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2005/06/18

またバカ発言だぞ

 読売オンラインネット&デジタルに、2005年6月14日の読売新聞からの記事として、『子どもはみなブログを持て!』という項目が揚った。文末に『(西島徹)』とあるから、この西島記者の文章と言うことなのだろう。

ニッポンの明日には、ブログが一番!
 総務省は14日、小中高校生のだれもがブログ(日記風の簡易ホームページ)を書くような環境をづくりをめざす方針を決めた。同省が設置した「情報フロンティア研究会」(座長=國領二郎・慶応大学教授)が、日本の「IT(情報技術)力」を強化する方法として、「あらゆる児童・生徒がブログを持つべき」と報告書で提言したのを受けたものだ。

 ——中略——

 文部科学省の調査によると、2004年3月時点で、全国の公立学校の普通教室へのLAN接続率は、小学校で31・1%、中学校で32・0%、高校で61・2%だった。

 研究会は14日の会議で出された意見をもとに、提言の細かな字句を修正。来週中にも報告書を公表する予定だ。

 ん〜。

 もンの凄〜〜く気になるんですが。コンピュータ・リテラシーとか情報リテラシーとかいう概念の面からだけ考えていませんか?

 

 リテラシーとは、本来、「読み書き能力」の意で、他者とコミニュケート出来る力をどのぐらい持っているかということが、最も基礎にある。言葉をどれほど扱えるかというモノサシだと考えれば良い。
 その「リテラシー」から発達した言葉としての「コンピュータ・リテラシー」とは、コンピュータをどれほど扱えるかというモノサシである。
 しかし、BLOGってぇ活動は、システム的に、ほとんどコンピュータ・リテラシーを必要としない。何も判ってない人でも、ブラウザさえ立ち上げられれば、自分のコントロールページのURLさえ知っていれば(ブックマークに登録してあれは)、ココログのようなサービスを利用して、BLOGという場所を造ることは出来る。

 しかし、そんなものは、BLOGという枠組みを造れたというだけのことに過ぎない。同じように紙に印刷して綴じてある書籍にも千差万別のジャンルと出来不出来があるように、同じシステムを使ったBLOGも千差万別なのだ。興味対象のジャンルも様々ならば、一次的な情報発信をするものや、二次的なニュースサイト、それを受けた三次的な論評系など、情報の扱い方も様々だ。もちろん出来の良い、読み易いブログもある一方、出来の悪い、日本語になっていないブログも多い。

 学校教育としてまず教えるべきは、コンピュータ・リテラシーなどの小手先の手法の前に、日本語の話し方・聞き方。書き方・読み方。そして、理論の 組み立て方・発表の仕方。擦り合わせやディベートの方法論。そして出来れば、人間関係をこじらせない処世術と、いざこじれた時の解決法パターンなど。
 その上に、初めて、コンピュータを使ったコミニュケートというものが成り立つのだ。
 先にコンピュータ・リテラシーを教えれば、オン・ジョブ・トレーニングでいつの間にか他者とコミニュケート出来る人間が育つなどという甘い考え方は、標識や道標に書いてある漢字が読めないような子供でも、車の操縦法を教えておけば、その内道路で経験を積んで、立派なドライバーになるだろうと言っているのに等しい。

 一人前のドライバーになる前に交通事故で死んじゃう子供を出さないために、車の運転は年齢制限があって免許が必要になっているのだ。同じように、『IT社会で日本が優位に立つには、義務教育段階からネットワークで個人が発言する作法を身につけさせることが必要だと主張』するからには、まるで鮭の稚魚でも放流するように、なんでもかんでも子供をネット上に放り出すより前に、国語・道徳などといった教科との連携を充分に取り、ネットに出る前に、社会生活に関するイロハを充分に教える体制を取るべきではないか。

 どうも、日本の先生や文部科学省のお役人には、そういう、実社会的な観点が不足している気がする。

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コメント

1996年にインターネットの自称「SFファン」たちの投票で、「生き残ったで賞」というのをいただき、彼らの神経に唖然としましたが。文部科学省は、ああいう他人の痛みに非常識・無道徳・無神経な人間を大量生産して、愛国心とアジア蔑視を刷り込もうとしているんですねえ。

投稿: だごん様 | 2005/06/18 11:45

 女子小学生のカッター殺人てたしかネットの書き込みが原因でしたよねえ。なんかまた似たような事件が起きて、今度は「子供にネットはいけない」とかマッチポンプしそう。

投稿: 笹本祐一 | 2005/06/18 17:49

すいません いまだに日本語ちゃんと書けません
て に を は 相当おかしいです。

投稿: マサマサ | 2005/06/18 17:56

だごん様。

 なんだか、テッポの撃ち方だけ教えておけば、捕虜に関する国際法なんか知らなくても兵隊は造れるという時代の、富国強兵策のようです。
 また、どちらかというと発進側のマナーの話を中心にしましたが、「ネットワークで個人が発言する作法はもとより、情報を受け取る作法(術)も身につけないといけませんよね。」という意見が、トラックバックを戴いたBlog!NOBONさんに書いてあって、うなずくことしきり。
http://blog.nobon.boo.jp/?eid=100063

 「故郷や、所属する社会への帰属心から自然に発生する愛着」とは別の所から強制される、プロパガンダとしての「愛国心」は、昨今、日本の場合もアメリカの場合も、ロクなことないですね。まあ、中国も韓国も、それは同じなんだけど、日米は、以前にはもう少しましな社会通念を持っていた筈なのに、いつの間にかここまで降りて来てしまっているのが、特に情けないです。

投稿: 神北恵太 | 2005/06/18 18:00

笹本さま。

 すンごく言い出しそうねぇ。それ。

マサマサさま。

 自分と違う意見に対する不快感を、脊椎反射で「アフォ、氏ね」と書いちゃう幼稚さがなければ、そこそこ大丈夫!(^_^;)

投稿: 神北恵太 | 2005/06/18 19:50

9月まで、週に1~2度「サッカーロボを作ってプログラムを勉強しよう」という総合学習の講師を引き受けています。

高校2年生20人を相手にしているのですが、やはり読み書きソロバンをやらないとダメですな。
なんと言っても、個々の生徒は騒々しいのだがつるんで騒ぐことが出来ない。
高校2年生がつるんで騒ぐというか、会話が盛り上がらないのが不気味に近いです。

先日も「GT4が・・・」とか言ってるからゲームだな、と思って近寄って聞いていたのだけど、会話が2往復ぐらいしか続かない。
電車の中での会話を見ていて「電車の中田からかな?」と思っていたのたけど教室でも同じでした。
つまり盛り上がらない。

けっこうこれが問題だと思うな。

投稿: 酔うぞ | 2005/06/19 17:04

酔うぞさま。

 今の高校生って、1990年前後の生まれですよね。
 TVを見れば、笑う所・注目すべき所にスーパインポーズが入って、強調してくれ、それも、5分ぐらいでお題が切り替わって行くようなものばかり見てますから、どんな話題も、浅くひと突っ込みすれば良しと思っている面があるのかも知れません。
 突っ込んで話したい奴は「熱心」と見られるんじゃなくって、「いつまで前の話題引きずっとんねん」「空気嫁」で相手にされない人間関係。これでは、出会い頭の反射神経のキレだけが問題で、探求したり拘泥したりすることが悪なんでしょう。いや、「悪」というと変かも知れませんが、軽侮の対象にされてしまうという考え方が、彼等にあるように思います。
 こんな高校生の中では、まだモノにこだわるオタクの方が、立派な人間性を持つと言うことでしょうか。そはそれで間違っている気もするしなぁ……。

投稿: 神北恵太 | 2005/06/19 17:53

うーん。
社内でブログ立ち上げるという話があって、その際に「これこれこういうリスクがありますよ~」って話をせねばならないような今日にブログですか・・・。
なんか、海外からコメントspamやトラックバックspamの蹂躙を受けて廃墟が出来上がるような気がする・・・すこしだけ。

とりあえず、稚魚でもなんでもほおりだして生き残ったもののみを育てるということかしら、それにしては日本は多数の子供を育てるには向かない社会になってしまいましたが。

まぁゆめも希望もない現実でいえば、これは間違いなく「文部科学省」が予算獲得のためにぶち上げただけで成果は期待していないってことなんでしょうけど。
神北さんのかかれた「コンピュータリテラシー」どころか、単純に学校へのLAN接続率の向上のための予算獲得手段でしょう。

長文すいません。

投稿: おかてん。 | 2005/06/19 20:32

おかてんさま。

 で、そのLAN接続率向上というのが、後にどういう好影響を与えるという、カッチリしたビジョンがある訳ではなく、「オイラの施策でこんだけ数字を上げました」というためだけに使われるんでしょうなぁ。
 特に教育や医療といった国民生活の根幹に関わる施策で、意味の無い改変とそれによる迷惑が発生した場合、背信行為として禁固を含む刑罰(と懲戒免職・免許剥奪)を科すべきだよな、医者とか役人とか、教育委員会とかには。

投稿: 神北恵太 | 2005/06/19 21:53

訂正
文部科学省ではなくて、総務省でした。

そういう意味ではさらに納得ですが。
u-Japan構想ってのがありまして、e-Japan戦略の後とってつくられた「総務省」の構想なんですが、多分その一環としての政策なんでしょう。とすると、単純にその政策の枠を無理やり埋めるためのもので子供がどうなんて考えてないでしょうね。

いつも不思議でならないのは、ITの主管は総務であったり通産省だったりするし、教育の主管は文部科学だったりするし。そりゃ似たようなことを別々に金突っ込んでりゃいくら金があってもたらんわねぇ。(;_;)

投稿: おかてん。 | 2005/06/19 23:06

ちょうど同一タイミングになりましたね(^^;
まさに神北さんがおっしゃるとおりのことになりそうです。

背信行為の罰則については、一応それぞれ制度はあるはずなんだけど適切に運用されていませんよねぇ。医師の場合は、直接医療に関係ない懲役刑による処分のほうが罰がきつかったり、役人とか教育委員会とかについては、ほぼ働きませんからねぇ処分が。

投稿: おかてん。 | 2005/06/19 23:10

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