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2005/10/03

恋する特撮だぞ

 昨日・一昨日の週末は、「恋する週末」だった。『ウルトラマンマックス』第14話「恋するキングジョー」。『仮面ライダー響鬼』三十四之巻「恋する鰹(カツオ)」。如何なる偶然か知らないが、土曜朝のウルトラマンと、日曜朝のライダーが、こぞって「恋する……」なのだ。

 何だかなぁ……である。

 『ネクサス』打ち切りの後を受け、明るく判り易いお話し作りを続ける『マックス』だが、どうも毎回、お話しの上滑りが多過ぎ。「いいシーン」と「格好良いシーン」を、「へっぽこなドラマ」で繋ぐのは、なんとか勘弁してもらえないだろうか。
 前回今回と、二本連続で、ゼットン星人のお話なのだが、1クール目ラストと2ク−ル目初弾をブリッジした力作…とは、残念ながら云えない。どちらかというと「抜け作」である。
 『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の放映された昭和40年代をイメージしたらしい、悪ガキ共が「ワーイ」とかいいながら追いかけっこし、物売りが練り歩く大都市の下町の裏路地というのがまず浮いている。なぜ浮くかというと、作りが非常にチープで如何にも絵空事だからだ。ニュータウンの団地住まいの子供たちを描いた『帰って来たウルトラマン』の方が、よほどモダンで等身大だった。
 しかも、その町を走る都電をイメージしたらしいちょっとチャチな黄色い電車。頼むから、ウルトラマンと怪ロボットが戦闘を始めたら運行停止してくれよぉ。
 また、キングジョー。21世紀になってCGを多用して再登場させるのなら、最初のコンセプトだった「何十、何百もの自律部品が、がーっと飛んで来て、ババババっと組み上がると、ひとつの巨大なロボットになる」というのをやってみせて欲しかった。さすがにCGでの素早い動きには吊りでは出せない機動性があったが、被弾直前に4分割して回避なぁんて程度の画像は、『ゲッターロボ』でもさんざん見せられているから、今更という気がしてならない。
 そもそも、地球に潜入した4つの宇宙船がキングジョーの各部品だったというのが気に入らない。それぞれ、バルタン星人・ガッツ星人・メフィラス星人・メトロン星人の宇宙船で、これから1クールかけて、対宇宙人連合の闘いが軸になる……ぐらいの気合いの掛け方かと思っていただけに、わりとあっさりとキングジョーを破壊して良かった良かった終わるのが、なんか肩すかしを喰らったような気がしている。ひょっとして今回の『マックス』では、「何話にもわたって続く話」は禁止事項なのかなァ。

 で、問題の『響鬼』である。
 シリーズを構成出来るだけのスタッフが居ないのだろうか? 設定すら無視してどんどん荒れて来るシナリオを頼むから止めて欲しい。
 前回まで2回連続で、クロージングを歌っている布施明が、吉野の本部からやって来た小暮開発本部長として登場、響鬼に新アイテム「アームドセイバー」を渡すお話。だが、この小暮、博覧強記で厳格、何十年も前の些細なことでも細大漏らさず覚えているような性格なのに、子供の頃(吉野時代)の香須実・日菜佳姉妹の悪戯にお説教したことは覚えていても、吉野の最高指導者の末っ子で、彼女たちの幼馴染だった威吹鬼のことを、「ああいう今風なのは、何を言ってものれんに腕押しで苦手だ」と知らない若者扱いしている。シナリオライターが威吹鬼の設定を把握してないんじゃないの?

ヒビキ「小暮さん、何であいつには、ガシーンと云わないんです?」
小暮 「そりゃお前なぁ、若の復讐の恐ろしさを知らんから云えるんだよ」
ヒビキ「復讐?」
小暮 「うん、復讐。そりゃ凄まじいぞ。ある時、若を怒らせたら、私の研究室の633ある抽き出しの全てに1匹ずつ蛙を入れられたんだ。それも1週間毎日。お茶とお菓子でお許しを頂くまで、研究どころじゃなかったんだよ」
イブキ「ち、ちょっと、おじさん。やめて下さいよ。そんな子供の頃の悪戯の話」
 みたいな会話があって、イブキが顔を真っ赤にするような芝居があり、
ヒビキ「いや、イブキさぁ。633匹の蛙を毎日捕まえるのは、その、…ちょっとした悪戯じゃあないと思うぞ。でも小暮さん、イブキももう大人ですから、大丈夫です。ガシっといって下さい、ガシっと……」
…というヒビキのフォローになっているようないないようなシメの台詞でシーンが移る。で、番組の随分後の方になって香須実さんから、
香須実「ホントはあれ、私が勘違いで怒られたことを抗議してくれたんだよねぇ」
…と、ちゃんとしたフォローが入るというのが、少なくとも私の求める『仮面ライダー響鬼』なのだ。しかし、今の演出には、突発的なギャグや見え隠れする人の嫌らしさはあっても、こういう生活を豊かにするような機微は無い。

