瞳の中のホラー映画だぞ
Excite世界びっくりニュースに角膜移植への誤解を生む? ホラー映画に眼科医が猛反発という記事が載った。
インドで、ある映画が上映禁止運動に巻き込まれている。
映画のタイトルは『Naina(目) 』(ウルミラ・マトーンドカル主演)。記事によるとホラー映画らしい。デリーの高等法院に上映禁止を訴え出ているのは、インド眼科協会。大学を出た眼科医の先生たちが、なにをホラー映画にカリカリしているかというと、こんな理由らしい。
「この映画は、角膜移植手術の患者とその親類だけでなく、未来の角膜提供者のあいだにも恐れの心理を生み出す可能性があります」眼科医ナヴィン・シャクージャさんはロイターに語った。
(中略)
ヒンドゥー教徒は生まれ変わりを信じており、行動が来世に影響を与えると考えている。医師によれば、角膜を寄付すると来世で盲目になると信じている人々もいるという。
う〜む。信仰だけは他人がどうこう言うものではないからなぁ。日本人は基本的に仏教の喜捨という考え方を理解出来るので、気持ちとしてクリア出来るんだが、ヒンズー教だとそう来るのか。ちょっと驚かされるな。
さて、驚くのはここではない。実は、この記事に紹介されていた映画の内容が問題なのだ。ボリウッドのセクシー女優ウルミラ・マトーンドカル主演のこの映画のストーリーは、どうも、「角膜移植手術を受けたヒロインが、角膜提供者の生前の経験を伝える幻影を見る」というモノらしいのだ。
どこかで聞いた事無いだろうか?
そう、この映画の着想、ブラックジャックのエピソードの一つ、それも、宍戸錠主演で映画化された劇場公開作『瞳の中の訪問者』にそっくり。
あ、宍戸錠版とか『瞳の中の訪問者』とか「片平なぎさと志保美悦子が初々しくてね」とか言われてもピンと来んわいという人のために、a Black Leafさんの実写版ブラックジャック 宍戸錠バージョン 「瞳の中の訪問者」をご紹介しておく。
もちろん、神北が知り得たのは、この上記記事による一行程度のプロットであり、実際に出来ているものは、全然違うものになっていると踏むべきかも知れないけど。こうまでソックリだとなぁ。
監督シュリパル・モラキアは「そういう反対意見を聞いていたら、ホラー映画はもう作れなくなってしまう」と発言している。
……っていうケドさ。パクリの問題はええのンかいな?
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コメント
著作権のことをぐだぐだ言っているのは、アメリカヨーロッパだけですからねぇ。ただ、世界のネット化と、メディアのデジタル化で、悪党の仁義も代わってきて滅茶苦茶になっているから言いたい気持ちも分からんではないが。
しかしこの映画ちょっと見てみたいなぁ、
中身がただのサイコホラーだったらいやだけど。
移植に関しては、法律なんかを差っぴいても日本でもやっと増え始めている感じだから日本より信心深い国では心配するのも分かるけど。
どうせだったらこの監督にドナー申請をしなかった人が成仏(ヒンズゥーでは違うか)できずに怪物になって夜の町をさまようなんてホラーを作ってもらえばいいような気もするけど。
投稿: もりた | 2005/05/23 00:42
著作権問題は、まあ、イロイロだねぇ。オイラも著作物をいたり描いたりする方の身だから、クリエイターに対し、それなりの尊敬と尊厳、それに出来れば実入りの確保はしてもらいたいものなんだが。特に三番目のものは難しいね。
ま、描き切り、描き切りで、後の転載とか、翻訳版出版が無報酬になることがあっても、極端な話、構わんのだわ。けど、ちゃんと一部ずつ見本誌を送ってくれる出版社と、黙っていれば判らないとばかりにごまかしに掛かる出版社とがあって、なんでもニコニコして居ればいいと云うワケにはいかないんだよね。
「世の中、金じゃ。無報酬ならつながりは無いも同じ」と言われているようで、こういう会社にはカチンと来る。
ちなみに、ヒンドゥーは、輪廻転生だから、成仏はしないんだよね。
投稿: 神北恵太 | 2005/05/23 02:24