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2005/07/14

大会モード突入と、「目眩(めまい)」だぞ

 それは、昨未明、7月13日の午前4時前のことだった。突然、だんっ!! という音で飛び起きると、むらさきが両腕をついて苦しげ。状況を訪ねると、目眩だと言う。今の音は、ふらっとして両手をついて崩れ落ちた音らしかった。
 肩こりや腰痛が持病のようになっているせいもあって、肩や首の凝りから来る気持ちの悪さかと思い、取り敢えず再び横にさせる。で、そのまま目が覚めてしまったので、しばらく仕事部屋に入ってSF大会に向けてのこまごまとした準備に掛かる。
 一時間ぐらい、いろいろやった後、5時頃、女房の様子を見に寝室の方に戻ってみると、まだへばっている。
 「だめか?」
「全然だめ、くるくる」
「救急車呼ぶか?」
という会話、そういうことが苦手で、いつもなら必ず「朝になったら自力で医者に行くよ」という女房が、「お願い」という。
「じゃ、呼ぶぞ」
「うん」

 浦和の消防署から直線距離で1キロ程度のところなので、本当にすぐに救急車到着。取り敢えず、大慌てで女房を乗せ、自分も脇に乗せて貰う。横になった女房は、3人ほどの救急隊員の方に心拍や血圧を測ってもらったが、心臓が煽っていたりはしない様子。基礎的な検査が済んだ後ぐらいに、問い合わせが終わって搬送先が決まった。
 女房の一番良く使う最寄り駅に近い総合病院へ。自宅至近の大病院だ。救急車は、住宅街では音を抑え、細い道を抜けた後にサイレンを鳴らしてくれた。ふむふむ。よく街道筋あたりから突然救急車のサイレンが聞こえてくるのは、こういう気遣いをしているからなんだな。
 救急処置室の前で2時間半ほど待つ。8時前頃に夜間治療で出来る対応の全てが終わり、女房は普通の時間内で内科の検査を受けるように言われる。取り敢えず、着の身着のままジャージで出て来たので、一度家に戻って着替えることにする。
 まだフラフララが取れた訳でもない女房と駅前まで出て、牛丼屋の朝定食を食わせてタクシーで帰宅。そのままタクシーを待たせて、女房は再び病院へ。

 家で仕事をしつつ、連絡を待つが、待てど暮らせど連絡がない。仕方なく、仕事に出掛けることに。
 電車に乗った直後に女房から連絡。検査が長引いているからそのまま入院とか言われるのかと想ったんだが、そうではなかったらしい。電車を降りてから電話し、詳しい話を聞く。

 三半規管のところに、下方向を察知する砂嚢がある。砂と言っても、カルシウムの固まったものらしいが、それが、重力に引かれる方向を示すので、人間は(動物も)どちらが下かを知ることが出来るらしい。
 で、その砂嚢が破れるなりなんなりして、「砂」が、三半規管内にこぼれ出ることがあるらしい。一粒二粒と言った少量らしいのだが、それが転がり出て、三半規管内をコンコロコンコロ転がると、人は目眩を感じるそうな。

 「それって、かなり大変なこと?」
「ううん、よくあるんだって。その内、三半規管の中のカルシウムは溶けて、元に戻るって」
「ふーん」
 神北も、眼球内の澱のようなものが視界の中をふらふら飛び回る飛蚊症という病を持っている。それと、系統は似ていると言えなくもない。その程度のものだが、別の原因から来ているのではないかということを調べていたので、時間がかかったようだった。
「お互い、40代も中葉に来ると、いろいろ出るのはしょうがないね」
 まあ、そういうことなのたろう。

 東京駅で一旦降りて、リスマチックに星雲賞の賞状の出来上がりを取りに行く。後行程のトンボに会わせた裁断まで綺麗にやってくれるので、神北が結構好きな出力センターだ。去年も、ここで刷った。

