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2006/07/30

人権って何だっけ何だっけ?…だぞ

 GiGAZINEの2006年7月28日の記事『51才の男性にレイプされた16才の少女が死刑』というイランのニュースに憤る。

 イスラム圏等、男尊女卑の法律が残る国からのニュースではたまにあるのだが、
既婚男性が少女を強姦しても、「強姦、犯罪である」と証明出来ない限り姦通罪となり、男の方は鞭打ち刑程度だが、女の方は死刑となってしまう。
 たとえばイスラム権においては、これが古いイスラム法に則する遵法判決なのだ。

 追い討ちをかけるように、同年代の少年と抱き合って過去に鞭打ち100回の罪を受けたことがあるという「犯歴」を根拠に、「彼女こそ不道徳の原因」とする訴えも出され、只でさえ男女の発言力が格段に違うイランの法廷に於いて彼女に非が無いという事を証明出来ず、苦境に追い込まれたらしい。
 怒りに我を忘れた少女は、法廷で叫び、最後にはベールもかなぐり捨てたらしい。しかし、それが裁判官の心証を極めて悪くし、即刻死刑判決。翌朝絞首刑に処せられた。

 もちろん、イランと云えどもいろいろな国際法を批准しており、たとえば子供(未成年)の人権は保護されている。18歳未満はイスラム法を適用しない事になっているのだ。16歳のこの少女は充分にこの保護の対象だった筈だ。
 だが、裁判官は、彼女の見た目から22歳と判断し、家族にも通知せずに刑の執行まで行なってしまった。
 ちなみに、少女を強姦したらしい51歳男性は、鞭打ち95回の刑だったらしい。

 これに怒りを憶えずにどうしようと云うニュースだ。

 男女観・価値観の違うレベルは、人の生き死にと較べれば小さいのかもしれないが、ほぼ同質というか、同根の封建的精神風土が生んだ事件が日本で起こった。奇しくも上のニュースの翌日、2006年7月29日に朝日新聞『「眉毛をそってるから」負け 鹿児島の中学総体』という記事が載った。

 鹿児島県中学校総合体育大会バドミントン競技女子団体戦の準々決勝で、眉毛をそっていたことを理由に、試合に勝った生徒を負けたことにしていたことが28日、わかった。その結果、団体戦の勝敗も覆ったという。教育関係者からは「スポーツと生活指導を一緒にしている」と疑問の声があがっている。

 同県中学校体育連盟によると、25日に開かれた大会の女子団体戦準々決勝で、鹿児島市内の伊敷台中と伊敷中が対戦した。

 団体戦はダブルス、シングルス、ダブルスの計3回対戦し、先に2勝した方が勝ち進む。伊敷中が2—0で勝ったが、試合後、伊敷台中の選手が「眉毛をそっている生徒がいる」と県中体連側に訴えたという。

 県中体連は大会前に、髪を染めたり、眉をそったりするなど「周りに不快感を与える服装」をした場合は、出場を認めない場合もあると、各校に知らせていた。

 生徒指導を担当する「専門部」が協議し、眉をそっていた最初のダブルス戦の選手を「負け」とし、1—1としたうえで、3試合目をさせることにしたという。その結果、伊敷台中が勝ち、準決勝に進んだ。

 県中体連の吉ケ島隆良会長(59)は「眉をそった生徒には、守るべきものがあるということを確認してほしかった。本人も認めており、人権侵害ではない」と話した。

 この吉ケ島隆良会長という来年還暦の爺さんは、何をどう考えたら、ここまでの事が言えるのだろうか?

 少なくとも、「「周りに不快感を与える服装」をした場合は、出場を認めない場合もある」というなら、この少女を失格にするのは試合開始前にする事ではないのか? 既に出場させてしまった役員を怒ったというのならば理解も出来ようが、決した勝負を覆すというのはいかがなものか?
 不正に試合を左右するようなドーピング検査であるまいし、試合後に負けた側の生徒が言うまで気がつかない程度の事を理由に、試合結果を覆す必要があったのだろうか? 
 県中体連の役員達が事前に気がつかなかったことこそが、「不快ではなかった」ことの査証であろう。唯一負けた相手だけが不快に感じたのは(まあ、たしかに一番良くその少女を見たためかもしれないが、)負けた事が不快だったからなのではないのか?

 服装が乱れていようが、髪型が変であろうが、眉が無かろうが、スポーツは、強いものが強い。上手い物が勝つ。それ以外の軸でスポーツを語るのは、どうしても歪みを生じる。
 ましてや、道徳や生活指導の道具として試合結果の点数を加減するというのは、何であろうか!?

