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2006/04/14

どうしようもないぞ

 今日の読売夕刊を見て唖然。あわててGoogleニュースからいろいろ見てみる。産經新聞の2006年4月14日の記事『どうする?アイフル 全店業務停止』のタイトルに笑うしかなかった。

 金融庁が、取り立ての強引さを理由に貸金業の営業をストップするのは、営業店舗単位(違反店舗そのものを対象とする場合)ではまあ、ある事らしい。が、問題発生店の20〜25日間営業停止は当然として、他の全国の店舗(約1900店らしい)も一斉に3日間営業停止と言うのは、前例がSFCG(旧商工ファンド)という事業者向けの会社だったので、消費者金融では、初めての事らしい。

 なんとか、貸金業と言うものとはご縁を持たずにこの歳まで生きて来られたが、そのことがよほどの僥倖に見えて来る程、最近の貸金業の出店ラッシュはスゴい。
 23区内の、ちょっと大きな繁華街を持つ駅では、たいてい駅前に、ペンシルビル丸々、1階から最上階まで、6つも7つも、すべて各貸金業者の店舗が並んでいるなんて言う建物がある。看板を見ると、テレビのコマーシャルで名前を見る企業が上から下までひしめいている。

 1984年に就職で上京した時に、東京、特に山手線沿線の駅前には『本田ちよ』という名前の会社の看板が多いことに驚いた。というか、消費者金融業者が、可愛らしいキャラを作ってチェーン店展開をするなんて、ちょっとした驚きだったのだ。ところが22年経ってみるとどうだ。『本田ちよ』も残っているようだが、レイクだアコムだ武富士だ、三和ファイナンスだディックだプロミスだと、よく聞く名前だけでもかなりの数に及ぶ。消費者金融会社一覧というページがあるので、一度ご覧になっていただきたい。知らない社名の方が少ないのではなかろうか。

 しかし、会社数と店舗数両方の数が増え、見映えがカジュアルになり、無人機店舗など借り易くする工夫がなされては来たが、消費者金融というか、金融業と言うもの自体が、「高利貸し」商売である事は、変わっていない。

 金を借りて、利子を上乗せして返す。そういうシステムの上に成り立っている以上、返す当ての立たないほど金を使ってしまえば、焦げ付くのは必定。だが、必定だから仕方ないと言う事を言っていたら、金融業者は成り立たない。銀行などは、不動産などの担保を取り、ガッチリ借り手の首根っこを押さえ込むが、消費者金融ではそうも行かず、やはり、顧客から返させるしかない。

 だが、銀行などとは比べ物にならないほど返金能力の査定がいい加減な消費者金融では、能力以上に借りている客は結局借金を返せない。それを何とかするため、強硬な手段を取る会社が増え、こういう一斉営業停止なんて事件に繋がるわけだ。

 ま、どうしても瞬間的に金が居る事は、誰にでも起こりうるのかも知れないが、その時に、「借りる」以外に、「諦める」という選択肢があることを忘れないで生きて行きたい。

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コメント

ヤフーファイナンスの掲示板には、アイフルの株主の罵声として、

『くーちゃんは保健所行きだ~!!』ってのがありました(^_^;)。八つ当たりで保健所行きになる、くーちゃんの運命はいかに! こう、来週!!

投稿: 羅門 | 2006/04/14 20:14

もう10年くらい前だけど首都高速3号線を走ると右も左も「ワールド」という名前のサラ金の看板に埋め尽くされてましたよね
真っ赤な看板が見渡す限り首都高速3号線両側のビルの屋上に立ってた
ええ、それはも~ 趣味が悪かったですよ (笑)

その後、そのサラ金は紳士服のワールドから告訴されて社名を変更しました
今ではエンドウ豆みたいなキャラクターを使って三和ファイナンスになつたような

しかしサラ金て何故あんなに流行るのかなぁ?
私も幸いまだ一度もお世話になった事はありません (^_^;

投稿: 牛丼仮面 | 2006/04/14 20:43

羅門 さま

 よりによって、株式投資をしようなんて人が、「くーちゃんを見てアイフルって良い企業だと思ってた」とか、「テレビでCMしている善良な会社だと信じてた」なんてウブなネンネじゃあるまいし、恥ずかしくて言い出しは出来まいと思うんですがね。
 くーちゃんより、高利貸しに投資したオノレ等の脳味噌の方が、保健所のお世話になるべきじゃいっ! と思います。

牛丼仮面 さま

 クレジットカードの返却法に「リボルビング」というものがあるのを御存知でしょうか? 毎月の支払額に上限を付け、それ以上の分は自動的に先送りする仕組みです。貸す方の言う事にゃ「返済額が一定以上になって家計を苦しめる事がないようにする家計に優しいローン」と言う方式です。
 じつは、このリボルビング・ローンが法制的にOKになったころ、銀行系のプログラム屋として銀行員さんの社内プログラマさんと肩を並べて仕事してました。で、話に出たのが、「このリボルビング・ローンって、開発するのは別に良いけど、単に借金の返済を自動的に後延ばしにして、利子を嵩ませるばかり、トータルで損するだけだよね。こんなのワザワザ使う馬鹿いねーって。ほとんど利用されない、開発損のシステムなんじゃないの?」という会話です。
 そしたら、15年もしないうちに、「毎月の負担を分散出来るから」って言う理由でリボルビング大好きと言う人が、かなり増えたんだよね。
 なんじゃこりゃ、日本人はどんどんバカになっちょるのか? 鎮西の乙事主さまの眷属と同じか? ……と思いますですよ。ハイ。

