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2005/02/06

アルデンテじゃないぞ。

 みなさんは、自動パスタ茹でマシーンを見たことがあるだろうか。いや、『自動パスタ茹でマシーン』というのは、今、神北が勝手に呼んだだけで正式名称ではないのだが、そうとしか云えないような機械が世の中にはあるのである。
 もちろん、神北は見たことがある。それどころか、そのマシーンが茹でたパスタを食したことまであるのだ。マシンにはうろ覚えだが、『オート・アルデンテ・マシーン』みたいなことが書いてあったと思う。
 場所は、秋葉原デパート。1階のほぼ真ん中にペッパーランチが出来た、その辺りから駅の改札に抜ける通路向いて因っていった店の一番端、通路の脇にある店だ。
 店名は失念した。
 いや、できることなら、この店に関することは全て記憶から消してしまいたい。

 まあ、聞いて欲しい。
 先週の水曜日,打ち合わせを終えた神北は、秋葉原デパート3階のガンダム屋さんで妻のむらさきと合流。まずはメシを喰うことになった。で、階段を下りていると、「パスタ屋オープン」のポスターがあるではないか。
 取り敢えず、パスタと聞けば行ってみるしかない。しかも、こうまで詠う以上、相当な自信なのだろう。そう思って、1階で店を探した。
 あった。4席ほどしか無い小さな店だが、「立ちパスタ屋」とかいう看板が。ふむむ。立ち食い蕎麦のパスタ版と云うわけか。とりあえず、カウンターに座る。神北はホワイトソース系、むらさきはミートソース系のメナューを注文。すると、店員がこういった。
 「プラス50円でパスタサラダがありますがどうですか?」
 とにかく、サラダは大量に食う方なので、注文する。
 ……と、サラダはすぐに出て来た。総菜売り場によくあるカップ容器に入って。中身は、まさにパスタサラダ。パスタをマヨネーズ系の味で和えたモノだった。特に、野菜が入る様子は無い。パスタメニューの付け合わせが、パスタですか?
 ち、ちょっと、思っていたパスタ屋さんじゃないかも……。

 だが、並行して進んでいる事態は、それどころではなかった。

 注文を受けた店員は、ある機械の前に行ってスイッチを押した。その機械こそ、くだんの、『自動パスタ茹でマシーン』である。形状はこうだ。
 まず、ソフトクリームマシンほどの大きさの白い箱を想像して欲しい。下の一部が切り欠かれていて、パスタ皿が3枚ほど積み重なっている。で、その上である。一人前と云って云えなくは無い80〜100グラムほどの細いパスタ束が、10〜20束ぐらいセッティングされた。円筒状の巨大な透明アクリルの物体が置かれている。よく見れば、これが、機械にパスタを供給する為の、巨大なリボルバーであることが見て取れる。
 店員がこの機械のスイッチを入れたら、どうも、上の円筒からパスタが機械内部に落ち、自動的にゆであがって出て来る仕組みらしい。一度に一つの機械で茹でられるのは一人前らしく、2つの機械を同時に動かした店員は、ゆであがるのを末間に、ミートソースとホワイトソースのレトルトをあっため始め、手のあいた所で、マガジンを下ろして、使った分のパスタの詰め直しをしている。
 で、三分ほどで茹で上がったパスタが皿に落ちて来たら、レトルトを切ってソースを掛け、調味料をチョイと振って出来上がりである。
 仮にも、パスタ屋で、アルデンテを標榜するマシーンが作ったパスタである。なんだか面倒臭げな店員の動作と相反して美味しいかもと、僅かな機体を持って口に運んでみる。
 ファーストインプレッションは悪く無かった。割と美味しいソースだ。だが、破滅は突然やって来る。喰ってみてびっくり。

 パスタがゴムのようだっ!!

 歯を立てたパスタは、アルデンテのプチプチと云う歯ごたえではなく、スルメイカのような歯ごたえのものだった。いや、そりゃ、噛み切れるよ、パスタなんだからさ。でもね、でもね、でも…………。

 取り敢えず、食い終えて席を立った神北は、むらさきにこう言った。
「なんか、美味しいもん食べにいこうぜ」

 ま、そういう話。

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コメント

そう聞いては、食べに行かねばなるまい。今度の土曜は秋葉原に行くのだ。昼飯はみなを誘って「神北氏推薦パスタ屋」という触れ込みで行ってみよう。都合の良いことに、その日は駒八会の日だ。

