく>これ。
 ネタがガンダムなので、25年来の視聴者だし、今年はガンダム系ムックに記事も書かせてもらっているオイラにとっては他人事ならざるテーマだが、こいつぁちょっと他人で居たい。……イヤ、他人デモ痛イ……。

 まあ、……見てくれ。

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2004/11/22

二度目だぞ

 なんだか、天地がひっくり返るような大騒動である。ネットで発言している人口の多くが30歳未満の若い世代と考えると、天地が崩れ落ちたようなものかも知れないが、どこのニュースも騒ぎ過ぎである。
 そう、ドラえもんの声優交代という話である。

 ドラえもん役  大山のぶ代さん (68)
 のび太役    小原乃梨子さん (69)
 しずかちゃん役 野村道子さん  (66)
 ジャイアン役  たてかべ和也さん(70)
 スネ夫役    肝付兼太さん  (69)

 そりゃ、毎週のレギュラーはキツかろうて!

 そもそも、ドラえもんの声は、大山のぶ代さんが初代ではない。1979年にスタートしたこのシリーズの前に、1973年に、たしか富田耕生さんが主役声優を勤めたドラえもん全26回が放映されている。富田さんの中でも、ドン=ハッカみたいな力丈夫系ではなく、マジンガーZのヌケの系統の声で、ぽよよん、ノホホンとしたドラえもんに仕上がっており、こちらも捨て難いと神北は感じている。
 それを考えると「なんで今回こんなに大騒ぎを?」と不思議な感じがするし、周囲の大騒ぎぶりにもはやツイテイケナイ感を抱かざるを得ない。

 この内、何割の人が、アトムの声が清水マリさん(67)から津村まことさん(39)に変わった2003年春に、それを話題にしたのだろう? 1980年代に一度、ルパンの声を古川登志夫さん(58)に変えようと言う話になった時に話題にした人は何人居たのだろう? 鬼太郎の声が野沢雅子さん(68)から第三期の戸田恵子(47)さんに変わったとき、第四期の松岡洋子(50)に変わったとき、そう問題にした人が居たのかと云いたい。

 無論、それ等の作品とドラえもんの大きな違いは、どうも、ドラえもんは別シリーズとしてでなく同一のシリーズの中で声優の一斉交代を企図していると云う話であり、たしかに衝撃は大きいのかも知れない。だがそれにしても、こうも一斉にネット中が騒ぐ程のことなのかと云う気がする。
 とにかく、テレビ朝日は、自分の会社の災害救済募金を『ドラえもん募金』とするなど、ドラえもんを局と一体になったキャラとして捉えている観があるので、ドラえもんを終了することはないのだろうが、そうであるならばそうとして、大山ドラえもんで最終話が無いということで、それも寂しい気がする。
 テレビ朝日の番組に寄ると、局の仄めかしとしては、何か、声優交代をちゃんと演出する考えがあるらしいので、とにかく、半年後の交代を静かに見守りたい。

※声優さんのお年は全て現在年齢です。

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分類されているぞ

 ニュースサイトはどこへ向かうのかと言う記事が、M.o.E 〜Made of Enjoy〜さんに載った。
 ブログの浸透で急速に増えたニュース系サイトを、ニュースを探し出して来て元記事を作る親系・それを紹介する子孫系親系から直接引く子系子系の羅列から引く孫系を合わせた子・孫系)に分類し、それぞれが持つべき役割を分析している。
 子孫系のサイトであるM.o.E 〜Made of Enjoy〜としての結論は、ニュースをどう選択し、どう並べ、どういう紹介の仕方をするかと云う「独自性」が無ければ、意味が無いなと云う、当然だが一番真っ当な『在り方論』だ。
 神北の周りは、なぜか、ニュース系ではなく、読み物系とでも言えば良いのか、日記系と云えば良いのか、自分の行動や影響を受けた出来事を軸に思ったコトゴトを書き連ねる人が多く、実際に一緒に遊んだりする友人でニュース系という人が居ない(筈だ)。だからよく判らないが、一つ言えることは、ネタを探し出して来る親系の人はもちろん、子孫系の人たちも、毎日恒常的にニュースを提供し続ける為には、相当の時間と大きな労力、盤石の持続力が必要な訳で、続いていると言うだけでも、凄いなぁと思ってしまう。
 ちと思ったのだが、こうした子孫系のニュースサイトの主は、みなさん、労働集約的な作業に耐えられる、20代前後の若い人が多いのではないだろうか。このM.o.E 〜Made of Enjoy〜さんはサイト主のプロフィールが無いのでよく判らないが、「日本史のテストが伸びた」とか書いておられるので、多分、高校生か大学生であろう。
 若い力で頑張って実社会の様々なことごとを、縦横無尽に切り分けてもらいたいものである。

 ただ、どうも最近、どこに行っても同じ記事と云う状況があるので、記事の選択・整理等を通した独自性の付与ということには大賛成である。

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“もえもえ”だぞ

 大映撮影所の火事、ご存知だろうか。
 東京都調布市多摩川の「角川大映撮影所」で、21日午前0時45分ごろ、第3スタジオから出火し、鉄筋コンクリート平屋約1000平方メートル余りを全焼した。
 この火事で影響を受けたのが、三池崇史監督の『妖怪大戦争』ぬりかべ土ころびおとろしの妖怪三体が、機材とともに燃えたらしい。
 まあ、来年夏の公開までには充分に取り返せる時間はあるが、12月のクランクアップは無理みたい。正式に会社の方からもエキストラ参加予定者への撮影延期告知があった。

 どうも、人気の無い時間なので放火の疑いがあるらしい。しかし、この放火犯も、人の恨みを買うにとどまらず、妖怪の怨みを買う事になろうとは思ってもいなかっただろう。

 ちなみに、この映画のヒロイン(だといいな、でも悪役だって自分で言っている…)が栗山千明。この娘のサイトの千明のきまぐれ日記2004.11.11(木)分に、(たぶん)この映画のロケで群馬の山中を移動中に遭遇したチョっと恐い話が載っている。これは、出荷の予言だったのだろうか??
 まあ、怪談映画を撮影しているとよく不思議な事があるらしいのだが、関係者数ある中で、この娘に起こるとはなぁ…。

 ちなみに、この娘、言わずと知れた物凄い美少女なんだが、日記ではなかなか堂に入ったマンガやアニメの読み方・見方をしていて、面白いぞ。

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2004/11/20

じんじんジンギスカンだぞ

 ジンギスカンを喰いに行こうと誘われた。新宿三丁目界隈の北牧場と云う店。なんでも、北海道出身のご主人が、今や北海道でも珍しいという生の羊肉にこだわっただそうだ。店内カウンター沿いに10〜15席程度と、店の前の軒下にテーブル席4人程しか入らない小さい店だが、昨夜のパラつく雨の中、傘をさして入るのを待つ人まで出る盛況ぶり。
 実は、仲間内でここへ出かけて行くのは何度目だからしいのだが、神北は今まで都合が付かず、機会を逃していた。今度こそは参加するべいと決意。ようやく発売になった『パーフェクトグレード ストライクガンダム』を秋葉原で手に入れてきたばかりの女房と新宿で待ち合わせ。女房と合流を進める間に、主宰者(というほどではない。言い出しただけで告知も他人任せ)の辻堂君に、電話。留守番電話。コイツの留守電、さんざ呼び出し音で待たされて、「メッセージセンターにお繋ぎします」とかいう悠長な女のアナウンスが入って、さあ伝言……と思うと、そこから彼の「電話をくれたけど、出れなくてゴメン。急ぐんなら、固定電話とか、FAXとか、電子メールとかでお願い。それと僕はよく携帯電話を落とすから、携帯だけだとしばらく連絡付かないかも、とにかくごめん。1日ぐらいの間には連絡付けようと頑張ってるから、待ってて、お願い」というような意味合いの、訥々と脈絡の無い世間話のような御託を30秒近く聞かされて、やっと吹き込める。
 とりあえず、辻堂の携帯に伝言を入れたが、1日先に返事を貰っても、今日の晩ご飯は返って来ない。安全策で、集まって来そうなメンツに電話してみる。告知を出していた牛丼仮面に電話。だが、ギュウさんも出ない。職場が比較的近い竹内君に電話してみる「今日、ジンギスカン行く?」「あ、今日は別件で…」。残業多そうだが職場が新宿の塩坂くんに掛けてみる。「あ、僕は遅れて参加です。できたら行きます。でも終わるかナ…」。参加表明をしていた藤澤くんは移動中らしくPHSに出ない。同じく参加表明していた古木君は携帯電話を持たない人。いよいよ困っていると、牛さん(牛丼仮面、彼は、通勤定期の署名も『牛丼仮面』。我々の間では通称 ギュウさんで通っている)から電話。ようやく店の位置が判っている人間と待ち合わせ出来る。
 東口改札で女房と合流して、牛さんと落ち合うことにした世界堂まで移動。店は待ち合わせ場所からほど近い位置に在った。
 店に着いて、辻堂君に電話を入れたんだがと云うと「ああ、だって僕今日電話忘れて来てますもん」

 ……オマエを信じようとしたオレがバカだったよ!!

 羊肉と、モヤシと、麦飯。シンプルだが美味い。新鮮な生肉がよいのか、いわゆる羊臭さが全くない。考えてみたら、牛タンとテールスープと麦飯の取り合わせに、なんだか似ているのだ。牛タン好きなら、このメニューはイケる。どれだけでも入る美味しさだ。
 反面、テーブル席だけの狭い店内、半分開けっ放し、表には傘をさしてまで待っている人の列、どうも屋台のノリである。ゆっくり出来ない。それと、トイレが遠い。雑居ビル内のトイレは地下。店のお嬢さん方に聞いて行ってみたが、なんだか階段を深く下りた上に、狭い廊下をトコトコ行くと、便器一つだけの男女兼用トイレがある。女房も付いて来たが、ちょっと女性1人で行かせるには向かない感じ。チョイと九龍城テイスト入っている? ま、どこまでも屋台の飲み屋が偶然建物の中に入っているような物なのである。快適さを求める店ではないので致し方ない。その分、食い物が美味い。収支は会っている。いやプラスだ。
 残念な事に、この店、ビルの立て直しで立ち退く事になっているらしい。が、まだ移転先は決まっていないとか。新宿ビルオーナーのみなさ〜ん。絶品ジンギスカンの店、あなたのビルに入れませんか〜! 出来れば、トイレが綺麗なトコ希望!

 喰うだけ喰って、北牧場を後にする。次の目標は、もはや定番のようになっているパセラ。二時間歌いまくり。ここは、複数のカラオケシステムを組み合わせたおかげで、番組映像の流れるカラオケが多いので、ヲタ様御用達の店。
 「王者 侍ジャイアンツ」「愛をもう一度(未来少年コナン劇場版)」「ルパン三世78’(セカンドシーズン)」……
 「あれ? ひょっとして、さっきからズッとキャラクター同じ?」
 そう、みーんな大塚さんのキャラなので、主人公を除くと、ガヤは同じ顔ばかり。我々は大塚キャラで育ったのかも。(大塚康生さんの汎用キャラについての言及はココが簡明でいいぞ)
 結局、10時半にパセラを出て、帰途についた。美味くって楽しくって、大きな二重丸の金曜日だった。
 皆さんお疲れ様。またやりましょう。

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2004/11/19

合体ロボだぞ

 ロボットは何を目指すのか?
 ロボット工学はどこへ向うのか?

 その一つの答を、ヘンリク・ハウトップ・ルンド教授が出したようだ。ITmedia ライフスタイルに載ったデンマーク産“合体変形ロボ”は「ターミネーター」を目指す?という記事を読んでみて戴きたい。
 単純機能の、かつてマクドナルドのハンバーガーが入っていた発泡スチロールケースのような大きさの小さなロボットを部品として組み合わせる事で、いろんな機能を実現させようと言う試みだ。記事にも書いてあるが、現在のトコロ、こいつらは自分で寄り集まって合体したりは出来ない。誰かが組み上げてやって初めて動き出せるようになっている。だが、この先生の考えているのは、いずれは自力動作が可能なミクロサイズのナノマシン化して、なんでもさせられるロボットにしようということらしい。つまり、目標はT1000というわけだ。
 小さなユニットの組み合わせで様々な動作を実現すると云うこの方向性、たしかにT1000に続く試作の一つだ。どこにでも居て、必要な時に呼べば、必要な量のユニットが協調して作業態となり、仕事をこなす。たとえば、計算力が必要ならCPUを並べるし、馬力が要るなら駆動部を束ねる。出来る限り汎用化し、代替の利かない専用パーツを出来るだけ作らない。
 これって、T1000でもあるけど、怪獣王ターガンのヒューヒュー・ポーポーじゃないの? あいつら、なんか単に宇宙の不定形生物だとばかり思っていたけど、ひょっとかして、そういう方向性で作られたナノマシン系お手伝いロボットだった??