 特に、番組上層部が交代してから扱いの悪さが集中しているのが、轟鬼である。トドロキさんは、どこにでも居そうな、そして誰にでも経験ありそうな、一生懸命が空回りするタイプ。たしかにコミックリリーフ系のキャラだが、鬼の仕事でキメるところはキメるし、もちろん馬鹿ではない。馬鹿では戦闘の日々を生き抜く鬼には成れないのだ。
 しかし最近のシナリオは、そこを何か大きく勘違いしている。トドロキさんが、通常ありえないようなことばかりする飛び抜けた馬鹿キャラにされている。バラエティー番組のシチュエーションコメディーなら許されるかも知れないが、少なくとも、これまでじっくりと人や生活を描き、そこから、魔化魍から人間社会を護る響鬼たちの仕事の重みを描いて来た『仮面ライダー響鬼』で、あの過剰演出はあるまい。

 かくして、『ネクサス』の失態を拭えるかと思われた『ウルトラマンマックス』も、もはや『ライダー』ではないがシリーズ最高傑作に成るかと評判だった『仮面ライダー響鬼』も、揃って低迷を続けている。

 恋なんかしている場合ではないぞ。

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コメント

キングジョーは何に恋するんだろう。
それを気にしているうちに爆発四散。

あれっ?

……何だかなあ。
前回から引っ張ってたのに、ラブコメのだしに使われて即死かい。

本編終了後の早口の解説の中で「強かったね!」と
朗らかに言われても同意できない……。

サブタイトルから勝手に、ロボットなりにゼットンの
娘に惚れて戦う”漢”キングジョーとかを想像
していたのに。

どうせCG使うなら、ロボット=大量生産も可能ってことで、
101匹キンちゃん大襲来とかも見たかったですねえ。

投稿: ドヴロク | 2005/10/03 21:52

ドヴロク さま

 大量生産なら、川北のコーちゃんが先日『ジャスティライザー』のラスト付近で、何十体ものゴリラ型巨大ロボットが街中を破壊して回るというのをやってましたな。パッと見に1シーン当たり数体〜十数体、同じ動きの複製コピーが見当たらない、なかなかちゃんとした壮絶なシーンでした。

投稿: 神北恵太 | 2005/10/03 22:24

こうなると、クウガを再放送した方が…。

投稿: 八潮 | 2005/10/04 17:04

八潮 さま

 んー。『クウガ』も悪くはないんですがネェ。
 再放送見るぐらいなら、甘味処たちばなご一行様を(物語がどうなろうとも)眺め続けて行きたいですね。

投稿: 神北恵太 | 2005/10/04 17:22

ミクシィの方でも

「なにやら4つ地球に飛来したらしいですぜ<マックス
来週がキングジョーとして、残りはなにかな?
パンドンはやだなあ……。」と書いて

「今気がついたが、キングジョーの4パーツって話だったらちゃぶ台ぶちまける>来週」
って心配してたんですけど……。

つーか、キングジョーの分割線変更する意味はなんだ?
さらに巨大化の理由をはっきりしてくれぃ。
さらにさらに、キングジョーがライディーンみたくなるのは納得できんぞ。


響鬼は…… まあいいです。

投稿: 大外郎 | 2005/10/04 18:54

大外郎 さま

 トミオカ司令官が吐き捨てるように「ゼットン」の名を口にするだけでも、見た価値があったということで、ここんトコはひとつ、ポリアンナリズムを発揮して参りましょう。

投稿: 神北恵太 | 2005/10/04 19:22

トミオカ司令官は、一度だけ駅の近くでお見かけしたことがありまする。

近くに住んでいるはずですが、京極夏彦氏やら須藤ますみさんやらとはすれ違ったことないなあ(後者は顔も知りません)

投稿: 大外郎 | 2005/10/05 18:26

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結局のところ、冷静になろうとつとめ、いろんなところの意見を拝見し、自分なりのスタンスを再確認し、意見をまとめたところで、 「僕(私)の観たかったものはこんなものじゃない」 という内側から湧き出てくる感情論の方が強いし、まっとうで健康的である──なんてことを再確認しちゃうあたり、まったくもって健康的でないというか、何というか。 そしてその内側から出てくるどんな理屈よりも強い欲求は、 「そんなの知るか」 という言葉に無残に切り裂かれる。 その言葉に返す言葉は一切ない。無残にも。 「そりゃそうだ」 で返... [続きを読む]

受信: 2005/10/03 14:04

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