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2005/07/02

今時のウルトラマンを考えるぞ

 先週遂に終わった『ウルトラマン ネクサス』
 今週遂に始まった『ウルトラマン マックス』

 ネクサスは、ものすごくマイナスイメージが在った。

  • 怪獣の出現も被害も、記憶操作をしてなかった事に。
  • 怪獣やっつけ隊が秘密組織で存在も秘密。
  • ウルトラマンの秘密を怪獣やっつけ隊が狙っている。
  • 怪獣やっつけ隊の中が秘密だらけ。
  • お話しが30分で全くケリが着かず、延々とダークに続く。

 これは、実際厳しい。子供が見て行く番組の作りではなかった。どんな気味の悪いことに巻き込まれても、どんな苦しい目に遭わされても、30分の番組が終わるまでに解決し、ありがとうと言って手を振るべき子供までが、悪いウルトラマンの手によって利用され翻弄される。
 土曜の朝やる番組の進め方ではなかったのだ。

 しかし、さすがに拙いと思ったのか、打ち切りが決まり、巻きに入ってから、この番組は、なかなか凄い底力を見せる。番組二人目のウルトラマンと、美少女の悲恋を中心に描かれた第二部は、なんかいいラブストーリーだった。さらに、突出した最終回だけを神北的には第三部と呼びたいのだが、昨年末の映画版から続くストーリーであるとが明らかになった第二部を受け、映画からテレビまでの全ての一連の謎に答えを出すという、強引だが強烈な解決編を、僅か1話でやり切ってしまった。本当ならば、第一部を4話、第二部を20話ぐらいやった上で、あと26話ほどこの第三部のノリでやって欲しかったのだが、なんといっても、この第一部の陰々滅々鬱々勃々が、とにかく無駄に長過ぎたのだ。

 同じように、シリーズ構成のバランスが崩れているとしか思えない現行作品に『機動戦士ガンダムSEEDデスティニー』があるが、この二つの作品、ものすごく共通するポイントがある。

 主人公達の誰もがコミニュケート不全なのだ。

 これは、ちょっと酷い世界観だ。両方とも、組織内で選ばれて集められた優秀なスペシャリストというふれこみの団体が主人公群を形成しているが、構成員のだれもが、自分の意見をプレゼンテーションするという最低限の社会的能力に欠けているのだ。そのため、言葉で意見を表明せず、思い詰めたあまり暴走する。
 逆に、『仮面ライダー 響鬼』では、大人がコミニュケーションをしっかり取りつつ、お互いを思いやり、互いの間合いを維持しつつ連携し、スムースな人間関係をみせている。そしてそれが、ああありたいという一種の理想の大人像を見せているのだ。

 お互いの意思をちゃんとプレゼンテーションし、その調整と協調をもって人間関係を作り上げ、チームとして事に当たる。
 何かの拍子にそうした一連の流れが造れないいろいろなわだかまりが人間関係に溝を造り、感情が溜め込まれ、ストーリーが動きだす。たしかにそれは有ることだろう。
 しかし、正当な人間関係を一度も造らず、最初から疑心暗鬼と意見の溜め込み、そして爆発の繰り返しのドラマでは、ギスギスして観て居られなくなる。

 ウルトラマンネクサスが、いかに終盤、そこを改善しようとしていたとはいえ、前半の痛手は取り戻せなかった。これは噂だが、とても出来の良いTILT基地の玩具、なかなか玩具メーカーも頑張ったと思うのだが、最大商戦期の年末年始に、全国で4ケタ台の下の方しか売れなかったのだとか。打ち切りの決まった4月以降は、まだ放映中の現行作品だというのに、あちこちで、半額以下の大安売りである。

 「ウルトラマンなんて、子供騙しさ。怪獣が居て、ウルトラマンが出て来て倒しさえすれば、ストーリーなんて何だっていいよ」なんて思っていた人が居て、ああいう話に許可を出していたのだとしたら、ちょっと子供をなめすぎたことを、左遷先の窓際の日当りのいい部署で、痛感して戴きたい。

