一年ほどは静かだぞ
奈良の騒音おばさんに、懲役1年の判決が降りた。
西日本新聞 の2006年4月21日の記事『「騒音おばさん」に実刑 「執拗、陰湿」と奈良地裁』にはこうある。
CDラジカセを大音量で鳴らし続け、隣家の女性を不眠や頭痛にさせたとする傷害罪などに問われ「騒音おばさん」として話題になった奈良県平群町の主婦河原美代子被告(59)に、奈良地裁(奥田哲也裁判長)は21日、「執拗(しつよう)かつ陰湿で付近住民に多大な迷惑を掛けた」として、懲役1年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。
しかし、この判決は正しいのだろうか?
たしかに、隣人が目眩でぶっ倒れるほどの騒音を、朝から晩まで流し続けたのは、直接的な傷害事件と見て良かろう。「音を流したことは傷害の実行行為とは言えない」とする弁護側の主張は実態にそぐわない、あまりにも空虚な、笑うしかない空論である。
別に、生活の中や生業家業の中で、どうしても発生する騒音ではない。嫌がらせ目的で、わざわざ大容量ラジカセで大音量を発生させていたのだ。
だから、傷害事件。被害者の隣人が1ヶ月の経過観察を必要とするほどの重度の目眩を発症したことは、殴りつけて全治一か月の怪我を負わせたのと同等。かつ、この騒音は日常的に、陰湿に継続していたのだから、まあ、1年という期間を長いと見るか短いと見るかはあるとして、懲役と言う判決は納得できる。
しかし、これって、ただの傷害事件だと考えていいのか?
一人の被害者に向かって執拗に長期間の攻撃を仕掛ける行為は、ストーカーそのものではないのか?
ストーカー防止法では、たしか以下の8種類の行為が反復して(2回以上)行われたときに、ストーカー行為として処罰の対象としている筈だ。
- つきまとい・待ち伏せ・押しかけ等(自宅・学校・職場など)
- 監視していると告げる行為
- 面会・交際の要求
- 乱暴な言動(生命・身体・自由・名誉・財産に危害を加える言動が必要)
- 無言電話、連続した電話・FAX
- 汚物・動物の死体などの送付
- 名誉を傷つける文書の送付
- 性的しゅう恥心を侵害させる物品の送付
今回の奈良の事件、被害者宅に本人は押し掛けてはいないが、街宣車もかくやという勢いとボリュームで、実際に家の中にいる被害者に身体的障害が出るまで毎日続けた大音量攻撃を仕掛けていた。これは充分に1や4に抵触するストーカー行為だと思う。
であれば、出所後、「被害者の周囲2キロ以内に立ち入らない」等の、ストーカーに対して執られる措置をプラスしなくては、過去の犯罪に対する刑罰にはなっても、今後の再発防止や被害者の保護になっていない気がする。
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コメント
「こんなオバさんが近所に居たら大変だ」とはよく聞くけど私は「こんなオバさんが近所に隣あって
2人いたらどうなるんだろ~」と思いました
核融合というか、対消滅というか、ぶっちゃけ殺人になるんだろ~、とかとか・・・・・
とにかく凄い事になるんだろうなぁ~ (笑)
実際、こんなオバさんが2人、お隣ご近所で一緒に住んでる所があったら見てみたいですよ (^_^;
投稿: 牛丼仮面 | 2006/04/21 12:55
>牛丼仮面 さん
傍から見るだけなら笑い話ですね。確かに、見てみたい気はします。
投稿: やしお | 2006/04/21 13:10
牛丼仮面 さま
やしお さま
僕は、遠くにひとり居るだけでも、充分に嫌です。(^_^;)
投稿: 神北恵太 | 2006/04/21 13:24
ところが、一年ではないようです
同じ、西日本新聞の記事ですが
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20060421/20060421_041.shtml
>河原被告は昨年4月に逮捕され、判決が未決拘置の250日を刑に算入することを認めたため、確定した場合、刑期満了は約4カ月後となる。
刑期というのは本人が反省しないと意味がないと思うんですけどねえ
投稿: モりやま | 2006/04/21 13:25
モリやま さま
というより、控訴したらしいですよ、騒音おばはん。このまま高裁→最高裁と戦い続ける気かもしりません。
投稿: 神北恵太 | 2006/04/21 17:12