復習するは我にあり……だぞ
2006年4月16日の読売onlineに、『塾に通えぬ小中学生に“公立塾”』という記事が載った。
経済的理由などで塾に通えない子どもを支援するため、文部科学省は来年度から、退職した教員OBによる学習指導を全国でスタートさせる方針を固めた。
バカかお前ら!! と、思った人も多いことと思う。学校による取りこぼしが増えていることはわかるが、それは文部省時代から文部科学省が教育指導要領をいじりまくった所為で、学校制度自体がおかしくなってしまったためであり、学校教育を見直すことの方が先ではないのか?
まず、容易に予測出来る事だが、この制度が導入されてすぐに、一般の私立塾と公立塾があれば、付く学力が同じならば、親は誰でも安い方に通って欲しい訳だ。入試教育に特化した高進学率の進学塾は別として、公立塾への入塾希望が殺到して、一般的な「習い屋」さんは、端から潰されて行くのではなかろうか?
(小学生とかが学校の復習をしに行く塾の事を「習い屋」っていうの、ひょっとして、三重県四日市地方の方言?)
で、だ。もしそうはならなくって、「家庭の経済状態に合わせて一定受入数のみを選別」とかいうことになると、年収を誤摩化してまで公立塾に入れたがる親とか、公立塾に通う子供を「ビンボー人」とあざけるイジメとか、いろんなことが起こって来る訳だ。
逆に、入塾試験で学力を見て選ぶことになったとしたら、今度は公立塾に入るための受験勉強塾が登場するかも知れない。
そんなところは気にもせず、教員OBに仕事を与えて、年金受給開始が後延ばしになった分を、なんとか繋いでもらおうと言うのが、文部科学省のホンネじゃないのか?
教員OBの確保は、講師希望者を事前登録する「人材バンク」のような制度の整備を目指しており、計画が固まり次第、各都道府県教委などに協力を呼びかける。講師への謝礼などについては、今後さらに協議する予定だ。
どうも、本当のところ、力点はここに懸かっている気がする。子供や教育を変な制度の道具に使うなよ。
| 固定リンク
« 仕事専心だぞ | トップページ | 予測出来ていたぞ »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
学校でまともに教育できない人たちに、取りこぼしのフォローは期待できないでしょう。
もし人材には問題ないというなら、学校制度そのものが問題となりますな。
この大いなる自己矛盾。こんな所に税金をつぎ込みたくない。
経済市場で切磋琢磨している塾に公費をつぎ込んだ方が(これはこれで問題山積みですが)、いい結果になりそうに思います。
投稿: まっち | 2006/04/18 13:28
まっち さま
どうも、現代日本と言うのは、こういう矛盾を自己修正する能力に大きく欠ける気がしますよね。
小学生に英語の授業なんて話より前に、やるべきことは多いと思うんですがネェ。
投稿: 神北恵太 | 2006/04/18 13:49
素直に学校の授業時間長くすればよかろうに。
投稿: 森野人 | 2006/04/18 19:25
森野人 さま
長さではなく、先生の教える技量の問題ですから、ウスウスの授業のコマ数だけ増えても、生徒の方が堪らんと思いますよ。
投稿: 神北恵太 | 2006/04/19 07:53
だって導入するという教員OBがこれまでシッパイしてきた人たちなんだから薄いのは同じなんじゃない?
根本的に何を何の為に教えるか、からやり直さないと駄目なような。
国の破壊は教育の破壊から。
もういっそ全部ぶっ壊してしまえとなげやりになったりもする私。
投稿: 森野人 | 2006/04/19 08:38