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2004/11/18

モナ・リザで焚火だぞ

 Microsoft Internet Explorer(IE)がらみの話題が続く…。
 SleipnirというWindows用のソフトウェアが在る。……ていうか在った。いや、もっと詳しく云うと、今も使っている人は多い。
 これはどんなソフトかと云うと、IEの表示コンポーネント(正式に、ユーザに提供されている)を使いタブブラウジング可能にした、いわゆるタブブラウザである。タブブラウザと云っても、IEユーザには知らない人も多かろうが、今や、これは世界標準。IEがスカタコな3大理由のうち1つは、2004年にもなってまだ、自分ではこのタブブラウジングに対応していない点にある。(ちなみに、残りの2つは、こうだ。勝手な拡大解釈でHTMLとして駄目駄目なコードを無理矢理表示しまうことで、HTML的に不正で他のブラウザ等では表示出来ない屑ページを量産させている点。これは逆に、ユーザをIEに縛り付ける囲い込みという点で、他のブラウザを不当に追い立てている。最後の1つは云うまでもなく、勝手なおせっかい機能を満載し、それでユーザのセキュリティーをパーにしている点。)
 今、IEだと、別のウィンドウで新しい表示をさせて行くと、次々と開いて行った結果、いつの間にやらディスプレイ上が重なり合うウィンドウでわやくちゃになってしまう。これを、ウィンドウの端に切替用タブを付ける事で、一つのウィンドウ内に収めてしまおうと言うのが、タブブラウジング。それを実現したブラウザがタブブラウザだ。
 たったそれだけ? 別に、ウィンドウ1枚に収めなくてもいいじゃん? と思っている人は、猛省すべし!!
 書き物とか探し物の最中に、ネットで情報を検索し、アレやコレやを探し出すケースを考えてみて欲しい。例えば神北は、平均5〜10個ぐらいのWebページを並行して眺めながら、情報を取って来る。もちろん、昔はそれをするにはマシンパワーが足らなかったから、一個ずつ読んでは必要部分をテキストコピーしておいたり、ブリントアウトしたりという事前準備をしっかりしてから、しかるべき後にそれを脇に置いて仕事をした。しかし、今はそれが、画面も広くなったし、CPUパワーも、メモリ容量も、回線速度も格段に増したので、調査対象をナマで開きながら、その場で並行して仕事ができる。気になったらその場から確認に行ける。場合によっては、検索で引っかかったページを30〜40と一斉に開いて、端から確認して行く事も在る。
 ウィンドウ2〜3枚程度なら、並行して開いていても構わないだろうが、10枚も開いていると、かなり鬱陶しい。しかも、ブラウザだけを開いている訳ではない。テキストエディタも開けば、自分で作ったデータベースも開く。モノによっては計算機やEXCELだって必要だし、確認のためにメモソフトを開く事も在る。こんな中でブラウザのウィンドウが開いているページ分一つひとつ開いてしまうのは面倒臭くて仕方ない。
 かくして、ネットでものを調べる人にとってタブブラウジングは、極めて有効。一度使うと、一枚ずつ別のウィンドウを開いているような非効率的な環境には逆戻り出来なくなる。ということは、今、普通にWebページを見ている全ての人にとって、タブブラウジングは有効ということだ。

 で、Sleipnirである。これは、IEの表示部分のプログラムをそのまま流用し、タブブラウジングに対応した、新進気鋭、期待のWebブラウザだ。……いや、だった。
 というのも、個人開発者によるシェアウェアだったのだが、開発者のパソコンが、ソースコードの入ったハードディスクごと盗難にあったと、幾つかのニュースが報じている。中には、開発継続断念とまで報じているものもある。
 もちろん、ソースが盗まれたからと言って既にネット上に流れているものまで無くなる訳ではない。ユーザのマシン内に既にインストールされているプログラムは、もちろん今もそこに在るし、ちゃんと動く。
 しかし。しかしである。昨今のセキュリティーホール騒動(IEの脆弱性を突いて、ユーザのシステムに侵入し、情報を盗んだり、破壊したりするソフトウェアの流行。過去何度か在り、その度にマイクロソフトは対応版を出して来たが、その度に対応版に新しい脆弱性が発見されると云う堂々巡りが続いている。)を考えると、Sleipnirの現行最新版に組み込まれているIEの表示部分のコードが、いつまで現役で居られるかは、極めて怪しいと云わざるを得ない。

 これが、転売を考えたパソコン泥棒だった場合、既に、HDDを消去し、中古屋に売り払われているかも知れない。シリアル番号等で盗品を確保出来ても、HDDの中身が残っていない可能性はかなり高い。云ってみれば、ルーブルからモナ・リザを盗み出して来て、火をつけて暖を取るような行為である。悲惨としか言いようが無い。

 逆に、これがSleipnirのソース欲しさの強奪だったら?
 考えたくはないが、こちらの方が悲惨である。

 神北とはプラットホームが違うので、直截使う機会が無かったソフトだが、一世を風靡したソフトなので、残念だ。一抹の寂しさと憤りを感じる。
 もちろん、パソコン泥棒が捕まり、反っくり返って来るのが一番望ましい。だが、もし、失われたソースが還らなくても、開発者の方には、速くショックから立ち直り、別の、あらたなソフトの開発に邁進していただきたい。

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三くだり半だぞ。

 最近、ある男の書いた離縁状、つまり三くだり半が、ネットに掲載された。Itmedia Eenterprise掲載記事。親愛なるIEへ——お別れの手紙 (2004/11/15 18:15 更新)である。

 まあ、速い話が、もうお前はいいよ、ボロボロとバグが出てメンテが大変な上に、Windows以外のOSとはどうも上手いこと連携する気がないから……。という内容のコラムだ。


親愛なるInternet Explorer様

 もう終わりだ。僕たちの関係は、これまでもうまくいっているとは言えなかったけれど、最後のときが来た。僕は別のブラウザに乗り換えることにするよ。

 今が君にとってつらい時期であることは分かっている——君は、新しいウイルスでダメージを受けている。すぐに回復するよう、心から祈っている。でも、僕にも人生があるんだ。実際、僕と付き合っている間中、君はいつもウイルスや、たまに発生するワームの問題を抱えていた。本当に、医者にかかるべきだよ。

 だから、これ以上君とは付き合えない。君はきっと欠点を直すと言うだろう。今度はうまくいく、とも——でも、君は前にもそう言った。そのたびに、僕は君の言葉を信じてきた。

 でも、もうおしまいだ。


……という書き出しで始まる、もう、IEのために時間を使うのは、うんざりだという事を丁寧に書き連ねた、FireFoxに移るための理由の羅列。それが、男女の別れに見立てて書かれている。
 原文はRobert Vamosiさんという人の書いたZDNet米国版掲載記事である。
 アメリカ人の感性では、IEとの決別とは、そういうモノなのかも知れない。

 だが、神北は日本人なので、IEというものを、別のものに準えたい。
 Windowsにタダで付いて来る、Microsoft社製のWebブラウザーで、ユーザの預かり知らないところでメモリやCPUパワーを削ぐように浪費し、WindowsやWord等Microsoft社製の姉妹ソフトと勝手に連携するし、秘密の機能も多い。これは、日本の民話にちゃんと類型が在るではないか。
 「私はモノ喰わぬ女房です。どうかお家に置いて下さい」と云いながら、こっそり隠れて大量のメシを喰う。
 そう、IEとは、妖怪二口女だったのである。

 ま、FireFoxが、正体を知られて去って行く信太の狐なのかもしれないけど。(オープンソースで正体もナニも無いけどサ)

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2004/11/17

映像二態だぞ

 ネットを巡っていていると、お気に入りのサイトと言うものが出来て来る。今回、その中の2つをご紹介する。

●大雷音寺動画館

 大雷音寺本館内の大雷音寺動画館というサイトがある。サイトの主はライヲンさん。個人で、GIF動画Flashムービーを作っている方のサイトだ。
 ここの■機動戦士アッガイ■というコンテンツがスゴい。オープニングテーマ「跳べ!アッガイ」に始まり、第一話「アッガイ大地に立つ」から、「アッガイ破壊命令」「大気圏突入」「戦場は荒野」「跳べ!ズゴック」と、モノクロで作られ、以降、カラー化されて「再会、アッガイよ…」「追撃!ガンボール」へと続いている。
 まあ、このタイトルを見て何も判らないと言う方は見ても仕方ないのかも知れないが、これはつまり『機動戦士ガンダム』のパロディー作品と言う訳だ。
 主人公はアカハナガンダムでは、番組全体を通じて最大の仇役であるシャア=アズナブルとともにジャブローに潜入したジオン軍兵士のひとりだが、まあ、だからといって何と言う程のことも無い単なる登場人物の1人である。
 だが、このシリーズでは、主人公がこのアカハナ。彼の乗機であり、タイトルにもなっているモビルスーツがアッガイ。これもまあ、まるっこくって可愛いとか言うものの、なんと云うことは無い水陸両用のモビルスーツ(と思っていると、この『機動戦士アッガイ』シリーズでは、宇宙戦闘も大気圏突入もやってしまうが…。)である。
 だが、アニパロ作品だからって、舐めて掛かってはいけない。この『機動戦士アッガイ』シリーズ、細かいネタで笑わせながらも、次へ次へと見せてしまうだけの、訴求力が在る。それは、かつてアニメ誌誌上にこつ然と登場し、あれよあれよとスターダムにのし上がって行ったゆうきまさみや、みんだ☆なお浪速愛などのスタートが、アニメから繊維とキャラを借りたシチュエーションコメディーとしての四コマ漫画や短編漫画、いわゆるアニパロコミックだったことを思い起こさせる。

●帝国少年

 この帝国少年は、それとは逆に、世界観を全て自分で作り出すと云う、気の遠くなるような作業を丹念にやっておられるサイト。
 管理人名:man (PN:帝国少年)…とあるので、サイトの主はサイト名と同じ帝国少年さんということであろう。
 帝国少年作品集というコーナーに、その世界観の多くが発表されている。1900年代中盤の日本の雰囲気を持ち、我々とは異なった不思議な文化が根付いた暮らし良さそうな国、帝国。なんでも、宇宙開発とかを過去に行なっていたらしいので、高度文明が崩壊した後の世界なのかも知れない。その膨大なイメージの奔流は、かの王立宇宙軍や、士郎正宗の作品を彷彿とさせる。
 中でも、雨と少女と私の手紙という項目には、その様々な設定の集大成としてのMPEGムービーが収められている。
 神北のお勧めとしては、まず、コンテンツの発表順になるらしい後から眺め始め、精緻な設定を全て堪能してしかるべき知識を得た上で、ムービーへと至って戴きたいが、もちろん、特にサイト主が指定している訳ではないので、好きに見て貰えば良いのであろう。
 ちなみに、土地、場所という項目にある野菜市場というイラストを、神北は、壁紙として使わせて頂いている。
 清楚な文化が根付いた、暮らし良さそうな文明社会である。

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2004/11/16

今すぐ欲しいぞ

 その昔、流通している多くのハードディスクの1基あたりの容量がが80〜120メガバイト程度だった頃のこと。MOディスクというものが普及し始めた。光磁気ディスクという奴である。
 容量は最初約128メガバイト。次いで約260メガバイト。最終的に約520メガバイトと数年かけて大容量化して行った。だが、その最終段階は、CD-RAM・CD-RW・CD-Rの発表時期と重なり、安価かつ標準的なデバイスとなりつつあったCD-ROMと同じドライブで読み書き出来るメディアと云う利便性を持ったこれ等のデバイスに追われるようにして、前世紀末に急激に廃れて行った。とはいえ、この全盛期のマシン&ソフト構成のまま進化を止めていたDTP界では、今でも現役という会社も少なくない。

 このMO普及期の本当の初期の頃に何より便利だったのは、自分の持っているハードディスクの容量より、MOの方が遥かに容量があったことだ。何が起こるかと云うと、一番容量の小さな128MOディスクたった1枚に、40メガバイトのハードディスクに入れたシステムを3つ入れられるのだ。クラッシュ対応の為に、1ヶ月毎に1回づつシステムをそっくりバックアップをしておくとすれば、3ヶ月で1枚。1年間分でもたった4枚のディスクにデータを保存出来る。しかも、当時の40メガバイトと言うのは、システムだけでなく、そこそこの仕事用のデータまで入る大きさだった。
 そのころ一番普及していたフロッピーディスクが1.2〜1.4メガバイト。これを30枚以上使って取っ替え引っ替えしつつバックアップを取らなければならなかったところを、MOディスク1枚には、その全部が3回入るのだ。しかも、フロッピー1枚50円〜100円×100枚分の価格というわけではない。容量分から見るとMOディスクの価格は、随分と安価だった。記録容量価格レシオで格段に優れていた訳だ。
 ところが、この後、ハーでディスクの容量は格段に成長する。当時40メガバイトから80メガバイトに移行しつつあったそれは、今や、廉売PCでも40ギガバイト。中堅機でも80〜120ギガバイト。大容量の物だと、250〜300ギガバイトと言う高級普及機もある。
 なんせ、家庭用ハードディスクビデオレコーダーでも容量300ギガバイトを謳う時代である。容量的に、2000倍以上大きくなっているのだ。
 しかし、ここで一つ、大きな問題がある。ハードディスクが2000倍から4000倍の大きさになろうと云う4ケタの成長を示したここ10年。バックアップを取るディスクメディアの方はどれほど大きくなったかと云うと、基本的に、CD-R = 500〜600メガバイト・DVD-R = 4.5ギガバイト。つまり、発展期のMOディスクの容量から、CD-Rは頭一つ抜け出しかけたところのまま。DVDでも、1ケタ弱容量が増えただけに留まり続けているのだ。
 故に、今、一番効率の良いバックアップは、同容量のハードディスクをもう1台買って来て、そっくりコピーしておくことだと云われている。

