インドの怪談だぞ
怪談というには、ちょっと無理があるかな、どちらかというと都市伝説って奴だな。まだちゃんとした妖怪まで昇格していないっていうか、ま、そんなところ。
時は現代、所はインドのムンバイ、ひと昔前までボンベイと云った街。ガンジーが本拠としたことでも知られている。観光案内的に紹介すれば、こんなところ。最近この街で、夜な夜な出没する怪人が、人を殺して回っているというお話し。
東京福袋さんのTokyo Fuku-blogの2006年2月27日の記事『ムンバイの夜に現れる「三つ首女」の恐怖』より。
ムンバイのKopar Khairaneの住人は今超常的な力で人々を呪うという「三つ首女」の恐怖に怯えている。一部の地区の住民の恐怖は大きく、彼らはドアに魔除けであるラーマ王子の名や3つの十字を描いている。
この化け物の姿については色々な説があるが、3つ頭があり、夜現れて小さな子供を餌食にし、他人の声を巧みにまね、目を見たものはその場で死ぬという点で概ね一致している。夜遅くまで賑わっていた通りも、今は住民がこの化け物に出会うことを恐れて外出を避けているため閑散としている。
いやー。こりゃスゴいですね。ひさびさですよ、こういう妖怪は。口裂け女パターンですね。
日本でも、怪人赤マントとか口裂け女とかトイレの花子さんとか、夕方遅くまで家に帰らない子供に害をなしたり、かどわかして行く妖怪・怪人というものに事欠かない。
が、家までやって来るのは嫌だよね。安全圏が小さい感じ。戸板一枚、向こうは妖怪ですよ。
怖がっているのは、小中学生、口さがないお嬢さんたちに止まらない。記事に拠ると、アパート住まいの40歳のおじさんですら、「戸外では寝ない」と云っているそうだ。
インドはまだ妖怪が元気だなぁ。
さらに噂は、信憑性の尾ひれをつけて、どんどん広がっているらしい。
「2日前の2時から4時ごろ、三つ首女が友達の家の戸をノックしたんですって。」Deepak Guptaさん(14)
「死んじゃうんだもの、誰も戸を開けやしないわよ。」
その友人のTanmay さん「三つ首女は裏の戸を開けて入ってくると聞いたんで、戸から離れて暗くなってからは戸を開けないようにしたわ。」
Tejaswini Nimbalkarさん(16)
うーむ。この怖がり方が良いよね。いや、彼女たちから見れば、結構真剣なのかもしれないが。
かつて、口裂け女騒動の時に、小学生が自主的に集団下校したのと似ている。「となりの学校の5年生が、口裂け女に追いかけられて、次の日から寝込んでるんだって」「うちの学校の生徒もやられたみたいだぞ」「だから、朝から緊急職員会議だったんだ。今朝、先生が教室来るのちょっと遅かったろ?」みたいな噂が、1980年前後の小学生にとっては、一番自分の身に近い危険だった。それと同じことが起こっているのだろう。
しかし、三つ首女って、どんな格好なんだろう? 普通の首の位置に普通サイズの首が3つ付いていたら、随分、頭が重そうだよね。それより、横巾喰って、両側の首は左右の肩の上ぐらいから生えることになっちゃう。キングギドラみたいに首が長ければ、それなりにサマになるけど、普通の首だと常におしくらまんじゅうみたいになって、ほっぺたなんか常に接していて、生活はかなり大変そうだ。
ちなみに、魔除けのラーマ王子というのは、云うまでもなくインド多神教文化の聖典の一つ、叙事詩ラーマヤナの主人公のことね。
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コメント
さて、これもどこかが逸早くフィギュア化してくれるでしょうか。
押し競饅頭頭をどう処理するか見ものだー
(あーあ、純粋を失った日本人は嫌だ嫌だ(^^;A)
投稿: かざま | 2006/03/02 18:03
ちょっと前に韓国で流行しましたね<口裂け女
「んなものまでパチモンつくらんでも」と思いました。
投稿: 大外郎 | 2006/03/03 21:13
かざま さま
モノが妖怪ですから、まずは、水木しげる大先生にキャラを決めて戴かないことには……。
大外郎 さま
80年代にあれだけのブームだったのに、90年代には、彼女の消息はすっかり途絶えてましたからねぇ、実は80年代末に拉致られて、艱難辛苦の末に脱北し、今、韓国あたりまで戻ったのかも知れませんよ。
投稿: 神北恵太 | 2006/03/04 01:44