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2006/04/04

観てしもうたぞ

 先日の日曜日、ふとテレビを回したらやって居たので、『鉄人28号』(2004年松竹 残念ながらオフィシャルサイトは消滅。ここを参照)を鑑賞。

 また春休みという事で、WOWOWがいろいろとアニメ映画なんかをやっている。その一環なのか『デビルマン』 (2004年東映)をやって居たので、本日それも鑑賞。

 2004年の話題を攫った二作品を、僅か3日の間に鑑賞完了。よきかなよきかな。

◇鉄人28号

 粗く言えば「突如出現したテロリストの怪ロボット。鈍重な鉄人28号と正太郎の未熟な操縦ではブラックオックスを倒せなかったが、MITの天才科学者 立花真美(蒼井優)による改良と正太郎の特訓によって、ついにブラックオックスを破る」というお話し。

 主人公の池松壮亮くんは、なかなかの天才子役である。これにかつてスクリーンを席巻した薬師丸ひろ子が母親を好演している。そして祖父の代から金田家と関わりを持つ綾部老人の中村嘉葎雄も、わりといい味を出している。

 しかし、演技陣に比べて、なんとも酷いシナリオであろうことか! 余りにも、行き当たりばったりで、シーンをただ羅列しただけなのだ。
 まず、主人公の性格や父親との関係が、『鉄甲機ミカヅキ』からのパクリ。次に、主人公の正太郎が鉄人を操縦する唯一の資格者である理由が、何の説得力もない。最後に、ラストシーンがTV版『ジャイアントロボ』のパクリ。核爆発を起こしそうになるプラックオックスを抱えて、勝手に鉄人が空高く飛び去るってあんた……。こうもバクリバクリと来ると、ちょっと辟易。

 折角、「父さんのロボット」に「天才美少女がパワーアップ」なんていう美味しい素材なんだから、もっと上手い事考えて欲しいよなぁ。そして、今の時代「乗り込まない」事が特長の鉄人なんだから、悠長にポカリ、ボカリと殴り合ってないで、超高速機動で動き回るような、人が乗っていないからこそ出来る戦闘をさせて欲しい者だ。何であんなに酷いコトになっちゃっているんだろう。愛が足りないのかなぁ。

◇デビルマン

山本弘のSF秘密基地に2004年か10月ぐらいの記事で『『デビルマン』は映画ファン必見だ!』というものがある。まずこれを読んでみて欲しい。次に、『デビルマン全編解説』というページをご覧あれ。
 これであなたは、もう映画『デビルマン』を観たくてたまらない筈。でも、観てもこれ以上のことはわかりません。

 噂に違わぬ棒読み。ストーリーではなくのただの名場面(とカンチガイ)の羅列。鉄人はまだ「ああして欲しかった。こうすればもっと面白いのに」といろいろと想像が膨らむのだが、デビルマンに関してはもう「やらないで欲しかった」としか言いようが無い。鉄人と比べて何ランクも上の手強さだ。

 ただ、良い画が無かった訳でもない。ジュノンボーイ出身のスリム体形の主人公なればこその、デビルマン(に変身しかけの肌の上に色々と突起や翼の痕跡が生えかかった形態)の猫背のポーズが、なんか、やたらとデビルマンくさい気がした。他にも何シーンかは、絵としては綺麗なシーンがあった。ストーリーのつなぎとしてどうかという事さえ考えなければ、なかなかのものである。

 ちなみに、那須博之監督は、この翌年、病死されている。この作品が遺作となったそうだ。

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コメント

せめて、あのデビルマンの声をなんとかしてほしかった(T_T)。

 余談;鉄甲機ミカヅキって、南伊豆でロケしたやつですよね? もしそうなら、うちの長女が、なぜかエキストラに応募して撮影に参加した作品です(^.^;)。でも、出演シーンは見事にカットされたらしい……(T_T)。

投稿: 羅門 | 2006/04/04 20:02

デビルマンは、友人といっしょに、敢えて映画館
で観ました。

感動しました。
文字通り「感情が動いた」という意味で。
どっち向きに動いたかは聞かないでください。

スタッフロール後に幕が降りてから退席するのが
礼儀と心得ている私が、スタッフロール半ばに
して映画館を出てしまった、唯一の映画でした。

やはりみんな感動に飢えているのか、近所の
レンタルビデオ屋では、デビルマンのDVDは
いつも貸し出し中です。

投稿: ドヴロク | 2006/04/04 23:12

羅門 さま

 戦闘中の脱力ボイスは、新型のデビルアロー(は超音波)なのかも知れません。なんせ、聞くものの心理に大きく作用しますから。

 ミカヅキ、実は僕はそう熱心には観てなくて、先日CSで3話ずつまとめて放映していたので、やっと観たのですが、もうちょっとてお嬢様のデビュー作だったんですね。ちょっち残念。

ドヴロク さま

 しばらく前にやっと『キャシャーン』も観ましたので、俗にいう2004年三大問題リメイク作を全部観た訳ですが、なんか、スゴい年でしたね。2004年って。
 ちなみに、翌年亡くなった那須監督も含め、この3作の監督達はその後、いわゆる「本編」を撮っておられないようです。

投稿: 神北恵太 | 2006/04/05 01:13

某所で「世界三大ガッカリ」のひとつ人魚姫について、ガッカリするという感覚を楽しむために行くのだと書きました。しかし、この3作品はそんな「お楽しみ」が期待できる映画なのかしら?

投稿: ふるき | 2006/04/05 15:05

ふるき さま

 実は、『鉄人28号』は、正太郎くんを中心にしてみれば、お姉さん監督に率いられてライバルチームを倒すリトルリーグもの作品(『ベアーズ』とか『レッドビッキーズ』とか)のライン上で語れなくはありません。
 『デビルマン』は、途中で登場するススムくんを主人公とした『ススムちゃん大ショック』の映画化で、ちょっとデビルマンテイストを振りかけてみただけと思えば、まあ、オマケのデーモンにまで力が入った、なんてゼータクな映画……という観方も・・・。
 (^_^;)

投稿: 神北恵太 | 2006/04/06 02:11

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