 こう概観してみると、以下に今、ハードディスクが巨大になり過ぎて、バックアップが追い付かなくなっているかが判ると思う。
 また、MOの良さは、容量的なアドバンテージだけに留まらなかった。ドライブはそれなりに値が張ったが、運用経費が割と安価だったことが何より大きい。上に述べた、メディアの記録容量価格レシオはもちろんのこと、当時かなり普及していた、3.5インチのフロッピーディスクを2枚重ねて運ぶケースにちょうどMOが1枚すっぽり入る大きさだったおかげで、携帯や送付も楽だった。つまり、既存メディアの運搬手段を上手く利用することで、余計な費用を抑えられたのだ。

 で、先日。ITmedia Newsに、パイオニア、容量510Gバイトのディスクを実現する技術という記事が載った。(IDG 速報 2004/11/15 19:07 更新)


 パイオニアにはこの技術をすぐに商業化する計画はないが、これを使えば、書き込み可能なディスクでも読み取りのみのディスクでも、現行の12センチDVDの100倍を超える容量にできると考えている。

 「非常に興味深い。特にパイオニアが2006〜2007年にこれをリリースできれば、市場への影響は大きいだろう」
IDC Japanのストレージ担当リサーチマネジャー、鈴木康介氏

 本当なら、久々に、固定ドライブ(ハードディスク)を上回る、大きなメディアの登場だ。そんな、再来年なんて云わずに、来年そうそうにでも製品化して下さいよぉ、パイオニアさん!

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2004/11/14

血迷ってるぞ

 Asahi.comの経済欄に、CMカット機能「著作権法違反も」 日枝・民放連会長という記事が載った。


 日枝久・日本民間放送連盟会長(フジテレビジョン会長)は12日の記者会見で、DVD録画再生機を使ってCMや見たくない場面を飛ばして番組を録画・再生することが、「著作権法に違反する可能性もある」と述べた。電機メーカーなどに何らかの対応を求められないかを検討するため、民放連で研究部会を設けた。

 高性能のDVD録画再生機は、見たくない部分を自在に飛ばす「編集」ができ、CMカットも容易に出来る。日枝会長は「放送は1時間すべてが著作物と考える学者もいる。いろんな問題を含んでいる」と語った。

   2004年11月12日 23時12分付配信 引用は原ニュースの抄録

 詭弁にしても、酷過ぎる理論だ。
 「では、フジテレビのページで宣伝・販売しているビデオに関しては、放送時のCMも入れるのか?」という疑問すら、湧いて来る。
 著作物の一部であるCMを抜いて、発売する以上、そのビデオは番組とは別の著作物・改変版ということになってしまう。「あのときの感動をもう一度」とか言って売ったビデオが「CMが入ってない」として訴えられたら、どう言い訳するのだ?

 放送局が、スポンサーの資金によって電波を送り出すことに異議はない。そのスポンサーに対し、敬意を払うべきことも理解出来る。だから、敬意を払い録画にCMも残して欲しいと説くのならば、放送局の指導層として当然の発言だし、十二分に納得出来る面がある。
 だが、これは「著作権の問題」ではない。
 神北は本来、「CMこそ、再放送の時には変わってしまうし消えて行くから、残しておけば貴重」と思っている派だから、CMを切ることは無い。が、個人の利用の範疇では、そこから先は、利用する(録画する)ものの自由なのではないのか? いや、利用側の自由と云ってしまうのは云い過ぎだとしても、少なくとも送り出した放送局が云々する(出来る)コトでは無いのではないか? 金銭で売買する為ではなく、個人的に録画画像を楽しむ分には、CMにしろ、他のシーンにしろ、落とすか残すかなど、そもそも放送局が著作権の問題として忖度する事柄ではないであろう。

 もっと云えばだ。プロレスや野球の自分の好きなシーンをどんどん繋いで、個人的にダイジェスト版を作り、自宅で観ていたら、突然警察が踏み込んで来て、しょっぴかれるのか? ということだ。

 もう一つ、「ドコからドコまでが番組なのか?」という問題もある。「開始提供ロールから終了提供ロールまで」か? だとすると、提供ロールが入る前にアバンタイトルや主題歌のある番組は、その部分については著作権を放棄しているのか? また、全体が著作物と主張するからには、番組と言うユニット毎に著作権者として、放送局のクレジットを入れないと行けないのではないのか? 各番組にそれが無いということは、放送開始時の挨拶放送と終了時の挨拶放送の間全部が1つの編集著作物だとでも考えているというのか? そうだとすると、1日5分の帯番組を録画する為に、前後合わせて20時間以上を録らないと著作権違反ということになる。本気か?

 このトコロ、(「たかが選手」発言等)万人を納得させるだけの説得力がないお粗末な見解を大威張りで発表して、日本全国から失笑を買うのが、大手報道機関のトップの流行になっている気がする。言論はたしかに自由であるべきだけどさ、全国から笑われるような、誰が聞いてもおかしいと判る程度のことは、云わない方が良いと思うよ。

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3倍来たぞ

 ふう、やっと収まったらしい。
 有り難いことに、いつも仲良くさせてもらっているむいむい星人の寝言さん等だけでなく、ガノタ(ガンダムオタク)系で名の通った幾つかのサイト(シャア専用ブログさん・シャアポさん・駄目ガノタの雑記帳さん等)で紹介して貰った、11月4日の記事『ヅダ登場だぞ』にアクセスが集中したらしい。ココログのアクセス解析で調べてみたら、先週から今週に掛けて通常の3倍以上の人がお越しになっていた。

 お読み戴いてありがとう御座います。また、ご紹介感謝します。

 しかし、拙文をこれだけの短期にこれだけの数の人が読みに来て下さって思うことは、やはり、MS IGLOOは、観たいと思ってもなかなか観に行けない作品なのだなぁということ。一度だけ金沢で金沢工業大学チャリティー上映会があったものの、常設館は日本全国で松戸のバンダイミュージアムだけ。
 もちろん、そういう、その場でないと観られないキラーコンテンツとして開発されたのだから当然なのだが……。
 とはいえ、、実際に行ってみると、JR常磐線で上野から松戸までは、電車で僅か20分。東京駅・池袋駅間が、JR山手線23分・東京メトロ(旧称営団地下鉄)丸ノ内線17分なので、時間的にほぼ等距離。意外と近い(というと松戸の人に失礼か?)
 東海道新幹線の着く東京駅からではJR山手線とJR常磐線を上野で乗り継いで約26分。東京駅からディズニーランドのある舞浜までは、JR京葉線に乗っている間こそ約15分だが、東京駅の改札内で山手線ホームから京葉線ホームまで約10分は連絡通路を歩かされることを考えると、新幹線で東京駅に来る人にとって、ディズニーランドとバンダイミュージアムは時間的にほぼ等距離と云える。
 実は、意外と近いのだ。

 とはいえ、関東まで出て来るのが大変と言う人も多かろう。
 たとえば、SF大会とかで、一部でも上映することは出来ないものか?
 それは、SF大会参加者にとっても、MS IGLOOという作品にとっても、松戸のバンダイミュージアムにとっても、幸運な出会いというものであろう。
 SF大会の企画局員は、これほどのセンス・オブ・ワンダーを、これほど濃密な画面にこれほど面白く描き込んだ作品を、大勢の人に何とか見せられないか、真剣に検討してみるべきだと思う。

 てなことを含めて、以下一言だけ、至急報告しておく

 祝! MS IGLOO 第4話制作決定!

 よかった、よかった。

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2004/11/12

ことばで戦うぞ

 論戦とは、言葉の応酬であると云う。たとえば、政治討論。たとえばSF大会のスタッフ会議。小学生の学級会議から飲み屋のナントカ談義まで、あらゆる討論は、複数の陣営(というか、主張者)によって、意見の相違を埋めるために行なわれるものだ。
 もちろん、その当事者によって歩み寄って合意点を探すのか、自分は一歩も動かず相手を叩きのめして引きずり寄せるのか、神出鬼没に立ち位置を変えて相手を翻弄するのが楽しいのか、スタンス——というか、ウォースタイル——は、バラバラである。だからこそ、相手の手を読み、間合いを避け、自分の間に引きずり込んで一気に仕掛けるわけだ。
 ただ、こういうことばのバトルにも、幾つかの種類がある。
 一番つまらないのが学芸会。主に、国会討論などがこれで、滅多に緊迫感が無い。特徴は、綺麗な脚本を書く人間は居るのに、舞台に立つ者がまだまだ演技者として未熟で、しくじって失笑を買うことまでが味として認められている。
 その対極にあるのがガチンコ。本気で殴り合っている。下手をすると銃を突きつけ合いながら、命を削ってこなす交渉だ。人質事件の犯人説得とか、戦場での降伏勧告、借金の取り立て。どちらかというと死ぬか生きるかと言う局面。もちろん、脚本などは無い。百パーセントアドリブで、卑怯だろうが何だろうが、臨機応変に立ち回って、相手に致命傷を与えた方が勝つ、ガチンコ勝負だ。。
 そして、その中間に位置するのが、プロレス。ヌルイのかと思うとさに非ず。鍛えに鍛えた身体で技の応酬をし、いかに自分の間合いに相手を引きずり込み、観客の感動を呼ぶような華麗で魅せる得意技で、勝負を決めるか。つまり、相手にも同じだけの体力が無いと成り立たないのが、言葉のプロレスである。華麗な技や返し技、時によっては反則技をも使い分け、使いこなしてこそ、初めて可能なバトルである。

 小泉首相が誕生して小泉内閣が出来た時、こういうバトルがちゃんと出来る、日本には珍しいタイプの政治家と思い、結構期待した。しかし、まともに試合の出来る対戦相手のないまま、いつの間にか、出会い頭の一発で勝ってしまうような横綱相撲が彼のバトルパターンとなり、組み合えるだけの実力を持った相手が出て来ても、決して組み合わずに、出会い頭の一発でさっさと勝ったことにして、勝手にリングを降りていってしまうようになった。だから、今、国会はちょっとつまらない。

 うさぎ御殿うさぎ亭主の雑記帳に、とっても良い話が乗っていた。

南東北理論

知り合いに「歩く南東北」と呼ばれている者がいる。どこであれ、彼の半径3メートルは南東北として認定されるという、根っからの南東北人間である。

突然こういうことを言い出したのは、詭弁屋の変態首相コイズミが「自衛隊の居るところは非戦闘地域である」と断言したからである。

それだったら自衛隊をファルージャに派遣すればよい。一瞬で非戦闘地域になるに違いない。

 それが本当なら、究極兵器だなァ。どんな戦争のさなかでも、自衛隊が派遣されると非戦闘地帯になってしまう。
 こういう一言で、小泉さんに逆襲出来るだけの、技と体力のある対戦相手、早く出て来ねーかなー。

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別れは突然やって来るぞ

 Macintoshのキーボードは、元々、電話と同じモジュラケーブルを使っていた。次に、ADB(アップル・デスクトッブ・バス)と呼ばれる汎用アクセサリコネクタが開発された。そこに繋がるキーボードやマウスの他に、スキャナやビデオからの静止画キャフプチャー、簡易なプリンタ、ペンタブレット、等々様々なものが開発され、広く普及した。
 自分が使ったADB機器の中で、尤も重宝したのが、PowerKeyというもの。元々、このADBには、パワーラインと言う専用線が在り、キーボードにあるパワーキーと呼ばれる特殊なキーを押すと、Macの電源が入ると云う機能があった。これはとても便利だった。机の奥や下の方に離れて置いてある本体まで手を伸ばさなくても、机上のキーボードにスイッチが付いているのだ。Macは登場した時から、もともとシャットダウン(終了処理)をマウスで行なう方式なので、これで、フロッピーの出し入れなどが必要なければ、本体に一度も触らずに立ち上げから終了まで、コンピュータを全て操れるのだ。PowerKeyはそのパワーラインの信号を感知して、Macの立ち上げと一緒に周辺機器の電源も立ち上げてしまえる、とても便利な電源タップだった。タップは4口あるので、Mac本体とともに、3つまでの周辺機器を立ち上げられる。たとえば、外付けHDD、モデム、プリンター等が使えるということだ。モニターに関しては、当時のMacは、まだ一体型の機種がかなり普及していたし、セパレートタイプの本体の多くは、モニタ用の専用電源を本体に持っていた。
 神北のPowerKeyは、たぶん、Macintosh classicを買った1990年頃の購入だと思う。当時は単に、PowerKeyと呼ばれていたが、今ではClassicと呼ばれている、第一世代の製品だ。それ以来十年近く、5代に渡って神北の主力機電源として重宝していた。その後、ADBを持たない世代のマシンが主力機となったため、今では補機として使っている2世代前の機械に使われていた。
 この、PowerKeyが、先日ついに故障した。先週の金曜日、突然、繋がっているマシンに電気がこなくなったのだ。もちろん、この機械に対し、不満は無い。14年間働き続けてくれた、タフな古参兵。現役で神北の使うあらゆる周辺機器の中で、最も古くから共にやって来た、相棒である。結婚して12年だが、コイツとは14年である。それが、ある朝、気が付いたら、息を引き取っていたのだ。
 ありがとう、PowerKey。1990年代のプラチナホワイト系Macintoshの傍に寄り添ってこそ引き立つ、そのスタイリッシュな姿を忘れない。

