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2004/11/28

リュックを買ったぞ

 リュックを変えた。
 1990年か91年頃に自転車を買った。いわゆるマウンテンバイクという奴だ。会社勤めを止めた直後で、少々時間を掛けたって近場は自転車で走れば良いじゃんと云うのんびり暮らすためのツールだったのだが、それで国道一号線を30キロほど走って名古屋市内まで遊びに出たり、あまりのんびりではない使い方をしていた。
 91年の第30回日本SF大会i-CONを手伝いに行った金沢では、この自転車が役に立った。作り物などをするためのパソコンシステム一式とともに、無理矢理前輪を外して小さくした自転車を自動車に載せて運んで行ったのだ。大会の十日か二週間前に金沢入りし、長期宿泊のための安宿を確保。以降、市内での殆どの移動は自転車で行なった。
 金沢と言う町は、旧い城下町にあり勝ちな車社会向きではない道路状況のため、幾つもの交通の要衝がネックになって市内のあちこちで渋滞が発生する。もちろん市民は裏道を使うのだが、やはり城下町である事に由来する狭小な裏町通りは一方通行が多い。街に慣れてない人間には、自動車では走り辛い。だが、自転車は楽だ。宿を中心に、大会実行委員会の事務所に日参したり、金沢市内の美味い物を喰いに行ったり、当時金沢程度の田舎町では取扱店が無かったヒューレットパッカードのインクカートリッジを名古屋の馴染みの店から取り寄せる算段をしたり、いろんなことを自転車で走り回ってしていた。
 こうやって自転車で走り回るため、それまで、普通にショルダーや手持ちの通勤用バッグを使っていたものを、全面的にリュックに変えた。背負ってしっかりとホールド出来、ぶらぶらしないため、自転車に乗るにはリュックが向いていたのだ。さすがに、マウンテンバイクに高校生みたいな大きなカバン籠を装着するのが嫌だったせいでもあるし、当時、ノートパソコンを持ち歩いていたので、自転車に乗って一番ショックが少ない方法が、背負うことだったのである。
 以来、十数年。基本的に、神北のメインバッグはリュックである。

 一番最初は、3000円程度の安物を買って使った。当時持ち歩いていたFM-RCardをしっかりホールド出来、ショックから護れる事が最優先だったのだが、FM-RCardが990グラムと当時としては奇跡的に軽かった事もあり、適当なシロモノで事足りていた。それよりも、色鮮やかなリュックで、自動車のドライバーから見易くする事の方が重要だった。
 次に使ったのは、東京に出て来て自転車に乗らなくなってから、中野の登山用具屋で手に入れた、本格的なアタックザックだった。背中のホールド感が良いものが一番ということで、大容量をしっかりとホールド出来て、防水性にも優れた材質だった。この頃は、AKIAの3kgもある重量級のノートパソコンを持ち歩いていたので、加重をしっかりと腰で支え、バランスを背中で整えるタイプのこういうリュックが非常に使い易かった。
 しかし、だからといって、登山用のアタックザックが都内の生活に無条件で向いている訳ではない。一番の問題は、特に中身がスカスカの時に、電車の中などで床に置くとクタるのである。そうでなくとも、底面と言うものがちゃんと形成されていないので、ゴロンと転がる。アーバンユースの中〜大容量リュックの便利さの一つとして、電車や駅のホームで床に下ろした時に、しっかりと自立出来るだけの底面形状と全体の張りという要素はは、重要だと思う。
 結局、最終的には、95年頃にとある結論に達した。ベルギーのヘデグレンというメーカーである。
 ただただシックでオーソドックスなリュックサックを作っているメーカーで、L.L.Beanのようなカジュアルさは、あまりない。だからといって、サムソナイト(エース)のビジネスショルダーのような機能的な質実剛健ともチョイと違う。悪く云えば中途半端。贔屓目で云えばバランスが良い。そんな、アーバンユースを求めるには今イチ、ポケットが少なく、アウトドアユースを云々出来る程には便利さが足らない。これを賞して、我が家では「必ず工夫が2つ3つ足りないもどかしさ」と呼んでいる。
 しかし、この微妙な使い辛さにも関わらず、途中で1つ2つの浮気をしつつも結局、神北のヘデグレンの一番大きなリュックは、これで3つ目だ。立てに深く容量の大きいものはかなり在るのだが、口が広く全体にアクセスの良いリュックというのが、ヘデグレンのいい特質なのだ。
 実際、このシリーズはベストセラーらしく、もっと小さめのものはアーバンタイプのデザイン優先のものたなど多数出回ってはいるが、この最大サイズのリュックだけは一向に形状が変わらず(実際には、生地等の材質とファスナーの取っ手の形が変わっているが……)、殆ど変化していない。しかも神北が買う色はいつも黒なので、あまり神北がリュックを変えた事は気付かれていないかも知れない。
 そう、オバQの服のようなものである。

 途中で浮気心が湧いて使ってみたリュックで、ちょっとがっかりだったのが、スイスのビクトリノックス製のリュックがある。なんだか、いろんな隠しポケットとか、ギミックに溢れていて、流石は十徳ナイフのビクトリノックスと、飛びついてみたのだが、3つの欠点があった。
 まず、各しきりのバランスが悪い。中途半端な大きさの仕切りばかりなのだ。ちょっとした小物や大事なものを入れておけるファスナー付きの内ポケットがあるのはいいのだが、これがリュックの先端に付いていてしかも、微妙に小さい。
 次に、リュックとしてのバランスが悪い。片手で上部にある持ち手を持って、メインのファスナーを開け閉めしようとすると、重心が悪くてファスナー周りにたぷたぷと布の余裕が出来て、返って片手では開け閉め出来ない。結局、床なり膝上なりに置いて、両手で作業しなければならないので、外でパッと物を取り出したり格納したりが全く出来ない。
 最後に、生地が悪い。一年と使わないうちに擦り切れが出来て来て使い物にならなくなってしまった。
 結局、ビクトリノックスはナイフは何とか作れても、リュックの事は何も知らなかったのだろう。格好良さに引っ張られて買ってみて、面白かったが、役には立たなかった。10年程経って経験を積んだら、面白くなっているかも知れないが、今はまだ速い気がする。

 かくして、結局は戻って来てしまうヘデグレンのリュックだが、いつも買っている浦和のあぶらやCORSO店を覗きに行ったら、珍しく、別のリュックを奨められた。エースのアウトドアスポーツ系のリュックだ。割と縦に長いタイプなので奥底に入ったものを取り出し難いかも知れないが、容量が大きく、ポケットの数が多い。
 ちょっと面白そうだったので、一度浮気してみる事にした。これで、このタイプが気に入るも良し。また問題が多発してもとのヘデグレンに戻るもよし。
 さて、どうなりますやら。

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