 さて、『ウルトラマンマックス』である。うん。これぞウルトラマンという豪華な展開で、第一話から、アボラとバニラよろしく、赤と青の二大怪獣激突。そこに颯爽と現れて光線技で二体とも倒して去って行く謎の巨人。民間での活動が認められ、対怪獣部隊に抜擢される熱血青年。
 きっちり定番の盛り上げ方をする。
 たしかに、「毒にも薬にもならないステロタイプなウルトラマン第一話」以外の何ものでもないお話しなのだが、こういうストーリーをきちんと当ててこそ、子供が見る番組としての基礎が、子供が飽きる前に固められるのだ。
 来週は早速エレキング。さて、何をやってくれますやら。

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コメント

マックス、よかったですねぇ。
シンプルで。
あ、こんな人使うかっていう配役。
でも、なんじゃそりゃってウンチクたれるのは・・・まあ、許してもいいか。
怪獣も怪獣らしく暴れるし。
ウルトラマンのデザインがちと重いような気もしましたけど。

「原点回帰」というだけのことありますねぇ。

投稿: バウム | 2005/07/02 19:25

バウム さん。

 基地オペレータの美少女アンドロイド、エリーがいいですね〜。宍戸開のヒジカタ隊長も、親父さんの宍戸錠の演った『スターウルフ』とかのリーダー役に負けず劣らず、イイ感じです。
 でねも、ボク的には、桜井さんが生え抜きの女参謀、黒部さんが老練な環境科学者ってな具合に、立場が逆だった方が面白かったかな。
 ちなみに、黒部さんと桜井さんは、しばらく前に、ウルトラ関係のイベントで、二瓶さん毒蝮(石井)さんにも、「出ようゼ」と説得を行い、快諾を得たそうなので、このお二人もスポット参戦して貰えそうです。
 また、オープニングの影絵も、初期ウルトラ的なデフォルメを維持していて、我々の世代には嬉しい限り。

投稿: 神北恵太 | 2005/07/02 20:20

さらには、第一回では「彼」と呼び、呼称を決定する、という王道をやりましたから。これは司令の黒田進に対する敬意のあらわれですかね。

投稿: 八潮 | 2005/07/02 21:39

八潮 さま。

 黒部さんに対しての敬意というのは、確かにそうかも知れません。しかし、それだけでなく、作劇上、ウルトラマンのお話しの本質は、ウルトラ族という種族とのファースとコンタクトではなく、力強い正義を示すことにあるとするならば、名前等の面でいつまでも「あの巨人はなんだ?」とかいっているより、さっさとウルトラマンと呼んでしまった方が良いという判断も在ったのでしょう。
 だから、怪獣名も明確に出ます。これは、子供をメインターゲットとする作劇上、とても良いことです。明確に敵と味方が判って、敵の何が人類にとってまずいことなのか、それが、トコトン判り易く出来ているのです。
 この対立構造の謎解きにリアルさを求めていると、いつの間にか、本質を置き去りにした謎解き因縁話になってしまいます。今回、桜井さんがいわゆる「怪獣博士」として「あれは○○ゴンよ」「きっと△△ニウムを食料にしていたのよ、だからこの特殊能力を持っているの」と言ってくれるのは、そこいらへんを調査するのに実際には随分時間がかかる筈だろうというような「オトナ騙しのリアルさ」を一旦よこに置いて、直球勝負のウルトラマン対怪獣を見せるには、最高のギミックだと思います。

投稿: 神北恵太 | 2005/07/02 22:34

「ウルトラマンなんて、子供騙しさ」って感じじゃなくて「子供たらし、のウルトラマン」って感じかなぁ。

投稿: バウム | 2005/07/03 03:47

ネクサスは、あの陰々滅々さを、胸をかきむしりながら
楽しんでました(笑) 確かに全然子供向けじゃないで
すね。
マックスですが、うちの息子、娘の反応を見ていると、
原点回帰は正解だったと思います。

余談1:たまたま一緒にマックスを見ていた嫁さんの
母親が黒部進を見てひとこと、「あ、ハヤタ隊員」
・・・お義母さん、侮り難し。

余談2:アボラじゃなくてアボラスね。

投稿: いしたた | 2005/07/06 22:44

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