 今のPowerMacはそのADBのかわりに、USB規格が使われるようになった。Windows機と同じ規格なので、ドライバーさえあればかなりの周辺機器が使えるようになった。その便利さは、ADBが拓き、広めて来たデスクトップ用の機器規格の延長線上にあるものだ。
 だが、USBにはパワーキーが無い。何か寂しいと思うのは、旧いMac使いの郷愁だけではないと思いたい。

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2004/11/11

連絡連絡また連絡だぞ

 昨日、つまり2004年11月10日、友人のお父さんが亡くなった。で、実家に飛んで行った当人に頼まれ、仕事関係の人へ訃報を流すことを頼まれた。
 が、これが思ったより大変。
 彼も私も、軍事解説や架空戦記をフィールドとしているが、この世界、昔は小さくまとまっていたのだが、今やかなり薄くて広い。というわけで、彼と私の現在の生息エリアが、ほとんど重なっていなかったのだ。そんな状態で、「ここには確実に連絡を入れて」と云われたのが57人。
 あと2人の友人に連絡を手伝ってもらい、判る所を潰して行った後、それでもなお大量に残った誰もつながりが無い会社には、神北が104の番号案内で電話番号を調べまくって、連絡を取った。
 「もしもし、○○出版ですか? 作家さんのお父さんが亡くなったので、訃報を回すよう頼まれたんですが、編集部に繋いでいただけますか?」
「どの編集部でしょうか?」
「あ、ええと、編集部御中で送ってくれとしか頼まれてないんですが」
「弊社には、婦人雑誌から青年誌、少年向けまで、かなりの数の編集部が御座いますが……」

 ・ ・ ・ ・ (ToT) /ドーシロッテンダヨー/

 向こうの対応も、そういうことなら多分ここだろうと目星をつけてくれる所、可能性の数だけ編集部を教えてくれる所。様々だ。おかげで、大量のFAXを同じ会社の各編集部に送る羽目に……。
 なんだかなぁ。今は普通にネットでいろんなことを探せるから、余計にこういうテレホンアポインターみたいな直截相手と話さないと進まない確認仕事って、ミョーに精神力使うんだよね。

 かくして、ほぼ丸一日、そんなこんなで、古い名簿をひっくり返したり、メールの発信人を端からチェックしたり、ずーっと人探しみたいなことをしていた。

 参った参った。

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法則だぞ

 まなめはうす10 /1 (金) あの星を微分すれば、新しい明日に会えるのでしょうか・・・という記事に、次のような変な数式があった。


□ 数学、豆知識。
『ロリコンの法則』
年齢をxとすると、π×√x 才以下の女の子を好きになる人はロリコンである。

例:まなめ(26才)の場合。
π×√26=3.14×5.099=16.01 → 16才かぁ・・・

円周率って、奥が深いよね。

 まあ、ホントかどうかは置いておいて、話として考えてみる。10歳から50歳まで、EXCELで、ロリコンと認められる対象少女の年齢の表を作ってみた。(はい、バカです俺)


10歳〜11歳の男は 10歳の女の子
12歳〜13歳の男は 11歳の女の子
14歳〜15歳の男は 12歳の女の子
16歳〜18歳の男は 13歳の女の子
19歳〜21歳の男は 14歳の女の子
22歳〜24歳の男は 15歳の女の子
25歳〜27歳の男は 16歳の女の子
28歳〜31歳の男は 17歳の女の子
32歳〜34歳の男は 18歳の女の子
35歳〜38歳の男は 19歳の女の子
39歳〜42歳の男は 20歳の女性
43歳〜46歳の男は 21歳の女性
47歳〜50歳の男は 22歳の女性

 もちろん、本当は年ごとに対象年齢が細かく変化しているのだが、年齢なので小数点以下を四捨五入している。
 ここで、愕然とすること! 現在43歳の神北は、20歳を過ぎた立派な大人の女性と付き合っても、なおかつ、ロリコンと後ろ指を指される歳になっているということだ。なんだかなぁ。
 まあ、付き合う見込みも付き合える余地もないから良いけど…。
 ※ちなみに、合法的にロリーなお付き合いが出来ると言う、逆の考え方も在り。

 また、笑えるのは、10歳の男の子。同級生の女の子を好きになると、ロリコンなのである。
 うーむ。なんだかなぁ……。

 家庭教師の大学生が、中学生の教え子を好きになったらロリコン…。わりと年格好的には在りそうだけどね。

 しかし、こんかなこと、誰が考えたんだろう。円周率とか、意味あるのかなぁ……。
 ちなみに、男女ひっくり返したら、ショタ対象年齢になるのかな? 要検討?

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2004/11/10

日本語は難しいぞ

 日本語の難しさは、助詞や敬語にあると言う。たしかに、テニヲハは難しい。考えながら喋っている時に、ついつい、もう言ってしまった主語に付けた助詞とこれから云おうとしている文面がそぐわなくなって言い淀むことがある。また、敬語もちゃんと喋ろうと思うと、相手を上に置くのか自分がへりくだるのか、瞬時に判断に迷い、咄嗟に喋れないこともある。
 しかし、テニオハなんていい加減なもので、デビューしたての作家の原稿なんて、テニオハや句読点が正しく使えているものの方が希だし、下手をすると直しもせずにそのまま出版されることもある。読者もいい加減なもので、読んでいる本のテニヲハのミスを指摘すると「だって、ストーリーが面白いから良いじゃないですか!」と反論されたりする。それを「その文意で、接続詞に「だって」はおかしい」と指摘しようもんなら、こちらが日本語屁理屈お化け扱いである。
 敬語も、わりといい加減で何とかなる。過去、聞きかじった先達の言い回しを真似ていれば、結構許される面がある。「敬意がこもっていれば良いんだ」なぁんて乱暴な言い方をする人だってある。

 しかし、それより厄介なものがある。同音異義語である。
 日本語は、今、基本的に濁音・半濁音を入れて15の子音と、「ゃ」「ゅ」「ょ」を入れて8つの母音から構成されている。(本来は、小さい「わ」を使うが、JIS第二水準までにはない。)が、これは極端に整理が進んでこうなっているのだ。戦前まで「か」行の他に「くわ」行があったし、「が」と共に鼻濁音「か゜」(か行半濁音で表記)もあった。母音としても、英語の曖昧母音に近い「ゐ」「ゑ」といった発音が残っていた。このため、確か、本来「かいだん」と「くわいだん」だった「階段」と「怪談」が同じになってしまったそうだ。(ちと記憶怪しい。ツッコミ歓迎)
 警視庁の刑事。神の啓示。告知の掲示。隣家の慶事。兄弟のように慕う兄事。タイムを測る計時。形の似ている形似。持ち歩くと言う意味の携持。周易を解説する繋辞。有形無形の概念を上下に別ける形而。その他、日本には啓司さんやら圭二君やら、いろんな字を使う「けいじ」という人名がある。

 先日、名神高速を走っていて、「京都を避けてけいじバイパスに入ろう」と云われた。全く判らなかった。いや、云っている意味は解る。混雑する辺りを避けてバイパス—迂回路—を通ろうと言うことだ。しかし、そこから先が理解出来ない。
 この時、頭に思い浮かんだ字は鮭児。北海道の漁港で鮭を一万本水揚げして一本混じっているかどうかのアムール産希少種で、まだ未成熟の為、卵巣精巣に栄養を取られておらず全身トロ状態という、幻の鮭である。こう一つ思考が浮かんでしまうと、なかなかその呪縛から逃れられない。多分違うと思いつつも、「なんで北海道で水揚げされる希少種の名前が高速道路に?」「でも、北海道の身欠きニシンや棒タラは、京都の味として欠かせないからなぁ」「むかしから、そこに、鮭児を運ぶことで知られた鮭児街道があったとか?」……そんなこたぁねぇと否定しつつも、「けいじ」という字を探して、脳内で周辺情報をひっくりがえす。

 結局、けいじバイパスとは、京滋バイパス。京都府から滋賀県にかけての混雑エリア迂回のために造られた新しい高速バイパスだった。

 ああ、日本語って難しい。

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切れないぞ

 エンジンの力で小さな鋸刃を駆動させ、押し引きの動作を機械に任せてしまう文明の利器チェンソー。しかし、その取り扱いは危険度が高く、うっかり刃を当てて自分を怪我させてしまう人も多い。そこで、開発されたのがこれ。
 日経ネットデサント、チェンソーで切れない服という記事にある、「フォレストレンジャー」というシリーズ。ズボンやレガース(ズボンの上から着る脚部の防護服。などがあるが、どれも、7ミリ厚の分厚い素材で、チェンソーの刃が当たると、内部の特殊綿が飛び出してチェーンソーの回転部分に絡みつき、止めてしまうのだという。一種のリアクティブアーマーみたいなものである。さらに、その下のなる裏地には、ケブラーが使われていて、身体を保護するようになっているそうな。ケブラーといえば、防弾チョッキにも使われる強靭繊維。これなら、停まったものの刃が当たって皮膚が裂けるなんてことも防げるだろう。
 詳しくは、デサント昨年のリリースの5月8日の チェーンソー用防護衣の開発についてというPDFファイルをご覧戴きたい。
 このデサントと言う会社。この技術を活かして、更に、スケート用の転倒時のエッジによるケガなどから身を護るための耐切創スケート用アンダーウェア「Racy(レーシー)」なるものも開発している。
 スポーツなんてしないけど、スポーツウェアメーカーのこういう技術力には、ちょっと感心だ。

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2004/11/09

久しぶりの雲魂は,実はしこたま雲魂だったぞ

 雲魂16の会場、国民宿舎麗雲荘に入ると,玄関の脇に雲魂の受付ブースがあり,その周りに知った顔が並んでいる。取り敢えず,受付を済ませて参加者になる。ネームプレートに名前を書いて,旨に付けると,早速知った顔を見つけて話し込む。

麗雲荘外観
これは、翌朝、快晴の陽光で撮った麗雲荘。
いささか時代がかって来たが、綺麗な建築。
少し廊下が細いが使い勝手も悪くはない。

 早速,かつて、何かと言うとつるんで日本中を走り回っていた相棒、笹本祐一くんに会う。「よ、久しぶり」と言うと、「俺、あんまり久しぶりって気がしてねー。神北情報局読んでるから」と言われる。あー。そういうものなのか。BLOGというのは、読んでいるたけで,その人と普段から話しているようなものなんだなぁと、妙に関心。
 
 開会式までに風呂に入る。男性の宿泊室は特に決まっていないので,適当に企画室に割り当てられている部屋からタオルをゲットして風呂へ。流石に10年近く来ていないと、旅館の内部構造を忘れていて右往左往する。
 開会式は,食事会として食堂兼宴会場でスタート。実行委員長挨拶、ゲスト各氏、ホスト側から石飛卓美・飛隆浩両氏の挨拶へと続く。
 今年は,ゲストの中に,刀匠の小林力夫さん(雅号「貞永」)がおられる。島根県から無形文化財にも認定されている出雲の刀鍛冶である。
 ゲスト紹介が終わると,嬉しい事に,西川先生による講義。S年F組授業ライブを初めて受講したのは、どこの大会だったろうか。本業は学校の先生という講師が,学校の授業と言うスタイルを取る、一種の話芸なのだが,この人たちのグループの面白いものを見つける力・育む力・見せる力には、20年近く、圧倒され続けている。ここで西川先生の講義が聴けたのは、同窓生総代(ということで、ダイナ★コンEXで同窓会をやった)として無上の喜び。
 西川先生の講義に大笑いした後、しばらくして開会式はお開き、三十分程の移行期間を経て,企画へ移行する。

 最初の企画は,小林刀匠をお呼びしての帰って来た刀剣企画に参加した。砂鉄から何度も選別を行なってタマハガネを造り,最後に鉄の塊を伸ばしては曲げ,伸ばしては曲げ,刀に仕上げて行く工程を,数十年の実績に裏打ちされた確かな語り口で語る刀匠。

鉄から刀へ
鉄が火を受けて次第に純度を高め、高度な知識と深い経験によって力を得て、刀剣の形へと収斂する様を、順を追って並べた資料。手に取って見ると、ズシリと鉄の迫力が伝わって来る。

「日本刀は“なで切り”にスライスするから反りがあるって,それは嘘です。反っているのは、振り下ろした時にブレない為です。嘘だと思ったら,日本刀と同じ長さと幅のまっすぐなベニヤ板をこう振り下ろしてご覧なさい,手元がぶるぶる揺れますから」
「本当に上手い使い方は,切っ先二〜三寸でで切る事です。鍔元や真ん中辺りで叩いても,スピードが無いから威力が出ません。その点、切っ先は,回転でスピードが出ているから、本来はここで相手の首筋や手元のむき出しの部分を狙うものです」
「芯に柔らかく重い鉄を,刃に硬い鉄を配する日本刀は,切った時の衝撃を柔らかい鉄が受け止める構造になっています。だから、峰打ちなんてやると逆に固く脆い刃の方が力を受け止める事になるから、刃のカケラが弾け飛んだり、最悪ポッキリ行きます」
「そもそも、刀は刃の付いた鉄の棒ですから,峰打ちったって相当の力が懸ります。ばっさり切るか、骨を砕くかの違いです。『峰打ちじゃ,安心せい』なァんて、安心な事は全く何もありません。」
 なんだか、流布されている日本刀最強神話や時代劇的なイメージとは全く違う、生々しい日本刀の実際に、みんな感嘆。

 二本目の企画は,ミステリーツアー・ガイダンス。日本各地のがっかり名所、不思議建物、ネバーランドを次々と紹介するスライド企画。死ぬ程笑わせて戴きました。
 詳しい内容は,ここで文章で説明しても絶対に解らないので、秘密とします。(^_^;) 来年参加して,自分の目で確かめよう!

