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2006/02/27

ちっともオープンじゃないぞ

 先日、DTP関係で、ちょっと便利そうな自動化ツールが、この春に発売開始という広告を見つけた。で、覗いてみると、割と面白そうだ。
 とはいえ、どちらかというとワン・オフの図版を作る仕事をメインとする神北にとって、職種変えを目論むならともかく、現在の本業でバリバリ使うようなソフトではない。ということは、用途はどちらかというと、研究とか遊び。いわゆる個人的な編集物ということになる。
 ただし、仕事に直結しないとなると、貧乏図版描きが趣味で使える費用内に収まるわけだから、大した額は出せはしない。まあ、5万円ぐらいのモノなら、長い目で今後の投資と思って、既に待ち行列がずらりとできている購入リスト入りということもありうるが、ヒョイと10万円を超えるとなると、なかなか難しい。ましてや、別に仕事に結びつくわけでもない道楽の15万円・20万円なんて出費は、痛過ぎる。

 ま、とはいえ、プロのレイアウターが使うソフトだから、場合によってはン十万円なんて価格もあるわけだ。もちろん、そういう本職でバリバリ使いそうな方々に、「これ使ってみてはどうですか?」と示唆を与える機会がないわけでもない。面白いと思ったものは取り敢えず調べておこうと、予定価格のページを見てみた。

 予定価格 : オープン価格

 ?????

 何の参考にもならねー!!!   ……もしくは……   出やがった〜!!!

 例えば、既に市場に出ているものであれば、メーカーが「オープン」と云っていても、販売店の店頭やサイトには、売価が提示されている。これは販売店が、「店独自のアフターサービスや保証を付けることで安心とセットの値段」で売ることも、「そういうサービスは一切ない代わりに、思いっきり勉強した価格」で売ることも、自由に選べる「オープン価格」のメリットだ。これによって、安心が嬉しい客と、安さが嬉しい客、どちも満足出来る買い物が、1つの製品で両立するのだ。

 よしんばその製品がまだ市場に出ていなくても、何かの後継商品ならば、「先行商品がおよそ○○円〜△△円だから、たぶん、同価格帯。新製品ということで最初2000〜3000円高くなっても、次第に先行商品の価格まで落ちる」というような予測を建てることも可能だ。

 しかし、先行商品もなく、まだ全く店頭に並ばない発売前のものは、どこにも価格が出ていないことになる。販売店の店頭やサイトに価格が並び、その中から安い物を選んだり、アフターフォローを考えて気に入った店を選んだりする以前の段階だからだ。

 この状態では、メーカーが「オープン」とだけ云ってしまっては、誰にも価格を予測することは出来ない。で、思うわけだ。

 最近多い、全くの新製品の「オープン価格」表示、無責任でない?

 せめて、参考価格・メーカー希望価格ということで、概要の明示をして欲しいものだ。海のものとも山のものともつかない賞品が、概略何万円台の製品か、心づもりぐらいは持っておきたいではないか!

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コメント

うちの製品はオープン価格のものもありますが、安売りされるのもナニなので、メーカー希望小売価格を付けることが多いです。
消費者から「定価は無いのか! 嘘をつくな! 消費生活センターに垂れ込むぞ!」とか励ましのお言葉を戴くこともしばしばなので、メーカー希望小売価格の存在は結構ありがたいものだったりします。

今度出る新製品のメーカー希望小売価格は原価がアレで、輸送費がこれぐらいで、包装費と営業費・・・を考える前に赤字なんだけど。
コリャコマッタネ。

投稿: 森野人 | 2006/02/27 12:02

全くもって、新製品のオープン価格は意味不明。
価格.COMあたりで見るしかない。

そんなことばかりしてると、店頭販売の意味がなくなりますよね・・・、信頼できる店員さんの意見は非常に参考になり、時には価格よりもそういう情報の方が、選択する上で重要になる場合もあるのに・・・特にマニア向けの製品の場合。

各業界で、エキスパートの店員が減った理由はその辺にもあるのかと・・・、全て、メーカーのサイト、もしくは販社のサイトのネット販売のみになったりして・・・。

消費者は、そこまでネット販売を信用してるわけではないぞ!!

とキレてみる・・・。

投稿: アーガマ | 2006/02/27 12:45

開発費はこれこれ、生産原価はこれこれで、卸価格はこれこれ、と公開してもらえば、ズバリオープン価格ですね。(笑)

投稿: まっち | 2006/02/27 15:24

森野人 さま

 まー。調べても予算が判らず、かといって機能説明が明確とも言い難い、何とも言い辛い中途半端なサイトとか、よくありますからねぇ。怒鳴り込んで来る優しいユーザさまの声には、傾聴に値する真価が隠れているかも知れません。まあ、9対1で聞くだけ無駄の苦情でしょうが……。

アーガマ さま

 行き慣れた専門店というのは、安心を買う店ですから、他に少々安価な店があっても、あまり浮気はしないんです。が、そういう専門店が減りましたね。秋葉原ですら。

まっち さま

 それは、開発スタッフ○○人で開発期間が○○ヶ月、それで開発費が○○円……とかオープンされたら、涙で何も見えなくなるかも。

投稿: 神北恵太 | 2006/02/27 17:19

秋葉原・・・。最近行きませんけど、秋葉原でもそういう状態って事は・・・残念。

優秀な店員さんって、自分のお客さんが過去どのようなものを買っていて、どういう嗜好があるのかを頭に叩き込んでいて、その既に持っている資産を無駄にしないための新製品の購入のお手伝いをしてくれたりと、非常に重宝する物なんですがね。

売れば良いってもんじゃないことを知っている店員が減りましたよ。

投稿: アーガマ | 2006/02/28 10:57

アーガマ さま

 たとえば、Macintosh業界では、15年も前だと、「あの兄ちゃんが知らないことは、ジョブスさまでも御存知あるめぇ」という風情の店員がいる店というのが、結構あったんですが、最近は、店舗の数は変わってないとしても、そういう人は減りました。というより、Macintoshでこなす仕事の幅が広がり過ぎて、お茶の水博士みたいなどんな分野でも第一人者という人の居られる時代じゃなくなっちゃったんですね。
 だから、どこのお店もある程度広くある程度浅くある程度ぬるい。とはいえ、秋葉原。本気で話すとやたら詳しい店員が、普通人の顔して時々隠れているので、油断なりません。

投稿: 神北恵太 | 2006/02/28 11:10

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