進化論だぞ
毎日新聞の特集記事で『ライトノベル進化論』という記事が掲載された。細谷正充氏の記事。とにかくお読み頂きたい。
わりと丁寧でニュートラルなライトノベル論である。取材というか、題材に対する取り組み方が、実にしっかりしている。
命名がニフティのうちのフォーラムであることまでしっかり記述されているのは称賛に値する。「若者向けでありながら、従来のジュニア小説やジュブナイルでくくれない小説に、ライトノベルという名称が与えられたのは、1990年のことである。場所は
パソコン通信「ニフティ・サーブ」のSFフォーラム。このように、ある特定の文芸ジャンル名の誕生の瞬間がはっきりしているのは、きわめて珍しい。」唯一残念なのが、うちは、「SFファンタジー・フォーラム」なんだよなぁ。そりゃ、「SFフォーラム」って略して呼び倣わしてはいたけどさ……。
ちなみに、この細谷正充さんの現在の新レーベル乱造傾向に関する見解は、神北の意見とぴたりと合致する。90年代初頭、バブル絶頂期に乱立して、2年保たずに消えて行ったレーベルのなんと多いことか。当時の、ある出版社の新創刊レーベルのひとつでは、「3年辛抱してくれたら軌道に乗せてみせましょう」という約束でやり手編集長を引っ張って来たのに、社長が辛抱堪らんと云いだして1年半で取り止めになったところもある。
あのバブル期の「なんでもOK」の時代ですらそうであった、新レーベル創刊の難しさ。しかも、出版業以外からの異業種参入が多いと聞く昨今の創刊ブームである。甘い夢を抱いて浮ついた気持ちで入って来て、どこまで行けるのかと不安になるのは、15年前を知る身に取っては、当然のことであろう。
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