 三本目からは,エンドレスということで,岡田バッティングセンターの部屋リターンズに腰を据えた。
 今年のSF大会のスタッフなども多く、大会のよしなしごとについて、結構深い話をする。みんな、ビシバシと危険球を投げ込んで来る。耳が切れる程の危険球をギュンと引きつけてジャストミート。濃くて深くて険しい岡田バッティングセンター。みんな、疲れ果てて眠ってしまうまで話し込んだ。こんな話で盛り上がるのは,嫌いではない。そうか、意外や意外、特A級戦犯はあいつだったのか…。

 ホっと目が覚めると「飯行きませんか?」と誘われる。いつもの麗雲荘の朝食である。ここの朝食会場は,宍道湖が一望出来てとても気持ち良く御飯が食べられる。昔はかなりお代わりをしていたのだが、何だか思った程食欲が無い。歳か?

 飯の後は、クロージング。笹本祐一オークショナーによるオークション。チョイと掘り出し物が何気に並ぶが、ほぼみーんな100円から。
 松戸のバンダイミュージアムで絶賛公開中の『機動戦士ガンダム MS IGLOO 1年戦争秘録』大プッシュ中の神北は、ここに私費を投じ、現在公開されている第1〜3話のプログラムブック各1冊づつを提供。西日本在住の方の多い雲魂だが、2005年と2007年が横浜、2006年が仙台と、関東方面の日本SF大会が続くので、どこかのチャンスをつかまえて是非、みなさん観に行って下さい。
 クロージングは、結構長かったが、とにかく、最後は、来年また会いましょうとなる。来年は行けるかなぁ…。

中里さんと狐
ゲストの中里融司さんと、2006年実行委員長七里女史の
連れて来たキツネ。去り難くロビーに屯っているところ。

 なんとなく去り難く、しばらくロビーで右往左往した後、多分車で破砕長距離組になるであろう我々は、早速出発。ちょっとゆっくりしていると、日曜日の大阪・京都近辺で夕方大渋滞が待っているのは必定。とにかく走り抜けるしか無い。
 大山のSAでソフトクリームを嘗め、トイレ休憩で適当にトライバーを交代しつつ一気に滋賀の大津まで走り抜ける。名神高速上り線の大津のSAは、琵琶湖の眺望が開けたレストランが気持ち良いので、ちょっとお気に入り。
「ここまで問題なくは知れたのも、ボロぞうきん様のおかげですね」
「ほんと、霊験あらたかだな、ボロぞうきん様」
「あな有り難や有り難や…」
「なんなんだこのノリは」
 昼飯を食いながら、なんだか熱く話してしまう。今後のダイナ★コンや、名古屋のSFイベントの話。岡田くんもこういう活動はそろそろ20年のキャリアだし、小崎・市野の先輩後輩コンビもファンダム活動を始めたのは最近だが、今一番力が入っている時なので、いろんなアイデアを持っていて面白い。二時間近く話し込む。
「こんなにアイデアが出たのもボロぞうきん様のおかげで…」
「なんか、この新興宗教ついて行けんよ、俺」

あやしい城
大津SAのレストランからの眺望で一番気になった
怪しい建物。情報希望!

 おっといかん、一宮の夕方の渋滞が始まってしまうとSAを出たものの、と来既に遅く、それに事故も加わって、琵琶湖岸をノロノロ。このまま一宮まで行くと死んでしまうと、養老で降りて下道を走る作戦。養老I.C付近は、小崎くんたちの学生時代のテリトリーだそうで、お任せする。
 しかし結局、下道に降りても、そこそこ混んでる。良く考えてみれば、日本中、行楽シーズンであった。もちろん本格的な名神高速の渋滞地獄にハマってピクリとも動かなくなると、こんなものでは済まないので、下道作戦は正解なのだが、それでもどこもかしこも混んでいる。
 「おーい、ちょっとどっか、トイレに寄れないかな」
「了解」
ということで、途中にあったホームセンターに。田舎に良くある大きなホームセンターで、品揃えも豊富そうで、はまり込んだら二時間は出て来れないような危険な香り。
「ちょっと覗いたら最後だから今日は止めときましょうね」
「そだな」
と小崎くんと話しながら、出て来ると、すれ違った店員に、
「ありがとう御座いました」
と言われてしまう。車に戻ってから、
「うう、トイレ借りただけなのにありがたがられてしまった」
「これも、ボロぞうきん様のおかげですよ」
「ありがたやありがたや」
「なんで、有り難いのに、ボロなのか解らん。俺、乗れんわこれ」
 まあ、有り難いものはなんと云っても有り難い。とにかく、ボロぞうきん様のご加護でもって、6時頃には名古屋に帰還。

ボロぞうきん様
これが、我らが守護神ボロぞうきん様である。

 「なんか、久しぶりに名古屋のメンツで車で遠出したけど、面白かった。ありがとう」
と礼を言う。車を出してくれた小崎くん、コーディネートしてくれた岡田くん、神北とともに交代ドライバを勤めてくれた市野くんに感謝。
「こっちも面白かったですよ。しかも安かったし」
小崎くんがマイカーを出してくれたおかげで、高速料金・燃料費コミで24,000円。一人頭なんと6千円で、名古屋・出雲間を往復出来ているのだ。神北はこれに往復約2万円の新幹線料金が加わるが、それにしてもまだ列車や飛行機より安く上がった。
「みんなでワイワイ車で行くのって面白いですね」
「またなんかやりましょうよ」
と乗り気。またいつかこういうのしようねと約して、みんなと別れる。だが、神北にはまだ、総計約3時間近い電車の旅が残っていた。自宅に帰り着いて死んだように眠った事は云うまでもない。

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境港は妖怪づくしだぞ

 さて、境港といえば、駅前から延びる繁華街水木しげるロード。水木しげるロードと言えば,昨年開館した水木しげる記念館である。
 米子道を降りて,階家温泉付近のガソリンスタンドで給油した我々は,勇躍、境港駅を目指し,国道431号線を北上した。
 しかし、国道が、まだ渋滞と言う程ではないものの,かなり混んで来た。
「この渋滞こそが,我々を待ち受けていた暗雲やも知れぬ…」
「そんな酷い渋滞じゃないよ」
「この渋滞で雲魂16の開会式に間に合わぬやも知れぬ…」
「大丈夫だって,言に,こっちの車線は混んでるけど,帰りに通る反対車線は空いているよ」
「今、北上している車で、帰る頃には南下する方が混雑しているやも知れぬ…」
「なんでそう、悪い方悪い方に考えるかなぁ」
「任せて下さい。そんなときは、さっきスタンドのおネェちゃんから託されたこのぞうきんを僕がパーッと投げれば,車の行く方向がパ〜っと開いて!」
「神頼みかいっ!?」

 国道431号線は,境港の港口辺りで日本海と中海を繋ぐ境水道を跨ぐ境水道大橋を渡り,美保関町の方へ抜けて行っている。その橋へ向う手前で国道と別れた我々は,堺水道沿いに境港駅を目指す。境港駅の脇に広い駐車場があるのだ。
 もちろん、こんな奥の奥まで来るには訳がある。水木しげるロードの起点は,駅前から始まるのだ。
ポストの上の鬼太郎
駅前のポストには,早速ハガキに乗った鬼太郎が!
後は境港駅のホーム。

 この駅前を起点に,大正町・松ヶ枝町・本町へと続く水木しげるロードには、小さなものから等身大のものまで,86体のオブジェをはじめ,妖怪神社、目玉の街灯、鬼太郎ハウス型の電話ボックスなど、妖怪づくしの上、多くの土産物屋でオリジナルの鬼太郎鬼太郎グッズ、妖怪グッズが売られている。歩いていると,向こうから歩いて来る鬼太郎や猫娘、ネズミ男とすれ違う事も多々ある。
ビビビのネズミ男先生と岡田くん ベンチで寛ぐビビビのネズミ男先生
ビビビのネズミ男先生に握手していただく岡田くん。後で綺麗に手を洗うように! (厳命っ!)
ちなみに、水木しげる会館にも、にこやかに微笑むネズミ男氏が座っていました。

 水木しげる記念館は,昨年、2003年3月、大妖怪水木しげる先生の誕生日に開館。その開会式の騒動は,百鬼夜号計画の、2003年3月7日 聖地巡礼再びに詳しい。この記事はを逆に迎えた水木ロード側から捉えた岐阜方面に出没する妖怪「百鬼夜号」がついに水木ロードで目撃されました!も必読。

 元々この場所には,古くからの旅館があり,そこの庭などを残す形で改築されたのが,今の資料館。元々の建物にあった地下蔵を活かした、妖怪達の展示など,面白い試みが多数なされていて,見応え充分。
 にお、基本的に、館内は撮影禁止だが,一カ所だけ、自分の写真が撮れる場所がある。

くるくる神北
後になって気が付いた。このバックを背に写真を撮るんなら,もっと引きずり込まれてもがき苦しんでいる芝居をすれば良かった。ほら、ボクって生真面目だから……

 ついつい水木しげる記念館で時間を取ったので,水木しげるロードの帰り道は誰言うとなく早足だった。そそろ歩いている分には「もう終わり?」と思うのだが,急いでいる身には、ちと遠い。しかも,途中からちょっと雨が…。
 とはいえ、妖怪神社にお参りし、チョイとだけお店も覗きつつ,水木しげるロードを満喫。と、向こうから,テクテク歩いて来るものが…。目玉のオヤジさんだ。手を差し出して来るので,握手をしてもらった。これで私も妖怪博士…か?