 東京駅から護国寺へ。講談社で『Ζガンダム ヒストリカ』の定例会議。会議の前に、出て来た自分のページの初校に赤を入れ、次の号のページラフを見せて編集部の中川くんと打ち合わせ、他の個別打ち合わせにも顔を出し、7時ちょっと前に編集部を辞す。

 さて、ここから神北は、完璧にSF大会モードに入る。今週末の土日の大会と、その明けの月曜まで、第四十四回日本SF大会Hamanon2に専心する。

 まずは、中野でシール企画の打ち合わせ。
 最終的な刷り物とか、細かいコトを決める。で、金曜日から行う搬入や設営の手順の確認、こちらで用意する写真絵柄の確認やサイズ揃え。見本帳作り等、様々なことを決める。
 大会のスーベニール袋詰めは前日夕方行われるので、企画のための冊子や首から下げる紐付きビニールケース(正確に言うとポリオレフィン製の筈)などを入れて貰うため、シール企画からも、出来るだけ作業応援の人手を出すことを再確認。
 もちろん、並行して設営作業も行われる訳で、それの要員も必要となる。会場設営はネットワーク技術者の塩坂くんを中心に、机の間の電源とネット網の設置をしてもらうことになる。出来ればその流れで、サーバと端末の接続確認等まで行いたいが、そのためには、もう少し設営隊の規模が要るだろう。最終的には、流動的な人員数を見ての現場合わせ。こればかりは致し方ない。

 最終的に、スーベニール詰めにどのぐらい手間を喰うのかは、詰めてみなくては判らない。袋がぎりぎりで手間を喰うこともあれば、大きすぎて、詰めた袋を箱に入れる手間が掛かる事もある。しかも、どこの大会でも、ギリギリになってから「これも入れて」「あの告知も入れて」「変更点をどうしても入れなければ」「正誤表が」……ということは起こる。協力企業や地元の観光協会・会場施設等から入れて欲しいと言われ、かなり大物パンフや地元施設・商店の割引クーポンが束になった冊子が突然入って来ることもある。
 昨今のSF大会の多くは、容量に余裕を見込め、持って帰れば記念品になるよう、スーベニールバッグを布製のトートバッグ等にしている。一昨年のT-con 2003では、肩から下げられる紐長の黒いエコ素材のトートバッグに白地でデカデカと『T3』のロゴが入っていた。これは温泉旅館のSF大会で、風呂場に着替えを詰めて持って行くに良し、ディーラーズルームで買い物をするに良しと、何かに付けて便利に使えたため、大会終了時に、驚くほど、スーベニールバッグの忘れ物がなかった。普通はトートでも十数個、紙封筒だと二十数個はまず忘れ去られるものなのだが、片手で余る程度しか、バッグの忘れ物が発生しなかった。
 とはいえ、予算の関係で、紙の大判封筒で済ませてしまうところも多い。
 今年の袋が入れ易いと良いなぁ……。

 結局、打ち合わせの後、フラフラになって家にたどり着いたのが12時少し前。さあ、ここからはノンストップ。大会明けの来週月曜日、海の日まで走るしかない。

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コメント

懐かしいですなあ、メイマイマンション。関係無いか。

怖い病気でなくてなによりでした。

BGM:難波弘之「Vertigo」(←メイマイマンションの一室から持って行った奴等、さっさと返すように)

投稿: 森野人 | 2005/07/14 13:21

ああ、メイマイ・マンション505号室(だっけ?)。
懐かしいなぁ。ダイナ★コンEX実行委員会事務所。
 押し入れから岐阜の鬼頭君の家まで異次元トンネルが繋がっていたし……。

投稿: 神北恵太 | 2005/07/14 14:33

むらさきさん、その後は大丈夫ですか?大会には来られるのでしょうか?
何にせよ、無理をなされずに万全の体調で大会でお会いできることを。
それしにても、お住まいの近くに大きな病院があるから安心ですよね。あそこの病院は前勤めていた会社のお得意様であります(*^。^*)

投稿: たちばなゆに | 2005/07/14 15:46

砂はどれくらいで吸い込まれるんでしょうねえ・・・?
むらさきさん、ご無理なさらずにお大事に。
神北さんも倒れないでくださいねー?

