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2006/02/26

プロテクターだぞ

 engadgetの2006年2月25日の記事『衝撃で硬化するアーマースーツ』が、ちょっとワクワクもの。
 ビスコース(ゲル状のセルロース)とある種のポリマー(抗分子化合物)を流し込んで作る、このd3oという物質は、衝撃を受けると硬化し、普段は柔らかい。
 「衝撃によって起こる分子結合で硬化したときの強度は「従来の防護素材」(?)と同等ながら、衝撃そのものと同じ時間しか硬化しないため計測は難しい」という説明がどこまで信頼出来るものかは判らないが、既にスポーツウェアーの下につけるプロテクターとして採用されているらしい。

 将来的には防弾とかいっているが、この素材一つでそこまで信用するのはちょいと怖いなぁ。なんといっても、弾丸・防刃というのは、「点」や「線」に掛かる衝撃が大きいから、硬化して「面」で受けるこういうプロテクターにその機能まで持たせるのは、オーバースペックという気がする。
 ま、ケブラーの合間にd3oを重ねる複合素材で、現状より薄くて頑丈な防弾服というのは、もうすぐにも可能だろうけどね。

 それよりちょいと期待したいのは、格闘技の世界。
 たとえば、日本拳法という武術がある。「● 日本拳法概略 日本拳法は、故澤山宗海宗家が昭和7年に日本で初めて防具着装による実戦の拳法を創始されたことにその歴史を発しています。 安全な防具を 着装することにより、突き・蹴り・投げ・逆捕りのすべての実戦練習が可能となり、格闘技の神髄を追求すべく日本拳法が誕生しました。」(駒沢大学日本憲法部のページよ り)という、昭和に入ってから、編み出された、実践格闘を容易にするために、基本前提としてプロテクターを組み込んだ武道。具体的に云うと、剣道の防具等を、より格闘に適した形に改良し、型を競うのではなく、実践勝負を行なう武道だ。
 面白いのは、組み技(投げ技・固め技)の柔道、打ち込みや蹴りに特化した空手と異なり、殴る・蹴る・投げる・関節を取る等、素手の組み打ちで使うほぼ全ての行動をルールに組み込んでいることだ。たぶん、あん先生という面を確保した上で、古武術の組み手に、かなり近いものなのであろう。
 こうしたフルコンタクト系の武術にとって、人体の上に付けて動きを阻害しかねないプロテクターが、そのままの防御性能で、より自然なものに簡素化出来るという事は、(もちろん、伝統に則ったルールを、ちゃんと改訂してからのことになるのだろうが、)非常に有効な事だ。

 こうしたスポーツを、ルールごとひっくり返す可能性のある素材。a3o。ちょっと、何かが変わって来るかも知れない。

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コメント

高分子ポリマーはまだまだ開発の余地がありますから、
いずれ「意思」の力で強化も夢ではないかも知れません。

>映画などのフィクションでよくある「遠くから銃で撃てばいいのになぜか最後は一対一の格闘になる」場合の新しい言い訳になるかもしれません。

これはウけました_( ̄▽ ̄)ノ彡☆ばんばん!

投稿: ちよま | 2006/02/26 17:44

銃を使わずにナイフ戦闘になる言い訳ガジェットとしてはデューンの一定速度以上の物質は阻まれるシールドが有名ですな。

ダイラタンシーの応用なのかなあ。重さとかどうなんだろ。

投稿: 森野人 | 2006/02/26 20:11

そのうち、トラコンのコスチュームも実現しそうですね。

ライダー用のウェアやグラブ、ブーツにはすぐにでも使えそうですね。

投稿: まっち | 2006/02/26 20:47

先日のテレビの戦国自衛隊では
ケブラーアーマー付けた自衛官が
ガッツンガッツンやられてました。
このアーマーがあれば(大誤解

投稿: 大外郎 | 2006/02/26 22:22

ちょま さま

 ポリマーは、まだまだ新物質の可能性が隠されていて面白そうですよね。何らかのスイッチで、変質・変形・変色できる材質が出来れば、もう変身スーツも目の前です。

森野人 さま

 私も、真っ先にデューンを思い浮かべました。
 ちなみに、スキーウェアーのアンダー装着を可能としているぐらいですから、そうそう重いとは思えません。着用が行動に影響を与えない程度の、実用範囲の重さなのでしょう。

まっち さま

 いや〜。WWWAのトラブルコンサルタントが着ている服は、どれも、普通より被覆範囲が狭い気がするので、まだまだ、ダーティーペアには遠いかも。(^_^;)
 ただ、ライダー・スキーヤー・ボーダー・ホッケー選手等、時速60キロを超えた衝突を生身で受ける可能性がある人たちには、もう、今そこにある福音でしょうねぇ。

大外郎 さま

 ツッコミ所満載と噂のテレビ番組の演出意図は定かではありません。が、それを離れて考えても、本来、鎧の隙を衝いて、急所を、刺す・斬る・叩く・捻る(決める)という、特殊技能が武芸の本質ですから、いくらケブラーアーマーといえども、着用者が対人戦闘のプロでないと、戦国の世に生き延びるのは難しいのかも知れませんねぇ。

投稿: 神北恵太 | 2006/02/27 08:16

アンダーウェア・・・・巨乳ハンターに鉄のブラが出てきたけど、これなら・・・・

投稿: 森野人 | 2006/02/27 08:49

森野人 さま

 しかし、……それ嬉しいんか?(^_^;)

投稿: 神北恵太 | 2006/02/27 10:06

アーマースーツ・・・どっかで見たことがあると思ったら、ニーヴンのリングワールドものに出てくる耐衝装甲服みたいですね。弾が当たった瞬間硬化するので連射されると動きがかくかくになるあれ。
今のケブラー系ボディアーマーって、刃物特に刺突には意外と弱いらしいので、実質裸同然のような気がします。銃剣道も旧軍伝来ではなく米軍のが元だというし、弾切れが最後戦国武者相手では勝負にならなさそう。
案外機動隊とか海保SSTとかの方が実戦経験がある分強かったりして。

投稿: 成田ひつじ | 2006/02/28 17:08

成田ひつじ さま

 ケブラーに金属繊維を混ぜることで、線で当る斬撃には耐えても、キリのようなもので刺突されたら織り目の隙間を通っちゃうんでしょうね。かつての鎖帷子の時代から、織ったり編んだりして作られた身体にフィットする系の防刃着は、そういう弱点と引き換えに軽さ・動き易さを取るという物なのだと思います。

投稿: 神北恵太 | 2006/02/28 18:24

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