 帰り道は,予想通り南下方向が混み始めていた。とはいえ、詰まるような事は全くなく,米子道のI.Cの所まで戻り,山陰道(安来道路)方面へ右折する。安来道路を松江玉造I.Cで降りて国道9号線へ。9号線は間もなく宍道湖南岸の湖岸道路となる。
 右手前方の湖岸に玉造温泉が間近に迫った目印にしている玉造国際ホテルが見えて来た頃から,なんだか急に車の動きが悪くなって来た。のろのろではない。アカラサマに,少し進んで,ぴったり停まるのだ。
「さては,これこそが,待ち受ける暗雲であったか」
「よし、ここてこの濡れ雑巾を投げるとぱ〜っと道が開いて…」
「ないない!、ないから、そんなこと」
結局,雲魂会場の麗雲荘のあたりまで,車列は続いていた。原因は二重衝突、つまり、玉突き事故ってヤツですな。
 まだ警察も来てないようで,衝突した当事者か,親切な地域住民化は解らないけど,雨の中、交通整理をしてくれている人が居て,この人が,20台ぐらいづつ、上り・下りを交互に進めていてくれたのだった。感謝。
 この事故現場を過ぎて200メートル足らずで麗雲荘。我々はやっと会場に着いたのであった。

 ということで、男四人とボロぞうきん様の旅は,まだまだ続く。

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2004/11/08

出雲へ向ったぞ

 雲魂16に行って来た。ほぼ毎年出雲で開かれている地方コンベンションで、山陰を中心とした中国地方SFファンの、定期的に続いている活動としては、今、一番名の知られたものだろう。
 その昔は常連参加者で、毎年必ず参上していたのだが、三重の実家から東京や埼玉に移り、結婚して二人分となった時間調整や費用捻出が侭ならなくなり、それでも90年代中頃までは頑張って通っていたのだが、ここ暫く足が遠のいていた。
 今年、頑張って行ってみようと言う気になったのは、おかてんこと岡田氏が実行委員長だったから。ホントのことを言うと、山本浩之くんが実行委員長だった昨年も行きたくてしようが無かったんだが、夫婦の交通費や、時間を考えると、なかなか出られなかった。
 今回は、地元の大会で金曜会の仲間の多くが動いていたにも関わらず、自分が実行委員会にも入らずに外に居たG-conを、広島から通って積極的に動かしてくれたおかてんのコンベンションということで、神北家がコンベンションに参加するパターンとしては珍しく、女房を自宅に残し、単身出かける事にした。
 飛行機を使おうか、列車を使おうかと、さんざん考えた揚げ句、結局、ダイナ★コンでいつもPX店長をしている岡田くんが、みんなで車で出かけると言うので、名古屋からそれに便乗させてもらう事にした。さすがに決定が遅れて夜行チケットが取れなくて、名古屋までは往復新幹線移動となってしまったため、抜群に安いということは無かったが、それでも、親しい仲間と車でわいわい出かけると言うのは楽しいものだ。

 2004年11月6日土曜日、早朝3時過ぎに起床。一時間程ブログのコメントのレスつけ等をして、4時半頃に出かける。最寄り駅を5時ちょっと前に出る京浜東北線に乗車。5時40分に東京駅着。朝飯用の弁当を買い込み、6時の新幹線へ。のぞみ1号。うわっ、500系だ。カコイー! とはいえ、豊かな旅ライフを楽しむわけではないので、ただでさえ数の少ない自由席列車(先頭1〜3号車)の、更に云うなら、500系の車体の曲面の関係で狭くなった3+2の5列席へと向う。
 元々の新幹線の東京←→名古屋120分を、二割近く縮め100分に短縮したのぞみなので、そう長時間になるわけではないが、とにかく狭い。
 だが、狭いからって遠慮することなく、弁当を拡げて朝メシにする。え?迷惑? そんなことはない。隣のおじさんも、同じように弁当喰っているんだから。東京駅の目の前に住んでいる人なんて、ごく僅かなんだから、この列車に乗り合わせている多くの人は、その1時間程度は前に家を出ているわけだ。まだ便もまばらな始発近くの電車に乗って東京駅までやって来て、やっと落ち着けた新幹線の席。そこが朝食会場になるのは必然なのだ。
 メシを喰ってしばしウトウト。三河安城を通過したから、10分程で名古屋だと言うアナウンスで起こされて、降り支度。もう時間は7時半。土曜日とはいえ、街はすっかり起き出している。
 のぞみ車両がすう〜っと名古屋駅に入る。1970年代になってやっと戦後のドヤ街からビル街に変貌した名古屋駅新幹線口(西側)は、まだどのビルもそこそこ新しかったため、建て替えの嵐が1990年代から今も続く東側のエリアと違い、大規模な再開発こそ無いものの、それでも、生活倉庫アピタと呼ばれていた駅前の名鉄系ショッピングビルが、ビックカメラに取って代わられるなど、驚くような変貌ぶりを果たしている。

 到着したのでまず岡田くんに電話。「8時に名駅に着くように今移動中。待ち合わせは、旧壁画前の時計の生えている所」とのこと。壁画と言うのは、名古屋駅に昔あった壁画の事で、1990年ごろの駅の改装工事でどこかへ持って行かれてしまった。しばらくは、工事の目隠し用化粧壁の上に壁画の同寸写真が貼ってあり、「工事が終わった暁には戻って来るんだろうなぁ」と誰もが信じていたのだが、工事が終わってみると、ブラウン管を縦横に積み重ねた、情報発信ブースのような、ゲージュツの用な、まあ、あんまり心も和まないし役にも立たない、メディアワンと言う、どうしようもないモノに置き換わっていて、みんなガックリしたものだ。しかし、そのテレビの群も、今や無くなり、なんということはない、2つの新幹線改札に挿まれたただの空き地が出来ている。公共の通路になってはいるが、一応扉の中ということで、風雨がしのげる場所として、ここは壁画時代からずっと待ち合わせのメッカだ。
 今、そこに、床から高さ2.5メートルぐらいの時計が生えている。銀の時計というやつだ。ちなみに、名古屋駅の主な待ち合わせ場所は、基本的に7つある。詳しくは名駅ドットコム名古屋駅待ち合わせ場所をご参照あれ。

 時計の前で待っていると、市野くん発見。2〜3分立ち話をしている所に、今回車を出してくれる事になった小崎くんも登場。
 「お、そろったね。じゃ行こうか」
「そうですね」
「行きましょう」
 と言っている所に岡田くん登場。チっ!(チっ!じゃない!)
 岡田くんは、万宝くんの車に乗せて来てもらったそうな。万宝くんとも顔を会わせて、8時過ぎに出発。
 名古屋から名岐バイパスを岐阜方面へ走り、名神高速一宮I.Cへ。
「割と調子いいですね」
「なんだか、普通の日よりずっと障害が少ないという感じだよね」
「かくして、天気よし,車の調子良し,道路状況よし」
「うん」
「このとき我々はまだ,彼方に広がる暗雲に,気付く事は無かったのであります」
「な、なんでそぉ言うかなー」

 そこからひたすら西進。京滋バイパスでよく混む京都周辺をパス、吹田JCTで中国道に入り、落合JCTから米子道へ。途中、簡単な休憩を挿みつつ、とにかく走る。最初一宮から高速に乗った辺りで少し込んでいたが、そうは問題なかったらしく、云っている間に流れ始め、そのあともほぼ渋滞知らずで米子I.Cまで着いてしまった。
 前にここに来たのは2年前の第四十一回日本SF大会ゆーこんの時だった。その時と比べ、山陰自動車道の工事が格段に進んでいる。
 まずは、岡田くんの希望で境港へ。真っ先に境港へ。境港の水木しげるロードへ行きたいと言う話なのだ。神北はゆーこんの時に一度行っているが、前回訪問後に竣工なった水木しげる記念館も見たいし、じゃ、行くベェということで日本海を右手に見ながら境港へ。
 途中、皆生温泉を超えた辺りで、ガソリンを補給。ドライバー諸氏によると、名古屋市内より断然安いそうだ。だが、安くするために古い施設を無理屋の動かしてますと言う感じではない。かなり新しい綺麗なガソリンスタンドである。従業員もちゃんと数揃っている。
 「ええっと、右? それとも左?」
と岡田くんが助手席に座るこの車のオーナーの小崎くんに聞く。と、
「え? どっちでもいいですよ。右で良いんじゃないですか?」
と、左右の給油機を見比べて答える小崎くん。
「あ、あの〜。(この車の)給油口の場所を聞いているんだけど」
「え? あ! 左ですよ」
 飛んで来たおネェちゃんに、ガソリン現金満タンでお願いする。給油を開始するとおネェちゃんは再び駆け足で運転席の窓の所に飛んで来て、元気よく窓ふき用の濡れ雑巾を貸してくれた。
「内側をこれでどうぞ。外側をお拭きしても宜しいですか?」
 良く出来たマニュアルだと思う。外に液体ワイパー(水を弾く高分子化合物)を塗布している車の、折角の樹脂膜をケズり落としては行けないから、確認している。OKをダスト、おネェちゃんはきびきび動いて窓を拭いて行く。その間、車中では、今後のルートに着いて相談。
「おい、境港からの戻り道、玉造温泉方向へ行くのには、どのルートが良いか、聞いてみた方が良いんじゃないか」
 ちょうど、窓を拭き終え、請求書を持って来たおネェちゃんに聞いてみる。
 「すみません。これから境港まで行って、その後、玉造温泉方面へ向うんですが、中海北岸の美保関町方面から国道を走るのと、中海に浮かぶ大根島を抜けるのと、米子経由で南岸を走るのと、どれが速いですかねぇ?」
 「そうですねぇ、やっぱり、米子から行く方が道は広いですねぇ」
「そっちの方が速い?」
「ええ」
 お姉ちゃんに礼を言って,国道431号に復帰。
 走り出して,小崎くんが「あっ」と声を上げる。
「ど、どした?」
「こ、これ……」
 彼の指差すのは、フロントガラスの脇、そこには、さっきおネェちゃんが貸してくれた窓ふき用の濡れタオルが……。
「持って来ちゃったね」
「小崎は,濡れた雑巾を手に入れた。 ちゃちゃちゃちゃ〜〜、ちゃ〜ちゃ〜、ちゃんちゃちゃ〜〜!」
 かくして一行に,今回の道中の最重要キャラクター、ボロぞーきん様が加わった。
 男4人とボロぞーきん様の旅は,まだまだ続く。

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2004/11/05

オイラもやったぞ

 ヤフーのニュースに以下のようなモノが載った。

生徒の血液使い理科授業 和歌山・橋本の男性教諭

 和歌山県橋本市の市立中学校の男性教諭(41)が2年生の理科の授業で、生徒24人に針で指を刺させて採取した血液を実験に使っていたことが2日、分かった。保護者の抗議を受けた市教育委員会は「配慮が足りなかった。今後、このようなことがないよう徹底したい」としている。
 市教委によると、教諭は10月下旬、「血液とその循環」をテーマにした授業を実施し、2年の3学級計104人のうち98人が受講。熱消毒した針と消毒液を生徒に渡し、針で指を刺させて採取した血液をガラス板に塗り顕微鏡で観察させた。
 4、5人のグループの中から話し合いやじゃんけんなどで針を刺す生徒を選ばせたという。針を刺し出血する様子を見てショックを受け泣きだす生徒もおり、保護者から学校に抗議があった。

    (共同通信) - 11月2日11時40分更新

 という記事だ。

 実は、神北は、社会的正義のバランスが判ってないのか、他者愛護の精神に欠けるのか、冷徹無慈悲なのか、感受性が無いのか、頭が悪いのか、顔が悪いのか、よくは解らないが、このニュースの意味がよく理解できない。

 この教諭の授業は、何か問題のある事なんですか?

 たしか、神北が中学二年生の時に、これと全く同じことをした。理科第2分野と言ったかな、生物系の授業だったと思う。この時はこの他にも、カエルを捕まえて来て解剖とか、結構いろいろな事をしたと思うが、それは問題だったのか?
 先輩達も毎年同じような事をしていたようだし、後輩達も多分していたと思うぞ。

 もちろん、気の弱い女の子とかにはいやがる子も居たかも知れない。だが、別に、約三十年前の親は、それで学校に抗議する事もなかったように思うぞ……。

 問題となった男性教諭は41歳ということで、神北とほぼ同世代。彼も、その教え子と同じぐらいの年格好の頃に、これを授業でやっていたことと思う。
 この教諭が悪いような記事になっているが、ホントにそうなのか?
 カリキュラムに入れてない事を教諭が勝手にやったとでもいうのか?

 また、もしそれがマズかったとしたら、どうやって血を手に入れるつもりなのか? 動物を使えば良いのか? 赤十字に譲ってもらうのか? それとも、今後一切こうした実地授業は辞めるべきという所まで、世間のものの考えが変わって来ているというのか?

 ちょっと、疑問を持ってしまう。

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やはり足下から固めて欲しいぞ

 インプレスのINTERNET Watchに、警察庁伊貝氏「警察にも情報セキュリティに強い連中がいる」 という講演を元にした記事が載った。

 東京・目黒雅叙園で開催されているIT・ネットワーク関連のイベント「POWEREDCOM Forum 2004」では、警察庁サイバーテロ対策技術室課長補佐の伊貝 耕氏が「サイバー犯罪・サイバーテロと情報セキュリティ」と題して講演を行なった。

 ということだから、これは、警視庁の……ということは警察の、最前線でネットワーク犯罪やテロと向かい合っている人の講演だ。報告件数・検挙件数など具体的な数字を示しての講演だったらしく、レポートを読んでもかなり面白く読める。もちろん、そうそう新しい事が出て来るわけではないが、このぐらいの基礎的な事をきちんと抑えるのは、ネット社会に生きる以上必須の事。一読をお奨めしておく。

 さて……、

 伊貝氏は最後に、「セキュリティ事案については警察を活用してほしい」と訴えた。「通常の犯罪事件ならば警察に相談するのだが、情報セキュリティとなるとなかなかそういう企業がいない」という。「警察であれば無償で協力できるし、秘密保持義務もあるため情報漏洩の危険性も低い。また、強制捜査権限もある」とアピール。「警察はローテクな組織だと思われがちだが、4,000人からなる技術者集団を持っている」と技術力も強調。「マニアックな技術にも自信がある。なぜ利用されないのか不思議だ」とし、「根本的な解決は悪いやつを捕まえること。サイバー犯罪の被害を蒙ったら、警察にも情報セキュリティに強い連中がいるということを思い出してほしい」と呼びかけ、講演を締めくくった。

 というのが、この記事の結びなのだが……。たとえばあなたが、セキュリティーの相談を持ちかける企業を選ぶ立場だったとして、考えてみて欲しい。
 全国の支社で性犯罪で捕まる社員が多数発生し、支社ぐるみの公金横領すらうやむやにすましている企業が、「うち、大勢、セキュリティーのプロを抱えてますよ」と云ってきたとして、あなたはここに依頼する気になれるだろうか?