 既に、フェア・プレイと程遠いところにある役員達に、試合成績を歪められる中学生達が哀れである。

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コメント

爺さんです(江戸のカタキは・・・・)

ところで、高校生を相手にして実のことを言えば随分勉強になるし、楽しい。

半年間の「ロボサッカーを作ろう」授業も夏休みを挟んで、9月に決勝戦をやって終了というこの時期に、学校の先生方も授業はないからということで呑み会をやりました。

そこで「最終回が終わったら表彰状を出そう」(参加賞かな)ということなって、さらに「賞品を出しても(20人未満だから)大したことない、NPOで出せる」となりました。

そこでちょっと前から考えていた「講師が自腹で賞品を出すのはどうか?」と提案したわけですよ。

講師(わたしを入れて4人ぐらいですが)「それでいこう」ですよ。
ま、半額を講師、半額をNPOといった当たりに落ち着かせるのが妥当だと思いますが、その心は「講師としては、よくやった感謝」ですよ。

それなりに学校のルールじゃないことをやらせたわけで、それに応じる高校生がいると言うことは頼もしい。


表記の「バカ役員」自分自身がは教育コンプレックスの一種じゃないのか?
先生になりたかったけど、なれなかったとか。

「社会は厳しいんだよ」ということを表したいために罰してみる、というのは教員以外がやる事じゃないぞ。

そりゃ、事業に中に騒いでいる生徒とかいるよ、でもねそりゃ講師側の話しに引きつける魅力がないこと証明なワケですよ。

こっちは仕事じゃないから、短期間集中して生徒を引きつけることが出来る(場合もある)が、プロの先生は仕事として連続してやるのだから、それはそれですごいことだと思う。

日本の教育がある種の危機状況であることは、間違えないとは思うけどちょっと教育の現場に入ってみると、仕組みとしてはとても良くできていて「学校なんていらない」なんて乱暴なことはとても出来ないことが分かる。

社会が若者を教えることを避けた、といったことが一番の問題かもしれない。
SF大会で若者を集めてしごいておくれ。

投稿: 酔うぞ | 2006/07/30 12:50

酔うぞ さま

> 社会は厳しいんだよ」ということを表したいために罰してみる、というのは教員以外がやる事じゃないぞ。

 ……というのも変な話です。教員でも、やる事ではないと思います。

投稿: 神北恵太 | 2006/07/30 16:39

いや実は、社会人講師をやっている仲間でも下手するとバカ役員みたいになる可能性がなきにしもあらずなので自戒の意味も含めています。

学校とか生徒というのは、今みたいに企業が小粒になった(合理化したとも言う)時代には、最大の人の集団だと思う。

忘れがちであるが「人だから何をするか分からない」というのは生徒にも教師にも父兄にもあるわけだ。

先日も親が「自分がでて時代に比べて母校が真面目になったので退学させる」と生徒を退学させた例がありました。
これなんか予想不可能ですわ。

予想可能なのは「時代が違う」ですな。こんなの10回ぐらい学校に行ってみれば、解ることだけど1回や2回じゃ分からない。

なにしろ、この前話した生徒に「何年生まれだ?」と聞いたら「90年と91年です」ときたよ。
チャットなんかやってたねぇ(^_^)v

投稿: 酔うぞ | 2006/07/30 21:02

酔うぞ さま

 ううむ。「自分がでた時代に比べて母校が真面目になったので退学させる」はすごいですね~。
 で、親に言われてホントに辞めてゆく子供も子供だ……。

 91年生まれには、親がニフティで知り合ったなんてケースもあるんだろうね~。恐い怖い。
 (^~^;)…。

投稿: 神北恵太 | 2006/07/31 02:13

まあ前回書いたのとほぼ同じ感想なわけですが、
もう一つ気になるのが、このニュースGIGAZINEさん以外で見かけないなあ、ということ。
いや真偽を疑うわけでなく、伝えられてないなら何故、と。
もちろん私のアンテナが鈍感なせいである可能性が大ですが。

投稿: 成田ひつじ | 2006/07/31 23:20

成田ひつじ さま

 元がBBCの穴埋め記事なんで、あんまり注目されなかったって事なんじゃないですかねぇ。
 それ自身釣り記事ってことも、もちろん考えられますが、掲載場所が一応BBC NEWSの中なので、悪意のある捏造ではないと思いますよ。

投稿: 神北恵太 | 2006/08/01 00:30

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