投稿: 八潮 | 2005/02/06 17:23

 いやいや、ダンナ、ありゃ、『立ち食い』ですぜ。徒党なんぞ組んで行っちゃあいけやせん。
 立ち食いとは、男の美学。哀愁の終着駅。食欲を満たす動物的行動と美食を求める人間的振る舞いの根源的な接合点。値段と素早さをハカリに掛けて、どっちも重い、作り手と食い手の鉄火場だァ。
 そして都会の食の原点。原価割れを疑うほど思わず唸るような美味にありつくこともあれば、値段で諦めなければ暴れ出すようなトンデモテイストに出会うかも知れない、謎と脅威のワンダーランド。
 そこは常に、都会の一匹狼が背中に哀愁を多々酔わせてそっと憩う安息の地。
 ここは是非、お一人で行ってご覧になるのが、粋ってもんでやすよ。

投稿: 神北恵太 | 2005/02/06 19:37

てェことはなにかい? 半身に構え、かけそばならぬ、かけスパゲティ――コロッケなどはもちろん、あぶらげ(きつね)すら邪道という蕎麦道――をたのむのですな。神北氏推薦のゴムスパゲティのみをソースなしで食するという、ある意味、冥府魔道に通づる修験道に踏み込めと、そうおっしゃるわけですな。

投稿: 八潮 | 2005/02/06 21:02

 スパゲッティーに於けるソースは、『具』ではなく『つゆ』です。ソースが掛かった段階で「かけ」もしくは「素」と言われる状態です。チーズとタバスコは、ネギと七味に相当します。
 お間違いなきよう。

投稿: 神北恵太 | 2005/02/06 21:27

押井守か、あんたら。

『秋葉原』『食事』『機械』だともう一つあって、
今まだあるかわからないんですが、万世の1階に「ロボットカレー」があって。
レジでお金払って席に着くと、コンベアの皿に機械から『もりもりもりっ』とご飯が押し出され、上から『ぼとぼとぼとっ』と。カレーが落ちてくる。見てて結構嫌な物でした。
それで美味いならともかく、まずいんだもんなあ。

万世は機械もの好きらしくて、以前水道橋には、ラーメンを厨房からカウンターにコンベアで送る店があったなあ。つぶれたけど、

投稿: しおぺー | 2005/02/07 00:48

 うー。それ、ビジュアル的に何とも言いづらいなぁ……。
 「見てて結構嫌な物」って表現も凄いぜ……。

 まあ、秋葉原近辺だと、そういうマニアックなシカケもいいよね。問題は味だわな。

投稿: 神北恵太 | 2005/02/07 01:31

なるほど、つゆですか。つまり、トマトソースは生醤油、ベシャメルソースが関東風で、スープソースが関西風ということですな。

ところで、ふと疑問に思ったのだが、件のパスタマシーンについて、上からパスタ投入、下からパスタ排出、と言うことはわかるのだが、湯はどうなるのだろうか。一定量の湯で茹で、ざるでパスタ・湯を分離するのはわかる。その湯はどうするのだろうか。再度使用するのか、使い捨てにするのか。使い捨てなら、その度に水を供給するため、温度が下がってしまうのではないか。あるいは、ウォシュレットの温水のように、別にバッファ(タンク)があり、そこから供給するのだろうか。

投稿: 八潮 | 2005/02/07 08:33

 これは想像ですが、アタマにも書いたように、そう大きくはない機械の中に全てが入っているようですから、たっぷりのお湯で湯がくような正当な茹で方ではないと思います。麺も切り欠きの入った早茹で麺(乾麺時に断面がパックマンみたいな形になっている)で、1〜2リットル程度の水を無理矢理マイクロウェーブで熱するような、小さな専用内鍋があるんじゃないかと思います。
 でも、思い付きは面白いんですが、前述のように明らかに美味しくはないので、ナンダカナ〜です。

投稿: 神北恵太 | 2005/02/07 09:05

蒸気じゃないでしょうか。

水道橋にもあるファーストパスタは、切り欠き麺じゃなくて、事前にスチームでアルファ化した麺を、1~2分茹でてから出してたように思います。
ファーストパスタはそれなりに美味いんですがね。ナポリタンとか。

お湯を溜めてパスタをざるごと投入し、ざるを引き上げてお湯を捨て、ブロワーの風でお湯を切るというのよりも、
パスタに蒸気を当てて一気に戻すんだか茹でるんだかするほうが、機構的には簡単です。
味は知りませんが。

投稿: しおさか | 2005/02/07 10:57

事前のアルファ化+お湯で戻す、つまりは、日清スパ王方式ですな。しかし、神北さんの話を聞くかぎりでは、日清スパ王の法が美味そうですね。

投稿: 八潮 | 2005/02/07 12:41

 そりゃ、スパ王の方が、美味しいですよ。確実に。

投稿: 神北恵太 | 2005/02/07 14:30

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