 もちろん、警察にはネットに詳しい人も居るだろう。だが、それだけでは、相談を持ちかけたいと思わせるだけの信頼には繋がらない。技術力は信頼度とイコールではないのだ。折角の専門家集団を活かす為には、現在の警察機構には、サイバーテロ取り締まりのはるか手前に、取り締まるべきモノが転がっている気がする。

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幕張ではたらくくるまだぞ

 2004年11月4日。わざわざ女房に休みを取らせて、一緒に幕張まで行って来た。目指すは、第38回 東京モーターショー2004。モーターショーは、今、一年置きで、乗用車の年と作業・商用車の年に別れている。今年は、カッコいい乗用車の年ではなく、もっちとカッコいい働く車の年なので、神北としては返って気合が入っている。だって、自分に買う気がないんだったら、いろんなシカケの付いた車の方がよっぽど面白いじゃん
 てなわけで、昨日も(新松戸経由、松戸へ向って)通ったこの道ということで、武蔵野線に乗って幕張へ。
 今年は、福祉車両にも重点が置かれており、各社が車椅子で乗れる車に力を注いでいる。

 昨年のトヨタのコンセプトカー
 トヨタが昨年発表した独り乗りコンセプトカー。云ってみれば、巨大な電動車椅子であり、今年のショーのテーマとも合致している。

 せり出すシート、半回転するシートなど、車椅子に便利な機構が付いていて、車椅子からせり出したシートに移ると、脇にある小型クレーンで車椅子を収納、自分もモータライズで車内定位置に移動なんてもの。車椅子がそのままリフトアプされて、そのまま助手席シートになるようにトータル設計された電車椅子とセットの車体。中には、それを運転席側で出来るようにした、車椅子の人間が誰の介助も受けずに1人で車に乗って出かけられるような仕様のものまである。介助者兼運転手が車椅子の人を楽に乗せるという発想ではなく、こういう、車好きな人が自分で運転する為の障害を取っ払うというコンセプトは、ホンダ他数社で見られた。運転席・助手席、療法が車椅子と言う、思い切ったコンセプトのものもある。
 今後、老人大国となる日本では、足腰の弱った老人が大量に発生し、少なからず自動車を運転したがるだろうから、こういう需要は、今から形作っておくべきだろう。

 はたらくくるまといえば、もちろん一番最初に来るのがダンプ・バス。だが、それよりもっと子供が好きなものがある。パトカー・救急車・消防車、いわゆる緊急車両である。大人になると、あまり救急車や消防車のお世話になりたくなくなるし、パトカーに至っては、イヤな思い出の一つ2つ持っているのが大人のたしなみというものだ。
 今回、中越に出かけていて来れなかった最新車両もあるようだが、この緊急車両コーナーは必見。

 モリタの救急消防車 
 モリタの救急消防車 

 この車、何をするものか判るであろうか。救急車であり、消防車でもある。車中央部が担架の積み込めるスペースになっており、後部が放水ポンプ車になっている。なんだか、子供がLEGOで造った作例にありそうだ。消防車と救急車が一台ですむから、レゴランドでは、どんな事故でもこれ一台で大丈夫ってキャプション付いていそうである。
 実は、神北には、この車の運用されるストーリーがよく判らない。一緒に火事場に出動するのは判る。けが人もあろうし、消火活動も必要だ。しかし、考えてもらいたい。要搬送の重傷者が居て火が燃えていたらどうするのだ? 要搬送者を待たせて消化活動を優先するのか、消火をを諦めて病院にけが人を搬送するのか?
 説明のお姉さんに聞いた所によると、状況に応じて使い分けるのだそうな。他の何台かと一緒に出動し、けが人が多ければ病院への搬送を行ない、少なければ消火を手助けする。
 神北の素人考えでは、そんな調子のいい事で現場がこれを納得するのかなぁという疑問が浮かんだが、聞いてみるとこれは、開発主導のコンセプトではなく、現場からの要望で造られた実用車だと言うからまたびっくり。松戸市からの依頼で造られ、来年の1月には松戸の消防署に納入されるらしい。

トヨタのコンセプトカートヨタのコンセプトカーのコクピット
 トヨタのピックアップトラックのコンセプトカー。FUTURE TRUCK COMNCEPTとバンパーに書いてある。

 今回は、商用車の年ということもあって、夢のようなコンセプトカーは少なかった。逆に、今の技術で充分提供出来そうな雰囲気のものが多かった。それよりも、燃料電池車・ハイブリッドカーなど、ボンネットの中で革命が進んでいる印象が強かった。
 あと、確実に進んでいそうなのが、居住性を考慮した内装という思想。このトヨタのトラックも、スタートレックのブリッジみたいなコンセプトで纏められている。商用車といえばシートがペンペラの安いクッションだった時代は、そろそろ終わるのかも知れない。

バックミラーをリプレイスするモニター
 トヨタの試作バスのコクピット。バックミラーがカメラとモニターに置き換えられている。

 内装と言えば、バックミラーをモニターに置き換えると言うコンセプトが、今、静かにブームのようだ。ただ、法規関係の問題で、モニタに広報視界を映すのはギアがバックに入った時ということになっているらしくて、各社苦労しているようである。
 トヨタは、とにかく各所のモニターを四六時中見れるようにしたこんなコンセプトのバス運転席を造った。このバスは面白い事に、電車のように運転席がちゃんと壁で仕切られている。これからは、観光バスや長距離バスなどに、こうした車体が増えるかも知れない。
 また、VIEWTEC(日本ヴューテック)という会社は、荷台の為に実質使えなくなっている、トラックのセンターミラーに、モニターを映し込む事で、後方視界を確保すると言う、なかなか面白いコンセプトの製品を作っている。
モニタが大きい為、乗用車にはあまり向かないそうだが、カメラとモニタの間で増感してやることで、夜もハッキリした視界が得られるというのは大きい。また、車幅インジケータが下に表示されているので、車庫入れもラクラクかも。

イスズの助手席車椅子
 イスズのトレーラー試作コクピット。専用車椅子をリフトアップし、助手席に出来る。
 介助車両ということで、こういうコンセプトのものも出ている。イスズの大型トレーラーコクピットの助手席側が、専用車椅子をリフトアップできるようになっている。無論、こうした高い位置へのリフトアッブ技術というものが必要なのは判るし、その試作設置であり、これがこのまま運用されるわけではないのは判るが、なんだかなぁである。モノを運ぶトレーラーの助手席に、足腰の悪い人を乗せる需要というのは、いかほどのものであろうか。
 ちょっと悩むなぁ。

日産スポーツカーの王道
 展示されていたニッサン フェアレディーZ。もちろん、今や日産最速車両というわけではないが、未だ揺るぐ事無き王道である。これはそれにオーテック・ドライブギアを装備したもの。

 もちろん、スポーツカーにも、介助車両の波は来ている。このフェアレディーには、足の不自由な人の為の手だけでアクセル・ブレーキをコントロールする為のオーテック・ドライブギアなどのドライビングヘルパーと呼ばれる装置が付けられている。
 24時間対応のオペレーターサービスなどの多機能カーナビとうまく組み合わせる事で、要介助者を孤立させない事で、社会参加を促せるのだとしたら、これは、とてもよい方向性だと思う。

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秋葉原で『げんしけん』だぞ。

 11月3日、四時過ぎ。MS IGLOOを見終え、松戸を後にした、神北・むらさき・塩坂の三名は、上野経由で秋葉原へと急いだ。塩坂くんの家庭内LANに新しく繋ぐ予定の玄箱のメーカーによる説明会が秋葉原であるということで、急ぎ秋葉原へ戻ったのだ。

 しかし、とき既に遅し。ツクモexに行ってみると、既にそのメーカーの人は撤収しており、何かを聞くというわけにはいかなかった。
 この玄箱、基本的に、ハードディスクのつかない筐体だけの製品だが、実は神北の使っているLinkStationの筐体部のOEMであり、同じ容量のHDDを入れれば全く同じように使える筈。神北も、これを家庭用ビデオサーバとして使っているから、わりとお奨め出来る選択肢。ちなみに、現在単なるLAN-DISKであるこれ等の製品を、いろんな用途に対応した1台のサーバに仕立てているページLinkStation/玄箱をハックしよう等の、参考例もあるので、更なる地平を目指して頑張る方は、是非頑張ってみて欲しい。

 秋葉原駅の電気街口から、ホコテン(歩行者天国)の中央通りを御徒町・上野方向へ歩いていくのは、昔から結構好きだ。普段、妙に信号が少なく渡り辛いこの中央通りがホコテンになっている日の秋葉原は、往来も楽だし、通りを挟んだ店同士の移動もスピーディーに行なえるから、とっても過ごし易い。
 火事を出して以来暫く締まっていたが、夏前だったかに再建なったヤマギワソフト館の前では、プロモイベントらしく、百数十人の人だかりが、声優さんらしき女性の声に応えて「お〜っ!」と拳を突き上げて一斉に野太い喚声を上げている。それを見ていたカップルの女が「何あれぇ? キモ〜い。手なんか振り上げてる、信じらんな〜〜い」と大騒ぎして浮きまくっている。
 完全にアウェイだな、この女。隣で、宥めるでなし、かといって同調するでも無く、無言で歩いて行く彼氏の方は、秋葉ホームの人種なのだろうか。

 IGLOOの後、松戸のガンダムミュージアムのガンダムカフェでのんびりするでも無く、急ぎ秋葉原に出たには、この玄箱の他にもう一つ理由があった。出遅れて松戸には行けなかったけど、みんなでメシを喰うのなら是非という話の藤澤くんと合流する予定になっていたのだ。藤澤君が来るのを待って、我々三人は、秋葉原のアニメイトを上から順に眺めて時間をつぶす。もし、アニメイトを上から下まで見て、まだ藤澤くんが来なかったら……、その時は、隣のとらのあなを上から下まで見て回ればよい。まあ、なんて便利な秋葉原おたくタウン。これで24時間365日中央通りがホコテンなら云うコト無いのになぁ。
 ところが、最上階から始まって3階ぐらいまで降りた所で藤澤くんと遭遇。なんでも彼は「下から上がって行けばどこかで出会う筈だ」と階段でずっと登って来てくれたらしい。

 合流して4人になった我々は、そのままアニメイト店内をズズッとヒヤカしながら、地下まで見て回って外に。そこからケロロの携帯ストラップを探しつつ秋葉原を半周。もしかして開いてないかなと駒八を覗いてみるが、祝日は休みだった。返す刀で、駒八が駄目なときの2番手のお店、素菜屋へ。
 ここで、暫く呑んだ後、ガサゴソ取り出したのは、塩坂くんがエアチェックした『げんしけん』のDVD-Rを藤澤くんのiBookで再生。あそこが良くワカンネぇ、ここが意味不明というのを、4人分のヲタ知識を総合して端から確認。部室の棚に並んでいる、どう見てもアニメック・アウト・ファンロードとしか思えない背表紙の雑誌群の背表紙に、かものはしらしき姿を確認したり、「この単行本の背表紙は○○じゃろ」「じゃこれは間違いなく△△ですねー」「しかし、この雑誌の並びは80年代のアニ研の部室だよ」「漫画のラインナップは90年代っぽいですね」「アニメは世紀を跨いでからの流行りっぽいっツーか……」「しかし、スカスカのコミケ会場だよな〜」「机の並びも違いますぜ」「何千人もの人が好き勝手動きまわる背景絵は、金掛かって描けませんよ」「実写なら、ロケに行けばすぐに撮れるのになぁ」というような役にも立たない分析を、続ける。
 
 秋葉原の居酒屋の片隅で秋葉原に同人誌を買いに来る話を見ていると、うちの女房が、「『げんしけん』は何が面白いのか判らない」と云う。残りの三人は、「いや、面白い面白くないではなく、空気がね……」みたいなことを云う。この雰囲気への共感の有無は、大学時代に何をしていたかと言うことに起因するのだろう。オイラの大学時代には、まだビデオデッキすら誰でも持っているというものではなかったし、ゲームなんて云ってもファミコンが出た頃だから、今云うような格ゲーだの、エロゲーだのは皆無だったけど、なんだかもう、部室棟とか部室の中の棚の置き方とかパイプ椅子とか、当たり前の情景を見ているだけで、泣けて来るぞこれは。
 「でもこれって、卒業したって終わんないんですよね」「今でもSF大会やったり、こーやってバカやってんもんな〜」「ねぇ」
 たしかに、社会人になって抜けて行ったヤツも居るけど、新たに入って来た奴らも居る。なんだろね、このおじさん達は…。
 結局、素菜屋で看板まで粘ってわーわーやりながら、『げんしけん』4話分を見てしまった。iBookのスタミナに感心。
 さて、開けて4日は平日で空いている時を狙ってモーターショーだ……というわけで、この日は解散。皆さんお疲れさまでした。

