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2004/11/04

ヅダ登場だぞ

 あなたは、11月3日は何の日かと訊かれたら、何と答える? 少なくとも、2004年11月3日に関しては、神北は、ヅダの日だよと答えるだろう。
 そう、11月3日より、機動戦士ガンダム MS IGLOO 一年戦争秘録 第三話 軌道上に幻影は疾るが公開されたのだ。
 さっそく朝イチから……と云いたいが、そんなに早いのもちとしんどいので、2回目の上映から見ることにして、10時頃自宅を出る。11時30分過ぎに松戸に到着し、ちょうど前の回の人がロビーから客席に入った頃にバンダイミュージアムの地下へ到着。
 じつは、しののめ女史と会おうねと言っていたんだが、神北の行き当たりばったりのせいで、ちゃんと細かい約束をしなかったので、うまく会えなかった。

 しののめちゃん、すまん! m/(._.)\m ペコリ

 さて、ちょっと内容にも踏み込みますよ……。


 MS IGLOO、まずは、第一話・二話の復習。大蛇ヨルムンガンドと、荒野の咆哮ヒルドルブ。うーむ。何度見ても燃えるモンは燃えるぅ! 
 第一話の戦闘は、連邦の人間は1人も出て来ない。もちろんそれは、乗り組む者の顔の見えないまま、つまり、何を考えているか判らないまま、とにかく突っ込んで来るマゼランの怖さなどを、ジオン側からだけの視点で演出しているわけだが、逆に、観客に見えるのはこちら側(ヨーツンヘイム部隊)だけなので、少々まどろっこしい。
 その対極にあるのが第二話で、優秀な指揮官の率いる精鋭部隊と、戦車戦の天才児が、互いに、知恵を尽くして戦う様を、カットバックで敵味方に視点を移しつつ、描いている。やはり、部隊集結の話とかに時間を取られてない事と、憎たらしい敵(連邦軍セモベンテ隊、)が居ることから、一話目より二話目の方が、話がギュッと締まっている。なんと云っても、お互いに読み合って作戦を立てた上で行動している分だけ、戦闘シーンもスピーディーだ。
 ちなみに、このセモベンテ隊の隊長のフェデリコ=ツァリアーノ中佐。声優さんはギロロ伍長の中田譲治さん。この人は、声優というよりも、超獣戦隊ライブマンの大教授ビアスや、超新星フラッシュマンのサー・カウラーという方が、神北的にはピンと来るんだが、とにかく、憎ッたらしいコワモテ。
 この、IGLOO初の悪役のおかげで、第二話は、戦争映画としてハリウッド全盛期の対二次大戦ものに全く引けを取らない、出色の出来となっている。

 第1・2話の上映が終わって外に出て来ると、様子を見に来られていた井上幸一プロデューサーと風間洋女史にバッタリ。挨拶のあと、すぐに第3話のためにお互いに並ぶ。塩坂くんもやって来たので、とにかく列に並ばせる。なんでも東海道線が止まったせいで、第1・2話の時間に間に合わなかったらしい。残念。でもとにかく第三話を観るべしと行って列に並ばせる。後で聞いたのだが、この時の、この日二回目になる第3話の上映は、B-Oneの収容人数を超え、打ち止めが出たらしい。

 さて、きっちりと第1・2話の復習をし、いよいよ第3話、軌道上に幻影は疾るである。ついに603技術試験隊に導入された高軌道新型モビルスーツEMS-10ヅダ。ザクからザクII、グフへと至る、高出力化に伴う体格の重厚化とは全く逆に、本体重量がザクIIより1割近く重いにも関わらず、極めて精悍なシルエットを持つ、高機動モビルスーツである。最大の特徴は、重い機体をものともせずに一気に加速する、「土星」エンジン。(第二次大戦マニアの皆さん、ニヤリとして下さい。)その機動性能は、連邦・ジオン両軍の、他のどの機体をも超える、強力な加速と、AMBAC(重心移動による方向転換)による姿勢制御をザクIIよりも遥かに高いレベルで行なえる、驚異の操作性によってもたらされていた。

 しかし、そこには、ある秘密があった。

 過去、MS-05と採用を争ったEMS-04ヅダ。EMS-10は、その名を引き継ぐ新型機だったが、EMS-04の時に問題とされた、限界を超えた高加速時のAMBACによる負荷で、機体が耐えられなくなって空中分解してしまう危険性をも、引き継いでしまったのか、ムサイを敵艦に見立てた実験演習で、高速強襲を掛けた途端に、一機が空中分解してしまった。技術士官オリヴァー=マイは、その事故に関する調査から、EMS-10ヅダという機体に関し、重大な疑念を抱く。

 しかし、オリヴァー=マイがその疑念を解く前に、ジオン軍に震撼が奔った。地球上の最大拠点にして資源基地だったオデッサが、連邦軍の反攻作戦により崩壊したのだ。オデッサから命からがら逃げ出して来た無防備なHLVに軌道上で襲いかかる非情な連邦の高機動兵器ボールの怖い事、怖い事。こんな怖いボール初めて見たかもと思う程、ボールが怖かった。そして、何もせず死ぬぐらいならとHLVの外に出て来たものの、地上型のMS-06Jでは、バーニアなどの仕様が違う為に思うように宇宙での機動が行なえず、結局、高機動性を活かしたボールや、運用が始まったばかりのGMに面白いようにあしらわれて行く。
 この、地球上空の一方的な殲滅戦を前に、ヨーツンヘイム隊はある決断をする。それは、友軍を護るための命がけの決断であった。

