50時間の死亡遊戯だぞ

　ちょっとよく判らないニュース。
　Exciteニュースの世界びっくりニュース に2005年8月9日に載った『韓国人男性、ゲーム50時間連続プレイで死亡』という記事。

[ソウル　9日　ロイター]　インターネットカフェでコンピュータゲームを50時間ほとんど休みなしでプレイした韓国人男性が、ゲームを終えた数分後に心不全で死亡した。
　警察発表によれば、死亡したリーさん(28)は南東部の都市・大邱にあるインターネットカフェで、オンラインシミュレーションゲームをプレイしていた。
　リーさんは8月3日にゲームをはじめた。その後3日間にわたって、トイレに行くのと間に合わせのベッドでの短い仮眠をとるのを除いて、モニタの前を離れなかったという。

　ううー。そうまでさせる、韓国のゲーマー気質ってなんだ？　というか、何をそこまで熱中していたんだ？

　ちなみに、このリーさんは最近、「ゲームをするために」会社を辞めたのだという。まあ、日本にも、会社を辞めて、次の仕事を探しもせずにゲーム三昧というニート君達がかなり居るらしいが、「辞めたからゲーム」と「ゲームのため辞める」のは、明らかに違うと思う。

　ただ、一つ気になる事があるとすれば、彼、日本人の金持ち相手のキャラ育成ビジネスだのお宝のリアルトレードなどという、タチの悪い商売に手を出し、締切目前に無理をし過ぎたのではないかと云う可能性が残る事だ。
　このBLOGの2005年の6月12日の記事『裁きが下るぞ』でも触れたが、日本のゲームサーバに無理矢理接続して、短期間で経験値の高いキャラを量産し、端から売ってゆくアジア人は、確かに存在する。というより、そういうアンフェアな品を手にしたがる日本人が居るから、彼等の商売は無くならないのだが。
　特に、韓国はネットゲームの本場で、日本にも多くのゲームが進出し、日本語版として運営されている。こういうゲームの幾つかは、本国の韓国の方がリリースが早いので、先に知識を貯えておいて、日本人が新環境に右往左往しているうちにガシガシとキャラ育成という事が可能なのだ。
　50時間。そのゲームに慣れた人がレベル上げだけを目的にゲームをしていた50時間ということを考えると、シロートの試行錯誤を省ける訳だから、普通に初心者がプレーする100時間か150時間にも相当する筈だ。1日3〜5時間ゲームに熱中しても、1ヶ月以上かかるレベルに達したキャラデータを丸3日掛からずに作れる訳である。

　もちろん、このリーさんがそういう裏商売に手を染めていたという報道がある訳ではない。純然とゲームを楽しんでいたのかもしれない。だとすると、ゲームを終えて至福の中で息を引き取ったのかもしれない。しかし、それにしても、たかがゲームである。その努力と根性、苦行をモノともしない精神力を、他のところで使っていれば、ニュース種になる事も無く、もっと大きな成果が得られている気がする。
　また、もし、キャラを売買目的で作っていたとしたら、会社を辞め、命をすり減らしてまで、そんなものを作る意味があったのだろうか。

　ちょっと、謎の多い韓国青年の死であった。