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2004/11/04

ヅダ登場だぞ

 あなたは、11月3日は何の日かと訊かれたら、何と答える? 少なくとも、2004年11月3日に関しては、神北は、ヅダの日だよと答えるだろう。
 そう、11月3日より、機動戦士ガンダム MS IGLOO 一年戦争秘録 第三話 軌道上に幻影は疾るが公開されたのだ。
 さっそく朝イチから……と云いたいが、そんなに早いのもちとしんどいので、2回目の上映から見ることにして、10時頃自宅を出る。11時30分過ぎに松戸に到着し、ちょうど前の回の人がロビーから客席に入った頃にバンダイミュージアムの地下へ到着。
 じつは、しののめ女史と会おうねと言っていたんだが、神北の行き当たりばったりのせいで、ちゃんと細かい約束をしなかったので、うまく会えなかった。

 しののめちゃん、すまん! m/(._.)\m ペコリ

 さて、ちょっと内容にも踏み込みますよ……。


 MS IGLOO、まずは、第一話・二話の復習。大蛇ヨルムンガンドと、荒野の咆哮ヒルドルブ。うーむ。何度見ても燃えるモンは燃えるぅ! 
 第一話の戦闘は、連邦の人間は1人も出て来ない。もちろんそれは、乗り組む者の顔の見えないまま、つまり、何を考えているか判らないまま、とにかく突っ込んで来るマゼランの怖さなどを、ジオン側からだけの視点で演出しているわけだが、逆に、観客に見えるのはこちら側(ヨーツンヘイム部隊)だけなので、少々まどろっこしい。
 その対極にあるのが第二話で、優秀な指揮官の率いる精鋭部隊と、戦車戦の天才児が、互いに、知恵を尽くして戦う様を、カットバックで敵味方に視点を移しつつ、描いている。やはり、部隊集結の話とかに時間を取られてない事と、憎たらしい敵(連邦軍セモベンテ隊、)が居ることから、一話目より二話目の方が、話がギュッと締まっている。なんと云っても、お互いに読み合って作戦を立てた上で行動している分だけ、戦闘シーンもスピーディーだ。
 ちなみに、このセモベンテ隊の隊長のフェデリコ=ツァリアーノ中佐。声優さんはギロロ伍長の中田譲治さん。この人は、声優というよりも、超獣戦隊ライブマンの大教授ビアスや、超新星フラッシュマンのサー・カウラーという方が、神北的にはピンと来るんだが、とにかく、憎ッたらしいコワモテ。
 この、IGLOO初の悪役のおかげで、第二話は、戦争映画としてハリウッド全盛期の対二次大戦ものに全く引けを取らない、出色の出来となっている。

 第1・2話の上映が終わって外に出て来ると、様子を見に来られていた井上幸一プロデューサーと風間洋女史にバッタリ。挨拶のあと、すぐに第3話のためにお互いに並ぶ。塩坂くんもやって来たので、とにかく列に並ばせる。なんでも東海道線が止まったせいで、第1・2話の時間に間に合わなかったらしい。残念。でもとにかく第三話を観るべしと行って列に並ばせる。後で聞いたのだが、この時の、この日二回目になる第3話の上映は、B-Oneの収容人数を超え、打ち止めが出たらしい。

 さて、きっちりと第1・2話の復習をし、いよいよ第3話、軌道上に幻影は疾るである。ついに603技術試験隊に導入された高軌道新型モビルスーツEMS-10ヅダ。ザクからザクII、グフへと至る、高出力化に伴う体格の重厚化とは全く逆に、本体重量がザクIIより1割近く重いにも関わらず、極めて精悍なシルエットを持つ、高機動モビルスーツである。最大の特徴は、重い機体をものともせずに一気に加速する、「土星」エンジン。(第二次大戦マニアの皆さん、ニヤリとして下さい。)その機動性能は、連邦・ジオン両軍の、他のどの機体をも超える、強力な加速と、AMBAC(重心移動による方向転換)による姿勢制御をザクIIよりも遥かに高いレベルで行なえる、驚異の操作性によってもたらされていた。

 しかし、そこには、ある秘密があった。

 過去、MS-05と採用を争ったEMS-04ヅダ。EMS-10は、その名を引き継ぐ新型機だったが、EMS-04の時に問題とされた、限界を超えた高加速時のAMBACによる負荷で、機体が耐えられなくなって空中分解してしまう危険性をも、引き継いでしまったのか、ムサイを敵艦に見立てた実験演習で、高速強襲を掛けた途端に、一機が空中分解してしまった。技術士官オリヴァー=マイは、その事故に関する調査から、EMS-10ヅダという機体に関し、重大な疑念を抱く。

 しかし、オリヴァー=マイがその疑念を解く前に、ジオン軍に震撼が奔った。地球上の最大拠点にして資源基地だったオデッサが、連邦軍の反攻作戦により崩壊したのだ。オデッサから命からがら逃げ出して来た無防備なHLVに軌道上で襲いかかる非情な連邦の高機動兵器ボールの怖い事、怖い事。こんな怖いボール初めて見たかもと思う程、ボールが怖かった。そして、何もせず死ぬぐらいならとHLVの外に出て来たものの、地上型のMS-06Jでは、バーニアなどの仕様が違う為に思うように宇宙での機動が行なえず、結局、高機動性を活かしたボールや、運用が始まったばかりのGMに面白いようにあしらわれて行く。
 この、地球上空の一方的な殲滅戦を前に、ヨーツンヘイム隊はある決断をする。それは、友軍を護るための命がけの決断であった。

 4ヶ月ぶりの新作『軌道上に幻影は疾る』は、2つの「ついに」がある。
 ついに、IGLOOオリジナルの新モビルスーツ、高機動MSヅダが登場すること。そして、ついに、劇中時間が『機動戦士ガンダム』いわゆるファーストガンダムと重なり始めた事だ。
 今までのIGLOO第1・2話は、モビルスーツという画期的な兵器システムと争って負けて行った旧式兵器の中で、怪物的な進化を遂げた最期の一匹…とでも云うべき、強力だが兵器体系の趨勢から離れてしまった兵器の運用を任される話がだったが、今回はモビルスーツというジャンルの中で、ザク採用時に外されてしまい、傍流に押しとどめられていた対抗馬系列のモビルスーツが主人公ということで、まず、1点、今までの第1・2話とは異なっている。試験運用とはいえ、モビルスーツと優秀なパイロットが配備された事が、ついに2番機パイロットの座を手に入れMS乗りとなったたヒデト=ワシヤ中尉はもちろんのこと、沈着冷静なマルティン=プロホノウ艦長までもが、ついついニヤついてしまっているところが、ジオン軍におけるモビルスーツというものに対する大きな信頼を表していて面白い。
 また前2作が、『機動戦士ガンダム』第一話で既に昔話として語られる、あの時点から見て何ヶ月かの過去を舞台にした話だったのに対し、本作はちょうど、オデッサ作戦が発動された時期に重なる。つまり、サイド7で偶然ガンダムに乗り組んだアムロ=レイがシャア=アズナブルの追撃を潜り抜け、ルナ・ツーを経て地球に降下し、ガルマの北米を痛めつけ、局地戦用MSグフを擁するランバ=ラル隊を葬り、重MSドムを駆る黒い三連星をことごとく倒した頃だ。オリヴァー=マイ技術中尉は、技術本部で、破壊される友軍機の搭載カメラに写った、たぶんアムロのものと思われるガンダムの姿を見せられる。それは、圧倒的な戦闘力を持つ、連邦の白い悪魔の姿であった。
 これで、IGLOOには、第1話の「赤い彗星」の綽名のつく直前のシャア=アズナブルとともに、アムロも(多分)ちらっと登場した事になる。
 既に前後左右全方位に、先行作品によって枠組みを切られている中で、それ等の世界観を全く損ねること無く、するりと滑り込むように、奇想天外に語られる新たなモビルスーツのストーリー。そうそう。こういうのを待っていたんだ。オレたちは!

 かくして、第3話を見終えて出て来ると、ライター仲間のO氏が。井上さんと二人で聞いてみると、さっきの入場の列の後ろの方で、定員オーバーで入れて貰えなかったんだと。
 井上「え〜、まだ観てないの〜」
 神北「遅れてる〜」
 いえ、ホントは遅れてません。初日ですから…。ただ、私達が意地悪なだけです(^_^;)

 とにかく、IGLOOは映像作品なんだから、観て貰うのが一番。ぜひ、松戸のバンダイミュージアムで、実物を見ていただきたい。とにかく見れば判る。見れば燃える。まずは見てくれ!!

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2004/11/03

合体したぞ!

 エレコムロジテックが合併……というか、正確には、ロジテックが丸紅資本からエレコム資本に買い取られて移籍した。
 どちらも、普通にコンピュータを使う人間にとっては、とても馴染み深い会社名で、うちのパソコン周りを見回しただけで、LogitecのUSB接続のFDDとか、ELECOMのディスプレイ切替器・USB切替器等々、両社の製品は枚挙に暇がない。そういえば、一つ前に使っていたパソコンチェアはELECOMだった。買って来て何週間かで初期不良でリクライニングがおかしくなった時に、サービスマンが飛んで来てくれた事がある。
 なんとなく、両社とも、昔からある周辺機器メーカーと思っていたが、この合併でびっくりさせられるのは、この2社にほとんど競合部門が無かったことだ。
 ケーブルを繋ぐ程度のモノから全く電気を使わないものがエレコム。逆に、複雑な電子回路を持つ製品が多いのがロジテックということだったらしい。

 もちろん、資金的な繋がりでグループ企業になったからと言って、どちらかのブランドが消えるわけでも、新ブランドに即移行と云うわけでもないだろう。だが、せっかく実力派2社が組んだのだから、ロジテックのパソコンや周辺機器が綺麗に組み込めるパソコンデスクや周辺機器棚なんて、出ると良いかもなぁ。

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2004/11/02

用途がナニだぞ。

 はじめに謝っておく。これ、ちょっとだけエッチ系のネタです。

 インターネットの下着屋さんWishRoomというサイトの、商品紹介ページに、こんなのがあった。

 商品番号:41077 セーラーエプロン

 うーむ。何に使うんだこれ、というか、何に使うのか、形状から用途が透けて見える所がアザトいぞ。……と考えていて、フと思った。その用途の為に特化していて、誰が見ても用途が明白ってさぁ、それって、用途と外見が機能を通じてシームレスに同一化しているってこと? 


 つまり、機能美?

 うーむ……。

 おっさんネタでスマソ! m/(._.)\m ペコリ

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2004/11/01

きりひと讃歌を思い出すぞ

 手塚治虫は、医学を志した人なので、医療・医者・生物学などに題材を取った傑作が多い。もちろん、医者ものの最高峰と言えば、人気、話数、各話の多彩さなどから云って、『ブラックシャック』が群を抜いている事は間違いない。
 だが、忘れ難い一作と言えば、どちらかと言えば長編ものに目がいく。中でも『きりひと讃歌』は、話の中核となる謎の風土病モンモウ病の凄まじさとと相まって、読後何十年経っても読者に大きなインパクトを与え続ける一作であろう。『きりひと讃歌』のお話しは、ここを参考の事。
 もちろん、ヒトの骨格が変化し、犬のようになると言うモンモウ病なる病は実在しない。しかし、症例のショッキングさから、報告数は少ないものの、比較的良く知られた、似た症状がある。
 いつも読ませてもらっているAZOZに、顔が狼みたいになってしまう難病と戦う少女という話が載った。


タイの少女ノング・ナットちゃん(4歳)は、世界に40人しかいないとされる「顔から毛が生えてきてしまい、まるで狼みたいな顔になってしまう病気」と闘っている患者の一人だ。

 この奇妙な病気は、アムブラス症候群(Ambras syndrome)、または"Congenital Hypertrichosis Lanuginosa"と呼ばれ、遺伝子のイタズラの一つらしい。もちろん、イタズラといっても、こと女の子の顔のことだけに、問題は大きい。
 原因からの根治療法なり、何らかの対処療法なり、この小さな女の子が人生を楽しく過ごして行けるような方向の対処が出来る事を祈りたい。

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人間洗車だぞ

 お笑いを少々。

 部屋の奥底をごそごそやっていたら、2年程前のギフトショーの時に、イタリアの会社から貰って来たパンフレットが出て来た。面白いので報告しておこう。
 まずは、どう言う類の製品かを一目で判って貰えるページを紹介しよう。ここだ。

 何をするものか、お解り戴けたであろうか?

 早い話が、洗車機のブラシの如きモノを風呂場に持ち込んでしまおうと言う、ズボラにもほどがあるぞイタリア人という一品である。
 まさに人間洗車(戦車じゃあない)だ。
 乾燥した気候の中では問題ないかも知れないが、日本の湿潤な気候の中では、すぐブラシにカビが生えて来そうで、どうにも怖い造りである。日本に売り込もうというのは、どんなものかな。

 あまつさえ、やたらと製品バリエーションがある。シャワーシステムバスタブだ。
 ちなみに、トップページはここ

 こういうものを考えつくって、どんな国だと思ったら、レオナルド・ダ・ヴィンチの国なんだよな、イタリアって。まあ、こんなのもアリか。

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