ディスプレイ吊り広告だぞ
今日、御徒町から京浜東北線に乗ったら、なんか、社内の景色が違う。なんと、吊り広告の代わりに液晶モニターがはまっているのだ。どうも、そのモニターに出る文字を見ているとJR東日本と日本テレコムによる「無線による車内情報サービス実証実験」 ということらしい。なんだ、そんなことを7月から1年間の予定で実験していたのか。とりあえず、神北は、この実験車両に初めて乗った。
モニターには、これが「車内情報サービスの実験」なのだという簡単な説明が流れる他は、3分ぐらいのたわいない紀行ドキュメントみたいな番組がローテで回っているだけ。写真左側の画面は「長良川の鵜飼」、右側は「ニッポンの祭り ちゃぐちゃぐ馬コ」。まあ、JRがやっている実験で、旅に行きたいなと思わせられるのであれば、OKかな。
一応、簡単なテロップが出るので、見ているだけでも何とはなしに何をしているのか判らなくはない。ちなみに、この表示データは、駅に止まる度に無線LANで列車内に転送されて来るので、駅ごとに最新情報が取れるようになっているそうだ。ニュースとかの情報が流れ始まると、面白いかもしれない。また、駅毎に最新情報が取れるという事で、災害時の緊急速報などにも期待が寄せられているらしい。列車の行き先の乗り継ぎ駅の情報やその先の路線情報など、災害時にホットな情報が流れるようになると、とても便利なものかもしれない。
また、音声は流れないものの、FMラジオを持っていれば、音声も聞けるらしい。もちろん、隣り合ったディスプレイが違う映像を流している以上、FMも6つの周波数を使い多チャンネル化されている。この向こう側にも2面あるので、一つのこの装置で4面の違う情報の流せるターミナルになっている。この装置が1車両3台設置されているので、、1車両の中のディスプレイは12面。6つのチャンネルをフルに使っても1車両中に2面づつ同時に同じものを流すことが出来るという事だ。
ただ、まだこれが使い物になるかどうかは判らない。週刊誌の吊り広告代わりの内容紹介ビデオとかが流れるようになると、意外と面白いのかもしれない。現在のベストセラー・トップ20とかを表紙や出版社の情報とかを写しつつ、3分ぐらいづつ朗読しているデータを流すチャンネルを作ったら、どうだろう。もちろん、頭から3分なので、ツカミの悪い小説は誰も買ってくれなくなるかもしれないが……。
また、映像や表示を主体としたものも面白いかもしれない。株情報を表示するだけのチャンネルとかでも、5分に一回ずつ30秒ほどの売れ筋紹介を挿めば、電車の中の暇つぶしにはモッテコイかもしれない。
本当のことを言うと、アニメとかも流してくれると助かる。いや、アニメより、短時間勝負の『ウルトラファイト』の方が面白いかもしれないが。
どちらにせよ、いかに流せるコンテンツを確保するかと、広告装置として認識させていかに多くの企業に、毎回面白いコマ番組を作らせられるかにかかっていると言っても過言ではない。
そういうことがちゃんと整えば、映像と音声を電車の中に大々的に持ち込むこの実験は、成功するかもしれない。
しばらく見守って行きたい。
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コメント
私もちょいと前に乗りました。
流れてる番組CSの旅チャンネルに作ってもらってるみたいね。ねぷたとかも流れてました。
乗り合わせて最初に思ったのが
「モニター後付け車両か?」ってこと。
山手線とかで走ってるモニター付車両に、従来車両を改造してみるテストなのかなと。
まあ、そういうの思いつくのは、クーラーが後付けされた車両に乗ったことおっさんの証明なのですが(笑)
天気予報とかは、ピンポイントでやれると面白いだろうね。
ただ、過密ダイヤ時にどれだけのデータがやり取りできるのかなというのが気になるところですね。
将来的には乗客の端末にも配信できると面白そうですが、きっと放送法だの通信法だのの規制が厳しいんだろうなあ。
投稿: 大外郎 | 2005/09/02 04:05
うぉっ、乗ってみてぇ。
これ、「突然車内ニュース」とかやったら面白そう。
「さっきの駅で駆け込み乗車をしていたお客さん、危険ですのでやめてください」とか「×号車に痴漢が出ました」とか。
「お客様のなかで、お医者様はいらっしゃいませんか」というのは、勘弁してほしいけど。
投稿: 安達裕章 | 2005/09/02 06:24
大外郎 さま
番組は、民放番組を買って来て流すCS局が、CM分の時間調整に流す、穴埋め素材用の短い番組を再利用している感じですね。音楽系チャンネルと組んで、プロモビデオを流すとか、手はいろいろありそうです。
あのモニターは、つり革用のパイプで固定してあるので、完全に後付けでしょう。重量がグンと軽い液晶ディスプレイだから、初めて出来た事なんでしょうなぁ。
