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2004/12/28

2004年を総括するぞ

 2004年も、ドン詰まりになって、ハリウッドのデザスタームービーもかくやと云う大地震とインド洋の大規模津波なんてことが起こり、最後まで波乱の年であるようだ。
 まー、こーなると、いつ自分の身の上に災害が降って来るかも知れないわけで、今の内に、神北的2004年を纏めておこうと思う。もちろん私的なまとめなので、世界の出来事とかは無いし、特に10大○○ってワケでもない。一個と云っておこうということを書いているだけだ。

ガンダム・ヒストリカ

 質・量ともに今年最大の仕事となった『ガンダム・ヒストリカ』。25年も前の『機動戦士ガンダム』を極めてコンパクトなパッケージングで纏め直す仕事となった。総32ページ×10巻を、隔週刊行で(1〜2巻は同時)発行するというのは、始めての経験だった。週刊誌(週刊漫画誌ではない)の編集部でも、基本的には2班以上の別班体制を組み、1編集員から見れば、2週間に1度締め切りが来るパターンを執っているそうで、ということは、基本的に週刊誌を作っているような忙しさだったわけだ。しかし、その中でも、ジオンの地球降下作戦に関する見開き地図等、「時間の割に」等の前提無しに自分が納得出来るだけの仕事が出来たと思う。これが嬉しかった。
 また、チームを組んだ、編集チーム、ライター、イラストレーター、レイアウト担当が全て、当代揃えられるかなりベストに近いメンバーだったこともあり、一丸となって前向きに仕事ができたと思う。さにとどまらず、手触りまでこだわって紙質・綴じ方・パッケージングを考えて下さった方や、書店内用ディスプレイ台を作って下さった方、広告宣伝にいろいろな場を提案して下さった方等、様々な方が、「ガンダムをやるんだ」「一年戦争をやるんだ」ということを意識してこだわって下さったことが、いいモチベーションになったと思う。

『イノセンス』

 押井作品の中でも、攻殻機動隊シリーズは、一番面白いモノなのではなかろうか。『イノセンス』は、その二作目であり、続編の宿命としての同窓会ムービーではあるのだが、バカ評者どもの毀誉褒貶の的になっている圧倒的なビジュアルなどというものをワキに置いて、一個の「お話し」として捉えても、存分に楽しいSFに仕上がっている。
 勝因は、押井臭さを抑えたことに尽きる。いや、押井臭くないわけは無いので、筋書きと説教を描き分けたというほうが正しいか。前作で草薙素子が語った、自分とは容れ物なのか中身なのかというテーマを、ストレートに受け継いでいる。
 生身の人間と、義体化された人間と、それと同等のボディーに人格を転写された元人間と、単なるロボット(アンドロイド)。そのグラデーションの中で自分はどこの位置に居て、それは、人と物の境界線のどちら側なのか? いや、その前に、その位置決めや境界の線引きは、自分の内的要因として何らかの意味を持っているのか? 逆に意味を持たせたい外的な欲求はどこから来るのか?
 そういったテーマを、バトーとトグサの捜査行の中から、じわりじわりとにじみ出させるシナリオは秀逸。そして、最後に女神降臨、事件解決と云う、快刀乱麻を切るラストへの持ち込み方が気持ちいい。
 あんまり気持ちいいから、CD買って来て聞きまくっている。ちなみに、ハードワークのお供は、収録曲第5番「ATTACK THE WAKABAYASHI」のエンドレスで決まり。

ココログ

 2003年にBLOGGERで始めた神北情報局を、2004年になってココログ上に拡大、一定の並行期間の後にココログへと完全移動。ところが、このココログ、2004年初夏に、急激に増えたユーザを裁き切れなくなって激重に。ユーザの不満が爆発するが、ニフティサーブ黎明期からの生き残り組は澄ましたモノ。「往時の対応から見りゃ、迅速迅速。だいたい、このアンバランスは、このサービスが急速発展している証のようなもの」とノホホンと待つ。案の定、盛夏を迎える頃には事態は収束。以降落ち着きを取り戻した。
 ココログに遷った事で大きく変わったのは、トラックバックやコメントの機能がついたこと。こういうレスポンスが嬉しい。

『機動戦士ガンダム MS IgLoo 一年戦争秘録』
 今年、これが見れた事は大きかった。どのお話しも面白いのだが、一番のお気に入りは、デジメエール=ソンネンの戦車魂炸裂の第二話。
 ちなみに、秋に公開された第三話では、神北の仕事が一部映像内に入っている。バンダイミュージアムのお手伝いで記録フィルム用にちょっと作らせていただいた、時計デザイン。まさか、IgLooの中で再開出来るとは……。
 (^o^)嬉しいものです。