 4ヶ月ぶりの新作『軌道上に幻影は疾る』は、2つの「ついに」がある。
 ついに、IGLOOオリジナルの新モビルスーツ、高機動MSヅダが登場すること。そして、ついに、劇中時間が『機動戦士ガンダム』いわゆるファーストガンダムと重なり始めた事だ。
 今までのIGLOO第1・2話は、モビルスーツという画期的な兵器システムと争って負けて行った旧式兵器の中で、怪物的な進化を遂げた最期の一匹…とでも云うべき、強力だが兵器体系の趨勢から離れてしまった兵器の運用を任される話がだったが、今回はモビルスーツというジャンルの中で、ザク採用時に外されてしまい、傍流に押しとどめられていた対抗馬系列のモビルスーツが主人公ということで、まず、1点、今までの第1・2話とは異なっている。試験運用とはいえ、モビルスーツと優秀なパイロットが配備された事が、ついに2番機パイロットの座を手に入れMS乗りとなったたヒデト=ワシヤ中尉はもちろんのこと、沈着冷静なマルティン=プロホノウ艦長までもが、ついついニヤついてしまっているところが、ジオン軍におけるモビルスーツというものに対する大きな信頼を表していて面白い。
 また前2作が、『機動戦士ガンダム』第一話で既に昔話として語られる、あの時点から見て何ヶ月かの過去を舞台にした話だったのに対し、本作はちょうど、オデッサ作戦が発動された時期に重なる。つまり、サイド7で偶然ガンダムに乗り組んだアムロ=レイがシャア=アズナブルの追撃を潜り抜け、ルナ・ツーを経て地球に降下し、ガルマの北米を痛めつけ、局地戦用MSグフを擁するランバ=ラル隊を葬り、重MSドムを駆る黒い三連星をことごとく倒した頃だ。オリヴァー=マイ技術中尉は、技術本部で、破壊される友軍機の搭載カメラに写った、たぶんアムロのものと思われるガンダムの姿を見せられる。それは、圧倒的な戦闘力を持つ、連邦の白い悪魔の姿であった。
 これで、IGLOOには、第1話の「赤い彗星」の綽名のつく直前のシャア=アズナブルとともに、アムロも(多分)ちらっと登場した事になる。
 既に前後左右全方位に、先行作品によって枠組みを切られている中で、それ等の世界観を全く損ねること無く、するりと滑り込むように、奇想天外に語られる新たなモビルスーツのストーリー。そうそう。こういうのを待っていたんだ。オレたちは!

 かくして、第3話を見終えて出て来ると、ライター仲間のO氏が。井上さんと二人で聞いてみると、さっきの入場の列の後ろの方で、定員オーバーで入れて貰えなかったんだと。
 井上「え〜、まだ観てないの〜」
 神北「遅れてる〜」
 いえ、ホントは遅れてません。初日ですから…。ただ、私達が意地悪なだけです(^_^;)

 とにかく、IGLOOは映像作品なんだから、観て貰うのが一番。ぜひ、松戸のバンダイミュージアムで、実物を見ていただきたい。とにかく見れば判る。見れば燃える。まずは見てくれ!!

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コメント

 おつかれさまでした。この度はこちらこそすみませんでした。もっと早くから動けていればよかったのですが。
 でももう一度みたいなと思える第3話でよかったです。という訳でまたの機会に是非遊んでやってください(^^)/

投稿: しののめ | 2004/11/04 18:43

 しののめさん、ども。すれ違いだったみたいでして、残念。またしばらくして、体内ガンダム密度の補給に出かける時に、誘わせて下さい。
 それにしても、第三話。良かったですよね。お話しも、絵も密度を上げる方向に動いていて。
 特に、手を伸ばせば雲を掴めそうなぐらいリアルな地球。あれは、サンライズDID自慢の逸品(データだけど)だそうです。
 逆に、セルアニメで造った茶風林さんナレーションの連邦軍プロパガンダ放送。こちらのザコザコアワー的なノリも好きです。
 ドラマ的には、弱っちくってノロマな徴用技術試験艦が、今後最前線となった地球近傍に出向くのは難しいので、だんだん603の活躍の場は本国近くにまとまって来るかもしれませんが、絵的にはできれば次は、ジャブロー侵攻戦とか、今回の軌道上よりちょっと低い大気表層部を滑空するウエーブライダー戦闘機とか、水や雲の表現がキモになる作品を見たい気がします。

 とりあえず、ここまで3話分で、企画当初の一区切りらしいのですが、「好評につき続編製作決定!」の報が早く入るのを、是非是非、待ちたいです。

 今回今イチ影が薄いオリヴァーにもっと見せ場を! ブリッジ要員の華ジーン=ザビエルちゃんに、もっと萌えシーンを! ヒデト=ワシヤとドメニコ=マルケスにも、カッコいいシーンを! そしてオレにもっとモニク=キャデラックを見せろ〜っ!

 あと、誰か、技術本部長に名前を付けてやってください。レギュラーなのに・・・。(^_^;)

投稿: 神北恵太 | 2004/11/04 21:17

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