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2005/01/07

サイド3だぞ

 アサヒ・コムに、月の向こうに「深宇宙」港を 宇宙機構が構想という記事が載った。


 月より遠い「深宇宙」に、宇宙観測や惑星探査などの拠点となる「深宇宙港」を造ろう——。宇宙開発の長期ビジョンを検討している宇宙航空研究開発機構の作業チームは6日、こんな構想を盛り込んだ中間報告をまとめた。数十年先をにらんだ長期計画だが、火星探査などの拠点として、月面基地の建設を掲げた米国の新戦略に対抗して、より野心的な夢を盛り込んだ。

 どうも、建設しようと云っているのは、月の裏側というか、ずーっと向こうらしい。地球から約150万キロ(地球−月は約38万キロ)離れ、地球・太陽からの引力と遠心力が釣り合う特殊な場所って、それって何?
 特に、地球・太陽からの引力と遠心力が釣り合うッテェのが謎。安定軌道として地球・月の重力が作る5つのラグランジュポイントのどれかを使うわけでは無いということ?
 これは朝日新聞の記事だけど、河北でも同じ書き方をしているから、発表がそうなっているってことかな?

 しかし、もしそこにステーションを作るとなったら、いずれは抜かれる記録としても、瞬間最大風速的には人類最大の地球外拠点ってことになるんだが、ホンキでこれに予算付けられるだけの政治家、いるのかねぇ、日本に。

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コメント

朝日はともかく、河北と読売は「月の向こう」とは書いてないので、多分朝日の勘違いでしょう。
太陽を周回する地球と同じ軌道(何て言うのか分からない。地球周回軌道じゃないし、黄道でもないし)に、地球の前か後ろを同じ軌道速度で周回させるんじゃないでしょうか?
やっぱここは、「先行する宇宙港の周回速度を遅くすると、地球と追突します。」的な間抜け誤解をするマスコミを見たいものですねえ。
…アクシズ?

投稿: しおさか | 2005/01/07 14:07

原文をあたろうとしたら、まだWebにあがってなかったので、太陽と地球のラグランジュ点を計算すると、

L1が地球軌道の150万キロ内側、2が150万キロ外側、L3が太陽の反対側のほぼ同位置となるので、
たぶん太陽光の影響を避けるために常に太陽の反対側になるL2を利用するのではないかと思います。

