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2005/12/05

日々精進ときどきゴロゴロだぞ

 土日にかけて、夫婦揃って風邪気味で、見に行こうと云っていた『Ζガンダム』を諦め(……一応、封切り日に舞台挨拶付きで見ているし……)、二日間家に籠っていた。おかげで、ずっとマシンに向かって仕事していた。

 今やっている仕事は、80年代にワリと人気の高かったアニメのムックなのだが、主人公たち13人が乗った母艦をCGで作り込んでいる。(判る人だけ判ってくれ!)
 しかし、この宇宙船、とっても形状が複雑。元資料がアニメの設定だから、定規で測れるような三面図がある訳でないのは、いつもの事だが、特に、球面と円筒が複雑に絡み合った線が多数あり、絵だと「えいっ」と描けば良い線なのだろうが、CG、特にShade8で作り込もうとすると、意外と厄介。

 また、この頃からの映像作品に多見する特長なのだが、宇宙船などの壁面処理が、スターウォーズとスタジオぬえの影響で、とってもステキにアクセント三昧。ま、これが簡単な平面にデコボコを付けるだけなら良いのだが、微妙に曲線が多用され、球面も多い。

 特にこの作品に限った事ではないが、こういう面処理は、「こういう装置がこの奥に入っているから、ここが出っ張る」とか、「これは出入り口のハッチ」とか、逐一理由が付いていると、意外と楽なのだ。アニメ絵的な表現はそれはそれとして、リアルに作り込む場合の方法論として、細部ディティールを作り込む事で、それぞれの部位を表現して行けるから。
 だが、それが窓なのか、排気口のようなスリットなのか、小型の無人機やミサイルを撃つための発射孔なのか、信号のためのランプなのか、ビーム兵器なのか、さっぱり判らない面の埋め草的な造作が、かなり多いのだ。
 こうなると、そのままできるだけ忠実に形をなぞる他はない。

 だが、述べたように、今回の対象は、多くの部品が球面なのだ。Shadeのベジェ曲面は、複雑な自由曲面を使えるのである程度の形状はいろんな方法で作れる。が、その一部を自由な形に盛り上げたいとか、好きな形に一段低くしたいとか云うような仕事は、あまり得意ではない。
 もちろん、絵を貼付けることで擬似的に表面にあたかも盛り上がりやへこみがあるように影を付けてみせる機能はあるが、こういうナンチャッテ技法は、擬似的な表現故、カッチリした感じが必要な機械物においては、万能とは云えない。
 たとえばだ、世界地図の絵を球面にはって、地球儀を作るとしよう。それは、考えようによっては簡単に出来る。北極方向に向かうに従い東西方向を拡大して行く等角図法で描いた地図を用意すれば、割と簡単に出来上がる。だが、考えてみて欲しい。地図に描かれている緯度線と経度線は、(まあ、赤道が太いとかは別にして)地球のどの地点でも同じ線幅に引かれている。しかし、球体にその地図を貼付けて地球儀を作る時はどうだろう。赤道付近の経線は、中緯度・高緯度に移るにしたがってだんだん細くなり、おしまいには見えないほどの細さになってしまう。3Dソフトで球面や円錐形に巻き付けるように絵を張るとき、一番気をつけなければならないのは、そこだ。対応するためには、キチっと比率を計算し、緯度が高くなるごとに太くなる経度線を入れなくてはならない。
 いや、これが地球儀という、一種の地図、記号であるならば、それは許容の範疇という見方も出来る。しかし、考えてみて欲しい。ガスタンクに這わせたパイプが、うえにいくにしたがってどんどん細くなり、最後に天辺で消え入るのでは、なにか変だろう。

 古くからのShade使いの恒として、ついついベジェ曲面だけで全てを作ろうとしているからなのかも知れないが、キッチリした図形を全てコントロールしながら作ろうと思うと、こういう形状は、Shadeのニガテとする部分なのだ。

 しかし、だから燃えるのである。こういう難儀な作業は、新技法の開拓で乗り越えるしかないのだ。Shade精進である。

 とはいえ、本気で掛かっていて、ずいぶんSAVE してねーなー、ヤベェ、と思った途端に、ツンっと落ちられて、半日分の努力が消え去ると……。

 ん〜。

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コメント

あぁ・・アレのムックですか (´-ω-`)

Shadeをマスターするのは6年前に諦めました。
匠の技にはただ驚嘆するばかりであります。

投稿: kemo | 2005/12/05 16:17

Kemo さま

 そう、アレなんですよ。ただ、ムックというよりは資料集という方が正しいかな。とはいえ、カラーもそこそこあって、ストーリーの紹介などもするんですが。
 昔のロマンアルバムの全盛期と違って、DVD等のソフトが豊富な時代だから、「観れない代わりに読む」ビデオ代わりの本では、訴求力が落ちて来ているようです。そこで新しい方向性として、映像のお供に便利な資料集というジャンルが誕生しつつあります。今刊行中の『Ζガンダム ヒストリカ』のようなフルカラーのムックがある一方、モノクロ頁にドドンと設定資料を載っけたタイプの物が出て来ました。
 ビデオを見ながら、各話のスタッフ情報や登場人物・メカの設定を確認したり出来る、まさにDVDのお供的な使われ方を想定した本です。
 来年、アレの全部まとめたDVDボックス(テレビシリーズ・OVAシリーズ・後に作られた外伝的テレビシリーズ 全話入り)が出ますので、ご一緒に是非どうぞ。

投稿: 神北恵太 | 2005/12/05 21:03

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