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2005/10/21

新兵器だぞ

 新兵器。それまでの兵器理論——その物理的な作動理論や運用方法、兵士の訓練教程から軍隊の組織構成まで——を根底から覆すような、画期性。
 新兵器。軍事力差を覆し、あるいは抗戦を全く諦めざるを得ぬほど決定的に拡大し、戦局をも一変させてしまう力。
 今日は、そんな新兵器理論を一つ、お教えしようと思う。

 E.本田理論を応用した大陸間弾道力士の開発

 ご存知であろうか、E.本田、そうエドモンド本田である。屈強なスモウレスラーであり、我が国を代表するストリートファイターでもある彼の事は、皆さん、よくご存知の事だと思う。
 彼の必殺技、スーパー百貫落としこそが、この兵器体系の中核である。斜めの方向に飛翔急上昇し、敵直上から重力加速度を得て一気に攻撃を加えるこの必殺技は、スモウレスラーである彼の運動能力を持って初めて実現される大技である。
 無論、その威力は、地球の重力加速度を考える時、飛翔を終える点の高度に左右される。高ければ高いほど優位な質量兵器なのだ。
 この研究では、ニワトリのチャンコを喰う力士たちに、何を喰わせれば高く遠く飛び上がれるのかという事を研究し、遂に3000キロの射程を保つ新兵器体系を打ち立てている。

 とはいえ、ちょっと雑なのも事実。ニワトリより、渡り鳥を喰った方が跳べる→渡の距離が長い方が有利→キョクアジサシのちゃんこ……と導き出して行く理論展開の面白さはまあ良いのだが、「通常の幕内力士は富士山頂上に近い高度まで急上昇し、約20km先の目標に到達することが可能である。」が理論の出発点なのはどうか。

 まず、10センチしか跳べない力士が、1ヶ月の筋トレで20センチまで跳べるようになった。→10センチしか跳べない力士が驚いた時に、30センチまで跳べた→10センチしか跳べない力士が、婚約が決まった喜びで40センチまで飛び上がって喜んだ。→10センチが20センチは2倍、10センチが30センチは3倍、10センチが40センチは4倍。ということは、一ヶ月筋トレしてプロポーズを受けてもらえた途端に脅かされた力士は10センチ×2×3×4=240センチ、なんと2.5メートル弱まで飛び上がれる事が、理論的に証明された。

 ……ってな理論で、「○○倍、○○倍」を積み重ねて、高度3300メートル距離20キロを跳べる力士を用意しない事には、なんか、画竜点睛を欠く。
 ウソ理論は、丁寧に小さな錯覚や誤解を上手く並べ立てないと、成り立たないんだよなぁ。

 着想が良かっただけにちょっと残念。でも、割と着想が面白いので、是非読んでみて欲しい。

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コメント

こんな所にキョクアジサシが関係してくるとは。

投稿: 八潮 | 2005/10/21 11:35

八潮 さま

 紅緋記でキョクアジサシの話題が出た翌日にこれを見つけたので、私もびっくりしました。話題というのは塊って来るものなのでしょうかねぇ。

投稿: 神北恵太 | 2005/10/21 12:36

 思わず「アフガン航空相撲殺される」を思い出してしまいました。

投稿: 東部戦線 | 2005/10/22 01:01

東部戦線 さま

 日本の相撲ともモンゴル相撲とも違う、アジア第三の相撲、「アフガン航空相撲」。それは、力士対力士の空中戦である……。
 ……とかなんとか・・・・。(^_^;)

投稿: 神北恵太 | 2005/10/22 02:19

アフガン航空相撲の図
http://www.h5.dion.ne.jp/~mlg/airsumo/airsumo.htm

投稿: 大外郎 | 2005/10/23 21:54

大外郎 さま

 うひゃー。

 ホントに解説ページまであろうとは。おそるべし、アフガン航空相撲。

投稿: 神北恵太 | 2005/10/24 03:50

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