投稿: 池田武 | 2005/01/07 17:19

書き間違い。
常に太陽の反対側になる→常に地球の陰になる

投稿: 池田武 | 2005/01/07 17:27

 ラグランジュ直線解ですね。しかも、太陽と地球に対するラグランジュの2ポイント。
 これが地球と月に対するラグランジュ直線解となると、L1がテキサス、L2がムンゾ(ジオン)とア・バオア・クー(未オフィシャル)、L3がサイド7and/orルナ2になります。
 ラグランジュの平衡ポイントを数学的に導出したジョゼフ=ルイ・ラグランジュは、まさに太陽と地球との間の直線解平衡ポイントをさして、「永遠の満月」、「永遠の新月」と呼んでいるようです。
 ニュースで紹介されている宇宙港設置ポイントは、この永遠の満月に相当します。
 このポイントに定置される人工天体がまったく動かないなら、地球の陰に入ることになりますが、ほんの少しずれただけで影からはずれるし、ええと、たしか、地球の半影にしか入らないんじゃなかったかな? ←ここは未確認。どなたか計算してください。
 ただし、太陽地球
 実際には、この天体は地球から見て「永遠の満月」になります。
 ガンダム世界では重要な地球・月のラグランジュ・ポイントへの人工天体の投入はまだ実現されていませんが、太陽・地球のラグランジュ点については、太陽よりのラグランジュ1(L1)には、まず、のちにハレー彗星探査ミッションにICEの名で投入されたISEE(国際太陽地球エクスプローラー)3探査体が、次に現在も稼働中の欧州宇宙機関のSOHOが、さらにはNASAのACEとGENESISが投入されました。
 また、「永遠の満月」ポイントである太陽地球L2点にはすでにWMAP(ウィルキンソンマイクロ波非等方性探査体)が投入されました。WMAPは電波望遠鏡で宇宙の背景輻射のムラ、つまり、宇宙創成時の温度のムラを計測中です。
 L1点探査機のうち、NASAのGENESISは、太陽からの風の採取というミッションを終えたのち、L2点を経由して、2004年に太陽風サンプルを積んだ上で地球に帰還しましたが、パラシュートの展開に失敗、ハード・ランディングにより内部のサンプルが地上物質に汚染されてしまうという羽目を演じてしまいました。
 落下地点は、宇宙工学と軍事技術の両方に詳しい、ごくごく少ない数の人間には大笑いの場所で、もとは米軍の生物化学兵器の野外実験場だったところでした。つまりは、宇宙の塵(じゃなくてガスだけど)を採取した衛星が落下したのが、『アンドロメダ病原体』の実験施設の真上だったことになるわけです。
 ま、いずれにせよ、太陽の黄金の林檎は、完全な形で手にすることはできなかったわけです。
 太陽地球のラグランジュ直線解についてはさらに、宇宙望遠鏡の設置がNASAやJAXAで検討されています。
 というわけで、太陽地球直線解平衡点に宇宙中継港をもうけるというのはかなり実現性が高いプランといえます。
 ただし、L4やL5とは異なり、L1~3の直線解は本質的に不安定で、オニールのプランでは、じつはコロニー設置点とはされていません。
 しかし、アメリカのファーカーによって、ごくわずかの軌道修正で探査体をL1、L2点の周囲に周回させられることが判明、これがISEE以降の計画実現へのきっかけとなりました。
 ファーカーは実は、月の向こうの地球月L2点の周囲を周回する軌道に探査体を送り、月面有人探査の際の無線中継機として使うことを考えていました。地球から見ると、この探査体はその「擬似軌道」のほとんどで、月の陰ではなく周りをめぐっており、月の裏側の探検隊にも電波を送れるからです。
 この軌道は「ハロ軌道」と呼ばれています。
 アポロ計画の縮小にともない、このプランが無人探査機による惑星間探査へと姿を変えたわけです。
 ファーカーが求めた解は、軌道修正をなるべく少なくできる擬似軌道に限定されていましたが、やがて、かなり長きにわたって安定な軌道が計算されました。
 『機動戦士Ζガンダム』以後、オフィシャル設定となったテキサス、ムンゾの準安定軌道は、この論文をもとに、わたしが導入したものです。
 ただし、実は問題の論文で解析されていたのはL1とL2のみで、ルナ2とサイド7に相当するL3の準安定軌道は、たぶんこんなんだろうということでつけくわえたもの。
 しかし、最近、調査したところ、主天体(ガンダムでは地球)と副天体(ガンダムでは月)の質量比に応じた準安定軌道のありかたを分析した論文を発見、ここではL3点についても、その種の教養がないわたしでもわかる図解つきで紹介してあるので、近いうちにblogにアップする予定でいます。

投稿: 永瀬唯 | 2005/01/12 11:31

 なるほど。>池田くん・塩坂くん・永瀬さん

 確かに、150万キロ外側の機動というのは、太陽系への出口、地球の外港として、アリですね。とはいえ、人類がまだ行ったことも無いような深宇宙。当然、最初の構築物がDS1ですかね?

 そういえば、深宇宙(ディープスペース)とはどこまでかという話を先日ちょっとしました。話していた相手は、スタートレックのDS9の感覚で、どこか彼方の銀河系の果ての方……ってな感じだったので、150万キロなんて地球近傍を深宇宙ということに、疑問を抱いていたようです。が、実際には、アポロ8号(神北が始めて個体名を把握した実在の宇宙船でもある、その名と開拓者精神に栄光あれ)は、地球周回軌道しか行ったことの無いそれまでの宇宙船と異なり月を目指した、『それは、真の深宇宙であった。』……なーんて言い方するんですよね。その時々で「行ったコト無いほど遠く」的な意味で使われるので、時代時代で範囲が変わるんでしょう。

 何代か先の人たちは、地球の外港としてすっかり定着したL2ステーションを訪れて、その古い基底部のプレートに『深宇宙ステーション』の文字を見て、怪訝に思うのかな?

投稿: 神北恵太 | 2005/01/12 12:29

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今日のニュースの深宇宙港の話。新聞記事を読んでよくわからなかったし、JAXAのサ... [続きを読む]

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