閉まるぞ
最寄り駅近くの古本屋が閉店。何でも150円・200円・300円均一。むー。とはいえ、ここ2〜3年は、品揃えなんてないような店だったしなぁ……。
京浜東北線の駅としては、まあ、あまり小さくもないし、アーケードこそないものの駅前にはそこそこの商店街もあるという駅が、4つある最寄り駅のひとつにある。
むかし、この駅から1〜2分のところに、あんまりやる気の無い事務用品屋があった。文房具屋というほどちゃんと品揃えが豊富な訳でもなく、オフィス・デポ
のように近隣の事務所からこぞって買いに来るほど大量に商品が動くようでもない。かといって、少数品目の問屋として配送の方でガンガン稼いでいるという風
でもない。「あんまり売れないけど、手間暇も掛けてないから、差し引きなんとか損はしてないかもねー」という感じ。
何でそんな店を知っていたか
というと、プリンタやコピー機に使う用紙をちょくちょく買いに行ったのだ。自宅から駅までの間にあるので、頑張れば、A4用紙なら500枚束×5の箱
買いが出来る。秋葉原とかで買って持って来るよりは、遥かに近かった。値段もそこそこ。つまり神北が紙を買うには、とっても便利な店だったのだ。
だが、神北にとって都合よいとしても、そうそう、みんなが神北みたいな商売をしている訳でなし、じゃんじゃかコピー用紙を買う訳でもない。残念ながら、そのそうそう売れて行かないであろうコピー用紙が店の大半を占めていたこの店は、何年かで無くなってしまった。
その後に出来たのが、チェーン系の古本屋らしきお店。最初の頃は「いかにも開店セット」と云わんばかりの、通り一遍の品揃えで店開きしたんだが、トレーディングカードに理解のある店員が居たのかな、カードの売買とともに少しだけテーブルを置いたデュエルスペースを作り、いつも子供たちが居着くようになった。ここいらへんは、店の努力で競争力を付けたってコトなんだろう。
だが、いろいろあったんだろう、ひょっとすると中核になっていた店員が辞めたのかも知れない。いつの間にかデュエルスペースは消え、ありきたりの古本ばかり溜まるようになって、ヘタをするとシリーズ物の同一巻だけがやたらと大量に並んでいたりする品揃えになって来た。つまり、メンテがどんどんいい加減になって来ているってこと。しかも、駅を挿んで反対側に、もっと規模の大きな同業新規店舗が出店して来た。
なんだかますますやる気無さげになって、次第にいい加減さがまして来たなぁと前を通る度に思っていて、今日見たら「閉店セール」の文字が。棚ごとに150円・200円・300円均一…みたいな感じ。とはいっても、そうそう出物はない。あまり面白い本がなかった店の閉店セールで、しかも、既に目の利くヤツが買いまくった後なのだろう。
とはいえ、探せば、「買っておきたかった本」ってのは見つかる。女房と2人で適当に10冊ほど買う。女房が150円の本6冊に50円1冊、オイラが200円3冊。で、店を出て、お金を纏めて払った女房が「ちょうど2000円だった」という。
「おかしいだろ? オレ600円分だぜ、お前900円少々だろ」
「あれ、本当…」
こりゃヤラれた。しかし、女房に訊くと、レシートとか貰ってないという。でもとりあえず、レジまで戻る。ちょうど、並んでいた客が捌けたタイミング。
「さっき、2000円って云われて払ったんだけど、おかしいよ!」勿論こういう時は、大きめの声。相手に何か云う間を与えず、「150円が6冊と50円1冊、200円3冊で2000円いかない筈だけど?」と云うと、意外とあっさりと「すみません、450円返金します」という。
こりゃ、既に店は破綻していて、もう知識やスキルのある店員も居らず、居抜きで買い取った業者が、次の内装工事の前、別の古本業者に買いたたかれる前に、1円でも回収しようと武家の商売しているのかな?
しかし、ちょっちいい加減過ぎ。こんなことやってちゃ潰れるぞ…って、もう潰れてるんだけどさぁ。
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コメント
バイパス沿いのディスカウントなら、A4・500枚だと200円ちょいで売ってるし、アスクルでも300円で持ってきてくれる時代だからなあ。
古本も、北の駅からちょいと行ったところにそこそこの大きさのブックオフががんばってるし、小さいお店は特色出さないと厳しいでしょうな。
それにしてもブックオフって何であんなにやる気のある店とない店があるんだろう……。
投稿: 大外郎 | 2006/01/13 04:31
大外郎 さま
まあ、一口に業界リーディングカンパニー、ひとくくりにチェーン各店と云っても、展開事業本部と、傘下の運営会社があるようだし、さらに個別店舗にもその運営会社の直営店と個人経営のフランチャイズ店に別れるようだから、部署部署で、温度が違うのはやむを得ないかもね。
社長以下、あそこまでアクティブな企業作り・店作りをしているセブンイレブンでも、全国規模で広がるチェーンの中には、あんまりやる気の無い店とか、いいかげんな店員とかもいるんだから、もちぃと各店舗と本部との関係がユルいブックオフ・チェーンとかでは、店別に品揃えや店員の品質がばらつくのは、やむを得ないんでしょうなぁ。
TQC活動とか、いろんな職場改善策がビジネス書コーナーには溢れているけれど、要は、シクミではなく、リーダー的存在がどれだけみんなに熱を与えられるかで、その活動が動き始めるか止まってしまうかが決まっちゃう。コストダウンや売り上げアップに対して報奨金が出るとかあれば、一度結果が出るとやる気が続くようになるのかも知れないが、最初何も無い時点で始めるのは難しいよね。
SF大会で、大会を成功されるために、どうスタッフのモチベーションを形成して行くかということを、20年近く考え続けているけれど、「これが正解」なんていう万有方程式は無いんだよね。お店の経営・運営だって、要は同じだと思う。
要は、その店ごとに、人材に恵まれているかどうかってことになるんじゃないかな。
投稿: 神北恵太 | 2006/01/13 04:58
ブックオフに関しては、100均本が充実しているかどうかがひとつの判断材料だと思います。
棚の回転を見て、あまってるものや足が遅そうなものをどんどん落としていく店は、やっぱり全体の回転もよくて品揃えもいいですね。
ただ、やる気のない店のくせに「いらっしゃいませ」の連呼だけは元気だというのはどうかと思う(笑
投稿: 大外郎 | 2006/01/13 07:16
大外郎 さま
まー。「まずは挨拶から」ってぇのは、決まり事ですからねぇ。
でも、客はそんなことァどうでも良いんだよねぇ。安い本が豊富にあるかどうかしか見てない。挨拶なんて気にしているのは、「活気のある店」って言葉に自分で酔ってるオーナーぐらいのもの。ま、確かに「オーナーの士気をキープする」のだって、重要なことなんだろうけど、精神論ではタタカイに勝てない。「戦争は数だよ、アニキ」と言ってやりたいところです。
実際のところ、在庫の管理を如何にしてゆくか、どう陳列するかが、本やCDを再販するキモなんだし、それを指導するのがフランチャイズ元の重要な責務の筈なんだけどなぁ。
投稿: 神北恵太 | 2006/01/13 08:44