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2006/02/16

レプリカントが逃亡したぞ

 ■ 通称フィル("Phil")。
   フィリップ・K・ディック型アンドロイド。
   カリフォルニアへ向かう空路上で、失踪。以降消息不明。
 □ 逃亡アンドロイド狩りアンドロイドの製造計画は無し。

 詳細は、こちらで→EngadgetJapanese記事『PKD型レプリカントが逃亡』

 もともとディックの「アンドロイドによる肖像」として製作された「フィル」は合成皮膚と多数のアクチュエータによるリアルな表情を持ち、カメラを搭載した 眼で人を追い知人の顔を認識、著作や書簡から再現された語彙とAIで会話ができるなど極めて高機能なロボット。昨年のWired NextFestで展示された際は大きな反響を呼んでいましたが、Hanson Roboticsによると今年1月にカリフォルニアに向かう空路で行方が分からなくなったとのこと。

 うーむ。ベースはいわゆるサイボットだな。ポートビアの博覧会に、アクチュエイターを組み込んだロボットが坂東玉三郎の踊りを再現するパビリオンを見に行ったし、なんといっても、1984年に製作された映画『ゴジラ』のサイボット(当時、この映画の主演女優の沢口靖子の事を、「サイボット・ゴジラの実験用に作られたプロトタイプに違いない、それが証拠に駆動部分が限定されているので、ゴジラより表情や動作が限定的だ。」ということで「世界初、東宝が世に問うサイボット女優」などと呼んでいたのだが、タンスにゴンのCM出演で、評価は一変したよなぁ。さすがは3万人から選ばれた東宝シンデレラ。)とかもあって、20年ほど前には、この方式のロボットが大流行したのだ。

 だが、この当時の沢口靖子……じゃない、サイボットは、基本的に、全ての動作を事前にプログラミングしておいて、再現させるだけの、決め打ち演技しか出来なかったのだ。そこが、致命的に「単なる見せ物」好かずつきまとった理由。だが、このPhilは、眼球に仕込まれたカメラで相手を認識し、喋るというインタラクティブな対応が可能になっている。そして、PKDの著作や書簡から採取された、いかにも当人が喋りそうな語彙・用法を搭載した会話プログラムで対人対応までする。

 これこそ、シミュラクラではないか。いや、Philはまだ、PKD当人をシミュレート出来るほど細密ではないし高度でもない。が、やがてそこに至る第一歩と呼んで良い。外見と共に、表出する人格までオリジナル存在を真似ようとする方向で、人間をシミュレート使用としているからだ。

 願わくば、Phil君の無事を祈りたい。

 あ、目撃情報も、もとれられているらしい。詳しくは元記事をご覧あれ。

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コメント

うーむ、この間放映された”キャシャーン”にあわせて…ではないよな。あっちは”新造人間”だし。(もっとも、唐沢寿明や、宮迫にそばをうろちょろされてもうっとおしい事おびただしいだろうが)

投稿: もりた | 2006/02/16 20:08

/.Jでいろいろ楽しいつっこみが入ってますね。
個人的には「三課の攻性防壁云々」辺りがベストかと。

投稿: 成田ひつじ | 2006/02/16 20:50

もりた さま

 唐沢ブライキングボスの、宣戦布告演説と東博士への恨み節は、最高にカッコいいんですがネェ。そのあとにどんがらがっしゃんな、後味が悪いだけのドンデン返しが来るからなぁ……。

成田ひつじ さま

 「要は、飛行機で、預けたトランクが手違いで行方不明ってことと、同じだろう?」というのも好きです。

投稿: 神北恵太 | 2006/02/16 21:16

もう、狙ったとしか思えない展開ですね、
この事件。ネタとして面白すぎる。

「今ここに俺が来なかった!?
バカモーン、そいつがディックだ!」
……てな按配でまんまと脱出し、学ランを着て
「あんた誰?アンドロイド?何でいるの?」
と言われているかもしれません。

あるいは「旧型」東宝シンデレラに溶鉱炉に沈められるとか。

投稿: ドヴロク | 2006/02/16 23:38

「PKDの著作や書簡から採取された、いかにも当人が」考えそうなアイデアを実行するようになっていたりして。

投稿: まっち | 2006/02/16 23:41

ドヴロク さま
まっち さま

 「スミソニアン入りが決まっていた」あたりから、そもそも怪し気で、「造り」っぽいですが、そこは判りませんねぇ。

 一番あり得そうなのは、飛行機で偶然であった元担当編集に「あ、やっばお前、生きてやがった。こんなとこでサボってやがったんだな?なんだこの身体からいっぱいは得ているコードは。まあいい。早いトコ、約束だけして書いてくれなかった小説を上げてくれよ!」とカンヅメにされているというパターンですね。
 次にありそうなのは、ジーターのところへ行って「おまえ、これ違うだろ?!」と『ブレードランナー2』をネタに小一時間ほど問い詰めているパターン。

 でも、一番ありそうなのは、アメリカの地方SFコンベンションまわりをしながら、ファンとの交流を楽しんでいるというパターン。

投稿: 神北恵太 | 2006/02/17 03:42

犯罪を犯してしまう前に、プリコグが見つけてくれるでしょう??

投稿: アーガマ | 2006/02/21 18:30

アーガマさま

 実は、九州在住の友人が興した会社が「タイレル社」と云います。やはり、アレから採ったのだとか。
 ちなみに、ボクは、あの映画でスピナーが飛んでいるシーンの、夜の大都会の特撮セットを、二十数年前の新宿で行なわれていたSFX展とかいう展示で見ました。あちこちで燃え上がっているファイアトーチの炎は、本当に理科室にあるようなガスバーナーが、ミニチュアセットのあちこちに仕込んであって、火を焚いていたというのを知ってびっくり。

投稿: 神北恵太 | 2006/02/21 23:19

タイレル!

フランスのティレルもタイレルと読めますよね!


私は今度会社を興したときは

「サイバー・ダイン社」にしようと思ってます。

投稿: アーガマ | 2006/02/23 10:57

アーガマ さま

 うわ、講師が全員シュワちゃんの自動車学校ですか? 走るオープンカーの中から対戦車ミサイルを打つ教習とかありそうですね。

投稿: 神北恵太 | 2006/02/23 11:12

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