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2006/08/04

毎日、電話が来るぞ

 小説家の大迫純一さんが、『あやかし通信『怪』』(元の『あやかし通信』は1991年発行の本。その加筆改訂版。角川春樹事務所ハルキ文庫 2002年6月18日発行 ISBN4-89456-969-8 C0193 ¥680E)に書いておられるのだが、手紙は明らかに「相手が書いた」そのものがやってくるが、電話と言うものは、相手の声が電気信号になって再び音声に戻されて聞こえてくる、つまり声のコピーが届くもの。実体でなく、限りなく実体に近いモノが届くのが電話だと言う。

 これは実録怪談のマクラになる部分の文章だから、当然このまま「ホントに電話をくれた相手は、こちらが想定した人物なのか?」という怪談に繋がって行く訳だが、それはそれとして、「電話の本質」をよく衝いた言葉だ。

 話す相手は誰なんだろう?

 ほんの20年程前に、パソコン通信で文字でコミニュケーションを取るようになる前の電話は、人間社会に於いて、リアルタイムなコミュニケートで、しかも、距離を置くため本人確認が微妙にブラインドされると言う、ほぼ唯一のメディアだった。
 もちろん、パソコン通信時代を経て、インターネット全盛の現在に至り、音声だけでなく目で見る映像も自由に使える、並行して文字情報のやり取りも出来る、距離に左右されないコミニュケーション手段は、今では幾つもある。
 しかし、電話というツールは、アナログからデジタルへと徐々に変質しつつも、「ダイヤルを回す(ボタンを押す…でもいい、つまり、数字を並べるだけで相手を特定出来ると言う事…)と相手に繋がる」という基本的な機能は、既に非常にシンプルにして揺るがないものとして確立した技術だ。

 だから電話は、本質としての仕組みはそのままに、その上を流れる情報やサービスが新しくなるという方向に、今、進化を続けている。で、その進化に画期的な一歩を標すサービスが始まる。

 これである。

 妹orメイドから、毎日毎日電話で3分間のモーニングコールが届いて1ヶ月8,800円。

 い、いやぁ、それって……。

 \(◎o◎;)/ ヨモスエ〜
       \(◎o◎;)/ ヨモスエ〜
             \(◎o◎;)/ ヨモスエ〜

 そのために声優さん(といっても、別に野沢雅子さんが、「オッス、オラ悟空子。お兄ちゃん、もう、お目覚めしたか? お兄ちゃんの声が聞けると思うと、オラもうワクワクするぜぇ……」と言ってくださる訳ではない。きっと大半がまだデビューしたての声優さんか、卵も卵、声優学校とかの生徒のアルバイトなんじゃないかな?)を雇って、生声で電話させるサービス。言ってしまえば、3分間のシチュエーションプレイを1ヶ月8,800円で楽しめるってワケ。まぁ、週1回コールなら1,500円で済むんだから、「実際に人を使っているサービス」としては、考えように拠ってはリーズナブルなのかも?

 芝居を本気でやりたい声優さんにとっては、1本3分の真剣勝負で、顧客の設定を飲み込んで芝居をする「相手の呼吸に合わせる」練習にも、相手をこちらの間合いに引き込む「芝居をリードする」練習にもなるから、悪い事ではないが、朝からこういう電話の仕事していると、一日疲れ切って、ちゃんとした俳優の練習が出来なくなっちゃわないかなぁ。特に粘着質な客とかにネチっとやられたら、精神的にキツそう。ま、芝居やろうと思ったら、肉体的にも精神的にもタフでないとやって行けないから、笑っていなせないと、どちらにせよ駄目なんだろうが……。

 以下、サイトのQ&Aより抜粋。

Q 私、女なんですけど・・・

A おねぇちゃんも大丈夫だよ。

Q 電話は自分専用ではなく家族と兼用なんだけど・・・

A お電話はできるけど、電話が繋がってだれかが出た時点で、おにぃちゃんだと思って話しかけちゃうの。
 電話に出てくれた人に、「おにぃちゃんに代わってください」って、取り次ぎをお願いすることはできないんだ・・・。ごめんね、おにぃちゃん。

Q 話中の場合はどうなるの?

A もう一度お電話するよ。それでもお話中だったら、その日のお電話は終わりなの。
 あたしともお話して欲しかったのになぁ〜、おにぃちゃん・・・

Q 留守番電話になっている場合はどうなるの?

A もう一度お電話するよ。それでも留守電だったら、その日のお電話は終わりなの。
 あ、でもね、でもね。おにぃちゃんがいいって言うなら留守電に伝言を残しておくよ!

 意外と時間に厳しい、シビアな妹。(^_^;)
 ちなにみに、「コール回数は10回まで」だそうな。まあ、商売的に言えば、ひとりの「妹(キャスト)」が何人の「おにいちゃん(ゲスト……ていうか顧客だな)」を単位時間内でさばくかで歩留まりが決まるんだから、当然かな。

 それにしても、「今まで人手を掛けないと出来なかったサービスを、ネットの向こう側の有り余るコンピューターバワーを利用して、画期的にリーズナブルに」というWEB2.0とかの、昨今のネットビジネスの風潮に、真っ向から反対する、人的資源集約サービス。どこまで行けるのやら……。

 朝、自力で起きるのは苦手だが、電話の音にはわりと敏感に反応すると言う朝寝坊さん。だれか、使ってみませんか? で、どんなものか、(君の脳内妄想は抜きにして、事実だけを簡潔に)教えてくれ。

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コメント

んー。プロフィールがなー。
妹もメイドさんも、ああなるほどツンデレはいるしいいんちょたいぷもいるけども、どれもこれもなんかちゅーとはんぱで、うおおこの娘がええ、という子がおらん。
あんまり作りこみすぎると、電話かけるオンナノコが大変だからかちら。

投稿: 錆猫★ | 2006/08/05 09:04

錆猫★ さま

 これは、電話担当の声優さんの技能にも拠るんでしょうが、「妹とお兄ちゃん」「メイドとご主人様」の関係性で、人によって細かく設定が加わって行くための余地なんじゃないですかね。

投稿: 神北恵太 | 2006/08/05 09:59

少佐に起こしてホスイ^^;。

「ね、眠い・・・」
「あらそう?なら氏になさい!」

・・・二度と起きずに済みそうです。

投稿: 成田ひつじ | 2006/08/06 10:31

成田ひつじ さま

 うーむ。少佐から……。3コール以内に飛び起きて意識をハッキリさせて受け答えしないと、てーへんなことになりそうな。

投稿: 神北恵太 | 2006/08/06 13:42

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