2004年最後の駒八会だったぞ
毎月第二土曜日は駒八会。今月は、12月ということで、忘年会である。いや、特に忘年会と幹事が銘を打つわけではないが、勝手に忘年会のつもりで多くの人が集まる。
ちょっと呆れるぐらい駒八が混み合う。
その中で、いろんな事があった。
面白かった第一は、塩坂くんが提案した、駒八会をファングループとして連合会議に登録しようと云う話。実は、先週一緒に車に乗っているときの雑談の中で、連合会議の作る星雲賞参考候補作のリストは、アニメ・マンガ関係に抜け落ちが多過ぎるのではないかという話から始まったこと。
星雲賞は、日本SFファングループ連合会議で、毎年前年に日本で発表(連載・連続放映等は完結時)されたSF作品に対して与えている、日本に於けるSFに関する賞として最も権威あるものの一つだ。毎年、年が変わってから連合会議に所属しているファングループに候補作の提示を求め、それを連合会議が集計したものが、参考候補作と云われる。簡単にノミネート作としないのは、抜け落ちを考慮し本投票の候補に「その他」として、自分ま推薦するものを直接書く事を許しているため、「この中から選ばれる」ノミネートとは違うと云うことから。連合会議に上がって来る推薦作品は、それぞれの ファングループで検討している物であり、連合会議では、それを精読するなりして、SFに関係ないものや対象期間から発表時期がズレている等の相応しくない推薦が無いかということを確認し、集計して上位何作かを参考候補作とする。これの中から、SF大会の参加者による投票によって年次最高の優秀作を選び出すというのが、星雲賞の趣旨だ。SFを愛して止まないファンによって選ばれるわけだから、ある意味、最も素直なファンの嗜好の結実した結果と云えよう。その基礎作業である参考候補作の選出に一番寄与し易い方法が、自ら候補作を提出するファングループの一つとなる事なのは、云うまでもない。
一方、駒八会である。ゼロコン企画局の打ち合わせの後の飲み会を引き継ぐようにして開始したのは、2000年夏にゼロコンが終わった直後だから、足掛け5年丸4年と云ったところか、以来、毎月1回、雨の日も風の火も台風も、基本的に第二土曜日にJR秋葉原駅昭和通り口からほど近い駒八秋葉原店で定期的にSFファンが集まる場となっている。少ない時でも10人前後、多い時は50人を超える参加者を集め、SFの作品やSF大会に関してがんがん話し込んでいるんだから、極めて真面目に月例会を開催しているSFファンの集まりである事は云うまでもない。
活動歴もあり、活動も活発なSFファンの集まりであれば、ファングループとしての連合会議への登録に障害はあるまい。「あとは言い出しっぺの法則に基づいて君が代表連絡先になるだけだよ」と塩坂くんをけしかけたのが先週の土曜日。早くも一週間でそれは実行に移され、満場一致の賛成と、偶然今回参加していた連合会議の牧紀子議長の裁可を経て、無事に連合会議への加盟が認められたという運びだ。
面白かった第二は、先月、雲魂で山本裕之くんに云われた、「大きい実行委員会・小さい実行委員会」という話で盛り上がったこと。神北や昨年の実行委員長だった熊倉くんは、日本SF大会と云うと、いつでも2000人参加者が訪れても良いだけのものを想定し、それなりの実行委員会を構築しようとする。だが、昨今、1000人を割る大会も多く、もっと小型の実行委員会で回せるのではないのかという指摘。
実は、この指摘を山本浩之くんから受けた時に、神北には彼の言っている事の真意がよく理解出来なかった。というか、小型化された実行委員会の動きが見えて来なかった。
小型の実行委員会と云っても、実際に日本大会を回す人的資源がさほど少なくて済むわけではない。云ってしまえば、実行委員会内に作業担当者までを置くか、中枢部だけを委員会として外部へのアウトソーシングを進めるかと云うこと。その違いにしか過ぎない。また、そういうアウトソーシング先、いやもっと有り体に云ってスタッフ外の大会協力者の層を厚く持てるのは、実績を積んだ地方コンベンション等の実行委員会など、阿吽で動ける人間関係が既に濃く形成された繋がりを持っていないと、言った・言わない、やった・止めなかったの応酬になってしまうと考えるのだ。
それを避けるために、昨年のT-con 2003などでは、スタッフ内の権限の明確化や、部署・作業部会別のML(メーリングリスト)による指示・報告の明示化を推し進めた。「あの人がやっててくれる筈」とアテにしていて後からアテが外れるより、「やっているかどうか確実に把握出来るシステム」を構築する事で、「○○部門の事は○○MLを、△△作業のことは△△MLを、それぞれ見れば、どうやって作業が進み、どこまで進んだかが把握出来る」というやり方で確認出来るように組織を組んだ。もちろん、百人からの人間が居ると、指示・報告・相談の記録をMLに残す事の重要性を理解出来ないという人もいて、電話や口頭で仕事を進めているがいつまでもMLにその情報が上がらないということも発生する。こうした記録漏れ等の多少の混乱は生じたが、T-con 2003はこの方法で、大会までの約3年間を乗り切った。
しかし、T-con 2003のようにスタッフの人的資源を豊富に集められる大会は、幸せなのである。いつもそうとばかりは限らない。そういう苦しい場では、組織内情報の流れるフレーム構造を明確にする労力すら勿体ないので、もっとスタッフ間のツーと云えばカーと答えるの意思疎通に頼っても良いのではないか。山本浩之君の意見は、突き詰めるとそういった意味だと云う事は、しばらく考えて判った。既にそう云う繋がりを持って濃密な連携関係にあるチームならば、情報インフラに手間を取らせるより業務に集中させた方が良いのではないかという意見だと思う。
しかし、オイラはそうまで割り切れるかと云うと、まだ神北にはチョイと怖さが残るなぁ。
結局は、大会運営には王道は無いので、いろんな方法論があるぞという話なのだが、だからこそ、話し込んでおく必要は高い。特に組織の構造なんてものは、いざ現場に挑んでからでは、もう間に合わない事もあるからだ。まあ、こういう話をしようにも、相手にそれなりの経験が無いと、何を云っているかチンプンカンプンなのだろうけど……。
他にも、結構いろんな話をした。今年最後の駒八会。午後5時から11時までいて7000円ほど。二時間で2千円強だから、やはりここはリーズナブルである。
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