未常識バカだぞ
『未常識』という言葉が、一瞬だけマスコミを賑わせたことがある。簡単なまとめは、このページのKKC会長に有罪判決という記事がよくまとまっている。経済革命クラブ(KKC)といって、「今後常識となって来る新しい経済理論を先取りして、儲けよう」ッテナことを云って、速い話がマルチ商法(ねずみ講)をやっていた詐欺師である。
もちろん詐欺師と云うのは言葉巧みであり、他人事の後知恵だから云えることだが、その話「儲かる」まではまだいいとして「配当を得るためには新しく会員を迎え入れないと行けない」の部分だけで、常識的には、マルチ商法だと気が付くべきである。未常識とは「未だ常識ではない」という意味の、こいつらの造語だが、騙される方が常識未満という意味のような気もする。
しかし、ホントのところ、未常識な人と云うのは、多い。
昔関係していたある会社の社長は、立ち上げた自分の会社の社名綴りをひらがなにした。それはいいのである。世間にはそのしばらく前から「とまと銀行」なんてものが誕生し、ひらがな表記が流行っていたし、英語をそのままカタカナ読みするより、字面にインパクトがある。
だが、この人の未常識ぶりが炸裂するのは、その後である。「ぼくは、このひらがなの感覚を大事にしたいんだっ!」……、いや、そりゃ結構だけどさ。製品に関する国際的な権利表記のため、ローマ字でコピーライトを入れる段になって、「いやだ、ひらがな表記にこだわるんだ! ローマ字なんか知らん!決めとらん!」と云って、譲らない。
取引先から、至急、ローマ字つづりを寄越せと電話が掛かって来て、オイラが取り次いでも、まだそんな寝言を云っている。
「すみません、社長は、ローマ字綴りは無いといって聞きません」
「それじゃ、製品として成り立たないよ」
「わかっております。すみませんが、社長が無いといっている以上、僕が決めるわけにも行きません。そちらでご判断戴けませんか?」
「勝手に普通にローマ字読みで読んだまま付けて良いの?」
「ええ、済みませんがお願いします」
いくらバブル末期とはいえ、こういう会社がそのままで続くわけはなく、この会社は一度潰れかけて、社長が替わって持ち直し、今も続いている。当時とは社員もすっかり入れ替わり、今では業界でそれなりに評価される堅実な会社だが、発端はとんだスットコドッコイだったのだ。
同じぐらいスットコドッコイなことが、昨日・今日、囁かれている。携帯ASCII24の『DDIポケット、新ブランド“AIR-EDGE”と新サービス“AIR-EDGE[PRO]”などを発表——2月2日のウィルコムへの社名変更に伴い』という記事を見て欲しい。
Air-H"(エアーエッヂ:「ローマ字のエッチに濁点」で「エッヂ」と読ませていた)をAIR-EDGEと変更した。この実際的な理由は、『H"』を「エッヂ」と読めない外国人へのブランド浸透を考慮して……というのが、ネットのもっぱらのウワサ。
そんなこと、『H"』って付ける前から判るだろ?!?!?
普通に考えたら、『H"』を模様的なロゴマークとして使うにしても、ローマ字の製品表記は最初っから『Air-EDGE』にしておくものだろう?
こんなバカやっているから、技術力への評価はあるのに利益に結びつかず、経営が迷走するんじゃないのか?
……あっと,失礼。改名の理由の件はあくまでもネットのウワサでしたね。
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コメント
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0501/18/news020.html
からするとはっきり言明しているようですが。
ただ、日本の携帯キャリアの場合、つい最近まで国内サービスのみだったので日本人にしか通じない名前でもマーケティング的に問題なかったのでしょう。
これからだってAIR-EDGEが外国人向けに浸透するとは思えないし。
それでも英語資料なんかは日常的に用意する必要がある位の規模の会社なので「AirH"(Air-EDGE)」みたいな表現は用意して有ったと思います。
投稿: ふじさわ | 2005/01/19 20:46
ロゴ統一と云っているからそうなんだろうねぇ。
でも、日本語表記にしたって『H"』にしておく必要、ハナっからなかった気がするんだよね。すんげぇオヤジギャグ聞かされた気がする。
投稿: 神北恵太 | 2005/01/19 22:31
H"はひらがな表記の場合は「えっぢ」なのだと力説したいH"ユーザのわたくしとしてはH"てロゴが無くなるのはちょっとかなぴいのでございました。
投稿: うちうせんかん | 2005/01/20 00:07