投稿: 神北恵太 | 2006/04/14 22:01

 私も消費者金融を利用したことはありませんが、あれはあれで社会的に必要なものなのだろうと思っています。
 たとえば、ゴールデンウィークなんかのとき、銀行は非常に役に立たない(それにサービスも悪い)。それ以外でも、ちゃんと資産も預金もあるのにそれを現金化できず、比較的にわずかな額なのに手持ちのお金で足りず、クレジットカードですませることができないなんてことがあります。
 気に入らないのは、相変わらず貸し渋りを続け手形も割ろうとしない銀行が、そういう消費者金融に投資していることです。天下の都銀が高利貸しで金儲けしようというのは、あまりに情けないのではなかろうか。

投稿: 東部戦線 | 2006/04/14 22:14

ATM型貸付機の設置は窓口の人員を取立てに廻しているようです。裏側で掛けている電話の内容怖いです。
「利子だけ入れろ、返すな!」

借りる人には「借金」という感覚はないようです。
お金が出てくる機械。某所で「こんどXXに行くけど、お店ある?」「ありますよ!」なんて会話も。

リボルビングは永遠に借金が減らない仕組みです。

投稿: かけません | 2006/04/14 22:14

その昔「月賦屋」という言葉がありました。ある賞品を販売し、毎月定額を回収する業者です。今で言う「クレジット○会払い」です。これはまっとうと思います。
消費者金融の利用は駅前で貰えるティッシュがいいです。

投稿: やしお | 2006/04/14 22:30

リボルビング(回転信用)は、本来、小切手決済
文化の制度でして、その文化でいきるもの
 日本は、現金決済以上に口座決済文化の国でし
て、国民のほとんどが自動口座引落という特異な
制度を受け入れてる。とかいうと、そのジョーク
つまんない。とかいわれるんだよな。
 まあ、日本でリボルビングと分割払いの違いを
まともに説明できる奴は少ない。

 いやさ、クレジットカードが自動口座引落で
電気、水道、ガスも自動口座引落とか言うと
狂ってると言われるんだよな。

投稿: 時習 | 2006/04/15 03:00

東部戦線 さま

 銀行→クレジットカード→そのキャッシング→友達に泣きつく→消費者金融
……という流れだと思うなぁ。ま、確かに選択肢はないよりある方が良いと言うのが理論的なんですが、「あると使いたくなる」人もいるので……。

やしお さま

 「月賦屋」「割賦屋」っていう名前、最近は聞きませんよねぇ。でも、まあローンとかクレジットカードとかになっていると言う事は判ります。
 問題は、この月賦屋と銀行が作り上げた、少々纏まった買い物のため自分の信用(往々にして勤めている会社の信用だったりもするが)をカタに低金利でお金を借りる「住宅ローン」や「自動車ローン」で定着した「ローン」という言葉のイメージを使った「消費者ローン」が、イメージとは真逆のかなりの高利であるという点だと思います。
 消費者金融の唯一の利用法を、ポケットティッシュをもらう事とするのは、私も賛成です。

時習 さま

 二十世紀後半の日本が、第二次世界大戦以降の世界で一番成功した社会主義国家であった事を理解出来ない人が多いのと同じですね。
 リボルビングの繰り越しを「別の借金をして前の分の返済に充てるようなもの」と考えれば、リボルビングと言う仕組みが借金を無限大に拡大する「ダメ自転車操業」にでしかないと、本質は透けて見えると思うんですかね。
 「毎月が苦しくならない」と「全体額が増える」を天秤にかけて、前者が優先と言うのは、あまりにも刹那的に過ぎると思う次第です。

投稿: 神北恵太 | 2006/04/15 07:29

あ、コメント飛ばしてしまいました、済みません。

かけません さま

 そう、利子を毎月払い続けて、元本を借りたままにしてくれる顧客が、一番有難いですわなぁ。でも、こんな利敵指導にすっかり乗っちゃう顧客の側も「今月は支払いが安く済んで良かった」とかいう感覚だったりする脳味噌に蛆のわいたような輩が、少なからず居るってことなんでしょうなぁ。

投稿: 神北恵太 | 2006/04/15 07:38

そうですね。主要駅前のビルのテナントはこうした消費者金融、エステ、美容外科など付加価値を売る商売と大手居酒屋チェーンが目に付きますね。

ところが、新宿駅南口には同じようにそういう店舗の他、自動車教習所の合宿免許取得の会社がありました。

薄利多売の合宿免許募集に駅前?

よくみたらMKタクシーが運営する教習所。

現金、日銭商売はいつの時代も強し!

投稿: アーガマ | 2006/04/15 11:37

アーガマ さま

 タクシー会社直営の合宿免許ですか。
 そのまま3年経ったら再講習で第二種免許を取らせて、就職率100パーセント保証で、自社タクシードライバーとして雇うとか?
 多くのアニメ専門学校より、余程親切かも。

投稿: 神北恵太 | 2006/04/15 12:35

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