G-CONとシール企画

 日本中のあちこちから強力なヘルプが入る恵まれた大会だった。ファンダムの底力なんだろうな。もちろん、地元メンバーが頑張っていないとヘルプなんて入りようも無い訳で、ヘルプ陣と共に、少数であったのは致し方ないが、とにかくよく頑張っていた地元の主力メンバーに感謝。

 神北はと云うと、企画に出ている以外、ずーっとシールを作っていた。シール企画は、たった2年で、SF大会で随分ポピュラーな物に成れた。一つは、仕組み(ルール)が簡単な事、もう一つは、シール屋さん企画が、安価販売に努めた事にあると思う。
 最近では、百円均一ショップのダイソーでも、シール用紙を置いているそうだし、実際機能手に入れて来たのだが、200円(税込み210円)で、写真シール印刷ソフトまで出している。誰でも作り始められる時代が来たということか。

Mixi

 誘ってくれる人があって、秋口にソーシャルネットワーキングmixi(ミクシィ)に足を踏み入れた。友達からお誘いがあって、初めて会員になれると言うこのタイプの場所は初めてで、まだ、海のものとも山のものともつかないが、取り敢えず、少しづつ使い方が判って来たような、間合いがまだ取れないような感じ。
 友人、その友人、そのまた友人……という風に、知った人の輪を広げる形のコミュニケーションツールということだが、友達ということを公表することで初めて成り立つこのシステムが、奥ゆかしいのか、明け透けなのか、判断に悩むところ。
 人間、どこかに「しきい値」と言うか、ここから中は友人、ここから外は他人と言う「線」を持っているものだ。その外からの頼まれ事は面倒臭く感じるが、線の内からの頼まれ事なら身内のことだから少々の苦労も厭わないと言う分岐点だ。しかし、それを外に対して明文化するというのには、なかなか勇気が要るという気がする。もうずーっと会いも話もしていないが、古い友人とか、何度か会って言葉は交わしたものの、友人と言わせてもらっていいのかまだよく判断の付かない相手とか、結構、この線は、キッパリした一線を画せるものではなく、実際の繋がりというのは、知ってる度・絶対蓄積付き合い量・最近付き合い量などの変数からなる複雑な公式で導き出された上に、更に他の友人関係からの影響を受けるのだと思う。
 だから、「友達リストに入れていい? (Y/N)」という連絡を取り合って、友達関係の線引きをする簡略さが、良いシステムなのかお節介なのか、まだよく判断出来ない。

HDDレコーダー

 遂に導入したハードディスクレコーダー。生活が一変したかも。しかし、10分程度にブツ切れになったMPEGを綺麗に見せてくれるツールがWindows用にしか用意されていない等、使い辛い。ネット番組表の関係で1週間先までしか予約出来ないのも、放映時間帯がずれる週とかに対応出来ない点も不便。不便の山。NECの製品ではやむを得ないか。

げんしけん

 なんだか、班目が気になって仕方ない。オイラの若い頃の空回りに似ている。良いぞ班目、もっとカラ回れ! 足掻いて足掻いて足掻きまくると、きっと何か来るぞォ!……
 いや、そういうことではなく、こうした、オタクがオタクとして暮らして行く日々を描く作品というのは、『コミック・パーティー』とか『NHKにようこそ』とか、ここ数年の風潮のようだ。が、その先行類書的な取り扱いで『究極超人あ〜る』を上げる人がいるが、これはどうかと思うのだ。
 『あ〜る』の登場人物は、(そりゃ、とまとあきさんとかがモデルなのだから、薄い一方とは申しませんが)別に、オタクだからではなく、高校生だからああやってるんじゃないの? 高校生の取れる選択肢の中から光画部を選択するのと、大学生のフリーハンドの広さから現代視覚文化研究会を選び出すのは、全く別の気がする。
 だから、『あ〜る』は、別にオタクという概念の内外という立ち位置には関係無く、無差別に『濃ゆい』人たちによってストーリーが進むのだし、『げんしけん』は薄目のオタ青年達によって語られて行くのだ。この違いは大きい。

ゴジラ ファイナルウォーズ

 意見が真っ向二分された映画。神北は楽しんだ。
 面白かった派、バカにすんな派、入り乱れてネット内大乱戦。良くも悪しくも映画って何だということを問い直す一年を総括する怪作?


■■ てなわけで ■■

 今年、この後アクセス出来るかどうかは判らないので、書いておきます。

 皆様、2004年中は、いろいろお世話になりました。神北情報局へのアクセス、感謝いたします。2005年も、変わらず宜しくお願い致します。

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コメント

こんちは
一年間おつかれさまでした。
あらためて、すごい人のところと連携をもたせてもらったような気がしてきました。

来年もよろしくお願いいたします。

投稿: バウム | 2004/12/31 06:34

バウムさん。

 こちらこそよろしくお願いします。

投稿: 神北恵太 | 2005/01/01 13:05

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