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2004/12/08

ふたたび『ゴジラFW』の話

 先日に引き続き、『ゴジラ ファイナルウォーズ』の話。
 先日の神北の書き込みにレスってくれたバウムさんが、観に行って来た模様。その感想については、バウムさんのBLOG、美しき野の大きな樹ゴジラ ファイナル・ウォーズをお読み戴きたい。
 基本的にバウムさんにも面白がって観ていただけたようだ。
 ただ、一カ所、神北と意見が違うところがあった。

 でも、いいじゃないですか、SFなんて、基本的に大ぼらなんですから、つきつめて考えていったらどっかで破綻するのは、見えてます。

 というのが、神北とは異なる部分。
 神北は、「SFならば、一度付いた嘘は、責任もって最後まで付き通さなければならない」と考えている。それが出来ないものは、SFではないと云って良い。
 だから、「ビキニの放射能を浴びて、古代水性爬虫類の生き残りが巨大化」というウソを付き通すのはそれで良い。「同様に、アンキロサウルスの生き残りが巨大化」も(少々強引ではあるが、別に)構わない。
 だが、、そうやって恐竜の生き残りが怪獣化している世界で「恐竜生存説を唱えた真船博士が学会を追われる」(『メカゴジラの逆襲』)のだけは許し難い。
 ゴジラが居ることが前提の映画で、ゴジラの存在を否定しているからだ。
 お解り戴けるだろうか?
 現実世界≠物語世界は構わないのだ。だが、物語世界≠物語世界はいけない。自分の付いた2つの嘘が、互いに否定し合っている。つまり、「嘘をつき通せていない」のだ。
 まあ、これは、SFに限らず、あらゆるフィクションで一番いけない事だ。

 たとえば、この時期にカップルで観るのに最高に相応しい『ブルー・クリスマス』というSF映画がある。これは、珠玉のSF映画で、娯楽作としてよく出来ているが、どこも破綻はしていない。つまり、よくできたSFは破綻しないのである。
 むしろ、設定やストーリーの破綻は、SF以前の問題である。
 今度の場合、X星人のモチベーションと云う、別にSF設定でもなんでもない部分が、一番破綻していた。過剰に執拗だったり、理由も無くあっさり馬脚を現したり、間が抜けていたり狡猾だったり、ものすごくお天気やさんな宇宙人なのである。
 幸運なことに、この破綻はアクションシーンの迫力で覆い隠され、勢いで見せてしまっている。それでも面白いから許しちゃうのだが、決して良いことではない。

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コメント

こんばんは~(^^;;
え~~と、神北氏のご指摘について、自分の文章のまずさというか、表現力のなさについて反省と弁明を。。。。

『基本的に大ぼらなんですから、つきつめて考えていったらどっかで破綻するのは、見えてます』というのは、例えば「大量の放射能を浴びて生きていられる生物なんて知らない、だからゴジラなんて存在するわけないやん」っていう破綻がきてしまうという意味です。
なので、その後に続けて『その破綻したほころびを言いくるめて裏設定やら外伝を膨らませていく』と書いているのは、例えば「ゴジラ細胞は、放射能による突然変異で超強力な再生能力を持つに至っていて、放射能による崩壊から再生している」とか「抗核バクテリアとの共存によって放射能を中和している」とかのように話が膨らんでいく(あるいはご都合主義?)ようなウソにウソを重ねていけということです。
神北氏の「SFならば、一度付いた嘘は、責任もって最後まで付き通さなければならない」っていう意味に近いのではないかと思います。違っていたらゴメンナサイ。

「ブルー・クリスマス」は、正直、楽しめませんでした。。。脚本は確か、倉本「北の国から」総だったはずなのに。

X星人のモチベーションの低さを想像するに、実は彼らはX星での勢力争いに破れ星から逃れてきた敗残の非主流派で、「都落ち」的な気分が、モチベーションの低さに現れていたのではないでしょうか?なんてね。(^^;;


投稿: バウム | 2004/12/08 23:48

たびたびお邪魔します。
このたびの記事を読んで、神北さんの「セオリーからしたら今度のゴジラは大失敗作だが、奇跡的な化学反応を起こして傑作になってしまった」という観点を再確認しました。
ニュアンスが違ってたらごめんなさい。

