白馬のコンベンションだぞ
2005年6月4日の昼前、神北とむらさきは、松本に居た。前日の富士急ハイランドの後、むらさきの実家へ里帰り、一泊して、いろいろと用を済ませた後、むらさきの実家を辞したのだ。
これから目指すは、白馬岩岳。ローカル・リフレッシュ・コンベンションである。会場は云わずと知れた岩岳セブンロッジ。松本から、今なら大町までは高速でバビュンと行けるのだが、今回は下道をノホホンと走る。途中、木崎湖で昼メシ&風呂。ゆーぷる木崎湖だ。
女房と二人でメシを食っていると、8人程の、過分に「身内っぽい匂いを発する集団」が隣にいた。さりとて、ローカル・リフレッシュ・コンベンションで毎年顔を合わせる人たちでもない。ハテ、コンベンションでもないとすれば、なぜこんな、わりと社会常識を持って抑えているモノのそれでもヲタ臭を漂わせる集団が、こんなひなびた田舎に……。としばらく考えて思い出した。『おねがい☆ティーチャー』の舞台となったこの辺りは、聖地巡礼のメッカだったのだ。
うーむ。
ローカル・リフレッシュ・コンベンションは、略称を「ロリコン」と呼ぶ、今年が22回目だから、1980年代初頭に始まった地方コンベンションだ。始まった当初は、あまり世間に広く認知された言葉でなく、そんなにヤヴァイものじゃなかったのだが、アレヨアレヨという間に、宮崎ツトム事件あたりを機に、とってもデンジャラスな略称になってしまった。それでも、主催者はこの名称を、ごく普通に愛用している。
問題は、ついつい、あんまり普通なので、全く関係ない人がいっぱいいる場で「そうそう、ロリコンの件なんだけど」と云ってしまうコトで、自分がやっちまって恥ずかしいより、話し相手が何度も何度も話の中に「ロリコン」と云って、周りがザワついているのにまだ気づかずに言い続けている時の方が、困る。
イタい人に見られてるよ、きっと。(^_^;)
だが、過激な略称と裏腹に、ローカル・リフレッシュ・コンベンション自体は、とってものんびりまったりした地方コンベンションだ。最初、笹本祐一について行ったのが、たぶん15年ぐらい前だから、割とよく通っている方かな。
字義通り、ローカルでリフレッシュするコンベンションである。
最近、開会前の定番となっているのが、昼間のうちに行われるモデルロケットの打ち上げ大会。CHOMBOさんや、ヒロさんが中心となって上げている。
モデルロケットは、小さくても個体燃料を使ったロケットで、流石に火薬を使うだけに、子供が勝手にするような遊びではない。この面、ペットポトルの圧搾空気と水を推進力にするペットボトルロケットなどよりは、少々敷居が高い。が、この面白さは、クセになるかも。
ロケット職人のCHOMBOさん。もう20年もロケット一筋という顔をして、黙々と準備を進めるが、無論本職じゃありません。
ロケット講師のヒロさん。にわかモデルロケット伝道師と化して、にこやかにその面白さを語るヒロさん。箱一杯の推進薬を持ってやって来た。
ロケットを回収して来た小川さん。高く上がったロケットは、パラシュートを開いて、フワリ・フワリと降りて来る。これを追って行き、無事、回収に成功して戻って来る、ゲストの小川一水さん。
ヤギにトッ捕まる神林さんと塩澤さん。ロケットを回収に云ったまま、そこに飼われているヤギに心奪われてしまった神林長平さんとSFマガジンの塩澤編集長。後で、このヤギの乳で造ったというチーズが宴席に出されたが、酸味が清冽だった。
ロケットを打ち上げた後、飯を食っていよいよ本格的に企画が始まる。このコンベンションのスタイルは、毎回一人の作家をゲストとして招き、ゆっくりと話を聞くこと。作家、小川一水の誕生から今までを、じっくりと聞く。今年は、最近しばらくご無沙汰していた神林長平さんやSFマガジンの塩澤編集長など、珍しい参加者が多くて、なかなかに贅沢。
ゲスト紹介。丸山お父さんが、ゲストの小川一水さんを紹介しているところ。お父さんは、ゲスト紹介を皮切りに、参加者全員を他己紹介する。全員紹介なんて、この規模のコンベンションでなければ出来ない、アットホームな楽しみだ。
会長の開会挨拶。富井会長の挨拶。
神林さんと塩澤さん。ラウンジに入って来た神林さん(左)と塩澤さん(右)。
メインのゲストとの質疑応答の後は、ラウンジでの宴会と、女の子のお茶会、パソコンを置いた酒飲み部屋などがスタート。昔、ニフティサーブのSFファンタジー・フォーラムがあった頃には、パソコン部屋からチャットに繋いだりしたのだが、今やもう、ニフティにそういう文化はない。何人かがここからMixiに繋いでいたのが、今っぽいのかな。
コンベンションは夜っぴいて続くが、流石に翌日の運転もあるので、適当なところで寝部屋に寝に行く。だが、ほとんど誰も寝てない。みんなどうしたんだろう。
翌朝、5時に目が覚めたのでラウンジに行くと、まだ麻雀が続いていた。阪上君が寝ている。お前、部屋で寝れば良いのに…。
朝、ボーっとしながら、なんとなく話をする。なんとなく、エウレカを見てマジレンを見て……。
朝ご飯を食べて、一息つくとクロージング。天候が良いので、ロッジの裏のテニスコートで行われた。特に長くなる訳ではない、麻雀大会の優勝者表彰などの簡単な企画報告などがあって、今後のオプショナルツアーの説明があって、あとは、ゲストの小川さんのサイン本プレゼントの抽選をして終わり。
閉会式。小川さんが持って来てくださったプレゼントの新刊本を争っての戦い。コブシで勝負を付けている(じゃん拳)ところ。決して、ジークジオンを叫んでいるのではない。
解散後、オプショナルツアーに参加しないことにした神北家は、すぐに白馬を出発した。実は、レンタカーの返還期限がこの日の20時なのだ。ここで2時間・3時間遊んでから帰り始めると、ちょっとマズそうだったので、今回、オプショナルツアーは省略した。
そのかわり、神北家には寄るべき所があった。
毎年、欠かさず参詣している信濃の善光寺だ。
というわけで、このお話しは、まだ続く。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント