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2005/06/23

繰り返すまじだぞ

 沖縄慰霊の日が来た。3月10日の東京大空襲の日というものもあるが、6月下旬の今日をを皮切りに、オキナワ、ヒロシマナガサキ、そして終戦記念日と、我々日本人が、戦争というものを顧みる一連のシーズンが始まる。

 このシーズン。神北はあまり好きではない。
 まあ、負け戦が好きな人なんて、小説の中の真田十勇士ぐらいのモノで、誰だって嫌いだろう。しかし、それ以上に、「初期の見通しの甘さと、『他ならぬ日本人がやるのである、何とかなるに違いない』という非常に気分的な論拠と、それに対して反論出来ない雰囲気」の中で始まった大東亜戦争というプロジェクトが、どういうパラメータを出して考えても冷静な思考のもとではこうならざるを得ないという帰結を粛々と迎えただけということが嫌いなのだ。

 こういうプロジェクトというのは、別に、大東亜戦争だけではない。利権を失いたくない人間と利益を得たい人間がいて、そこに尻尾を振ることが仕事だと勘違いした人達が指導層に居る組織。そういうものが、バカな決断を下すことは、多々ある。
 昨今の年金改革、進まない郵政民営化、今の日本は、言葉だけは格好良かった大東亜共栄圏が頓挫した、昭和19〜20年に酷似している。

 そもそも、中立公平な立場でモノを見られない役人を端からクビにして、新しい在野の血がどんどん入れられるよう、公務員法から見直した方が良いんじゃないだろうか。「一旦公僕となったからには滅私奉公馬車馬のごとく働き通す、そのかわり、身分は行政が安定保証……」ナンてェのは、貧乏国の公務員のあり方ではないか! 
 発展途上国ならば、方向性も限定されているし、それをただ無心にこなして行くような、こういうメンタリティーで役人を務めることも可能だ。が、既にその時期を越え、日本には今、こういう、貧乏役人のメンタリティーを40年近く維持して行くようなガンコ役人は不要になっている。もっと、公平に周りを見回せる、機を見るに敏で、役所間の力学を離れた公正な人が必要なのだ。

 そもそも、明治期に前島密の目指した、国民全員に行き渡る通信手段としての郵便は、通信手段が手紙を人が運ぶしかなかった時代には、考えられる限り最も優れ、替わるものが無い、安価な方法であったことは確かだ。が、電話も、電報も、メールも在るこの21世紀に、同じ理論は通じまい。文章ならメールでやり取り出来る。モノを運ぶのであれば費用的にさほど替わらないレベルで宅配便各社がしのぎを削っている。全国規模のTV放送等も十二分に行われている。何らかの代替手段がこれだけありながら、「郵便制度は大事」「郵便局が無くなると日本は滅びる」という安易な御託を繰り返すだけの役人や議員が云うようにに前島公の霊が今、現れたら、「お前らは馬鹿者か!」と一括されるのは、どちらなのだろう。

 今、日本に必要なのは、愛国のための愛国心や、伝統や、論拠のない確信ではない。それよりも、より良く暮らせる国にしようという愛国心や、時代にあった気風や、理論的な計画とそれをやり遂げる意思だということをちゃんと理解し直すことであろう。

 かつてあった、取り返しがつかないような大戦争の、一つの区切りとなった日に、そんなことをちょっと思った。

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コメント

そうですね。

私も最近ものの本で読んで知ったのですが、かつて郵送料が
距離によって定められていた時代、イギリスのバベッジという
学者が「距離ごとに郵送料が違うことによって発生する
事務コストの方が割高ですよ」ということを実証して、
「郵便物を国内のどこにでも均一料金で送れる」という
近代の郵便制度の元になるシステムを提案したといいます。

これって滅茶苦茶シンプルで根本的で、しかも間違いなく有効な改革ですよね。

一方の、現在のわが国の郵政民営化の議論って、
「カタチの決まったビルにどんな看板をつけるか、どんな壁紙を貼るか」
ていうレベルの話ばかりで、
「ビルをどう改築・増築(必要なら一部解体も?)するか」という方向では
今ひとつ話が進んでいないように思えてなりません。

合理的な考えなしに頭つき合わせて要不要を説いたって、
そら何も決まりませんわな、と思います。

投稿: どぶろく | 2005/06/24 00:04

どぶろく さま。

 理論と理念と妄執があったら、妄執が勝つのが政治の世界なんですね。なぜかというと、妄執は票田に直結しているからです。
 情けない話です。

投稿: 神北恵太 | 2005/06/24 00:28

最近の神北さんは私の言いたいことを論理的に代弁してくれてます。
有難うございます。
私は感情的な人間なので、敵の得意な論理の引き回し・揚げ足取りに弱いものでして、議論は久しく他人と行なっておりません。
我ながら情けないですね。

投稿: だごん様 | 2005/06/24 00:45

だごん様。

 あたしは、もともと気分的に「お箸を持つ方」に寄ったバカガキだったんです。非常にロマンチックで単純ですからね。ちょっと見に、口当たり良いんですよね。
 でも、右向いて旗を振り、若人をどんどん送りの出そうとする人の殆どが、実は振った旗の方向を見ていない。だからといって「お茶碗を持つ方」の人達も、なんか、声高に言っている事と、日々やっている事が合致してない胡散臭さがある。
 結局、一貫した理念なんてぇものじゃなく、その場その場で証明出来る理論をその場その場でちゃんと応用することを繰り返すことが、本来、民衆に求められる「政(まつりごと)」なんだ、不完全ながらもちゃんと運用すればそれを維持出来る可能性が今の所一番高いシステムが、民主主義なんだということが、最近やっと判って来ました。
 前例とか、伝統とか、歴史とかには、敬意と注意を払いつつも一歩離れた立場を保たないと、何か佳くないモノに絡めとられちゃうんだなぁという、当たり前のことを悟るのに、四十数年掛かっているのだから、きっと頭は悪いんだと思います。

 まあ、元がもとなので、いまだに、心の底では「国旗としての日の丸と国家としての君が代には敬意を払っても良いのではないか」という思いもありつつ、だからといって、何かというと日の丸を焼いてみせたり子供に嫌日画を描かせて褒めてみせる韓国教育のお寒さ等を反面教師として見ていると「そういう悪用のされ方をするぐらいなら国旗や国歌(に象徴されるナショナリズム)というものはもっと遠ざけた方が良いのかな」という気もして、結局、結論を先送りしている程度です。
 だから、「そりゃおかしいぞ」とは指摘出来ても、「だからこうすれば良い」が出て来ません。
 ただ、この国が、せっかく放棄した戦争を、再びするような国には戻って欲しくないという程度には、主張を持っています。

こんな奴ですが、これからも宜しくお願いします。
m/(._.)\m ペコリ

投稿: 神北恵太 | 2005/06/24 06:50

わたしの立場は中道やや左のリベラリストでして。言いたいことが言えることを守り抜きたい、レイプやチャイルドポルノは絶対反対だけどポルノ解禁には賛成、教科書検定なんてモノは無くしてしまえ、という主義なのです。ただ、職業的なライトウィングはいただけません。昔、会社員時代に「ウヨクミンゾクハ事典」ってのを作りかけ、あのギョーカイを覗いてしまいました。企業恐喝・自×党に有利にするための他党攻撃・・・兎に角、金の流れの不健全たるや、西武グループの比ではありませんでした。ああした勢力が「國」を憂えていると信じてるヒトたちが可哀相でなりません。

投稿: だごん様 | 2005/06/26 01:59

だごん様。

 ライトウィングな組織に関するダークさという話は、よく聞きますし、企業小説とかにもしょっちゅう出て来ますよね。全部一つ残らずがそうではないのでしょうが、実際に、街宣車の企業包囲が「寄付をしたら次の日から静かになった」なんてのはよく聞く話です。

 たた、だからといって、片方がダークなら反対がライトかと思うとさに非ず。レフトウィングっぽい市民活動を装って、実は違う目的の組織も多々あるみたいです。世の中、バランスが取れとるっちゅうか、油断なりません。

 たぶん僕らがすべきことは、少なくとも声の大きさに踊らされないことと、常に本質を見ようとすること、主義主張を妄信しないことなんでしょう。でもこれって、「現実と常識を疑え」「常に足下を見直せ」ってことしで、SFとかホラー、もっといえば、「お話し」の基本ですよね。

投稿: 神北恵太 | 2005/06/26 13:39

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第2次世界大戦時、本土防衛の「捨石」とされた沖縄。 沖縄守備軍(日本軍第32軍)の目的は、沖縄県民=日本国民を守ることではなく、沖縄県民=日本国民を犠牲にしてでも時間稼ぎをすることであった。一般民間人にも降伏を許さず、集団自決などが起こった。沖縄は焦土と化し、沖縄県援護課の調査では18万8136人で、うち12万0228人が民間人で、県民の4分の1が死亡した計算になるというが、実際の死者数は分かっていない。 先日、沖縄で遺骨収集を15年間続けている老夫婦の話をテレビで見た。伊江島の公園で花... [続きを読む]

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