投稿: 錆猫★ | 2005/07/14 17:43

三半規管・・・・ということは、この試練に耐え抜けば宇宙飛行士になれるかもっ

投稿: 森野人 | 2005/07/14 21:54

みなさま、ご心配をおかけしました。大会はなんとか行けそうです。
薬で抑えているせいもあり、日常生活はなんとかなっています。まあ若干ブレーキの利きが悪いという点はありますが。

「良性発作性頭位めまい」といのが病名です。私が行った病院の先生方は必ず患者に病名を書いたメモを渡してくれるのですが、今回診断してくださった耳鼻科の先生はこの病名のゴム印を私用のメモにポンと押しそのままカルテにもポンと押していました。ゴム印が必用なくらい多いようですね。

午前3時に目が覚めて、立てないくらい眩暈がひどいことに気がつき、それでも座っていると少し落ち着いてくるので何とか朝まで安静にしようと横なるとまたグゥワ~ラン。「生活習慣病という地雷踏んじゃった?」真っ先にそんな思いが頭をよぎります。「血圧かな、脳かな、でも意識あるから最悪という状態じゃないよね。」最近亡くなった同年代の友人二人のことを考えたりします。

ダンナが「救急車呼ぶか」というので素直に呼んでもらうことにします。
「救急車4回目だぁ」でも仕方ないか。過去2回は家族の付き添いで、1回は鼻血の止まらなくなった自分が。

救急隊はすぐに来てくれました。とりあえずパジャマのまま、保険証の入ったかバックだけダンナに持ってもらい、自力で救急車に乗り込みました。車の中では、体温、脈拍、血圧等の測定、持病、容態等のの聞き取り、病院へ連絡がとれたので出発。

搬送先の病院では、簡単な通常の健康状態、現在の容態等の聞き取りのあと、先生が「これ見ていてください」と言います。ボールペンの尻尾です。真ん中、右に動かす、左に動かす、また右に左に、真ん中。「では手を振ってください。キラキラ星みたいに」。
「そんなのできるわよ」と思い、実際クリアできました。後で気がついたのですが脳内に異常があるとこれができないということらしいです。コレの発展型の検査を一般外来の内科(脳神経系の先生だったらしい)でもすることになりました。
「耳の異常の可能性があります。眩暈はだんだん治まっていく類のものです。とりあえず眩暈を緩和する点滴を打ちますね。」
「へ?」
何やら2本立ての点滴が用意されます。1本はよくある栄養液のようはポリタンクのもの、もう1本はガラス瓶に入った薬液、2本のチューブはかなり下の方で混合されているみたいです。ベットで上を向いているのでその辺はよく見えませんが、手首に針が打たれ、そのあとテープでぐるぐる巻きにされるのがわかります。
「え?手首ぃ?」点滴なんて肘の内側だと思っていた私は(だって検査採血だって、献血だって出すときは肘の内側でしょ)思わず看護師さんに聞いてしまいました。
「最近は点滴って手首にやるんですね」
「ええ、そうですよ。手首です。ここにやると思っていました?」
看護師さんは私の視野からかろうじて見える肘の内側をさして言います。

そうだったんだ、ベットで目覚めたキラ・ヤマト君が両手首ぐるぐるだったのは点滴の痕なのか。不思議だったんだよね、どうして彼は両手首怪我したのか。だってちゃんとエマージェンシー押しているし、そのシーンでは手首の部分にスーツの傷みもないし。しかしキラ君はいったい何本点滴打たれたのかなぁ。
ってそんなこと考えている場合じゃないでしょう!>私