いずれにせよ、要は、番組をどれだけ充実させられるか、どのぐらいのローテで回せば、客に満足感を与えられるか(すぐ繰り返しになって「つまらん」と思われないか、逆に長過ぎて「ええい、降車駅までに全部見れんかった悔しい」とか不満を多く残さないか)を徹底的に検証してみるしか無いでしょう。
安達さま
まぁ、技術的には、面白いものが多いのですが、今のところ流れている番組は、これの為に作られたものは一つもなし。山手線のドアの上の行き先表示用液晶パネルで流れている『ドン・シボリオーネのシャベリオーネ(ワンポイント英会話)』とかの方が、まだ面白いっちゅうレベルですよ。
※ドン・シボリオーネって誰だっけと思った方にはココ
http://www.namashibori.com/recipe/
投稿: 神北恵太 | 2005/09/02 08:04
コンテンツに飽きが来ないというのは重要だと思います。
山手線で、車内が全部同じ広告で、モニターでも延々とその商品のコマーシャルをやっていた車両に乗ったことがありますが、気が狂いそうになりました。そのときはこれじゃあ、逆効果だなと思いました。
投稿: 池田武 | 2005/09/02 08:39
池田さま
「車内情報サービス」というが、そのサービスってぇ言葉は、ミサトさんの云う「サービス、サービスぅ!」のサービスかえ? それとも、単に情報提供手段って意味かえ? ……ってコトですな。
世は、情報時代。ツマらん情報を垂れ流しても、無知なクライアント以外誰も褒めてはくれません。いかに、「面白可笑しく」・「判り易く」・「気持ちよく」・「便利に」情報を出せるかという勝負に移っちゃったわけです。
JRと日本テレコムが前近代的な「サービス」をする気か、現代にマッチした「サービス」が出来るか、この二つの会社自身が、我々から実験されているというわけです。結果がちょっと楽しみです。
投稿: 神北恵太 | 2005/09/02 08:59
この間の地震や雷雨みたいな事情で止まったときに、検査状況を中継したり、停止区域を図示したりすると、閉じ込められた客は安心するかもしれませんね。
投稿: nurmayu | 2005/09/02 09:34
nurumayu さま
本来、そういう用途が一番大事なんですが、まずは見る習慣がつくような工夫が必要ですよね。たとえば、シロート目には何も判らない首都高の渋滞状況表示板も、毎日通っている人にとっては、パバっと状況が読み取れるわけです。同じように、いくら簡易な模式図とはいえ、見慣れさせる訓練とかをちゃんとしてないと、みんな、状況を的確に把握できない気がします。
こういうことこそ、実験が必要ですよね。
投稿: 神北恵太 | 2005/09/02 10:46
で、ドット欠けはいくつありました?
電子ペーパーディスプレイの実験かと思ったら違うのね。
投稿: 森野人 | 2005/09/02 14:15
森野人 さま
ん~。そういう洒落たハードウエアではなく、枯れた技術の組み合わせですねぇ。これは。
投稿: 神北恵太 | 2005/09/02 15:19
そんないまいち役にたたない車両よりか
一両だけでいいから携帯電話使いたい放題の車両を設定してもらった方が個人的にはうれしいのですが………
操作確認音をきらない人がいたら寝れません
って結局そーゆー事なんですけどw
昔 大阪の市バスの車内広告にはアルサロのがあったんだけど
それの動画だったら見てみたい気もするな
いっときのインターネットといっしょで 技術とか機械よりか見せるソフトなんかもね
投稿: マサマサ | 2005/09/02 23:01
はじめまして。トラックバック打たせていただきました。
(no-titleになってしまい申し訳ございません)
この実験、利用者にとっても、日本テレコムにとってもどんな利点があるのか、いまいち分からない実験だなぁと思いつつも、遭遇してしまうと、やはり嬉しくて乗ってしまいます。
投稿: kuma^^ | 2005/11/03 20:24
マサマサ さま
お、気付くの遅かった、すまん。
携帯電話、大手を振って使える車両欲しいよねぇ。
kuma^^ さま
SUICAの最初の試作されたシステムが形にまとまったのは、なんと1990年代初頭だという話を、先日知りました。
ということは、形になるのに約10年、爆発的な普及を見るまでで15年。更に言えば、共通パスになるのは、まだもう少し先ということです。今実験しているこういうディスプレイや車内無線LANも、2010年とか2015年には、必須当然のものになっているかもしれません。
もう少し長い目で見て行かないといけないのでしょうね。
投稿: 神北恵太 | 2005/11/04 00:06