今回のゴジラに対し「過去のゴジラ映画ファンが見たら卒倒する…」といった論調を良く見かけますが、多くのゴジラ作品は2作目以降が無かったものとしているので、そっちのほうがよっぽどゴジラ映画ファンが卒倒してもよさそうなものだと思いました。

あと細かいところで思ったのは、円盤の中で本物の事務総長と出くわすところで「自力で脱出してきたんだ」と、やけにあっさり処理していたところ。
ここはジョン・ウーばりに、3人以上で、至近距離で銃を突きつけあうべき場面でしょう。そして総長がまばたきして、本物とわかるという描写がみたかったです。

投稿: bros | 2004/12/08 23:49

今日は昼間一日メンテの日だったから、遅くなりました。

バウムさん、どうも。

 あのう……、あるお話しが「放射能を浴びても平気などころか、巨大化して火まで吐いちゃう生物が居る」という設定を作ったとしても、それと「実際にはそんな生物は居ない」という当然の現実は、物語の内と外のことで、並べると矛盾していたとしても、別に物語や設定の「破綻」ではありませんよ。
 同じ物語の中に、相矛盾する2つの設定が入っているのが、「破綻」なんです。
 だから、「怪獣が居る世界」でも、「魔法使いが居る世界」でも、「宇宙船が飛び交う世界」でも、別に構わないんです。それぞれの中で一貫性がなくなっていなければ……。
 で、バウムさんは、こういうワヤクチャになったものでも『SFなんだからいい』とおっしゃってますが、それは違います。
 SFは、そういう自己矛盾を含んだ稚拙な設定ではなりたちません。矛盾した設定を内包するようなのは、ガジェットだけを真似したSFもどき、エセエフです。

brosさん、どうも。

 そのジョン=ウーばりのシーン、良いですね。
ゴードンの刀を首筋にピタリと当てられて困る国木田少将とか、見たいなぁ。

投稿: 神北恵太 | 2004/12/10 00:01

「ブルー・クリスマス」って嫌いじゃないんだが
あれ、1個ものすごい瑕疵があるでしょ?
まあバルカン星人なら、もともと血管の配置とか違うだろうから納得できるとして
あれに出てくる人々は、基本的に人体構造は人間のはずなんだけどなあ……
ちなみに、ガミラス星人も1クール目が終わるあたりで、アダムスキー型の円盤を目撃したんだと思います(笑)

投稿: 大外郎 | 2004/12/10 16:40

 あれって、アダムスキーの提出した証拠がことごとく偽物と判別した随分と後に、作っているんだよね。
 1.ビリーバー
 2.わざと
 どっちかなぁ。倉本さんは映画パンフに「UFO信じない人、その日が来たら責任とってね」とか書いているそうだけど……。

投稿: 神北恵太 | 2004/12/10 17:02

またまたまた、お邪魔します。

たぶん、ワタシの書き方が悪かったのでしょう。
ワタシの書いた
「でも、いいじゃないですか、SFなんて、基本的に大ぼらなんですから、つきつめて考えていったらどっかで破綻するのは、見えてます。」
というのは、
「SFの設定なんだから、現実を持ち込んでこわさないでよ。」
というつもりで書いていたはずなんですが、そーは、読み取れませんでした。申し訳ありません。
さらに、自分でフォローしたつもりが、神北氏のいう「破綻」の意味を取り違えていたようで、よけいにややこしいことにしてしまいました。
重ねてお詫び申し上げます。

決して
「ワヤクチャになったものでも『SFなんだからいい』」
と言いたかったわけではありません、むしろSFというからには、というよりもSFにかぎらず物語世界の中では矛盾のない芯の通ったお話でないと納得できません。

お騒がせして、もうしわけありませんでした。

投稿: バウム | 2004/12/11 12:26

バウムさん。

 何度もありがとう御座います。こちらも、SFとかお話を作る事というのは、ずっと趣味としており、かつ一種飯の種ですので、ちょっとキツい言い方をしてしまったかも知れません。これに懲りずにちょくちょく遊びに来てやって下さい。

投稿: 神北恵太 | 2004/12/11 13:14

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