といって、眠ろう思っても眠れないし、なんとなく点滴のボトルを見ています。
私の後からも急病人の連絡が入るのが聞こえてきます。救急車でなくお家の人が連れてくるようです。
この患者さんは連絡のあった時間よりかなり遅れて病院に到着でした。その間看護師さん達はヤキモキしながら待っていました。
到着してから体温、血圧等の測定です。

私の場合はあらかじめ救急隊の人たちが諸データの測定、聞き取り(受け答えがはっきりしているかも含めて)を行い、それを病院側に連絡してもらえたので処置が早かったように思います。救急隊の方々、感謝です。

確かに、救急車をタクシー代わりに使うのは問題ですが、本当に急病だったらプロにまかせましょうということでしょうか。
あ、救急車4回目の人がえらそうに言えることじゃないですが。

そろそろガラス瓶の方薬液はなくなってきました。ダンナはどうしているだろう外の待合室で待っているはずだけど、本人の意識がはっきりしている以上、家族へは状況説明されてないようなぁ。お手洗いも行きたいような。
「すみません、お手洗い行っていいですか?」
「動けますが?」
「はい、大丈夫みたいです」
点滴台をずるずると転がして、救急処置室の外へ。お疲れのダンナを見つけとりあえず、状況の説明、用足しの後、再び救急処置室へ、何度かふらつくことはあったものの歩くことが可能まで回復(薬のおかげ?)なっています。

救急処置室へ戻って栄養液2本目。またお手洗い行きたい~、水分代謝は早い方なので。腰も痛くなってきたから寝返りもうっちゃうし、さっきからのどがカラカラだぁ、とだんだん急病人とは言えない状態に。
しばらくして、先生がやってきて
「お水、自分で飲めますが?」と聞くので
「はい、飲みたいです!」
水を飲ましてもらえるのかと思いきや、
「自分で水が飲めるようなら、点滴はもう必用ないです。今日は一般外来で内科と耳鼻科で診てもらってください。」
程なく私は、一言お礼を言って救急処置室から外に出たのです。
一般外来でということは事はそれほど緊急を要さないということです。

というものの、次の段階で医療の別の一面の現実にぶち当たります。
大病院初心者の私は、診療受付開始時の順番取り合戦に負けたのです。
しかも耳鼻科の受付を失念していたためさらに順番の後になり、この辺を家に戻って待っているダンナに連絡を入れなかった為、ダンナは検査にとっても時間がかかっていると思い込んでいたようです。
この辺の段取りの悪さ、やはり多少パニクッていたか、病状は最悪のものではなかったので安心してボケたのか、はたまた薬ほ副作用か。
とにかく ごめん>ダンナ

たちばなゆに さま
ご心配おかけしましたが、大丈夫みたいです。

錆猫★  さま
とりあえず、お薬は1週間分もらいました。

森野人 さま
あれに慣れるよりは、私は地球の重力に魂を奪われて生きる方を選びます。


投稿: むらさき | 2005/07/15 01:13

たちばなゆに さま
錆猫★ さま
森野人 さま

 てな具合で、女房はなんとか、このぐらいの長文を書く間、座っていられる程度には回復したようです。今日は、ちょっと時間をずらしてラッシュを避けるようですが、今、出勤の準備をしています。
 明日明後日、パシフィコ横浜の日本SF大会で会えたら、声をかけてやって下さい。
 m/(._.)\m ペコリ

むらさき さま

 病身の女房を放ったらかして、先に大会にいっちゃうが、後からがんばって来るよーに。

投稿: 神北恵太 | 2005/07/15 08:56

会場ではむらさきさんの方が健康そうに見えたのは何故だろーか。

投稿: 森野人 | 2005/07/23 09:45

 ぼくの方は、年に一回、SF大会に合わせてビョーキが最高潮に達するからです。(^_^;)

 ……って、実際には、目眩を抑える薬を日に三度飲んでいましたし、ちょっとクラっと来たとか言いながら、シール企画のブース内の椅子に座っている時間もありました。元気そうなのと元気なのとは、微妙に違うようです。

投稿: 神北恵太 | 2005/07/23 12:24

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