やはり足下から固めて欲しいぞ
インプレスのINTERNET Watchに、警察庁伊貝氏「警察にも情報セキュリティに強い連中がいる」 という講演を元にした記事が載った。
東京・目黒雅叙園で開催されているIT・ネットワーク関連のイベント「POWEREDCOM Forum 2004」では、警察庁サイバーテロ対策技術室課長補佐の伊貝 耕氏が「サイバー犯罪・サイバーテロと情報セキュリティ」と題して講演を行なった。
ということだから、これは、警視庁の……ということは警察の、最前線でネットワーク犯罪やテロと向かい合っている人の講演だ。報告件数・検挙件数など具体的な数字を示しての講演だったらしく、レポートを読んでもかなり面白く読める。もちろん、そうそう新しい事が出て来るわけではないが、このぐらいの基礎的な事をきちんと抑えるのは、ネット社会に生きる以上必須の事。一読をお奨めしておく。
さて……、
伊貝氏は最後に、「セキュリティ事案については警察を活用してほしい」と訴えた。「通常の犯罪事件ならば警察に相談するのだが、情報セキュリティとなるとなかなかそういう企業がいない」という。「警察であれば無償で協力できるし、秘密保持義務もあるため情報漏洩の危険性も低い。また、強制捜査権限もある」とアピール。「警察はローテクな組織だと思われがちだが、4,000人からなる技術者集団を持っている」と技術力も強調。「マニアックな技術にも自信がある。なぜ利用されないのか不思議だ」とし、「根本的な解決は悪いやつを捕まえること。サイバー犯罪の被害を蒙ったら、警察にも情報セキュリティに強い連中がいるということを思い出してほしい」と呼びかけ、講演を締めくくった。
というのが、この記事の結びなのだが……。たとえばあなたが、セキュリティーの相談を持ちかける企業を選ぶ立場だったとして、考えてみて欲しい。
全国の支社で性犯罪で捕まる社員が多数発生し、支社ぐるみの公金横領すらうやむやにすましている企業が、「うち、大勢、セキュリティーのプロを抱えてますよ」と云ってきたとして、あなたはここに依頼する気になれるだろうか?
もちろん、警察にはネットに詳しい人も居るだろう。だが、それだけでは、相談を持ちかけたいと思わせるだけの信頼には繋がらない。技術力は信頼度とイコールではないのだ。折角の専門家集団を活かす為には、現在の警察機構には、サイバーテロ取り締まりのはるか手前に、取り締まるべきモノが転がっている気がする。
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